基金事業の実態
【7月12日の出来事】
本日の宅建講義内容は「賃貸借(民法)」「借家契約(借地借家法)」「抵当権(民法)」「根抵当権(民法)」でした。
その中で、次のような質問がありました。
(根抵当権の)確定期日ってどういう意味ですか?
確定期日を理解するためには、抵当権と根抵当権の違いから理解する必要があります。
一般的に「抵当」とは、借金の担保として不動産などに設定する権利です。
貸した金が戻ってこないなと思ったら、抵当を設定した不動産を売り払ったお金で回収するというシクミです。
抵当権には「付従性」という性質があります。
これは「借金あってこそ抵当権あり」というルールで、元々の借金を全額返済して借金がこの世から消滅すれば、抵当権も自動的に消滅するというものです。
だから登記簿に「抵当権」が記載されていても、借金そのものが完済してあれば効力はありません。
さて、住宅ローンのような「一発勝負」の借金を担保するためならば、この抵当権でOKなのですが、事業の運転資金や売掛金を担保するときには厄介です。
返済や支払いが完了してこれらの債権が消滅するたびに抵当権は消滅し、また債権が発生するたびに抵当権を設定する。
毎月決済の売掛金なんか、毎月法務局に「抵当権設定登記申請」と「抵当権抹消登記申請」に出向かなければなりません。
時間も手間もかかり、登録免許税の収入印紙代もバカになりません。
そこで登場するのが「根抵当権」です。
「極度額」という限界ラインまでの債権を担保し、しかも途中で債権が消滅しても根抵当権は消滅しないというシクミです。
根抵当権をお風呂のバスタブ、債権をお風呂のお湯と考えればイメージしやすいかもしれません。
資金調達や売掛金の発生は蛇口をひねってお湯を足すようなもので、返済や支払いは底の栓を抜いてお湯を出すようなものです。
バスタブのお湯(債権)が空っぽになっても、バスタブ(根抵当権)そのものは消えてなくなりません。
バスタブの縁までの量が「極度額」ということになります。
バスタブのお湯は常に増えたり減ったりします。
しかし、いつかは「回収する債権はいくらか」をはっきりさせないといけません。
バスタブに栓をして、蛇口を締めて、バスタブの中のお湯の量をきちんと測るタイミング、これが「確定期日」です。
確定期日を過ぎると、もう蛇口からお湯(債権)は出てきません。
でも、ほったらかし(返済しない)でいると、天井からポタッポタッとしずくが落ちてきます。
これを「遅延利息」とか「延滞損害金」などといいます。
こうしてバスタブにたまっていくしずくも、返さないといけないお金に含まれます。
極度額までの範囲であれば、しずく込みのお湯が「返さないといけないお金」になります。
以上の説明を聞いた受講者が言いました。
ああ!
わかりました!
なんとなく・・・
たぶん・・・