基金事業の実態
【8月9日の出来事】
8月9日に基金訓練の講師をしてきました。
そのときふとした雑談で受講生の1人が触れた話題は先日テレビの報道番組で特集をしていた「司法修習生の生活支援金を貸付方式に変更」というものでした。
その受講生いわく
「弁護士なんか金持ちの味方しかせん! そんな弁護士に税金で給料払うのはおかしい!」
かなりご立腹の様子。
そうはおっしゃいますけど、基金訓練の受講生であるあなたが受け取る生活支援金の出どころも税金みたいなもんですよ。
司法修習も基金訓練も修行期間であることに大差はないと思いますが、個人的に圧倒的な違いがあると考えています。
それは、「受講生のモチベーション」です。
司法修習生は法科大学院の通学でかなりの先行投資をしています。
もちろん「正義のために働く」という精神的支柱もあるでしょうが、現実的には「授業料の元を取ろう」という経済的意欲が強いはず。
そのためには判事なり検事なり公務員となるか弁護士となるかいずれにしろ職を得ようと本気で勉強しています。
ひるがえって私の受け持ちクラスはというと・・・
生活支援金の受給要件さえ満たせばという意識の受講生もいて、全部受講しないと資格試験合格はおぼつかないはずなのに、平気で遅刻したり早退したり・・・
先日新聞記事で「雇用調整助成金事業は廃止、縮小の方向、基金訓練は継続の方向」と報道されました。
別の記事では「基金訓練の訓練機関に対して就職の実効性を高めるよう指導や報告を強化の方向」とも伝えられました。
現場の意見としては、どの機関も就職に結びつくようなカリキュラムを提供しているけど、ほんとに就職できるかどうかは結局本人のやる気次第なんですけど。
訓練を受けない本人の責任は別にしていきなり訓練機関に
「こら!就職率が低い!」
なんて言われても・・・
前にも主張しましたが、受給要件のハードルを上げないとモラルハザードが続くように思います。