sorry,Japanese only
平成18年8月31日

第100号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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100号 目次
秋の気配に
自閉症支援者養成セミナー
「富岡 康一先生 講演会」 報告
「自閉症を正しく理解すること
〜自閉症の支援で最も大切なこと〜」
ゲーリー・メジボフ先生 講演会 参加報告
吉備国際大学招待行事
「しょくよクッキーのあき 高梁でウォークッキング」案内
支援者養成講座 案内
キッズルーム・サッカークラブ・水泳教室 お知らせ
私のお薦め本コーナー
「高機能自閉症者の認知能力の諸相」
近隣の講演会等のご案内
掲示板・事務局だより
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吹く風にも秋の気配が感じられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
夏の暑さに文句を言っていたわりには、秋の気配にちょっぴり寂しいのはどうしてでしょう。自分でも心の動きに不思議を感じます。
でも、そこは「秋の空と女心は何とやら・・・」気持ち切り替えて、秋を楽しみたいと思います。何と言っても過ごしやすい季節です。食欲の秋、読書の秋
・・・しっかり食べ、しっかり学びたいと思います。
さて、この会報は、記念すべき100号となります。
100号と言っても、通過点であり、特別なことはなにもないのですが、折角ですからこの機会に、チョット昔を振り返って見ましょうか。
平成9年の9月に、自閉症児を持つ5人の母親から始まったこの会は、仲間が欲しいという切実な思いから生まれました。
初めのころの育てる会(当時は「自閉症児を持つ母親の会」と言いました)は、月に一度の例会を行うのがやっとという状態でした。けれど、一つ一つの行事は、母親が必要と思えるものばかりでした。集まって座談会や自閉症の勉強会、料理教室や山登りもしました。プールを借りて水遊びの会もやりました。自分たちが呼びたい講師の先生を招いての講演会も行いました。
事務局は我が家を使い、電話も我が家の電話番号。会報を出す時は、お父さんに会社の休み時間に印刷してもらい、家に持って帰ってまだ小学生と中学生の我が家の子ども達に手伝ってもらって、発送するというような状態でした。
「自閉症のしおり」を初めて作った頃は、お母さんたちに我が家に集まってもらい、ワイワイ言いながら、ホントみんなの手作りで送り出しました。
みなさん、家に帰れば大変な子育てに真っ最中でしたが、自閉症の理解につながり、他のお母さんの助け
になれば・・・と手弁当で時間の合間をぬって駆けつけてくれました。
バックもお金もないけれど、こころざしだけは高く、「必要なものは自分たちの手で作っていこう!」と意気軒昂でした。
その頃から9年、当時小学生だった我が子ももう社会人になりました。
自閉症児を育てる会の設立の際、お祝いに来ていただいた自閉症協会岡山県支部の元支部長の今田さんから「自閉症“児”への支援は分かるけど、自閉症“者”は?」という意味の質問をされたことを覚えています。
確かに、そろそろ成人期への支援を考えなければいけない時期にきているのかもしれません。
でも、本当に仲間を必要とし、共に行える活動や支援を必要としているのは、今も昔も告知を受けたばかりの幼年期から学齢期の子ども達やお母さんたちではないでしょうか。
成人への具体的支援は、もう少し会に余力ができたら考えたいと思っています。
そんなわけで、当時一緒に活動してきたお母さん方の中にも、子ども達が大きくなるにつれ会を抜けられる方もでてきましたが、新しく入られる若いお母さん方も多く、今も会はその名の通り「自閉症“児”を育てる会」となっています。お母さんたちの元気も、発足当初から変わっていません。かえってますます元気になっているかも・・・。
さて、現在の育てる会は、事務局は太陽の家の2階全室を借り受け、事務員、児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐんのスタッフを含めると、職員3名,、臨時職員2名の大所帯(当時と比べれば・・・ですが)となりました。
水泳教室やサッカー教室、AAO活動にキッズルーム、講演会は、年間5回となり、支援者養成講座や電話相談なども行うなど、その活動も次第に拡大してきました。それだけ、岡山県下に仲間を必要とするお母さんたちが多かったのでしょう。
また、昨年4月からは、自閉症児のための一貫した療育を求められるお母さん方の声になんとか応えようと、児童デイサービスセンター「赤磐ぐんぐん」も始まりました。おかげで私も、現在、事務局のお仕事のほかに、ぐんぐんでの療育のお手伝いや、電話相談の相談員も行うという大忙しの毎日を過ごしております。
それでも発足当時と変わらないもの、それはやはり「ないものは、待っていても始まらない。自分たちの力で生み出そう!!」その思いです。その思いだけでここまでやってこられたのだと思います。
電話相談では、小さいお子さんをお持ちのお母さんが相談してこられます。「自閉症かもしれないのです」と涙ながらに話されるそのお母さんは、16年前の私です。どう育てていけばいいのか、途方にくれるばかりの私でした。どこに相談すればいいのか、誰に聞けば教えてもらえるのか、孤独で悔しくって、情けなくって、行き場もない思いでただ毎日を暮らしました。
そんな人の為の愚痴の吐き出しどころ、思いを判ってあげられるのは、同じ思いを経験した私たちだからこそ出来ること。そんな思いの電話相談を、続けてきて今年で5年です。
そしてそんな電話の中から聞こえる切実な訴えや、会員になられたお母さん方からの要望に応えたいと生まれたのが、今ある児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐんでした。
私たちでも出来ることを、見つけられることは、喜びでした。
さて、思い出話はこれぐらいにして、その赤磐ぐんぐんに、いえ、赤磐ぐんぐんだけにとどまらず、児童デイサービス全体に暗雲がかかりはじめたという話をしなければなりません。
赤磐ぐんぐんには、多くのお子さんが、大して宣伝もしていないのに、集まってくださいました。子どもさんの身になって、お母さんの思いに寄り添って、そしてその子に合わせた個別のプログラムを、心をこめて立てながら、この一年半療育を行ってきました。
ところが、なんと言うことでしょう、この度の障害者自立支援法の改正で、通所する子どもの幼児の割合が7割以上でないと、児童デイサービスとしての給付費の大幅な削減(約45%カット)ということが決定してしまいました。
発達障害のある子どもの療育は、幼児期には結構たくさんの通所型のものや、医療としての療育もありますが、小学生になると一気になくなってしまうというのが岡山の現状です。それだけ、発達障害児が増えて医療機関でも手一杯になっているためと思われます。
「小学生以上は、学校教育があるから」という考え方のようですが、学校教育が、自閉症の子の特性に配慮していないからこそ、子ども達は学校で一番困っているのです。その子たちが、学校での暮らしに困らないように、社会性を学んだり、勉強面でのサポートをしたり、また、将来の就労を目指して、作業学習に取り組んだりと、一人ひとりに合わせた個別支援プログラムにのっとった課題学習を行う事業所として、赤磐ぐんぐんは保護者の方から支持を受けてきました。
そんな私たちの活動も、このままでは今回の制度の改正で立ち行かなくなりそうです。
何とか親御さんの思いに応えて行きたいけれど、スタッフの生活も考えなければなりません。苦しい選択の日々がこれからは続きそうです。
ただ、折角灯った自閉症の子ども達への支援のともし火を、消したくないというのが、代表としての私の想いです。晴れの日が続くのは嬉しいですが、世の中、雨が降る日もあります。1本の傘では多少濡れるのは覚悟しなければいけませんが、なんとか乗り切っていきたいと思います。なにより真ん中にいる子ども達だけは濡らさず護っていきたいというのが願いです。
また、皆さん、多くの意見を合わせて意見書を厚労省の方へ出したいと考えておりますので、ご意見をください。各地の児童デイサービスの方々とも協力して訴えていきたいと思っています。今、デイサービスに通われている方だけでなく、多くの方のご意見をお願いします。
私たちは、一人ひとりは弱い存在です。けれど多くの想いを集めることができれば、これほど大きな力もないと思います。子を思う親の想いで、行政を、制度を動かせるかもしれません。みんなでがんばりましょう。
待っていても、棚からぼた餅は落ちてきません。ぼた餅は、自分が手を伸ばして、とるしかないのです。必要なものは、自分たちで作っていくしかないのです。
話は変わって、先日の富岡先生のセミナーにはたくさんの方が、いらしていただきました。素晴らしいセミナーで、先生のお話も判りやすく、教材の数々は、圧倒された方も多いと思います。かなりマニアックな創作課題もありましたが、すぐにでも取り組めると思えるものがほとんどで、夏休み中、子ども達のために手作り教材が、アチコチで制作されていることと思います。
かく言う私も、先日東急ハンズで穴あけの為のビットを買ってまいりました。ぐんぐんでの療育に新しい課題がお目見えするのももうすぐです。
先生のお話の中で特に好感を持てたところは、 “誰もが一度は通るTEACCHの落とし穴”に先生も落ちて失敗されたことがあるということでした。先生ですらそうなんだと思うことで、会場に共感が生まれたように感じました。
これでいいという勝手な思い込みや、スケジュール一つにも、その子のアセスメントもなく進めてしまうきらいがあります。その子のレベルに合わせることをしないで、私たちの作成したスケジュールに子どもを合わせてしまった初めの失敗を、恥ずかしいと思わず、失敗があったからこそ、今の自分たちが今あると思えるような、自分を許してあげられると思える先生のお話でした。その時付き合ってくれた子ども達には、謝りたい。そして、同じ失敗は繰り返さないぞと、心に深く刻みこんだ講演でした。
先生は、生真面目そうな見かけの硬さとは違い、とても面白い方でした。講演会でも冗談と思える面白いことを言われますが、それが味わいのある面白さというか、笑いを取った後、何事もなかったように次の話に入っていかれるので、余計笑えたりしました。
控え室で二人きりになっても、全然私は緊張しませんでした。教材の展示コーナーにも先生自らが、説明をしてくださって、参加者との交流もあって、普段よりアットホームな講演会風景でした。
たくさんの感想が寄せられていますので、是非、富岡セミナーのコーナーで読んでください。
さて、おなじみ哲平君のお話しです。
また一ヶ月が過ぎましたが、哲平は、おかげさまで、引き続きNTNテクニカルサービスの夢工房岡山で元気に働いています。
初めのころの作業よりはるかにたくさんの作業が出来るようになったと、上司の方よりお褒めの言葉をいただきました。
ここまでのことができるようになれたのは、支援してくださる方々の努力のおかげです。
わかりやすい道具の配置やジグの工夫は今も毎日のように続いています。声かけ一つでも、明瞭ではっきりした声でしてくださいます。
手順書や作業量の表も哲平に判りやすいようにと工夫がなされて、その度に、作業の能率も高くなります。哲平の為にと改善された工夫の数々は、後に続く方にとっても、また他の従業員の方にもきっとわかりやすいものと思われます。
先日、愛媛大学の上岡一世先生が、養護学校の先生の案内で会社に来られたそうです。
その時、「NTN岡山工場は、日本一の支援をしている会社だと思う」とおっしゃっていただいたと、養護学校の先生から聞きました。なんという嬉しいお言葉でしょう。そんな会社に勤められる哲平の幸運をありがたいと思わないではいられません。
上岡先生の「就労自立を果たす指導法」や「こうすれば伸びる自閉症児の指導法」は、我が家の子育ての参考にさせていただいた本でした。また「指導年令がわかる社会的自立のための指導プログラム」は哲平のIEPを作る時の参考にもさせていただきました。ですから余計感激して、ありがたいお言葉でした。
多くの良い本や良い人との出会いの中で、哲平は、生きて暮らしています。本当に幸運としか思えない出会いを重ねて今の哲平があります。
そういえば、哲平に養護学校時代の恩師の先生から残暑見舞いのおはがきをいただきました。
残暑お見舞い申し上げます。
哲平君、お盆のお休みも終わり、また夢工房でお仕事に励んでいらっしゃることでしょう。
七月に哲平君が働かれている様子を見させていただき感動しました。力強く手を振り上げて袋をひろげ、次々と箱を積みあげていた哲平君、自分で適当な箱をさがし出しながら
黙々と作業をされている様子に、正確でぬかりのない平素の仕事ぶりが伺え感心するばかりでした。(中略)
中学時代から作業に対する姿勢はいつも真剣で見事だったので、将来きっと「いい仕事」ができる人になると信じていましたが、あの頃ご自分で言われたとおり、仕事をがんばる立派な大人になったのだなあと涙が止まりませんでした。
もう“哲ちゃん”ではなく、同じ社会で働く仲間「鳥羽哲平さん」になられたのですよね。その大きく成長された姿を拝見できる機会を得たことを本当にうれしく思います。(後略)
本当に良い方との出会いがこれまで数多くありました。感謝を忘れてはならないぞ!と、ついついうまくいっているときは、反省を忘れて調子に乗ってしまう自分に言い聞かせる毎日です。
明日は、今日よりきっといい日になる。それを信じて、感謝と努力を忘れず、生きていきたい私です。
育てる会 代表 鳥羽 美千子
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自閉症支援者養成セミナー 報告
8月20日(日)岡山ふれあいセンターにて東京学芸大学附属養護学校の富岡康一先生の講演会を開催しました。
今回の講演会は「自閉症児の学校教育」というテーマのため先生方に参加していただきやすいよう夏休み中の開催となりました。
学校の先生は勿論、保育園や幼稚園の先生、保護者や福祉施設・学生など多くの方に参加していただきました。
(会場の関係上、お断りした方申し訳ありませんでした)
当日は、先生ご自身のお手製の教材・課題100点も展示していただき展示会場では、感嘆の声とカメラのシャッターの音がひっきりなしでした。
参加された方から、今回の講演会の感想をいただきましたので、ご紹介します。
私が富岡先生のことを知るきっかけを作ってくださったのは、あるお母さんです。私とそのお母さんとの出会いは10年ほど前になりますが、その頃のお母さんも、自分と同じような気持ちで子育てを頑張っている人に少しでも情報を伝えようと、いい講演会があれば必ず家族ぐるみで参加されていたように記憶しています。
去年、私の仕事が行き詰っていた時、育てる会の会報をぱらぱらめくっていると、隣の県での富岡先生の講演会が目にとまりました。県外での講演でしたが、あの頃のお母さんの姿を思い出し、参加することに決めました。
実際に参加してみると、たちまち富岡先生のお話にのめり込み、終わってからも先生を捕まえて「○○○○・・・なんです」と悩みを打ち明けました。先生は「あー、分かる。そんな時は大体裏目に出てる時だね。僕だったら・・・」とお話くださり、私達が迷いながらもしようとしてることに対して「うん、絶対そうして。お互い頑張りましょう」と言ってくださったのです。
まだまだ必要な知識、技術がたくさんあると感じていた私に、実践が豊富な富岡先生からのアドバイスがどんなに心強かったことか。知識と、知識を理解した上での対応がいかに必要かということの再認識、そして何より、知識を踏まえた上で、より柔軟に子ども達を見るまなざしが必要なことを学ぶことができました。
前置きが長くなりましたが、1年ぶりの富岡先生の講演会。困った時には富岡先生にお世話になろうと決めていた私にとって、今回の講演会に参加することは当然のことでした。
講演の初めは(T)実態把握からでした。
有効な指導法を探るための「鳥の絵課題」の紹介がありました。
目と手の使い方を捉えるもので、鳥の絵のあごからおしりにかけての欠けている部分を、すでに書いてある足の位置関係を捉えながら線でつないでいきます。言語読解能力テストと併せて行うことで、言語能力が優位なのか、動作性が優位なのかといったその子の発達に関する特徴や偏りを判断していくことができます。
このようなテストや課題を行うことで、「やろうと思ってもできないこと」「分かっているのにやらないのではなく、分かるような指導の手立てを講じる必要があること」というどちらのタイプにより近いのかを把握した上で、接していく必要があることを話されました。
(U)特性の理解では、「ものさしの違い(ものの見え方や感じ方が違う 理解の仕方や覚え方が違う)」を意識し、相手のものさしで考えることが大切だとまとめられました。
(V)特性に応じた学級経営では、「安心できる」「自分の行動が理解できて分かっている」「やりたいと要求できる」「現状の能力で発信できる手段があり、話を聞いてもらえる」といた雰囲気のある環境の大切さについてのお話でした。「意味の分かるやりがい(達成感が感じられ、正当に評価される)」を味わわせるために、日々莫大な教材を用意されている理由が理解できたようにおもえます。
(W)各授業における工夫では、今回の目玉、教材作りの紹介がありました。「やさしい、すぐできる、失敗のない」自作ビデオのおかげで、先生の実践をより具体的にイメージすることができました。ひと部屋全部が教材で埋まるなんて、それだけでも偉大です。カード作りの手順もポイントを押えて、「できそう!」と思わせるところが素晴らしいです。(実際は非常にマニアックでしたけど)
富岡先生が最終的に子どもに残したいものとして、
「私はできるという自己肯定感」
「次もきっとうまくいくだろうという安心感」
とまとめられました。
講演中、なんといっても暖かい先生の人間力を感じた方が多かったはずです。実践方法の紹介を聞いて得た知識を元に、向かい合っている目の前の子ども達に必要なことを選ぶのは自分自身です。同業者の先生方!!よりよい実践に結び付けませんか?この夏、当てになるのは主に自分の気合いだけの私(火気厳禁)も少しは進化した気がします。ステキな出会いをありがとうございました。
(松岡さん)
<保護者アンケートより>
聞き易い口調で分かり易い。失敗されたこともはっきりおっしゃって「うわ、それ私の事?」と思ってしまったことがなんどもありました。「そう!そうなんだよー、うちの子」という話がたくさん出てきてよく分かりました。こんなに笑ったセミナーは初めてです。楽しんでまだまだ子どもにしてやれることを見つけられました。テンポよく面白いです。ASの息子の何が本人を「生きにくい生活」にしているのか見ていただきたいです。いい先生を連れてきてくださってありがとうございました。
障害特性を改めて確認できたこと。行動問題の意味をきちんと理解できたこと。誰しもがしがちな間違いを具体的に教えていただけたことです。親として、子どもの状態を冷静に把握することができるようになったら、子どものことをよく理解して、受け止めてあげられるようになると思って申し込みをしました。先生対象でしたが、私のような保護者の立場のものにも気づかされることが多い講演でした。教材のお話はイキイキとされていて、面白かったです。
先生の明るさ。それが何よりの薬ですよね。笑いを忘れないようこれからも育児を頑張ります。来て良かったです。まだまだ知らないことだらけで勉強しなくてはと思います。力になりました。ありがとうございました。
基本的なことでも忘れてしまって子どもに接していることが多いことに改めて気付かされました。目から鱗な話、ユーモア話もあり、あっという間でした。課題もかなり参考になり、今後に活かしていけたらと思います。とっても良かったです。前向きになり、また頑張っていこうという気になりました。
教材展示を見せていただき、正直ここまで情熱もって教育されている先生を他に知りません。同時に自分の子どもも理解ある先生に出会うことを願うばかりです。講演中、先生でさえも不適切な対応をしていたことを知り、家庭での対応に自責の念にかられることもあり、少し安心しました。
とても分かり易く楽しい講演会でした。こだわりをやめさせるかどうか、構造化はいつまですべきか?など日頃「?」と思っていたこともよく分かりました。展示してあったプリントなどは、自分で作ろうと思いつつ、できずにいたことなので、HPからダウンロードさせてもらいたいと思っています。とても嬉しいです!楽しく勉強になりました。先生の子どもに対する愛情を感じました。これからも頑張ってください。
<教職員アンケートより>
現場の先生の具体的なお話を聞けてよかった。また「光とともに」も読んでいるので、身近に感じられた。幼稚園教諭をしているが、まだ自閉症の子に出会っていません。でも今日の講演会をきっかけに、自閉症についてしっかり勉強し理解しこれからの保育に活かしていきたいです。
実際の教育現場での実践などを交えたお話が聞けて勉強になりました。また教師の一方的な押し付けになっていないのかというお話もとても印象に残っています。
自分自身のことを話しの仲に入れながらのお話なので、こうしてはいけないということも受け入れ易かったです。そのため身近に感じながら話が聞けたことです。ビデオも良かったです。
具体的な支援方法が大変分かり易かった。先生ご自身の体験談もたくさん聞かせていただいて、試行錯誤を重ねながら彼らがよりよく成長するよう工夫をこらしているのが伝わり、子どもには支援策を緻密にクールに・・・でも熱意がすごく伝わりました。私たち自身にも休憩ごとに「本日の予定」が表示され、流れが明確で分かり易かったです。最後の子ども達に残す指導の核「次もきっとうまくいく」、前向きな思考というのは全ての子どもに当てはまる教育の基本だと感じました。深く心に残りました。
実際の授業で気をつけること、普段疑問におもっていることを教わることが出来た。その子の立場で配慮して支援する大切さを、具体的な場面でお話いただけた。とても濃い内容だった。夏休み中の「学校教育での支援」というテーマは参加しやすかった。
障害特性の理解・障害特性に応じた学級経営・授業における工夫など、具体的な説明があり、2学期からすぐ活用できるお話がたくさん聞くことができて良かったです。学級の中で3〜4人は障害を持っている子がいます。一人一人への対応が難しい時があります。支援の仕方をもっともっと教えてほしいです。
教材展示がすごかった。一つ一つ工夫されていてすばらしい。レジメのまとめ方も4部構成でそれぞれまとめてあり、お話の内容もよく分かりました。授業の工夫・教材の工夫がとても具体的でよく分かった。教材を展示・デジカメに撮らせていただきました。先生の熱心な教材作成に感動し、私も作らねばという意欲が湧いてきました。「市販しておられるのですか?」と先生にお尋ねしたところ「HPからダウンロードしてください」とお話をいただき、また感動しました。とても素晴らしい方でした。青木先生そのままでした。ありがとうございました。
教材の展示・整頓の仕方・太田ステージ内容の紹介。今日のお話は障害が自閉症に特化しながらも、知的障害の担任にもよく分かったと思います。こんなに素晴らしい講演会、ぜひ今後も育てる会と教育委員会などが連携して、もっとたくさんの先生に聞いてもらえるよう、頑張ってほしいです。
子どもへの接し方が少し理解できました。「ちゃんとしなさい」など、もう言わないようにしたいです。今後の教育活動に大変参考になりました。教育に「絶対」はないと思います。一人一人に応じた教育を行うのは難しいですが、試行錯誤を繰り返し良い方法をとっていきたいです。
丁寧に詳しく自閉症の児童への接し方をお話くださり、よく分かりました。「こだわりにこだわらないことにこだわる」が特に印象深い。手作り教材の実際を見せてもらってありがとうございました。実際に見ると本当によく分かります。カードの作り方のビデオも良かったです。
教材にとても興味がありました。実物を見ることができたこと、そして写真も撮らせていただけたこと、とても良かったです。それ以上に教育をするにあたり、大切にしていきたいことが私なりに納得できて、嬉しいです。
日々の生活の中で「こうしなくてはいけない」と思わなくてよいことがたくさんあることに、改めて気付かされました。メリハリをつけていけばよいのだと気持ちが楽になりました。
分かりやすい説明で聞きやすかったです。教材作りに行き詰っており、教材の作り方・発想が参考になりました。早速教材を増やしていきたいと思います。ありがとうございました。
ポイントを絞った指導法・教材の紹介。お忙しい中、日々の実践をたくさん紹介してくださりありがとうございました。同じ教員として「×」ばかりの日々ですが、先生の知識を、教えていただいたことを、岡山でも頑張って行きたいと思います。ありがとうございました。
先生がやってしまった悪い例など、具体的で分かり易かったです。今は自閉症児に関わっていませんが、最後の子どもに残したいものや、教師のふるまい・言葉がけの方法は、通常学級の担任としても、気をつけなければと思うことで参考になります。
<学生・施設関係者アンケートより>
とても分かり易く笑いもあり、楽しく学ぶことができました。養護学校ではこんな勉強もしているんだなと知ることができました。学校でしっかり学んでもその先(将来)、社会や施設で、周りが理解していないよなと思いました。私が働いているのは知的の施設なのですが、自閉症の人もいっぱいいて、今日先生が言われていた、やっちゃっていけないことをいっぱいしていたなーと反省しました。自閉症の人の立場に立って、もう少し心にゆとりをもっていかなきゃと思いました。
具体例がたくさんあったこと。失敗例・NG例があって分かり易かった。HOW TOだけでなく理念が伝わってきた。自閉症と診断されている人だけでなく、全ての子どもに通じる考え方だと思いました。お話を伺えてとても良かったです。障害のある子だけでなく、子どもに対応するための基本を教えていただいたように思います。ありがとうございました。
冨岡先生のお話は、とても分かり易かったです。進め方や画面の構成などを見ていて、自閉症の子どもたちにとって分かりやすいことは、私たちにも分かりやすいということを実感しました。お話や教材から感じられました。
★ご案内★
当日展示してくださったたくさんの教材の中にありました、プリント教材や様々な教材についての作り方・内容については、先生のご好意によりHPから無料ダウンロード可能となっております。どうぞそちらもご利用ください。
(http://homepage2.nifty.com/tomy_s/)
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「自閉症を正しく理解すること
〜自閉症の支援で最も大切なこと〜」
8月29日(火)、京都で開催されたゲーリー・メジボフ先生の講演会に参加してきました。
メジボフ先生は、自閉症の人たちの教育・福祉・行政サービスや研究など、あらゆる分野にわたる様々な先駆的なアプローチにより、世界的に高い評価を得ている米国ノースカロライナ州のTEACCHプログラムの総責任者のです。今回の講演会では、「自閉症」を正しく理解し、正しく支援していくことがいかに大切であるかに基盤を置いたお話でした。
第一部では「自閉症の人たちの学習スタイル 〜特性を理解する〜」として、自閉症の人たちがどのような特性を持っているかについて分かり易くまとめたお話をしてくださりました。
自閉症という障害を持つ彼らが持つ特性・彼らだからこそ持てる特性について、肯定的にお話されました。
彼らは「視覚で物事を捉える」「相手がどう考えているかを考えるのが苦手」です。「注意や集中の向け方」「中枢統合」「実行機能」「感覚」などが、私たちとは違っています。
例えば「注意や集中の向け方」は、懐中電灯で例えると、一点に光を集中して当てているような形で、そのもの自体ははっきり捉えることができます、全体が捉えにくい。幅広く見にくいです。きちんとしていて秩序・順序立っていることを好む彼らは、パズル好きな人も多いです(=きちんとピースがはまっていくから)。だから、情報の提示の仕方も秩序だっていて、分かり易く、次どうすればいいかが伝わるものであることが大切です。
また「感覚」も私たちの五感とは違っていて、ある高機能の方の言葉を借りれば「コーヒーフィルター使わずにコーヒーを入れる」ようなものなのです。私たちは音や目・温度や湿度など、全てにフィルターを持っていて、柔らかくしているのですが、フィルターのない自閉症の人は、情報処理できなくなって混乱してしまうこともしばしばあります。ですから、環境を調整する必要あるのです。また、このような感覚の過敏性は不安やストレスを多く抱えている際、より一層激しくなりますので、落ち着ける場所を作ってあげたり、不安を軽減したり、どこに集中すればいいのかを明確にしてあげることが大切なのです。
第二部では「構造化された指導 〜自閉症の特性に合わせた支援〜」として、多くの写真を提示していただきながら、様々な年齢・状態の子ども達に合わせた支援をどのように行っているのかを教えていただきました。
構造化された指導とは、自分の周りの環境を構造化(整理して理解)することが苦手な自閉症の彼らに合わせた指導です。
自閉症の特性を踏まえた上で、いかに彼らのストレスを軽減し、達成感を持ってもらえるようにできるか。そして将来の生産的豊かな生活に結び付けていくために、どのような力が必要なのか。絵カードを使ったりパーテーションで区切ったりすればいいのではなく、構造化された本人にとって分かりやすい環境の中で、これらの力がより有効に彼らが身についていくことができることこそが、真の構造化の目的なのだと思いました。
第三部では「自閉症の支援で最も大切なこと 〜TEACCHプログラムのコア・バリュー〜」として、TEACCHのスタッフが大切と思っているものについて聞きました。
TEACCHのスタッフが大切にしているコアバリューとは、自閉症を正しく理解しており、常に最高を目指し、必要なことを実践し、協力や協働をし、他の人たちや状況を常に肯定的に見ることだそうです。
TEACCHでは、自閉症の理解と「定型発達と違っていてもいいんだ」とありのままを受け入れ、尊重した上で、彼らの成長を手伝っていく・トレーニングしていくことを大切にしています。この「受容し尊重した上での支援」こそが、TEACCHのいいところであると大人になった自閉症の方が語っているそうです。
また、TEACCHのスタッフは自閉症を「理屈ぬきに好き」なのだそうです。好きだからこそ、理解したいと思い、何ができるかを真剣に考える一番根っこの力になるのだと思います。
そして、最後の「肯定的に物事を捉えること」自分の身の回りにあるいいこと・プラスの面を見つけていくことが、スタッフ自身にも必要なスキルになります。これができるかできないかは、自閉症の人と関われるかどうなのかの一つの大きなポイントになります。
できていないところばかりを見るのが得意な自閉症の人たちに対して、こんなにいいところがあるんだよということを積極的にアプローチし、そして自分自身の仕事にも、こんなにやりがいがあっていいところがあるんだよと言える力。
確かに私たちにも必要な力ですね。
今回4時間半という短い時間でしたが、メジボブ先生のお話を、「障害者自立支援法」が変わる今の時期に聞けたこと、本当に良かったと思います。
子どもたちのために何ができるのか、そして今何をしなければならないのか。
講演を聞きながら、今自分にできることをしっかり考えることができた4時間半でした。
国内外、TEACCHプログラムを実践しておられる方々のお話を聞くと、自分がいかにできていなかをいつも痛感します。そしてその一方で、まだまだやれることがたくさんあることにも気付かせてもらっているように思います。
しっかりとした指針を持ち、自分の仕事に誇りを持ち、自閉症の子どもたちの将来を真剣に、そして楽しみながら関わっていけたらと思います。
(事務局:鳥羽 紗代)
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| 掲 示 板 |
○セミナーチラシについて
今回の会報に10月8日(日)北海道おしまコロニーの寺尾先生をお招きして行う
「自閉症の人たちへの支援 〜成人支援施設:星が丘寮の実践を通して〜」のチラシを入れております。
成人施設での取り組みを通して、自閉症の人の支援について深く学べるチャンスになればと期待を込めての開催です。まだ小さい幼児の方や学齢期の方の将来をよりよいものとするためにも、成人期の方から学ぶことが多くあります。
自閉症の人たちにとっての豊かな人生には何が必要かを皆で学びあえたらと思います。
ぜひお誘いあわせいただいてご参加ください。
〜星が丘寮とは?〜(HPより抜粋)
星が丘寮は、昭和63年11月の開設以来、成人期の自閉症の人たちを対象に居住型施設の機能を生かし支援に取り組んできました。開設当初は、定員が30名だったのですが、平成9年に第二おしま学園(第2種自閉症児施設)を利用している成人年齢に達した人たちのために30名増員し、定員が30名となりました。星が丘寮は知的障害者更生施設ですが自閉症の人たちが定員60名中59名となっています。
星が丘寮は、1つの寮が利用者12名、寮担当職員3名で5つの寮から構成されています。1寮のみが女性の利用者の寮で、担当職員も女性職員のみとなっています。それぞれの寮はユニット形式で、玄関、食堂、風呂、洗濯室、トイレ、物入れ等が寮ごとに設置されています。
作業班は、空き缶班、ウニ箱班、製函班は施設内の作業班です。実習班は、地域の事業所の協力を得、職員の援助付きで地域の職場で働いています。各作業班の職員並びに実習班の職員は、寮の副担にもなっており寮の宿直業務も行います。
星が丘寮では、生活の様々な場面や作業場面等において、TEACCHプログラムのアイデアを応用して支援を展開しています。
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| 事務局だより |
熱かった8月も終わり、いよいよ9月ですね。子ども達は行事三昧の2学期。
「全部参加しなくてもいいですよ」「参加できる分だけ参加しようね」「無理しなくていいよ」そんな風に言ってくださる先生が多いといいのですが・・・。
さて今回は、私が読んでみて良かった「書籍案内」をしたいと思います。
二瓶社から出ている「自閉症児と絵カードでコミュニケーション〜PECSとAAC〜」という本が最近読んだ本の中では特にお薦めです。
「難しそう・・・」って思われたお母さん、大丈夫。簡単に言えば「自閉症児が分かりやすいコミュニケーションの練習方法」についての本です。
「自閉症はコミュニケーションが取りづらい障害だ」とよく言われます。
「自分が欲しい物を伝えられない」「周りの人に『嫌だ』を伝えられない」「他の人と会話ができない」「他者を理解できない」・・・。
そんなコミュニケーションが取れない状態を少しでも私たち支援者が練習してとれるようにしていけばと思います。
ではどのようにしたら良いでしょう。
まずは自発的にコミュニケーションを取れるようになるのがそのための第一歩です。
(その前に模倣や「これは何?」に対する答え(言語に限らない)ができることが前提)
(1)本人が絶対に好きなもの・ほしいと強く思うものを用意(例:大好きな消防車の本)
(2)練習の前には、一定期間それをすぐには手に入らないようにしておく(混乱しない程度に)
(3)出来れば二人一組で本人にそれを見せる人(A)、本人の後ろで本人に要求を自発できるようサポートする人(B)に分かれて支援します。(詳しくは本書で)
本人にものを見せている人(A)は、様々な方法で、本人に要求を出せるよう自然な誘導をします。この際「何がほしいの?」などの言語誘導はしません。少し食べてみせて「すごくおいしいわ」と言ってみたり、一口分しかあげなかったり、手の届かないところに置いてみたり・・・。そのためのテクニックもたくさん掲載されています。
また、本人とのコミュニケーションのやりとりは、「待つこと」が大切です。そのもののやりとりもですが、すぐにこの方法で自発的にコミュニケーションできるとは限りません。
1ヶ月ぐらいかかる子も、半年近くかかる子もいるでしょう。
支援者がなんとか自発的にやってもらいたくて遮二無二なっているうちに、本人がやりとり自体を嫌がってしまう・・・なんて失敗もあるかもしれません。
この本は、ステップに応じて、どの程度やりとりをするべきなのか。注意すべき点はどういったものなのか。失敗を避けるためにはどのように取り組めばいいのか。「いやだ」を何故教えていく必要があるのか・・・たくさんのことが分かり易く書いてあります。いっぱい線を引きたくなる箇所がありましたよ。ぜひ読んでみられることをお薦めします。
9月は9日に倉敷市の天城夏祭り、10日には、小鳥の森祭にてうらじゃ踊ります。
もし見かけたら声をかけてくださいね★
(事務局:鳥羽 紗代)
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
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