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平成18年12月31日

 

 第104号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 104号 目次

 年の暮れに
 第5回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー
     「金沢 京子 先生 講演会」 案内
 第4回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー
     「内山 登紀夫 先生 講演会」 報告
 川崎医療福祉大学招待行事
     「育てる会 クリスマス会 ☆」 報告
 赤磐ぐんぐんだより
 木工教室・勉強会・支援者養成講座・AAO の お知らせ
 キッズルーム 報告
 サッカークラブ・水泳教室 の お知らせ
 私のお薦め本コーナー
     『 自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド
 近隣の講演会等のご案内
 掲示板・事務局だより

12月も押し迫って参りましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今年は木枯らしが吹かないので、12月らしくない年の暮れとなっております。寒がりの私にはありがたいのですが、こんなに暖冬でいいのかしら?と最近の気候の不順さが心配です。いつか地球は人間の文明は終わりを告げるとは思いますが、その日がそんなに遠くない気がしてしまうこの頃です。
食料危機が来たらどうしよう。どうやってこの生活力のない自閉症の子たちは生きていくのでしょう。心配で心配で眠れなくなりそう・・・と言いつつ、こたつでついついうたた寝してしまう私です。

さて、12月23日は川崎医療福祉大学ASC(岡山県自閉症児を育てる会を支える会)主催のクリスマス会がありました。今年で8回目を迎えるクリスマス会を、子ども達は首を長くして待っています。毎年川福大の学生さんたちが、育てる会の子どもを特別に招待してくださいます。佐々木正美先生が顧問になってくださっているというこのボランティアサークルは、育てる会の子どもたちにいつも寄り添って、ずーっと協力いただいています。
私たちの会は子どものための様々な余暇活動を行っています。サッカークラブ・水泳教室・キッズルーム・AAO活動など、どれもボランティアさんなくては成り立たないものばかりです。それをサポートしようと学生さんたちが自分たちで作って運営してくださっているのがASCです。川福大の校内へ外部の子どもたちを招き入れるということは、昔はなくて、私たちの会が最初だったそうです。初代部長の中西仁志さんや今は赤磐ぐんぐんスタッフの横内奈穂さんなどが学校へ掛け合ってくださって実現したと聞いています。
今年のクリスマス会に話を戻しましょう。
当日自動車で学校の敷地へ入ろうとすると「ASC」の看板を持った学生さんがにっこり笑いながら出迎えてくださいました。教室へたどり着くまでの要所、要所に案内の学生さんが立ってくださって、丁寧な対応といつもながらの優しい配慮にクリスマス会への期待が高まります。
受付で一人ひとり手作りされた名札をつけていただいて、会場へ入りました。待つことが苦手な子にはできるだけ遅く受付していいように、また、早く来る子には簡単な遊び道具も用意されていて、とても良かったです。
始めの挨拶のあと、すぐにコンサート会場へ皆で出発!!同じ部屋で色々やるのではなく、コンサートはA教室・集会はB教室・お茶はC教室というように分けてあるのが、気持ちの切り替えが苦手な自閉症の子たちには良いようでした。
またコンサートはアマチュアバンド「ピノキオ・カルテット」という若い方たちが子ども達の為にボランティアで参加してくださいました。弦楽四重奏の美しい音色をじっくりと聞かせていただきました。子どもたちもよく知っている曲をセレクトしてくださったので、こんな場所が苦手の子どもたちも最後まで楽しく聴けたようです。
自閉症の子を持つ私たちは、子ども会の行事や劇を見ること・音楽を聴くことなど、なかなか他の子ども達と一緒に過ごすことができません。
どうしてでしょうか?
原因は一人ひとり違いますが、大抵の場合、自閉症の子どもはいつもと違うことが苦手です。見通しが持てないのも不安です。するとパニックになったり、大きな声を上げたり、ごそごそ動いて大騒ぎ・・・。結果、皆さんに迷惑をかけてしまうというようなことになるのが多いのです。そんな状態では、ついつい色んな場所へ行くのが億劫になって、子どもと引きこもってしまう親子もおられるのではないでしょうか?
ところが、参加者が自閉症児だけなら、ちょっとくらい声が出ても、皆事情が分かります。パニックになりそうになったら、ボランティアさんに言ってちょっと廊下に出させてもらえばOKです。
まだその場が楽しめない子は、ここは音楽を聴く練習をする場所にもなります。どんなことにも慣れるまでには時間がかかります。子どもも努力しているけれど、それでも我慢ができないのは、どうしてか・・・。親は子どもをよく観察しておいて、次回からは、そうならないための方策を考えて参加します。見通しが持てないのが原因なら、子どもに分かるように流れを書いたものを用意したりする必要もあるでしょう。子どもだけが慣れる努力をするのでは可哀想です。工夫も大切です。何人かの参加者が、自分の子どもに分かるようにプログラムを書いたものを用意されていました。今回は曲目が順番に13曲上から下に書いてありました。私の隣の高機能のSくんは、一曲ずつ終わった曲を消しながら聴いていました。流れの見通しを持たせる役割と、この曲はこんな題なのだと覚えながら聴いていました。たったこれだけの支援で彼は、音楽を楽しめていたように思いました。また、字が読めないKくんは、上から下という流れは判っているので、「お母さんがここまで済んだよ。」といいながら、指さすと少しずつ減っていく曲目を目で追うことができていました。これだけの支援で、随分落ち着けた子がいました。時間も適当で、とても良かったです。
またコンサートを座って聴きたい人にはビニールシートがあって前に座り、後方に椅子席を作って、60人もの参加者でもゆったりした雰囲気でした。椅子とシートのどちらかを自分で選べるのもありがたいアイディアでした。
コンサートが終わると会場移動して、ゲーム「じゃんけん汽車ぽっぽ」を全員参加で行いました。お母さんたちもお父さんたちも全員が参加して大いに盛り上がりました。一つの大きな輪になって、心までつながったようないい感じです。
そして隣の部屋にはケーキの用意がありました。座ったらすぐに「いただきます」。よくここで待たされるのだけど、座ったらすぐ食べられるというのが、とても大切な配慮だと思いました。お母さんたち同士でのお話もテーブルごとにできました。
最後はビンゴゲームです。一つずつ数字を読み上げると同時に前の黒板にその数字が貼り出されるので、聞き損ねても大丈夫。ビンゴになると、一人ひとりにプレゼントが当たります。このプレゼントは事前にお母さんが本人の欲しがりそうなものをラッピングして持参し、受付に預けておいたものです。子どもは大喜び。私に「これ、前から僕が欲しかったやつじゃ!」とわざわざ言いにくる子までいて、可愛いったらないのです!!
最後は、学生さんの暖かな見送りをいただいて、皆心から楽しく家路につきました。
ASCの皆さん、ありがとうございました。来年もぜひよろしくお願いします。

さて、次は恒例の我が家のお話しです。
「輝明は人より苦手なことが多いけれど、できることが多いことがよくて、少ないのが悪いってことじゃないの。
自分ができることを一生懸命やればいいの」
これはSMAPの草g剛くん主演のドラマ「僕が歩く道」で主人公輝明のお母さんが自閉症である息子に話す言葉です。
このドラマは始めの1・2話までは何かもどかしく、自閉症理解につながらない気がしていましたが、3・4話と進むうちに、次第に引き込まれていきました。自閉症の主人公が周りの人たちを少しずつ変えていく様子は、哲平の我が家での位置付けにも似ていて、私はいつの間にか出演者に感情移入していきました。
私は母親ですから、お母さんの気持ちが痛いほど分かります。この言葉は私が子育ての中で何度も自分に言い聞かせてきた、金子みすずの「みんな違ってみんないい」と同じ意味のものでした。哲平は他の子どもたちに比べると手はかかるし、できることは少ないし、ついつい周りと比べて悲しくなりました。小さい頃は私の対応も悪かったのでしょう。パニックも頻発して、そんな時は人の目も厳しく辛いものでした。
「人と比べてはいけない。哲平には哲平のよさがある。きっとある!」そんな風に言い聞かせてきたように思います。哲平の良い部分と言っても、小さい頃は探すのも難しいことでした。少しずつ自閉症を学ぶ中で対応を考え配慮していくことが私にできていくと、パニックも減っていきました。うまくいかないのは本人のせいだけではなく、こちらの対応のまずさのせいもあったのでしょう。学校の先生方の協力のおかげもあって、哲平は少しずつ成長してくれました。小学5年生の頃には多動も落ち着いて混乱せずに指示も入っていくようになりました。
そうして私も落ち着いて、改めて見直すと、哲平には良いところがたくさんありました。
「やることさえ分かっていれば一生懸命やるところ」この律義な性格は、この一途な一生懸命さは何者にも代えられない自閉症の哲平の良さです。自閉症の人のこの特性はもっと世間の人に知ってもらってもいい部分だと私は、思っています。
話が少し長くなりましたが、冒頭のドラマの場面では、そんな自分の思いと、このお母さんの思いが重なって、思わず号泣してしまいました。
「そうです。哲平は今自分のやれることを一生懸命やっています」
仕事場で哲平は、哲平のやれることを精一杯やっています。足りないところは、たくさん たくさんありますが、その部分は周りの方たちが助けてくださって、哲平は与えていただいたお仕事を懸命に頑張っています。一日中同じスピードで飽きることなく、無駄口を叩かず(もっとも無駄口を叩こうにもほとんど話しができませんが・・・)、律義に精一杯お仕事をがんばります。見ていてこれは私にはできないことだなぁと思いました。仕事に飽きないというのは、すごいことです。私たちは、単純な作業を、ずーっと続けるのは、苦手です。自閉症の障害があるからこそ、こんなにしっかりがんばれるのだと思います。
お手伝いでも然りです。哲平は休みの日には、朝から風呂掃除・トイレ掃除・食器洗い・洗濯干し・掃除機と大忙しです。
哲平の仕事と任されたことは責任を持ってやります。自分勝手にやめたりはしません。以前旅先で休日になった時、「お風呂掃除!」とそこではできないことを気にする哲平でした。面白いですね。
最近の取り組みで感心したのは、前回の会報でもご紹介した編み物です。少しでも空いた時間があればマフラーを編んでいます。この冬に入ってもう11本を仕上げて、今12本目に突入しています。会社でお世話になっている皆さんや、マラソンでお世話になった山口さん、アートリンクでペアの佐藤さんなどに差し上げました。哲平のマフラーは柔らかで、ふんわり気持ちまでほわっとさせてくれます。毛糸の種類が「ふわり」という名前です。ふんわりと温かく。人の心を包むような仕上がりです。皆さん喜んでくださって大好評です。
私も一つ編んでもらって、あちこちに着けていっては「これは哲平が編んでくれたのよ」と自慢しています。マフラーを編む時も一生懸命です。私も教えるために同じものを編んでみましたが、哲平のように同じスピードで、飽きることなく取り組むということはできません。そもそも11本も、色は違っても同じものを編むことは、できそうにありません。自閉症の人ってすごい!!我が子ながら本当に尊敬します。努力の人です。
哲平のマフラーを感心してくださった会社の上司の方が、NTNの売店でこのマフラーを販売してくださることになりました。会社でお給料をもらった上に休み時間に編んだマフラーでまで、アルバイトにお金儲けするなんて申し訳ないことですね。
さて、こんな会社での様子を見学させていただけることになりました。
育てる会の正会員の中では哲平は最年長です。どんなに障害が重たくても、コツコツ努力する仕事をキチンとする自閉症の人は、必ずお仕事ができるのだということを、ぜひ小さいお子さんのお母さん達にも見ていただきたいと思います。
哲平は自閉症だからこそ、会社の側のサポートも本当に大変なのだろうと思います。
でも逆に、自閉症だからこそ、こんなに一生懸命働けるということも言えると思います。
哲平の就労がうまくいくために、会社の皆さんがどんな風に配慮してくださっているかを、じっくり見ていただけたらと思います。上岡一世先生が「日本一の支援ですね」と絶賛してくださったのは夏のことでしたが、今はもっともっと考えてくださっているので、もしかしたら「東洋一」ぐらいになっているかもしれませんね(^.^)。
ところで、先日職場の忘年会がありました。お父さんがブログ〈自閉の北斗星http://blog.livedoor.jp/tochitaro/〉に書いていますので、お暇な時に覗いてみてください。私たちも招待していただいて、温かい親戚の集まりみたいで、楽しい会でした。二次会でスナックに行ってカラオケを歌ったりして、初めてのきれいなお姉さんにうっとりとしている哲平に思わず笑ってしまいました。
とりとめもない長話しになってしまいました。
今年一年を振り返ってみると、赤磐ぐんぐんは、きびしい自立支援法の難局を乗り切って存続できました。また、様々な事業も皆さんの協力により、益々大きく発展していくことができました。こんな小さな、親だけで運営している会が、ここまでやってこられたのは、会員の皆さんのご協力はもとより、多くの賛助会員やボランティアがいてくださるおかげです。
来年は、育てる会10周年の年です。これからの育てる会をどんな会にしていくのか、皆様とこの節目に考えていけたらと思っております。
この一年、育てる会を支えてくださった多くの皆様に感謝して、筆を置きましょう。
皆さんよいお年をお迎えください。
育てる会代表 鳥羽 美千子

『 平成18年度 第5回
 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー 』


日 時:平成19年2月24日(土) 10:30〜16:00
場 所:岡山ふれあいセンター(岡山市桑野715‐2)
テーマ:「幼児期:家庭と園とのW支援 
       〜自閉症を持つ子どもの明るい未来のために〜」
講 師:金沢 京子 先生(社福 侑愛会:おしまコロニー  つくしんぼ学級 園長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
後 援:岡山県教育委員会・岡山市教育委員会・倉敷市教育委員会・岡山県社会福祉協議会・
     岡山県手をつなぐ育成会・日本自閉症協会岡山県支部 ほか
参加費:午前の部 「幼児期の療育 〜家庭との連携〜」
        一般 1999円 、正会員 500円、賛助会員 1500円、学生 500円
      午後の部 「療育の実際 〜支援の継続〜」
        一般 1999円 、正会員 500円、賛助会員 1500円、学生 500円
      両方参加
        一般 3000円 、正会員 500円、賛助会員 2000円、学生 1000円
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758 Fax086‐955‐6748
E-mail  acz60070@syd.odn.ne.jp

★以前当会代表の鳥羽がつくしんぼ学級を見学に行った際の感想(抜粋)です★

「つくしんぼ学級」で、以前にビデオで見せていただいたアメリカのノースカロライナ州の幼児がうけていたTEACCHプログラムに基づいた幼児支援そのものを見せて頂きました。
「日本でも出来ているのだ!」そう思いました。一人一人にきめこまかく構造化がなされています。どれひとつとして同じ絵カード、同じ指示カード等なく、その子の状態に合わせた支援がなされていました。
本人の立場に立って、考える。支援していく。これがTEACCHの基本理念ですよね。それがしっかり根付いた園。幼児期からのTEACCHによる支援が、しっかり確立されているのに驚きました。
幼児期の療育の大切さ。親が早くから取り組む。本気で取り組むことがどんなに大切かということ。そして、園は、それをしっかりサポートしておられました。少ないスタッフでもすごく落ちついてスムーズでした。
園の中での構造化は、誰にとってもいいものの筈です。支援の仕方が一人一人違って、それに工夫があって、アッタカイ!!
IEPの大切さも感じました。親が描く子どもの将来像によりそって、支援がなされていく様子感動しました。次へ繋げて行く努力も大切にされていました。小学校への、膨大な引き継ぎ事項があるそうです。小学校でも、それをしっかり受け止めてくれるようになったという事でした。つくしんぼ学級は、小学校との連携もしっかりあって、そして、専門家の立場から自閉症センターの人が小学校へ出向いて構造化を手伝ったり、先生方の相談に乗っておられました。必要なものは必要なのだ!そういう考えが貫かれているように感じました。

ぜひ大勢の方と一緒に、北海道での幼児期支援の実践、家庭への支援、そして小学校以降への引継ぎの大切さなどについて学びあいたいと思います。保護者の方はもちろん、ぜひ幼稚園や保育園・学校の先生をお誘いください。

第4回 自閉症支援者養成セミナー 報告

12月2日(土)西大寺ふれあいセンターにて、「よこはま発達クリニック」院長:内山登紀夫先生をお招きして「高機能自閉症・アスペルガー症候群への支援」と題して講演会を開催しました。
大きな会場をご用意していたのですが、大好評で締切り前に満席となってしまい、大勢の方のお申込みをお断りすることになり、申し訳ありませんでした。
参加された方から感想をいただきましたので、ご紹介いたします。


内山先生のセミナー報告をさせていただきます小学校1年生の娘(高機能自閉症)の母親Tomatoです。内山先生の講演をお聞きして、主観で申し訳ございませんが、印象に残った部分を抜粋させていだだきます。

 T部は高機能自閉症とアスペルガー症候群の人たち〜その困難さに迫る〜でした。

自閉症スペクトラムの人は何人いる?
◆約100人に一人いる
◆日本では100万人の人がスペクトラムのどこかに位置すると考えられる
(内山先生のお話)
非常に多い状態です。学校の先生、子どもと関わる人はみんな知っていないといけない障害です。
軽度発達障害?
  ・軽度発達障害とは知的障害がない、あるいは軽度ということを意味している(らしい)
  ・社会性の障害や精神科的状態が軽度ということを意味しない
  ・軽度発達障害という用語は使わないほうが良い
(内山先生のお話)
軽度発達障害という定義はない。正式な文書では使っていない。
僕らはこの言葉を使うのはとても反対しています。
例えばIQ130とか140という高いアスペルガー症候群、高機能自閉症の人でも、すごく支援の必要な人がいます。
そういう人でも、なかなか就労が難しい。就労ができるけど、周囲の理解と支援が必要な人がいます。
IQが高いから、社会障害、コミュニケーション障害、イマジネーション障害が軽いということでもない。この言葉は、使わない方がいいと僕らは思っています。この言葉は、ちょっと誤解を受けますね。

 U部は、思春期〜成人期の支援でした。

支援の目的から確認しよう
  ○次のことが目的では「ない」
     ・自閉症スペクトラムの人を「治す」
     ・通常学級に入れる
     ・普通に近づける
     ・友達を沢山つくる
     ・苦手なことを我慢する
     ・IQを上げる
     ・スキルを「沢山」増やす
     ・障害を「克服」する
(内山先生のお話)
スキルがあればあったにこしたことはないけれど、スキルをたくさん増やして会話を楽しもう。というような定型発達の人がしていることを基準にすると、たくさんのスキルを教えないといけないことになり、多くのことを、短い時間につめこむことになりかねません。多ければ多いほどいいという風にとってはいけません。このスキルがあれば、その子の生活が豊かになる、そのことが大切なのです。
発達障害は高機能であっても特別の工夫が必要。
  ○なぜ、「普通と同じ」接し方ではいけないのか?
    ・彼らの脳が多数派とは違う方法で機能しているから
    ・「違う」ことは劣っているわけでも悪いわけでもない
    ・「多数派」であることが優れているわけでも善でもない
  ○彼の脳の機能に合わせた考え方をすることで、「自己効力感」や「自尊心」を養うことができる
(内山先生のお話)
普通と同じ接し方にしていると、段々とストレスが生じうまくいかない、先生の中には、支援者の中には普通と同じが一番いいと思っている人がとても多い。それはよくないです。「違う」ことは、劣っているわけでない。ただ単に違うだけです。彼らの脳にあった接し方をしてください。
高機能研究からいえること 1
  ○社会的知性と日常知性は別の次元の知性であるらしい
  ○アスペルガー症候群(高機能自閉症)
    ・日常心理学は苦手だが日常物理学は得意
      〜日常物理学は学校で学ぶ物理ではなく、日常の生活で見につけるもの−
           物と物の関係性の理解はもともと優秀か?〜 
高機能研究からいえること 2
  ○知的に高いからといって社会性障害が軽度とはいえない(だろう)
  ○多数派とは異なった情報処理の方法をとっている
  ○適切な環境であれば、アスペルガー症候群であることは、必ずしも障害ではなく、
    能力を発揮できる。
(内山先生のお話)
大事なことは、理解と支援です。

今回のセミナーは、娘の通っている小学校の担任の先生(情緒学級在籍)が参加してくださいました。私にとって、担任の先生と一緒に内山先生のお話を共有できましたことが、なによりもうれしい出来事でした。
後日、担任の先生が連絡帳に、「100人に一人という内山先生のお話から、○○小学校でも、そうだなあと改めて納得しました。少しずつ、理解を深めていくことが、700人余りの全員の子にとっても、生きやすい学校に、なっていくということを再確認しました。」と書いてくださいました。
私も、アスペルガー症候群・高機能自閉症を理解していくことが、子どもの発達特性を知ることにつながっていくことになるのだと思いました。自閉症の人達(子ども達)にとって、生きやすい社会・学校となっていきますことを、心より、心より願っております。
今後も、育てる会のセミナーに、知り合いを誘って参加をお願いしていき、
理解と支援の輪を広げ、深めていきたいと思いました。
内山先生、ありがとうございました。
(Tomato)

 【保護者からの感想】

● 支援を行うためには、特性の理解と本人の個別評価がいかに大切かが分かった。
● 「ネガティブな経験をなるべくさせない」という言葉。「むりやり学校に行かされた」などの経験が成人期になっても残っているという話。力で抑えて言うことを聞かせたことは、必ず力でしっぺ返しが来るということ。現在の状況を考え、支援していくために大きなヒントをいただきました。ありがとうございました。
● 我が子に対して「普通に近づけよう」とか「IQを上げよう」とか無理をしなかっただろうかと改めて反省しました。特性の理解を支援に生かしていくということの重要性を改めて感じました。先生のTEACCHのお話を改めて聞いてみたいと思いました。
● 少数派の自閉症でもいいこと。自閉症らしく生きていくために特性・長所を生かす支援が大事であることがよく分かりました。思春期や成人期に予想されることは改めて気をつけて行きたいと思います。環境を整えてしっかり支援していきます。
● 前半は、アスペルガー症候群の実際についてとても丁寧な説明で新しい発見もあり、頭の中が整理できました。また後半では、レジメに出ていない写真やイラスト・教具が時々出てきて嬉しかったし、大変ためになりました。
● 「穏やか」に子どもに接していこうと思います。もっと前向きに子どもを受け入れて誉めて育てていこうと思います。「我慢できたね」「えらいね」など、どんどん言っていこうと思っています。
● 今の状況に一喜一憂することなく、長い視点を持って成長を考えていくきっかけになり良かったです。いじめやひきこもりなどについての具体的なお話も良かったです。
● ネガティブな経験をなるべくつませない、というお話に、日ごろの子育てを反省しました。本人が自信を持って毎日が送れるよう日々の小さなことから足元を見つめて丁寧に毎日を送れるよう努力したいと思います。
● 自閉症の原因説など、疑問に思っていたことが聞けて良かったです。医学の立場からの講演も独特でよかったです。色々な視点・話題の講演で大変勉強になりました。
● 本人を変えるよりも、周囲や環境を本人にいかに合わせていくかが大切だと改めて聞けて良かったです。小学生の娘がいますが、学校との話をするときについ見失ってしまいます。自閉症本人の気持ちを100%は不可能かもしれませんが、親としてやはり分かってやりたい気持ちです。ありがとうございました。頑張ります。
● アスペルガー症候群=軽度発達障害、という用語は使わない方がいいという言葉が印象に残りました。社会性の障害であり、その障害自体は決して軽度ではないということ。また同じ自閉症スペクトラムとして大切なこととして、理解と支援が必要だということを、詳しくお話してくださり、とても感動しました。
● 高機能自閉症であっても特別な支援が必要であることを再認識しました。自閉症の特性を知ること・その子にあった支援をみつけるために必要なこと。たくさんのことを発見できて良かったです。

 【教職員からの感想】

● 自閉症スペクトラムについて、とても専門的でありながら、とても分かりやすい内容で良かったです。先生の熱意を感じました。支援に向けての心構えや基礎的な知識を多く知ることができました。またぜひ参加したいです。ありがとうございました。
● 非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。内山先生の「障害を克服する、という言葉は嫌いです」というお話、同感です。彼らは彼らのままでいいし、その特性を生かして皆に理解されて暮らすことを願います。
● 今まで漠然と感じていた彼らへの支援の原則が、内山先生の考え方をお聞きして、間違っていなかったことに安心しました。また、今まで知らなかったことを色々分かり易く教えていただき、より深まった気がします。日々の忙しさで忘れかけていたことを思い出すことができました。
● これまでなかなか研修の機会がなかった「思春期〜成人期にかけての支援」にスポットを当ててのテーマでお話が聞けて、大変参考になりました。
● 具体的な支援の仕方がよく分かりました。また「力で抑えつけるような厳しい指導がその後どのように悪影響を及ぼすか」ということもよく分かりました。
● 「軽度発達障害という表現は使わない方がいい」とおっしゃられたお話、同感です。また「適切な環境であればアスペルガー症候群であるということは、必ずしも障害にはならず、むしろ能力を発揮できる」というお話、本当にそうだと思います!そうなるといいなと思います。
● 自閉症に対する支援の際の心構えを再認識できた。周りの人が自閉症本人を知る環境を、本人が心地よい接し方をするよう、仲間作りをしなければならないことも改めて確認しました。
● 非常に内容がクリアで分かりやすいお話でした。アスペルガー症候群の中に軽度の知的障害の子どもも含まれるというお話、びっくりしました。初めて聞くお話が多く、興味深く聞くことができました。育てる会でバインダーなどを準備してくださり、暖かい配慮が嬉しかったです。
● 思春期以降の方の情報を知ることは、児童期の成長にとても大切だと思います。その部分のお話をしっかり聞けたので良かったです。
● 自閉症やアスペルガーの子に対しての支援の目的を分かり易く教えていただきました。できることではないと分かっていても「できるようにさせたい」「他の人と同じようにさせたい」という気持ちがあって、私もその子もしんどかったと思います。直す目的ではない、一般的にはどう支援したらいいのかということが分かって、少し気が楽になりました。

 【福祉関係者からの感想】

● 支援=理解だと言われたこと。診断は支援のために行うんだということ。認知のかたよりは弱点ではあるが、それを長所として生かすことが大切なんだということ。
● 高機能自閉症・アスペルガー症候群の支援の目的が分かり易く理解できた。思春期・青年期の問題はベースに自閉症が絡んでいる場合が多くあり、その人その人の特性に応じた支援・周りの協力が自立に向けて必要であると痛感しました。今日の講義を今後の助言に役立てていけるよう、フィードバックしたいと思います。
● 思春期・成人期の話が聞けてよかった。支援の目的・どう接するかという部分はとても分かり易く、今後自分の仕事の中でも活かしていけそうな気がした。
● 自閉症の基本定義から説明してもらえて、よい確認になった。また特性についても、一つ一つ丁寧に説明してもらえて、時に具体的に取り上げてもらえて詳しく理解することができた。

 【その他感想・意見】

● ありがとうございました。他県まで行くとお金もかかります。本当にこのような機会を用意してくださり、ありがたいです。バインダーも用意してくださり、助かりました。
● 自閉症を克服することが目的ではない。自閉症は自閉症らしく、と言われたことがよかった。
● 自閉症スペクトラムの人の細かい特徴についてよく分かった。スライドがしっかりまとめてあり、レジメとしていただけたのもありがたかった。
● どんな障害にもあてはまりますが、その障害・その人の特性を生かした生き方をしていく。そして、少し苦手な部分をお互いに補いあいながら生活していくことができたら、より豊かな世の中になるのではないかと、お話を伺いながら思いました。
● 非常に貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。ボランティアでアスペルガー症候群の子どもに接する機会があり、高機能自閉症やアスペルガー症候群について理解を深めたいと思い、参加しました。私は今後子ども達に接することの多い職業につきます。今日のことを活かして仕事がしていけたらと思います。

川崎医療福祉大学招待行事
  
「育てる会 クリスマス会 ☆ 」報告

12月23日(土)倉敷市にて川崎医療福祉大学招待行事「育てる会クリスマス会☆」が開催され、育てる会から20家族58人の親子が参加しました。
代表の巻頭文にて、大きく取り上げていただいているので、ここでは保護者からの感想と会場の様子を掲載したいと思います。


【 コンサートについて 】

・ クリスマスソングやなじみのある曲ばかりだったので子どもも楽しく聞けました。私自身も生演奏を聞く機会がなかったので、とても良かったです。
・ 選曲も時間の長さもピッタリでした。弦楽器の柔らかで優しい音色に子どもも首を振り振り幸せそうでした。こんな風に離れて座ってもちゃんと音楽を楽しめるようになれた息子に感慨深いものがあります。
・ 本格的な演奏でうっとりしていました。子どもは途中から気持ちよくなって眠そうになっていました。それほど演奏が気持ち良かったのでしょう。
・ 生演奏を聞く機会がなかなかないので、素晴らしい演奏が聞けてとても嬉しかったです。子どもも喜んでいました。私もゆっくり聞けて感動しました。
・ 久しぶりの生演奏だったので、親の私が一番楽しみました!ありがとうございました。知っている曲ばかりで良かったです。音楽好きなので、かなりくつろいでいました。長い時間もっていたのでびっくりでした。
・ 子どもが叫ぶ為、普通の演奏会など何年も行けてなかったのですが、親の私もとても楽しめました。とてもステキなクリスマスプレゼントとなりました。ありがとうございました!!来年も企画してください!!
・ 生演奏で聞けるのはめったにないことなので、こういう機会に参加が気軽にできてとても良かったです。聴覚過敏のある息子に配慮してくださって、廊下側で聞かせていただきありがとうございました。
・ とても感動しました。子どもはチェロを見たのが初めてで、曲を聴いている間中、「どの音がチェロの音??」と興味津々になっていました。知っている曲(特にジブリやテレビで流れている曲)の時に「これどの曲?」と曲目の紙を覗き込んでいて、驚きました。なかなか生で音楽を聴くことのできない今、こんな機会を作っていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。

【 レクリエーションについて 】

・ じゃんけん汽車ぽっぽは全員参加で長い列、ビンゴは分かり易い支援があったので、楽しめました。
・ ビンゴもよく知っているレクリエーションだったのでしっかり内容を理解して参加できたと思います。嬉しそうにプレゼントをもらいに行っていました。景品を保護者が自分で準備し、我が子に必ず当たるのは良かった思います。
・ 単純なルールだったので子どもも理解して楽しめたと思っています。ビンゴゲームもルールは少し難しいようでしたが、数字をさがすことを楽しんでいました。親の選んだプレゼントが渡るのも、本人の好みで予め選べるので喜ぶものが渡せてよかったと思います。
・ 初ビンゴだったのですが、数字好きなので、自分のカードを一生懸命探していました。ビンゴで聞き落としの時用に、各テーブルに紙を貼っておいて、チェックしていくのはいいアイディアですね!!皆揃うまで続けるって言うのもいいと思います。終わった子も待てていてすごいなぁと思いました。
・ 去年まではうまく参加できませんでしたが、今年はビンゴもじゃんけん汽車ぽっぽもとっても楽しそうに参加していました。特にビンゴは自閉症の子にとっては、分かり易く楽しめるゲームなのかもしれませんね。
・ 親子で参加するとエネルギー発散・ストレス発散ができて元気になり、思ったよりも楽しかったです。じゃんけん汽車ぽっぽは大人も混ざって、勝つことも負けることも楽しい雰囲気だったので、負けて怒ることもなく楽しく参加できていました。
・ じゃんけん汽車ぽっぽは皆ですぐに触れ合えるのでいいと思います。ビンゴは2人共大好きなので、張り切っていました。数字を大きくした紙を黒板に貼るアイディア、分かり易かったです。

【 当日の学生スタッフさんの対応について 】

・ 自動車で入った途端にASC部の看板を持って待ってくださる部員の方に感激!毎年こんな風に迎えてくださる部員の方との出会いからクリスマス会スタートで、楽しい予感がヒシヒシしました。
・ 入口のところから看板を持って案内してくださり、分かり易かったです。子どもへの気配りも良かったと思います。ありがとうございました。
・ こちらの様子に気付いて案内を手早くしてもらって助かりました。とても優しく接してもらって嬉しかったです。暖かい雰囲気で対応していただきました。
・ サッカーなどでボランティアしてくださっているお兄さんお姉さんを見つけて、子どももとても嬉しかったようです。
・ とても感じよく接してくださりました。駐車場から建物の入口から歓迎してくださっていて、来て良かったなぁと思いました。
・ スタッフの方は皆さん親切で、本当にお世話になりました。
・ パニックになる寸前の対応がすばやく、優しく丁寧に接してくださって、パニックにならずに安定して楽しく過ごすことができて子どもも大満足でした。
・ 案内や説明、また事前の資料などの準備がとても手厚く安心して参加できました。トイレも男性の方が中の様子を見てくださったので助かりました。

【 その他なんでも 】

・ 毎年ご招待いただきありがとうございます。子どもたちも楽しみにしています。今日は午後からでしたが時間的にはちょうど良かったかなと思います。楽しい時間をありがとうございました。
・ 今日はお世話になりありがとうございました。楽しく参加させていただき嬉しかったです。学生の皆さんがイキイキと活動されている姿がとてもまぶしく、頼もしく思えました。嬉しかったです。来年も参加させていただきたいです。
・ このような楽しい企画に参加させていただき、ありがとうございました。また次回もぜひ参加させていただきたいと思います。ありがとうございました。
・ ハンディのある子どもと親のために心を寄せてくださり、本当にありがとうございました!良いお年を。
・ 育てる会とASC部さんとで色んな意見を出し合いながら子ども達にできることを考えていけたらなぁと願っています。楽しい時間を過ごせる機会を与えてくださってありがとうございました!
・ 最初から「うちの子は無理だ」と諦める前に、こういうイベントに参加させていただくことで、学生スタッフさんの丁寧で優しく適切な対応があるので、改めて育てる会への親近感が湧きました。「来ても大丈夫だ!」と思えました。そして色んな発見もできてとても良かったです。ありがとうございました。
・ 今回初めてクリスマス会に参加させていただきました。なかなか室内での行事は落ち着かないことが多く、参加を見送ることが多かったのですが、今回はコンサートに強く惹かれて勇気を出して申し込みをしました。最初はそんなきっかけでしたが、事前にスケジュールを伝えてくださったり、アンケートを取ってくださったり、その手厚さに心配よりも楽しみに思う気持ちの方が大きくなりました。当日も本当に楽しかったです。子どもも「楽しかった!」とビンゴの景品を持ちながらニコニコ顔です。来年もぜひ参加したいです。
・ 毎年川崎医療福祉大学の学生さん達にクリスマス会を企画していただき、とてもありがたく思っています。色々と準備をしてくださり、暖かく迎えてくださっているのが嬉しいです。一生懸命さとセンスのよさが伝わってきました。

川崎医療福祉大学ASC部の学生の皆さん、本当にありがとうございました。
当日までの準備・当日の運営や進行、とても素晴らしかったと思います。
今後とも育てる会の子ども達をよろしくお願いいたします。
そしてスペシャルサンクス「ピノキオ・カルテット」の皆様!!
素晴らしい音楽を聞かせてくださって、ありがとうございました。

赤磐ぐんぐんだより

障害者自立支援法の改正に伴って、この10月から赤磐ぐんぐんも体制を変えることになり、午前中に就学前の幼児クラスを開くことになりました。それに伴い、サービス管理責任者の資格を持つ方が必要となり、新しく療育スタッフとしてお願いしました橋本美栄子さんです。
初めまして。橋本美栄子と申します。
赤磐ぐんぐんの教材作りのお手伝いをさせていただいていましたが、この度縁あって10月からスタッフに加えていただきました。主に就学前の子どもたちの療育に関わっています。
退職後、すっかりのんびりムードになってしまった頭と身体で時々ずっこけながらもスタッフの皆さんや子ども達・保護者の皆さんから学びを重ねる日々です。
新しい一年が始まります。気持ちを新たに、可愛くてエネルギーに溢れる子ども達から元気をもらいながら、頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします
新しく開かれた幼児クラスには3歳〜6歳の子どもたちが元気に通ってきています。
スケジュールの中に「みんなの会」を取り入れ、小集団での活動を行っています。「みんなの会」の活動の流れは、子ども達が安心して参加できるようにいつも同じ流れです。
今日の日にち・天気・メンバー・先生の確認をした後は、模倣の力をつけるために手遊び歌をします。先生の動きを見ながら、一生懸命にまねをする人もいれば楽しそうに歌っている人もいます。「みんなの会」が終わると、それぞれのスケジュールを過ごします。また、おやつや遊びの時間などにも子ども同士で関わる時間を取り入れ、集団の中で短い時間すごす練習をすることで、学校生活に繋げていきたいと考えています。
幼児クラスが始まって2ヶ月たった今、おかげ様で、やっと軌道にのることができつつあります。
毎月1回、赤磐ぐんぐんの見学会を開催しています。
この見学会では、赤磐ぐんぐんでの療育を希望されている保護者の方や、学校や園の先生、将来福祉の現場での仕事を希望している学生さんなど、様々な方がいらっしゃいます。
赤磐ぐんぐんでは自閉症児の特性にそった支援を行うことを目的に療育を行っています。
1.「場所の意味を伝えるために」物理的な構造化をしています。
これは子どもひとりひとりが場所の意味を読み取り、そこでは何を行ったらいいのか見てわかるようにするためです。
2.「時間の流れを伝えるために」スケジュールを使用しています。
スケジュールは個々に合わせたもので写真カード、実物、文字で書かれている携帯型スケジュールなど色々あります。スケジュールは提示したらいいというものではなく、本人が提示されたものを見てその活動先に自立していくことができて初めてスケジュールの意味を理解しているといえます。提示されたものから意味を読み取ります。
3.「活動の流れを伝えるために」ワークシステムを利用しています。
ワークシステムはカードで示される場合や机上にセットされているものを行う場合、棚の課題が全部なくなったら終了という場合・・ここでもその子どもの理解度に合わせて設定をします。
4.「見てわかる課題」を準備しています。
将来人がずっと側にいないと仕事や勉強ができないのではなく、自分で見て分かるように勉強の課題や身辺自立の力をつけるための課題を、子どもに分かりやすいように作成しています。
このような内容を実際の療育室の中を見ていただきながらお話させていただいています。
先日の見学会へは、岡山県立短期大学の学生さんと先生が見学にいらっしゃいました。
皆様から見学をしての感想をいただきましたので、紹介いたします。

今回、児童デイサービスセンター・赤磐ぐんぐんで施設見学をさせていただき、とても貴重な時間で、勉強になることばかりでした。実際に、構造化というのを見せていただき、自閉症児に対する対応の仕方を目の当たりにし、現場に出て役立つことがたくさん学べたと思います。
私が今回すごく印象的に感じたことは、どの先生もいきいきとしておられたことです。自閉症児と関わることは楽しいと言っておられる姿そのままが素晴らしいと思いました。私も近い将来子ども達と関わる仕事に就きたいと考えていますが、健常児であっても障害児であっても子どもと関わることを楽しんで教育を行える教育者になりたいと感じました。今回の見学で学んだことを、現場に出た時など様々なことに生かせていけるように頑張っていこうと思います。
見学を終えて思ったことは、自閉症児の一人ひとりの特徴を知り、その上で、何が必要か何をしたら良いかを考えていくということの大切さです。自閉症は、100人いたら、100通りの関わり方があるといいます。一人ひとりが違う特徴をもっているということを踏まえ、その子どもが自立できるように最大限援助していく、といことをこの施設見学で学ぶことができました。そのようなことは、これから保育士として現場に出たときに、大いに役立てることができると思います。それを生かしながら、これからももっと勉強をして、専門性を深めたいと思います。
自閉症という障害をしっかり理解し、一人一人に合った援助、配慮を試行錯誤しながら追及できる保育者になれるようにいつでも一生懸命でいたいと思いました。今回学ばしていただいたことを一人でも多くの人にしっかり理解していただけるように伝えます。    (一部抜粋)
赤磐ぐんぐんは親御さんと一緒に、自閉症の障害特性を理解し、通ってこられているお子さんの将来について一緒に考えあいながら療育をしたいと願っています。そのため療育中は親御さんは別室でお子さんの療育の様子を見ていただいています。
そのためのモニター用テレビが今現在8台あります。ですがもっともっと親御さんたちに子どもたちの様子を知っていた
だき、見ていただき、療育がどのように行われていて、どのようにしたらお子さんの力をもっと伸ばしていけるか、親御さんたちに考えていただくために、テレビがもっとあればと願っています。もし皆様のご自宅にテレビがありましたら、小さいもので構いませんので、お譲りいただきたいと思っております。
今後とも自閉症児者と保護者のための活動を続けて参りたいと思っています。
皆様よいお年をお迎えください。

キッズルームのお知らせ

先日、11月26日(日)に、第2回キッズルームが開催されました。
参加者9家族・14名の参加がありました。
今回初参加の子どもさんも、最初は初めての場所で戸惑ったりお母さんに抱きついていたりする場面も見られましたが、段々と慣れていき、最後には笑顔で帰ることができました。
岡大児童文化部の学生さんたちが作り上げてくださっているキッズルームも、自閉症の子ども達への視覚的支援や構造化が取り入れられ、過ごしやすくなっているようです。ボランティアさん、参加された皆様、お疲れ様でした。
岡大児童文化部の方から感想をいただきましたので紹介します。

今回は久しぶりのキッズルームの参加だったので、少し緊張しました。今までのキッズでは、小さい子につくことがほとんどだったのですが、今回は中1の男の子ということで、戸惑うことがありましたが、今回のキッズは、私にとって初めてなことや久しぶりの体験ができたので、驚きでもあり、ラッキーでもありました。常に進化し続けるキッズを大切にしていって欲しいです。
次回のキッズも楽しみにしています。  (あわわ)
今回は部活を引退して初めてのキッズでしたが、今までと何ら変わらず楽しませてもらいました。キッズは毎回参加して、いつも何かしら新たな発見があります。今回、私がついた子どもは久しぶりの参加ということで、最初は落ち着きがなく心配だったのですが、体操の時に今までできなかったことができて、その時にお母さんがすごく喜んでいて、私もすごく嬉しい気持ちになりました。短時間だけど、その中で喜びを生み出すこともできる可能性に気づき、キッズの素晴らしい一面を感じることができました。   (スパイシーまみ)
1日中1人の子どもにつくのも楽しいなと思いました。今回ついた子どもは、来て早々ビッグボールに行き、ずっとそれで遊んでいました。お母さんが「いつもボールで遊ぶんです」と言っていたので、これが好きなのかなと思いました。その後、円盤にいったんですが、最初は怖がって乗るだけだったけど、途中で回れるようになって、すごく楽しそうでした。終わっても、「まだやりたい、まだやりたい」と少し不満気でした。そのうち段々子どもと仲良くなれて、休憩では一緒に床でゴロゴロして。終わった時には、熱い抱擁をかわし、
本当に楽しかったです。  (ヨンちゃま)
今回のキッズも大変有意義な時間を過ごすことができました。今回は兄弟担当でしたが、甘えん坊で、すぐにお兄ちゃんやお母さんのところへ行きたがっていました。しかし、後半は自ら遊びに積極的に参加していました。最初、スカイバルーンを怖いと言って触ろうとしなかったのですが、途中からスカイバルーンを持つようになり、中にも入ってとても喜んでいました。次回からは、初めから楽しめるのではないかと保護者の方がおっしゃっていました。また今回ついた子どもにもう一度つきたいと思いました。  (よつばちゃん)
今回、初めて自閉症児本人につきました。最初は少し緊張したが、一緒にトライアルをしていたら、そんな緊張はどこかへいってしまって、遊ぶことに夢中になっていました。子どもに話しかける際に、長い文章で言ったことが伝わってなかったのですが、プロフィールに「短い文章で話しかけるといい」と書いてあったことを思い出し、短い文章で話しかけました。改めて知ることの大切さを実感しました。  (あろは)
今回初めてキッズに参加させてもらいましたが、こんなにも楽しいものだとは思いませんでした。今回は兄弟の子につかせてもらって、その分色々観察できたりしてよかったです。いくら頭で理解していても、実際には接したことがなかったので、少しドキドキしていました。自閉症児にも様々な子どもがいるということもこの目で確認できました。私がついた子は、始まった時に泣いてしまったけど、最後には真剣に見て模倣していました。スカイバルーンでも楽しそうにゆらゆらさせていました。改めて、キッズの力はすごいなぁと思いました。  (シフォン)
今回も前回と同じ子につかせていただきました。相変わらず可愛かったです。今回、嬉しかったのは子どもの成長が見られたことです。前回は、トライアル中ずっと教材のところにいたのに、今回はすごく好奇心旺盛になっていて、ほとんどの教材をやり終えた後、他のスペースにも行って、トンネルや魚釣りなど全部のトライアルをやっていました。本人もすごく楽しそうで、見ている僕としては嬉しい限りでした。  (アンドロメダしゅん)

  掲 示 板

 ○冬季お休みについて

事務局は冬季休業を12月30日(土)〜1月4日(木)となります。
この期間、事務局には人がおりませんので、ご用件のある方は早めにご連絡お願いします。メール・FAXなどへのお返事も5日(金)以降となりますのでご了承ください。
なお、赤磐ぐんぐんの冬季休業日は、上記とは異なります。
赤磐ぐんぐん休業日につきましては、利用者へ改めてご連絡いたします。

 ○いらなくなったテレビありませんか?

地デジなどで買い換えるため、いらなくなったテレビ(小型)ありませんか?
赤磐ぐんぐんの保護者が子どもの様子を別室で見るためのモニターとして必要です。
お心当たりのある方は育てる会事務局(086-955-6758)まで。

 事務局だより
今年はどうやら暖冬のようですね。知り合いの車屋さんが「スタッドレスタイヤが売れない」と困っておられました。寒がりな私にとってはありがたいですが、この冬、スキーも自然雪では難しいかもしれません(><)
さて、今年も押し迫って参りました。本当は年始号にしようかなとも思ったのですが、思った以上にボリュームたっぷりの会報になったので、ぜひこれは早めにお届けしたいと思い、年末慌しいこの時期にお送りしました。いかがでしたでしょうか?
11月から12月にかけて、育てる会の行事も目白押し。セミナー・勉強会・キッズ・そして先日の川崎医療福祉大学クリスマス会。どの行事にも思い出いっぱい笑顔いっぱいです。
代表も巻頭文で紹介しておりましたように、川崎医療福祉大学のクリスマス会は、本当に大勢の親子の笑顔が弾けた一日でした。
演奏をしてくださったボランティアバンド「ピノキオ・カルテット」の弦楽四重奏の美しい調べに酔いしれながら、ふと見ると、聴覚過敏があるTくんが、廊下でお母さんと一緒に椅子に座って聞いています。演奏会つらいのでは、と心配していましたが、他の子どもの声が聞こえない廊下であれば、音楽に集中して楽しめていたようです(もしかしたら逆に廊下の方が音楽がいいカンジに反響していたのかも?笑)
じゃんけん汽車ぽっぽは川崎医療福祉大学ではお馴染みのゲーム。親子ボラさん全員参加で(ピノキオ・カルテットの皆さんも参加してくださいました)、大きな輪がつながりました。ゲームでは「3回やります」などと回数も明示してくださり、ストレスなく参加することができていました。
ケーキの後のプレゼントタイム「ビンゴ大会」では、数字を読み上げるだけではなく、その数字を紙に書いたものを黒板に貼っていき、また聞き落としがないように机の上に出た番号をチェックする紙が置いてあったため、約30分、全ての子どもがビンゴになるまで、どの子どもも立ち上がることなく最後まで座って楽しむことができていました。
準備や片付けなど、どの活動にも学生さんたちの思いと熱意がこもっていて、本当にありがたい時間となりました。来年もどうぞよろしくお願いします★
1月には、木工教室やNTN見学会などもあります。お正月休みでもFAXやメールで申込受付けますので、早めにお申込みください。それでは皆さんお体に気をつけて、よい年をお迎えください。
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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