sorry,Japanese only

平成19年1月31日

 

 第105号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 105号 目次

 雪が降りました
 平成19年度 育てる会 理事募集
 木工教室 報告
 勉強会 「NTNテクニカルサービス 夢工房」見学会
 支援者養成講座 お知らせ
 AAO ・ キッズルーム ・ サッカークラブ ・ 水泳教室 お知らせ
 私のお薦め本
     『 自閉症児と絵カードでコミュニケーション 』
 近隣の講演会のご案内
 お母さんコラム
    『 病院放浪記 』
 掲示板 ・ 事務局だより

雪が降りました。今年初めての雪は地面に落ちた途端に消えてしまいました。私が生まれた兵庫県西脇市は年に何回かは雪が降り、それが積もったものでした。今と違って昔はもっと寒かったように思います。雪が降ると子ども達は外へ飛び出して行って雪の中でよく遊んだものでした。雪だるまを作ったり、男の子たちと雪合戦したり、積もった雪をすくって食べたりもしたっけ…。懐かしい子ども時代の思い出は、今でも心の中を温かくしてくれます。
そういえば哲平は雪がすきなのでしょうか。雪がやんだ後の我が家の庭も隣の空き地も哲平の足跡で埋め尽くされてしまった日もありました。この雪もっと積もればいいのになぁ〜、もっと降れ〜、もっと降れ〜。雪国の人には申し訳ないけど思ってしまいました。

さて、1月25日(木)に、哲平の職場であるNTNの見学会がありました。会社のご好意で特別にお仕事中にも関わらず時間を取ってくださいました。総勢20名で、NTNテクニカルサービス株式会社「NTNワークショップ 夢工房岡山」へ伺いました。
いつもは静かな夢工房。でもこの日は20人ものお母さんの熱いまなざしの中で、哲平はいつもどおりトレイの袋かけ作業をしていました。もう一人の職場の仲間のMさんは、箱にバーコード貼りをしています。
哲平は少しいつもより張り切っているのか、肩に力が入っているように見えました。でも、普通なら動じると思えるこの雰囲気にも淡々として働き続ける哲平でした。T部長が、何度も試行を重ねて作ってくださったジグを使ってトレイに袋をかけていきます。四隅がピターっと決まって、とてもきれいです。てきぱきと袋かけをされたトレイの山が段々高くなっていきます。無駄口を叩かず、コツコツ仕事をするその姿に、お母さんたちはびっくりされています。作業テーブルやイス・バーコード貼りのための様々なジグ(働きやすいよう考えられた道具)。言葉の指示がわかりにくい哲平のために、指示書や作業の数量表がそこここに適切に準備されています。
本人がわかるように、使いこなせるようにと、分かるまで何回も何回も作り変えられていく数々の支援のための道具や指示書。
それは、会社の障害者雇用への取り組みの熱意と情熱の表れのようでした。そしてそれに携わってくださったS所長以下、T部長、Nグループ長、そして哲平をサポートしてくださる I さんの「この子をなんとか仕事場で働きやすいようにしてあげたい」という愛情に他ならないと感じました。まさに、障害者が主役となって働く職場の姿です。
T部長は言われました。「NTS障害者雇用は、決して『ボランティア活動』ではありません。赤字でもいいというような考え方では、障害者雇用の拡大は望めないし、維持も難しい」と。障害者は働かなくても良いというようなお情けで雇っていただいているのではなく、戦力として働けるから、仕事をさせていただけているのだと私は思います。だからこそ、きちっと仕事ができるように周りの環境を整えて、働きやすいように、次々考えてくださっているのだと思いました。
言葉が分からない哲平のために、写真で文字で哲平が分かるまで、伝え方を工夫してくださいました。それには時間もかかりましたが、その甲斐あって、できる仕事量も増えてきました。
最初、哲平はストレスも高かったのか、入社してしばらく経過した頃、トイレの回数が多くなりました。そして少し痩せてしまいました。哲平のトイレの回数はストレスのバロメーターとなりました。でも、先に書いたような様々な工夫のおかげで、トイレへ行くことが全くなくなり、やがて体重も元に戻りました。元々痩せている哲平が、夏場はもっと痩せていたのですから、皆で体重が戻ったことを大喜びしたものでした。
まさに家族のような暖かな職場です。こんな仕事場が息子のために用意していただけていることを、私はどんな言葉で感謝しても足りません。その言葉を知りません。いつもいつも力いっぱい家庭でできるサポートをさせていただきたいと思うばかりです。決して障害は軽いとは思えない哲平が就職できました。このことで、多くの小さい子どものお母さんたちが将来に夢を持って、希望を持って子育てされることができたらと思います。

続いて、哲平が出場した10キロのロードレースについて紹介します。
前回の蒜山マラソンでは、山口衛里さんに伴走していただいて、10キロを43分26秒という記録を残すことができました。その時がよっぽど楽しかったのか、あれ以降哲平は山口さんから紹介していただいた桃太郎夢クラブで、月二回練習をして、次のレースに備えていました。
職場の I さんに薦められたこともあって、1月21日、美作市F1ロードマラソン大会に出場することにしました。伴走してくださる方を探しましたが見つからず、「まぁなんとかなるでしょ」と当日を迎えました。
前回は混雑を予想して最後尾からのスタートを選びましたが、F1の会場はスタートラインも広いので、最前列でタイムのロスを減らすことにしました。お父さんと哲平は招待選手の後ろでスタートを待っています。すると、女子選手の中に夢クラブのユニホームを着たOさんを発見しました。Oさんは養護学校の先生もされていて、何度も女子の部で優勝されている方です。実はある方を通じて伴走をお願いしてみましたが、招待選手であるとのことで断られた方でした。哲平の実力は、蒜山マラソンの優勝された女子の方の次の成績だったこともあって、女子の速い人の後ろをついていくのがちょうどいいだろうと・・・その場で勝手に判断して、急ぎ「Oさんを追え!」と指令を出しました。哲平はその言いつけをしっかり守り、お父さんを置き去りにして、Oさんの後ろをついて走りました。
Oさんありがとうございました。さぞご迷惑だったことでしょう。Oさんは大阪女子国際マラソンでも招待選手として出場され好成績を収められたそうです。ゴール後あらためてご挨拶させていただきました。
Oさんは女子の部で優勝され、哲平は40分28秒と、前回のコースより苦しいはずのコースで3分も時間を縮めました。お父さんは哲平に遅れること20分、1時間00分00秒のピタリ賞で、ゴールでした。二人ともよく頑張りました。
好成績に気をよくして、次のレースは3月11日の美咲町柵原星の里マラソン大会に出場することを決めました。こうなったら、今度は招待選手の天満屋の選手の後ろについて走ってみましょうか。
またまたご迷惑を顧みない、てっちゃんの母さんです。10時35分スタートです。応援よろしくお願いします。

ところで、自閉症支援者養成のためのセミナーが2月24日に、おしまコロニーのつくしんぼ学級の金沢京子園長をお招きして行われます。
とても良い講演会ですのに、お話しの対象を幼児期に絞ったためか、参加申し込みがあまり進んでいません。私たちが今まで行ってきた講演会は、小学生以上の保護者の方や学校の先生向けのものが多く、幼児期の保護者や幼稚園保育園の先生方への広報をかける方法が見つかりません。この会報を読んでくださっている方で、出身の保育園や幼稚園、幼児の通園施設にチラシをお持ちいただける方はありませんか?もし我が子は大きくなって幼児期でないとしても、あの頃を思い出して、もっとこの自閉症という障害を理解できていたら、どんなに子どもの生活が楽であったろうと思われるのではないでしょうか?そういう意味で、後に続く小さな自閉症児のためにご協力いただけたらとお願いします。
また、こんな支援があれば、自閉症の子たちは安定して保育園や幼稚園で過ごせるという具体的な取り組みですので、岡山の幼児に関わる療育施設の皆様にも、新しい方向性を示していただけるセミナーになると思っております。今年一番の育てる会主催のセミナーですので、お誘いあわせておいでいただきますようご案内いたします。

最後に哲平くんの面白話です。夢工房のお便りからの抜粋です。
「顔が赤く感じ、『えらい?』と聞くと『えらい!』。『大丈夫?』と聞くと『大丈夫!』。『どっちですか?』と聞くと『えらい』と小声で言いました。」
と書いてあります。『えらい』は『偉い』という意味と、もう一つ岡山弁では『しんどい(疲れた、体調が悪い)』の意味があります。兵庫県出身の母に育てられた哲平は「偉いねぇ」といつも褒め言葉として使われているので「えらい=偉い」なんです。
I さんは岡山の人ですから「えらい?」は「しんどい?」という意味で使われる。そんな訳で、トンチンカンなお話しとなりました。2人のやり取りが微笑ましく、自閉症でなくてもコミュニケーションは成立しない場合もあるよなぁ〜、と思った次第です。
皆様、寒さも一段と厳しい季節が続きます。お体ご自愛くださいね。春よ、来い!早く来〜い!!ではまた。
育てる会代表 鳥羽 美千子

平成19年度 育てる会理事 募集

来年は育てる会ができて「10周年」の記念すべき年です。
そこで、この記念すべき年に、理事をやってみたいと言われる方を、会報で募ってみることになりました。
「理事会」とは、正会員の方で組織される育てる会の企画・運営・決議機関です。
月1回の「理事会」にて、事業についての相談や説明、新しい企画などが立てられています。実際に今現在理事をしておられるお母さん方から、理事についての原稿をいただきましたのでご紹介します。

理事になって2年目です。理事会では毎回鳥羽代表の司会で楽しいおしゃべりをはさみながら、和気あいあいと進んでいきます。講演会に行きそびれても簡単な内容は教えてもらえますし(本当は行った方が良いのですが)、みんな遠距離から集まっているので岡山県内の学校の様子を知る事ができます。それからすごいなと思う事は、やってみたいと思っている事、意見を直接反映できる事です。とにかく役員会と言うより勉強会の様な感じなので得る物は多いとおもいます。お時間がある方は是非一緒に理事をやりましょう。おすすめです。(Sママ)
理事をお受けしてもう少しで丸3年が経とうとしています。当初私は理事がどんな立場であるか、どんな仕事を担ったらいいかも分からず引き受け(意外と無鉄砲なもので・・・)、でも月一度の理事会にも仕事のためなかなか出席できない回が続いたり・・・。それでも時折顔を見せては、勝手な意見を言うような、いい加減な理事でした。最近は出席率もよくなり、理事同士で子どもの悩みや親の思いを、代表と共に共感し、育てる会の活動に反映させていくお手伝いが少しできるようになりました。色々な地域の情報を聞けたり、理事同士で仲良くなれたりと、我が子のためにも自分のためにもなる、ステキな場所です。私たちと一緒に頑張ってみませんか?(チェリーママ)
本年度初めて理事をさせていただいて感じたこと・・・私は、自閉症であるわが子をどう理解してやって、何を大切にしながら子育てしていったらいいのか、常に悩んでいますが、そんな私にとっては、鳥羽代表のお話を聞かせていただける理事会は、大切なことをたくさん教えていただけるとても貴重な時間でした。「育てる会の理事さんって大変そう」と言われることがあります。私もそういうイメージを最初は持っていましたが、事務局が事務作業や準備など、ややこしいことは担ってくださっているので、負担になるようなことは全くありませんでした。本当に育てる会の理事は「おいしいとこ取り」です(笑)。鳥羽代表・事務局の紗代さん・理事をされているお母さん方との出会いが、私の子育てのプラスになっていることを感じつつ、これを独り占めするのは申し訳ないなぁとも思っています。たくさんのことが理事経験をされることで、育てる会の素晴らしさをより感じることのできる方が増えていくのではと思う今日この頃です。(TOMATO)

育てる会の理事会は、「やってみたいことが出来る場」です。
「こんな企画があったらいいのに」「我が子にはこういう勉強会があったらなぁ」
そんなご意見をお持ちのあなた。眠らせておくのは勿体ない!!前向きなバイタリティー溢れる先輩方と一緒に楽しくお茶を飲みながら、今後の育てる会を考えていきましょう。
なお、お父さんの理事会参加もお待ちしております。

木工教室 報告

先日1月27日(土)、ものづくり名人たちの憩いの場「木工教室」が開催されました。
今回作成したのは「木製手作り壁掛けフック」。
3歳から18歳までの10家族が参加し、川月先生(木工作家)のご指導のもと、子どもだけでなくお父さんお母さんも夢中で楽しそうに作品作りに取り組みました。
参加されたご家族から感想をいただきましたので紹介します。


今回初めて木工教室に参加させていただいたのですが、出来上がりの立派さに比べて、思っていたよりも一つ一つの作業がとても簡単で、糸ノコの場面以外は全部子どもが自分で作ることができました。とても嬉しかったようで、「学校に写真を持ってく!」とはりきっています。教えてくださった先生もとても優しい方だったので、いろいろ聞くことができ心強かったです。親の私まで、恥ずかしながらのこぎりのひき方を教わってしまいました。そして今日はお父さん大活躍!で、親子共々楽しい時間を過ごさせていただきました。木工の楽しさを知ってしまったので、糸ノコはさすがに家にないですが、とりあえずは簡単な木工キットのような物でも探して、親子で始めてみてもいいな・・・と思っています。また来年が楽しみです。今日は本当にありがとうございました。(K)
今回初めて木工教室に参加しました。申し込みはしたものの、息子が楽しめるかどうか不安でした。でも、その親の心配は全く必要なく、スッとその場に入ることができました。作業内容について先生からの説明を聞き、さっさと動き始めた息子を見てちょっとハラハラしました。息子は「糸ノコで切るのが楽しかった」と話してくれました。このような企画があるときは、「また参加したいね」と話しながら帰りました。ありがとうございました。(M)
初めて木工教室に参加しました。事前に材料をいただき、絵を描いたりすることにより、「どんな壁かけフックができるかな?」「木工教室楽しみだね!」と仕上がりに期待が持てました。子どもも大人もちょうど楽しめるくらいの内容(大人が結構夢中になってしまいました^^)で、しかも実用的なものだったので良かったです。育てる会の行事に参加して「家族で楽しめる」ところが一番嬉しく思っています。ありがとうございました。(K)
今回初めての参加でした。息子は教室に入ってすぐに糸ノコの大きな音に驚き、「うるさい?」と言って辛そうでしたが、落ち着くために一旦外に出てトイレに行きジュースを買うと、自分からさっさと教室に戻り参加することができました。糸ノコには怖くて近付きませんでしたが、穴を開ける機械は気に入り、笑いながら親と一緒にレバーを持って穴を開けることができていました。自分なりに親がしているのを見て、ヤスリをかけ色塗りやお絵かきをして参加していました。息子らしい味のある壁掛けフックができ、息子も私達親も作ることが出来た達成感と満足感を感じています。親子だけでは成し得ない、やってみようという勇気の持てない木工の作品を作る機会を与えてもらえてとても感謝しています。楽しい思い出の作品となりました。先生、育てる会の皆様、ありがとうございました。(りょうくんパパ・ママ)
木工教室では大変お世話になり、本当にありがとうございました。パーツを送っていただいた段階から、子どもと一緒に色を塗ったり、図案を考えたり、わくわくしながら当日を迎えました。当日はノコギリを使うのさえ、主人も私もウン十年ぶり(?)で、最初はこわごわでしたが、作業が進むにつれ、親の方が夢中になってしまうくらい、楽しさにはまってしまいました。子どもも自分で色を塗ったり、手を添えながらのこぎりの作業も一緒にやったり、ボンドを使ったりして、自分でできたという満足感を味わえたと思います。先生からもちょっとしたコツを適切にアドバイスいただき、親子で楽しい思い出を作ることができました。このような貴重な機会を作ってくださった先生とスタッフの皆さんに、とても感謝しています。またこのような機会があればぜひ参加したいと思います。楽しい一日をありがとうございました。(M)

楽しい時間とステキな作品が出来上がったみたいです。
子ども達が楽しくできるようにとたくさんの工夫をしてくださった川月先生、本当にありがとうございました。

勉強会 報告

先日、1月25日(木)に、鳥羽哲平くんの就職先「NTNテクニカルサービス(株)夢工房」への見学会が、職場のご好意で開催することができました。
お母さん達20名で、鳥羽くんの熱心な仕事ぶりを見て感じ入った後、T部長さんから、この「夢工房」が出来た経緯などについてお話いただき、Iサポート員さんから支援の際に気をつけていることなどを教えていただきました。
参加者からの感想をいただきましたのでご紹介いたします。

企業の多くが障害者の雇用に対して、法規・制度から取り組んでいるだけで、1人の人間として採用しているわけではないと思います。それでは障害者本人の仕事に対する意欲が損なわれ、お互いのコミュニケーションまでも上手くいかなくなるのではと思っていました。しかし夢工房では所長さん方の創意工夫や家族の方々との連携等、どれを取り上げても安心して仕事に取り組む事が出来る環境を作り上げられている場だと思いました。NTN「夢工房」のような取り組みを行われている場が、今後益々増える事を切望すると共に、「夢工房」の今後の発展を願います。(N)
まず驚いたのは、T部長をはじめとして、グループ長のNさん・サポート員のTさんの意識の高さです。いかに鳥羽君たちが効率よく仕事ができ、日々を快適に過ごせるのかということを真剣に考え、即実行に移している・・・なかなかできないことだと思います。仕事の効率だけでなく、作業をする人の肉体的な負担も考えている、細かい配慮に感心することばかりでした。このような働く場がもっとたくさんできればいいのに、と本心から思いました。私の息子は今小4。将来、自立して働く人になれるように、一つ一つのスキルを積み上げていきたいと思います。(H)
夢工房を見学させていただき、哲平君が快適に働くための工夫や支援がいたるところに施されていることに感動しました。ここまでに作り上げるには様々なご苦労があったと思います。また、Tさんのお話で、仕事に関してだけではなく、対人関係のルールまでも習得に力を注いでおられる点に、哲平君への愛を感じました。スタッフの皆さんの優しさや情熱が伝わり、素晴らしい職場で働けて、哲平君は幸せだなと羨ましく思いました。息子が就労する姿なんて、想像もつかないのですが、これからは将来の就労を目標に、身に付けさせるべきことを考えて、少しずつ取り組んでいこうと思います。様々なことを考える貴重な時間となりました。ありがとうございました。(T)
どのような会社なのか楽しみにして行ったのですが、想像以上に素晴らしい環境に、感心するばかりでした。一日のスケジュールや仕事の指示がとても分かり易く表示されていて、その中で落ち着いてテキパキ仕事をしている2人。仕事の正確さと素早さに見入ってしまいました。「うまくできないのは、こちらの伝え方が悪いから。そこを工夫していけばいい」という指導員の方のお話を聞いて、こんな考え方をしてくださるのだ、と感動しました。就労は、保護者がどの程度決心しているかに尽きるというお話もあり、「頑張っても、どうせ就労は無理だろうなぁ」と考えてしまうことも多く、何となく過ごしてしまっている自分を振り返り、改めて頑張っていかなければならないと思いました。こんな会社がもっともっと増えて、子ども達がしっかり仕事をして自立できたら、と思わずにいられません。(M)
お忙しい中、長時間分かり易くお話してくださり、ありがとうございました。T部長さんをはじめ、Nグループ長さんやIさんの温かい熱い思いに感激しました。鳥羽君の作業能力の高さは知っていましたが、それを発揮できる環境を整える必要があり、会社にはなかなかそんなことをお願いできないだろうし、してもらえないのではないかなと思っていました。が、今日見学させていただき、こんなステキな会社があることを知り、嬉しくなりました。私達自閉症の親に、夢と目標を与えてくださり、本当にありがとうございました。夢工房の益々のご発展を心からお祈りしております。(I)
「どう育てれば就労できるか」という質問に対し、T部長さんが「保護者の方が世間の中でどの程度自立(就労)さそうと決心しているかに尽きる」というお答えには、まさにその通りだと思いました。一生懸命働ける人に頑張って育ててください、とエールもいただき、力が湧いてきました。また、職場での困ったことに対して、家庭と連携し、同じ方向に向かっていること、伝わらないのは伝える側の問題と捉えていること、不穏な空気(急な作業変更など)も跳ね飛ばすような穏やかな職場の様子がとても伝わってきました。これからも前向きに進化し続ける職場であってほしいと思いました。(S)
まだ6才の我が子で就労については、正直「まだまだ先のことかなぁ」などと思っていましたが、いえいえ、とても大きな私の勘違いでした。「どう育てていけばよいのか」「今の時期からやっておくこと」が実際に見学に行き、改めて目標が具体的に立てられるようになりました!本当に貴重な一日となりました。夢工房のとてもいい環境、自閉症の人たちへの配慮が安心できるようなものであり、自閉症の人が「主役」になれるような環境作りをされているのは、本当に心から感動しました。ありがとうございました。(T)
夢工房を見学させていただいて、感心・感激することばかりでした。工場の中は明るく暖かみのあるとてもいい場所で、作業の流れや指示など、見て理解できるようにあちらこちらに工夫されていました。鳥羽君たちの仕事のスピード・正確さにも感心させられました。2人が持っている力を発揮し仕事ができるのは、スタッフの方々が仕事のできる環境をきめ細かに整えてくださっているからなのだとよく分かりました。上岡先生が「日本一の支援」と絶賛されたのも納得です。我が子も仕事のできる人になれるよう、日々の生活を見直し、頑張っていきたいと思います。(I)
鳥羽さんから「夢工房は日本一自閉症者の働きやすい職場だ」と聞いておりましたので「どんなところなんだろう」と思っていました。実際見学させていただき、感動することばかりでした。
夢工房のスタッフの皆さんの温かい心。こんなにも障害者のことを理解しようとしてくださっている。理解してくださり、歩み寄ってくださっていること。まるで「家族」のように見えました。視覚的構造化の完璧さ。お休み表・今日の作業表の色分け・作業内容など、非常に明確で分かりやすいと思いました。挨拶表はぜひ家で活用したいと思いました。そして作業道具の細かな配慮。足元のマットやダンボール箱に角度をつけるためのスタンドほか、どれも一つ一つ仕事がしやすいように工夫されています。本当にすごすぎます。こんなに素晴らしい会社が実在しているなんて!単純な私は、まだ小学1年生の息子をぜひとも入社させたい、入社できたらいいなぁと夢が膨らみました。まずは就労条件ともなる「日常生活の自立」と「仕事を一生懸命にしようとする気持ち」を育てるために、T部長さんが言われていた、お手伝いお駄賃制度を実践しようと思います。また、T部長さん・Iさんのお話にもありました「自閉症」という障害をもっともっと多くの方に理解してもらえるように、私達親も色々な人に啓蒙していかなければならないと痛感しました。いっぱい種をまいて、多くの花を咲かせられるように、一人でも多くの障害者が一般就労できるようにと、頑張っていこう!と決意した次第です。最後になりましたが、自閉症者をこんなにも理解してくださっている職場はほかにはありません。T部長さん・Nグループ長さん・Iさんは、数少ない貴重な方々です。ぜひとも皆さんのような温かいハートを持つ後継者を一人でも多く育てていってください。よろしくお願いいたします。自閉症児を持つ親として、将来が少し明るくなり、希望が持てると実感しました。今日は本当にありがとうございました。哲平さんたちが一生懸命に働かれている様子にとても感激しました。
これからもたくさんの後輩たちの良き見本となるよう、仕事を頑張って続けていってください。ひたむきな姿が輝いていて、とってもステキでした。(E)

支援者養成講座

いよいよ重松孝治先生の「教職員のための即実践講座」も残すところあと2回となりました。
12月10日(日)の講座では、「コミュニケーション支援の実際」というテーマで、子どもが課題や遊び時間などを過ごしているビデオを見ながら、コミュニケーションサンプルの取り方の実習を行いました。
一言で「要求」「注意喚起」「拒否」などと言っても、その形態は様々であり、同じ「要求」であっても、本人の動機付けが強い場面での出方と弱い場面での出方が大きく違うことをデータを取りながら学び、そのデータを受けて、課題の設定の仕方を考えることを教えていただきました。
1月13日(土)の講座では、「余暇支援の展開」とういテーマで、子ども達の余暇(自由時間)を過ごすための課題設定についてのお話を聞きました。「余暇」とは、その人の日常生活にあって、本人の興味関心に基づき、自由に楽しむことができる活動です。「自由にしてもいいよ」と言っても、物を壊したり他人に害を与えるものではいけません。暗黙のルールが分からない彼らだからこそ、余暇をうまく設定し、教えていくことが必要となります。また、例えばスキーが好きな人が「この余暇は絶対楽しいから」と他人に強要するのは不適切であるように、本人が何に興味があり、何を楽しんでいるのかをしっかり見極めて育てていくことが必要だということを教えていただきました。
2月の「即実践講座」についてのお知らせです。
日 時 : 平成19年2月3日(土)17:30〜19:30
場 所 : 岡山ふれあいセンター 第2第3研修室 (岡山市桑野)無料駐車場あり
申込み : 会場設営の関係上、必ず出欠の連絡を086-955-6758までお願いします。
なお、これまでの講座で欠席したのにビデオの貸出を受けておられない方は、事務局までご連絡ください。最終回は、3月10日(土)開催の予定です。 

お母さんコラム 「病院放浪記」

初めまして、高機能自閉症の長男と知的障害もある自閉症の次男の母、ヒイラギと申します。今回、代表の鳥羽さんと病院通いの苦労などを話すうちに会報に書いてみたらと勧められたのがきっかけで原稿を書くことになりました。
私にとって、病院=病気の治療をしてくれるところなのに行くことが苦行でストレスがたまりやすい場所、ドクターやスタッフの方の対応や理解度などで辛い思いをしたり感謝したりする場所でもあります。二人が一番、成長したと思うのは歯科ですが、初めて歯科に子供を連れて行ったのは長男が3才頃で言葉の遅れや多動で専門機関に月1回訓練に行き様子を見ていた時期でした。
フッ素を塗りに連れて行かれた近所のお子さんの話を聞き、うちもひどくなって治療をするよりは歯の管理をして歯科に慣れる為にも虫歯予防に定期的にフッ素を塗りにいこうと思うようになりました。タウンページをめくって小児歯科と書かれた病院へチャレンジすることにしたのです。歯科の方には言葉の遅れなどは初診の時に伝えておきました。本人に言い聞かせてはいたものの暴れる、暴れる、親が2人がかり、もしくは馬乗りになって塗布する有様で、泣き叫ぶ息子の口は冬場だと乾燥して切れるほどでしたが罪悪感よりもフッ素塗布でこんなに暴れたら虫歯治療なんか到底できないと親は必死で定期的に通っていました。
1年ぐらい何とかかんとか通っていましたが主人の転勤が決まり、「引っ越し先で良い歯科を知っていたら紹介して頂けないか?」と先生にお願いしたのですが、その時に初めて長男が自閉症らしいことを私が口にしました。先生は「それならそれでやりようがあったのに、なぜ早くその事を告げなかったのか?」と言われ、私はビックリしてしまったのです。自閉症ではないかと言われだした時期で、まだ、それほど知識もなかった私は先生の言われている事が理解できず(食事指導や栄養指導など総合的にそれならしたのにみたいなことを言われた気がします)やりようって何?と怒りばかりがこみ上げて、先生が大学病院の歯科ぐらいしか思い当たらないように言われたので怒って紹介状も書いてもらわず、落ち込むよりも自力で良い先生を引っ越し先で絶対に見つけてやると考える短気で無鉄砲で負けず嫌いの母でした。
引っ越し後、インターネットをすることが我が家でできなかった時代だったので、またまたタウンページを引っ張りだし、小児歯科という文字の入った歯科を何軒かピックアップし場所を地図で確認後、土地勘もあまりなかったのでわかりやすい場所の歯科に、まずは電話で問い合わせてみることにしました。
電話に出た方に、「息子には自閉症という障害がありますが、受診することは可能でしょうか?」と聞いたように思います。先生が電話にでられて本人の現在の様子を少し話してOKをもらって予約をし、いざ出陣!!親子4人で歯科に行ったのですが、問診内容は最初に行った病院とあまりかわらなかったのですが、ドクターにまず慣らしを勧められて「えーっ!?」治療を始めるまでに2〜3回、日を改めて連れて行き診察台に乗って口を開けるだけのこともあれば歯ブラシをすることもあり、こういう方法もある事を教わり先生によって対処も様々なことを改めて思い知りました。慣らしをしたおかげで恐いことはしないと安心したのか長男はそんなに暴れることもなくなり、レントゲンも経験することがこの歯科でできました。優しくて良い先生だったのですが、思うところがあって違う小児歯科に通うことにしました。この時点で長男は歯科への受け止めがかなり良くなっていました。フッ素を定期的にしているので大きな歯の治療をすることもなくあまり痛い思いも歯科でしなかったからだと思います。
問題は次男です。この頃、次男も自閉症ではないかと薄々感じていた母の勘が確信になった頃でした。今までは、自閉症と確信しておらず小さかったので泣いても暴れてもフッ素を塗ることはできていたのですが、新しく行くことになった歯科に初めて行った時には次男が車の中から固まって降りることができませんでした。そこで、長男の治療が終わってから(長男は一人で診察室に行くことができるようになっていたので)次男を治療してもらうことにし、車から抱いて診察室へ直行して診てもらうことにしました。診察台に寝かされた次男の口に装具をはめて口が閉まらないようにしてフッ素を塗ったり詰めたりと先生の手は忙しく動きます。弾みで噛んだ時もありました。でも、決して先生は怒りませんでした。「次男の好きな曲は何?」と聞かれ、その曲を治療中、先生とスタッフの方が一緒に歌いながら診察してくださったり、子どもが好きそうないちご味のフッ素を塗ってくださったり、家でもフッ素の入った歯磨き粉を勧められ、歯科で診察する状態と同じ状態で(仰向け)仕上げ磨きをすることを勧められたりしました。
定期的に歯科に通いながら、歯科の待合室に入るまでに一年、待合室で何とか待てるようになり診察台で押さえつけなくなるまでにさらに一年ほどかかったでしょうか?泣いて不満げな声をあげるもののあまり体は暴れずに(次男は会話することはできません)口は装具をいれなくても治療中は開けています。ずいぶん成長したなぁと思う母に先生やスタッフの方も次男の成長を認めて下さっていて嬉しく思っています。次男なりの成長もあったと思います。絵カードでのスケジュールが理解できるようになったこと、カードやクレーンで要求することもできるようになり、歯科に行く前にどこに行くかわかるようになったことや10を数えるまで我慢ができるようになったこと(これは公文の100の数字盤のおかげかもしれません。10という数字の概念がついたから本人も我慢できるようになったと思っています。)そして、何より先生や場所に慣れてきたことでここでは診察をしなければ帰ることはできず口を開けなければいけないことなどを次男なりけ止めていったのではないかと思います。
長男は麻酔での治療も受け止められるように成長しました。ブラッシング指導をうけるものの歯を磨くのがいいかげんになりがちで歯医者で売られているハミガキPROといういちご味の液体歯磨きがあるのですが、それでうがいをすると歯が赤くなり磨き残しが自分の目で確認できるので磨きやすいようです。それから、診察の予約はできるだけ午前か午後の一番目にしていました。待つ時間が少しでも短い方が待つのが苦手な次男にとっても私にとってもありがたく、待合室もわりと人が少なくて静かだからです。次男は感覚的に苦手なものがたくさんあるタイプなので、そういった負担を減すことで歯の治療も受け止めやすくなるように感じました。今でもこの歯科には定期的に通っています。
主治医がいるということはスゴク心強いし、ありがたいことです。泣きわめく息子に優しく接してくださった先生やスタッフの方々には本当に感謝しています。
(ヒイラギ)

  掲 示 板

  ○ 事務局お休みについて

2月16日(金)午後から、2月19日(月)は事務局員出張のため、事務局を閉局とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。FAX・メール・留守電などは通常通りご利用ください。戻り次第ご連絡いたします。

 事務局だより
今年最後の寒波の波が押し寄せているようです。事務局員は寒さに弱いため、事務局では膝かけ毛布が手放せません。
さて、そんな寒いのが苦手な私ですが、2月4日から6日まで北海道へ行ってきます。
24日にお招きする北海道おしまコロニーの「つくしんぼ学級」と、10月に来ていただいた寺尾先生の「星が丘寮」へ見学にお伺いするためです。今回の会報には間に合いませんでしたが、次回の会報で詳しくご紹介できたらと思っていますのでお楽しみに。
また、2月16日から19日までは佐賀の「それいゆ」へ2デイセミナーとレベル2トレーニングセミナーを受講しに出掛けてきます。こちらの様子も次回の会報でお知らせできたらと思います。
このように超多忙を極める事務局ですが、1月末から新しい事務のパートさんが来てくださっています。週3日程度、午前中に事務局の仕事のお手伝いをしていただいています。
優しい方で笑顔がステキです。ああ、癒し効果・・・ステキ♪(笑)
また、この方も次回の会報でご紹介したいと思います。お楽しみに。
いよいよ今年度も残り2ヶ月となりました。
体調管理に気をつけながら、来年度「育てる会10周年」の年に向けて張り切って参りたいと思います。頑張っていきましょ〜!!(^▽^)ノ
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

   会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ