sorry,Japanese only

平成19年7月31日

 

 第111号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 111号 目次

 せっかくの夏休み
 19年度セミナーのお知らせ
 吉備国際大学 招待行事のお知らせ
    「元気いっぱい、お腹いっぱい、高梁大運動会」
 川崎医療福祉大学 招待行事 報告
    「ボウリング大会」
 勉強会のお知らせ 「母の想いを語る会」
 キッズルーム・AAO・サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
 私のお薦め本コーナー
     『 条例のある街 』 
 近隣の講演会等のお知らせ
 事務局だより

セミの声が、裏山からお隣の庭からまた我が家の藤棚から降り注いできます。
いよいよ長かった梅雨も明けて、本格的な夏がやってきました。
私は夏の暑さには強い方で、汗をかきかき、クーラーは使わないで頑張っています。
それに我が家は山から吹き降ろす西風のおかげで、寝るときも窓を開けていれば涼しくて、時には夜中に寒くて目が覚めるぐらいです。つくづくいいところに住んでいるなと思う今日この頃です。やっぱり年をとると田舎暮らしがいいですね。
さて、夏休みが始まっていますがいかがお過ごしでしょうか?
地獄の日々、なんておっしゃるお母さんもいらっしゃるようです。私にもそんな時期が確かにありました。家事をしながら、脱走をはかる哲平の面倒を見ることは、それはそれは大変でした。こんな日がいつまで続くんだろうと暗澹とした気持ちになったものでした。そんな超多動だった哲平が落ち着いたのは、ようやく小学5年生の頃でした。それからはどこかへ行ってしまうこともなくなり、指示も通るようになりました。「大変な日々には必ず終わりがある」そう思えると頑張れるのではないでしょうか?
せっかく40日間も一日中一緒にいられる夏休みです。大切に大切に過ごしてほしいな・・・なんて思います。今はお仕事を始めた哲平には、社会人としてのお盆休みはありますが、子どもの頃のような、あんなに親子でしっかり一緒に過ごせるような長い時間はありません。失ってはじめて懐かしく思い出します。今は寂しいですよ。
皆さん、子どもとのしっかり密着して関われる夏休みを有意義な時間にしてくださいね。
スケジュールは明確ですか?
見て分かりますか?
今日の予定・明日の予定、子どもに伝えられていますか?
一日の日課は分かりやすいですか?
お手伝いも上手に組み込んでいますか?
何か夏の目標みたいなものを作るといいかもしれませんね。
この夏を乗り切ったら、きっと子どもが一回り大きくなっているような、学校へ行ったら先生がその成長に驚いてもらえるような、そんな夏になりますよう、ちょっと頑張ってみませんか?
皆さんの健闘を祈ります。

ところで、哲平の会社は毎月25日が給料日です。哲平は給料日をとても楽しみにして働いています。去年の7月25日の会社との交換ノートに、こんなことを書いていました。紹介します。
  〜 2006年7月25日(火)くもり 〜
今朝起きての第一声はなんだったと思います? 今日は25日。そうです、お給料日です。
哲平は2階から降りるなり、「おはよう」よりさきに「25日です。お給料日。お給料もらえる!」と言いました。お給料日がよっぽど楽しみなのでしょう。25日に向けて仕事を頑張るというのが哲平の働く意欲になっています。
自閉症の人は働くことがお金と結びつきにくく、それが仕事をやめる最も大きな理由になると聞きました。小さい頃、その話を聞いていたので、それ以降お手伝いをしてお金をもらい、それで自分のほしいものを買うという生活を送りました。お金は自分で稼ぐもの。ほしいものは自分が働いて買うということを徹底しました。だからいくらほしがっても買い与えないで「お金が貯まったら買おうね」と言い聞かせてきました。
私は鬼のような母だったかもしれません。
でも今はこれでよかったと思っています (^_^;)
1年前の給料日の朝のエピソードです。本当に厳しい母でしたね。
でも、上の2人の子にも同じようにやってきたので、哲平だけを特別扱いした訳ではありません。
我が家はタダではお小遣いを渡さない主義です。自分でお手伝いをして稼ぐということを大切にしたので、長女も長男もよく家事を手伝ってくれました。そんな我が家の子育ての方針と、自閉症の人に働くことをお金と結びつけることの必要性がピッタリと合わさって、自然に哲平の中で働くということの意味づけができてきたようです。
やがて、長女は大学生になってアルバイトができるようになるとお手伝いは卒業し、その仕事は長男が引き継ぎ、やがて兄も下宿で家を出て、その後 哲平が引き継ぎました。
高等部の頃には家事全般が哲平の仕事となり、一回10円、20円のお手伝いですが、月にすると1万円近くも稼ぐようになりました。そのお金でジグソーパズルやDVD、ジブリの本やCDなども買うようになりました。
一生懸命働いて好きなものを買う。そんな生活を身につけた哲平は、会社をやめたいとは決して言いません。
会社はたくさんお給料をくださるところです。ボーナスまでいただけて働くということは、いいことだと思っています。
おかげでせっかくの有給休暇をいただいた日にも休むのを嫌がったり、電車が遅れて遅刻した日などには休憩をとりたがらなかったりと、「お給料がもらえなかったら困る」という思いからの困った(?)行動もありましたが、今ではようやく会社のルールも理解して、落ち着いてお勤めを続けられるようになっています。
勤め始めて1年4ヶ月。無事にお勤めさせていただけているのも、哲平に働く意欲があるからだと思います。ともすれば無気力になりがちな近頃の若者達を目にするにつけ、働くことを喜び、一生懸命律儀に努力するわが子を、親としてちょっぴり誇らしく思います。

8月19日には、重松孝治先生の講演会を予定しております。どうぞ急いでお申込みしてください。
先生は3年前から赤磐ぐんぐんのスーパーバイザーとして、ご指導をいただいております。赤磐ぐんぐんが今日あるのは、先生の丁寧なご指導のおかげと感謝しております。先生のお話は細やかで具体的で、しかもダイナミックです。私達の「普通」を全く転換させてしまわれる指導をスタッフは受けてきました。私たちは自分達の物の見方・考え方を根本から変えさせられました。私達の側から考える指導ではなく、自閉症の彼らの側にしっかり立つことを、常に常に求められました。私達の頭は固く、何度も何度も繰り返し3年間指導いただいて今の赤磐ぐんぐんがあります。毎日が学び、毎日が試練。でも着実に一人一人が成長してきたように思えます。
今回の講演会では、みなさんにもその一端でもお持ち帰りいただけたらと思っています。
さて、そんな赤磐ぐんぐんでは、現在療育スタッフを募集しています。チラシを同封します。常勤者1名の募集ですが、パートの方も時間によっては来ていただきたいと思っています。赤磐ぐんぐんはお給料は高くありませんが、研修には力を入れています。勉強になります。自閉症児を幸せにしてあげたいと思ってくださる方ならやれます。
どうぞ仲間になってください。お願いします。

またこのたび、赤い羽根共同募金会より、37万円の助成金をいただきました。
「18歳の春を目指す親子療育教室」の支援グッズへの助成です。
パソコンやソフト・AAC機器などを買わせていただけることになりました。この場を借りてご報告いたします。
育てる会 代表  鳥羽 美千子

☆川崎医療福祉大学招待行事☆

  ボウリング大会感想

去る7月1日(日)、倉敷市のサンフラワーボウルにて川崎医療福祉大学ASC部招待行事が開催されました。
8家族22人の親子が、学生さんたちの主催してくださる行事にわくわくとドキドキの入り混じった表情で集まりました。
「挨拶などは静かな、できるだけ落ち着ける場所で」
「説明は短く簡潔に」
「今日一日を楽しかったと思ってもらいたい」
そんな思いで企画してくださったボーリング大会でした。
「1ゲームで疲れてしまう子も、2ゲームやりたい子もいるかもしれない」
「何かやることがないと待つ時間が過ごせないかもしれない
「自分でどれだけのピンを倒したか理解できないかもしれない」
自閉症の子どもが「相手の気持ちを考えることが苦手」な分、学生さんたちは一生懸命彼らの気持ちを想像し、そして保護者の方々が「参加してよかったな」と思ってもらえるように企画してくださいました。
こういう想いを持ってくださる学生さんたちが、将来福祉関係の仕事にもついてみたいと考えてくださっている。そのことは、自閉症関係のことだけでなく、社会全体が明るくなっていくような思いにしてくれます。
日本の未来も暗くなさそうですね♪

  <保護者からの感想>

・ とてもよくしてくれて、子どももとても喜んで、親が離れても不安がることなく、食事の時はボランティアさんを自分の横に座ってほしいと席を空けてまっているほどでした。本当にお世話になりました。
・ 気持ちのやさしいボランティアさんで、慣れるまで待ってくださったので、安心して慣れて仲良くなれました。
・ いきなり家族でこのような場所に出掛けることには不安がありました。こういった会を催していただけると、子どもがどのような行動を取るのか、様子を知ることができ、助かります。今日はとても意欲的で集中してボーリングを楽しんでいたと思います。家族でも出掛けてみたいと思いました。ありがとうございました。
・ 子どもが「難しかったけど楽しかった」と笑顔で話してくれたので、初めてでしたが参加してとても良かったと思いました。親も久しぶりで楽しませていただきました。お世話になりありがとうございました。
子どもの頑張る姿と周りのお子さん・保護者の姿もとてもとても微笑ましくて、いい刺激になりました。子どもが飛び出しそうになった時、シール(台紙に貼るためのもの)を持ってきてくださったので、とても安心して嬉しかったです。とてもよい支援だと思いました。また色々な行事に参加して子どもの興味関心を広げてあげたいと思います。ありがとうございました。
・ いつもながら見通しを立てやすく楽しめる工夫をしてくださり、ありがたく思います。ボランティアの皆さんが一生懸命接してくださるのが一番嬉しいです。今後とも一緒に子どもたちと関わらせていただきたいです。今日はありがとうございました。

<ボランティアの感想>

・ その子その子で対応の仕方が全然違っているので、プロフィールに充分目を通していても実際に接すると難しい面も見られ、とてもよい勉強にもなり、今後このような機会もぜひ参加したいと思った。
・ お子さんについたボラさんは、元気いっぱいなお子さんについていくのが大変だったかもしれませんが、優しく適切に関わってくれていたのではないかと思います。司会・進行や裏方のボラさんも細やかなところまで様々な仕事をしてくれている様子が分かりました。
・ ボランティア自体は久しぶりで、最初は少し緊張してしまいましたが、ボーリングは楽しんでくれていたようだったし良かったです。来年は準備段階からしっかり関わりたいです。
・ 保護者の方にもボーリングを楽しんでもらうことができて良かった。これを機会に家族でボーリングに来れるかもと楽しみにされていました。
・ 自閉症児を対象とした活動にこれからもどんどん参加していきたいと感じられたそのきっかけとなったボーリング大会でした。楽しく活動ができたと思います。
・ 今回は裏方として、ボラのサポートについたり、足りないものを買いに行ったりと臨機応変に動かなければならなかったので、自分としては今まで参加した活動の中で一番大変でした。でも最後に保護者の方や子どもたちが笑顔で帰っているのを見て満足してもらえたのだと思い、すごく嬉しい気持ちになり、疲れも吹き飛びました!また、鳥羽さんには本当に多くのことをお手伝いしていただいてとても感謝しています。今回の成功は、重松先生や鳥羽さんが関わってくださらなかったら、あり得なかったと思います。本当にありがとうございました。今後とも色々相談したり頼んだりすることもあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
・ 皆さんが忙しい中、これだけの準備をして、ボーリング大会を成功させたことを本当にすごいなぁと思って見ていました。お子さんたちが楽しそうにボーリングをしている姿を見ると、とても嬉しい気持ちになりました。来年は鳥羽さんに教えていただいたアイディア(例:レーンから出ていってしまいそうな子にキャラクターの紙やシールを貼るように言うなど)を活かし、自分たちで実行できるとさらに良いと思います。来年もお子さんたちに楽しんでもらえるよう頑張ってほしいと思います。お疲れ様でした。

勉強会のお知らせ

「母の想いを話す会」

7月11日(水)開催された第3回目は、13人が参加されました。
中にお一人、今回だけおばあさまが参加されていました。子を想う母も、孫を想う祖母も想いは同じです。一緒にお話ができて良かったです。
今後は「おばあちゃんの想いを話す会」も別で作っていきたいと想いました。
参加された方からの感想をいただきましたので紹介します。

今回は思いがけず「祖母」としての想いを聞かせていただくことになり、いつもとは違う話題で違った角度で考えさせられる会になった気がします。
今まで母親として子どもと向き合い、数え切れないほどの辛い経験をし、それを乗り越えてきた自分がいました。もちろん、家族や周囲の大勢の方々の支えがあったからこその今があるわけですが、今回祖母としての想いを聞かせていただいて、母親として悩み苦しんだ暗いトンネルに家族もそれぞれに迷い込んでいる現実を改めて知らされました。子どもの将来をなんとかしたいという願いは一つなのに、それぞれの家族が暗いトンネルの中で歩く速さが違ったり、方向を間違えたりして、なかなかお互いの居場所が分からない時期があるのでしょう。お互いに「もっと○○すればいいのに」と歯がゆい思いをしていても、その気持ちが分かり合えないもどかしさがお互いをどんどん遠ざけてしまいます。客観的に人の話を聞くと、自分の今までの失敗も振り返ることができました。
この会では、子どもの障害を受け止め、前を向いて歩こうという決心がつくまで、苦しい道のりがあったことをそれぞれに語り合ってきました。
みんなそれぞれの立場で折り合いをつけ、自分のポジションを見つけながら家族が一つになれたとき、その先に小さな光が見えてくるのかもしれません。家族全員が同じ気持ちになって支えあえるなんて、現実にはそんなに容易ではないと思います。時間を経て、子どもの成長を喜びながらお互いの気持ちに余裕ができた頃、分かりあえる時が来ると思います。
きっと我が家でもイライラハラハラしながら、今も見守ってくれているのだろうと、感謝したり反省したりしています。今までの自分を振り返り冷静に考える時間が持てたことで、今日からは、夫や両方の両親、そして兄弟児にも「もっと優しくせっしてあげなくては」と改めて決心した一日でした。・・・実行できるように努力します。(苦笑) 

  次回の「母の想いを話す会」は・・・

日 時 : 平成19年9月26日(水)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 中会議室(岡山市南方)
内 容 : はじめに読書を15分ほどして、それぞれの想いや悩みを皆で聞きます。
       一人で悩むより、皆で考えればよい知恵も浮かぶでしょう。
       共感したり、慰めあったり、一緒に前向きになれるよう支えあう、
       良い学びの場になるような、そんな時間を目指しています。
参加費 : 300円(別途本の購入がある場合もあります)
申込先 : 育てる会事務局へ9/21までに。
【次々回の予定】 10/24(水)
     ・・・予定は変更になることもありますのでご了承ください。

 事務局だより
7月ももうすぐ終わり。子どもたちが平日の昼間に外で遊んでいるのを見てやっと「あー、夏休みか」と実感しております。
いいですね、夏休み。羨ましいな〜、夏休み(笑)
先日、両備バスの方と一緒に、8月21〜22日の夏旅行の下見に大阪・京都・奈良へ行って参りました。旅行の下見なのに、一番私がはしゃいでしまいました。
懐かしい場所・新しくなっている建物や昔の思い出。一気に小学6年生の修学旅行にタイムスリップしてしまいました。きっと今回参加するお父さんお母さん方も、子どもに戻っちゃうんじゃないかな?
下見してみて思ったことは・・・意外に観光地は自閉症向きかもしれないってこと。
特に京都・奈良は外国人の観光客が多いのでしょう。あちこちに視覚支援がたくさんありました。今回は修学旅行と同じようにバスで移動、ガイドさん付き、時間も決められていて、歩くコースも決まっているので、迷ったりすることはないのですが、そういう旅でなくても、案外大丈夫かもしれないと思いました。
また、環境的なものとは別に。観光地の方々は障害のある子どもにも優しいってことも感じました。
色々な人が立ち寄る場所だからなのでしょうか?ホテルや観光地などで、「こういうことがあるかもしれません」とおそるおそる申出をさせていただいても、
「大丈夫ですよ」
「他のお客様にはこちらから説明しておきますので」
「どうぞご安心ください」
そういうホッとする言葉をかけていただきました。
もちろんそれでも旅行中、色々なドラマがあるでしょうし、笑い話も涙話もあるかもしれません。それでも。きっときっと楽しい旅行になるに違いないと下見をしてきた私は思っています。資料を改めて参加家族にはお送りしますので、どうぞお楽しみに!
さて。私事ですが。8月5日(日)の岡山市であるお祭「うらじゃ」で、私は当日参加型踊り連「うらじゃ魂」という連をしています。日曜の10〜12時に表町シンフォニーホール近くの時計台で受付をして、1時間程練習をして、ぶっつけ本番でうらじゃを楽しんじゃおうという企画です。初心者歓迎。踊ってみたい方はぜひ当日受付へお越しください♪
詳しくは公式HPにて→http://uraja.jp/jikko/uratama.html
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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