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平成20年1月31日

 

 第117号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 117号 目次

 立春とは名ばかり、寒さが続きます
 キッズルームのお知らせ
 育てる会勉強会
     「18歳の春をめざす親子療育クラブ
         〜支援ツール連続講座のご案内〜 」
     「母の想いを話す会」
 支援者養成講座報告
 AAO・サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
 私のお薦め本コーナー
     「自閉症の子とたのしく暮らすレシピ」
 近隣の講演会等のご案内
 お母さんコラム
     「今日出会えたこと」の不思議さを感じる、そんな一日
 事務局だより

皆さんお変わりありませんか?
今年は暖冬になると確か聞いていたように思います。れなのになんということでしょう。いつもは温かい岡山県南部。この冬は三度も雪が降りました。1回の積雪量8センチというところでしょうか。
結構降りました。寒さこらえてかじかむ指に息を吹きかけ、これを書いております。
さて、私事ですが、1月7日に実家の母が突然亡くなりました。
お正月に我が家も家族中で訪ねて、実家で弟夫婦・妹夫婦の家族共々、穏やかなお正月を祝ったばかりでした。
私たちが帰るとき「また来てよー」と言っていつものように別れた母でした。
それから数日後、突然の知らせに病院のICUでの再会のときにはすでに意識もなく、呼びかけに応えてくれることはありませんでした。
享年79歳。こんなにあっけなく逝くとは思っていなかった私でした。「あれもしてやりたかった、こうもしたかった」と今は後悔ばかりが先立って、私は親不幸な娘だったとつくづく思っています。
実は去年11月に母の肝臓がんが見つかって、しかもそう長くは持たないことが分かっていました。このお正月が多分最後のお正月になるだろうと、皆覚悟はしていました。
私は母にこれだけは伝えたい、と思うことがありました。それなのに、言えずじまいで帰ってきてしまいました。言いたかった一言は、ずーっと伝えたいのに言えなかった一言。
「お母さん、大好きだよ。私を産んでくれてありがとう」
私はもうすぐ別れなければならない母に、しっかり伝えたいと思っていたこの一言を言えないまま、母と別れてきてしまいました。いざとなると照れくさくって・・・。「まだ大丈夫。今度帰ったときに言おう」そう思って・・・帰ってきてしまったのでした。
病院のICUで再会した母は、すでに意識もなく、人工呼吸器と強心剤で、私達の到着を待っていてくれたという状態でした。
その母へ、私は思わず日ごろ呼んでいた「お母さん」ではなく「お母ちゃん!!」と呼びかけていました。それは私が幼いころ呼んでいた呼び方でした。
私が小さい頃は、忙しい母でした。
私の家はその頃、織物工場を営んでいて、いつも学校から帰ると、工場の入口から働く母を見て、それから家へ入ったものでした。私は母が大好きでした。いつもいつも母に認めてほしくって、褒めてもらいたくって・・・、それで頑張っていたように思います。
そんな母に一番心配をかけたのが、わが子哲平の障害ではなかったかと思うのです。
障害が分かった頃、「一生治らへんのよ」と私が言うと、「親が治らんなんて言うたらあかん。治そう思わんでどうするんや!」と怒られたものでした。
可愛い孫の障害を認めたくなかったのでしょうか。私が母としてその障害に向き合っている時、母は祖母として孫の障害と向き合わざるを得なかったことでしょう。苦労をかけました。辛い思いを味あわせて、親不孝なことでした。
少しずつ成長して、哲平が就職し、お給料ももらえる今の生活を報告する中、安心してくれるようになりました。
今年のお正月の帰省の折には、「もう哲ちゃんのことは大丈夫やなー。おばあちゃん安心したわ」と言ってくれました。「もう何も思い残すことはないわ」と言いながら哲平を頼もしそうに見ていた様子を思い出します。亡くなる4日前のことでした。
孫の将来を心配しないと言った母ですが、哲平の兄にはこう言ったそうです。
「哲平のことを頼んだよ。お父さんお母さんが亡くなったら。あんたが頼りやからなぁ」
親亡き後がやはり心配だったのでしょう。いつまでも母は母親でした。
先の先まで考えて、私たち子どもを思ってくれていたんだと思うと、申し訳なく、ありがたく、感謝でいっぱいです。
「しっかり生きていくから、お母ちゃん見ていてね」
私がこれからできることは、一生懸命生きること、でしょう。
私の実家は兵庫県の西脇市というところです。昔ながらの風習で、自宅で葬儀は行います。30軒ほどの近所の人たちが葬式の手伝いに来てくださり、食事の支度・儀式の一切を執り行なってくださる形です。日頃静かな家が普段と全く違います。家のふすま・障子をすべて取り払われ、大勢の人が出入りする。おばあちゃんの死という現実と、そんな普段と違う家の様子に、二日間もの間、哲平が耐えられるでしょうか?私たちは、哲平には、この状況が理解できないと思いました。
それで、おばあちゃんが亡くなった5日後、告別式も終わり少し実家が落ち着いた時を見計らって、西脇へ哲平を伴って出かけました。哲平だけのお葬式です。
哲平は出かける前から、どことなくいつもと様子が違って、眉間にずーっとシワが刻まれていました。いつもと違う私たちの様子から何かを感じとっていたのでしょうか。
実家に着いて、仏間に入る前に、初めておばあちゃんが亡くなったことを伝えました。
私「西脇のおばあちゃんは死んじゃったのよ」
哲「・・・・・・」
私「もうおばあちゃんはいません。分かりましたか?」
哲「はい」
素直に返事をする哲平でした。
祭壇に飾られたおばあちゃんの写真を見せ、おばあちゃんのいなくなった家の中を見せて回りました。
祭壇の前に座り、一緒にお線香に火をつけて、チーンと鐘を鳴らして、哲平はじーっと座っておりましたが、ふと見ると目に涙が光っているのです。何も言わない哲平ですが、哲平なりの悲しみが私たちにも伝わってきます。
悲しいけれど、いつか人は死ぬ。いつか別れがくることを哲平にも知ってもらわなければなりません。おばあちゃんの死をこういう形で哲平は受け止めてくれました。
母の死は、ずーっと先だと思っていた私自身の死を考える機会となりました。障害のある子の親が一番不安に思うことは、自分が死んだあとのことです。
こんなに気の良い素直な心優しい子を残して、私はいつか逝かなければなりません。姉や兄に頼むのは、私の本意ではありません。それならやっぱり頑張って哲平の生きて暮らしていく場を作っていかなければなりません。
母の死は私に努力する目標を改めて教えてくれたように思います。限りある「生」を大切に、後悔ないように生きたいと、強く強く思いました。
冒頭から悲しいお話で申し訳ありません。
でも嬉しい出来事もありました。気を取り直して行きましょう。

今年は哲平の成人の年です。
1月13日、成人式に新調したスーツを着て、髪型もバッチリ整えて出かけました。
成人式に参加することは、哲平が小さい頃からの子育ての目標の一つでもありました。
「立派に一人前に育てるんだ!」これが私の夢でもありました。
最近の「荒れる成人式」 よくテレビの画面で見ていた通り、会場周辺はパトカーが何台も配備され、物々しい警戒ぶりです。市職員の方が会場に入らない新成人を何人もで声を枯らして会場へ誘導しています。派手な羽織袴のあまり近づきたくないような子も結構いて、いつ暴発するかとヒヤヒヤするような雰囲気の中、哲平はそんな周りに影響されることなく、淡々と用意したスケジュールにチェックを入れながら時間を過ごすことができました。
今回は母親同伴はちょっと成人としてもかっこ悪いので(でもサポートは必要なので)、20歳に見えなくもない姉にサポートを頼むことにしました。
途中一度だけ立ち上がった瞬間があったそうですが、姉の機転でスムーズにその場を過ごすことができたそうです。
もしスケジュールがなかったらきっと不安で困ったと思います。哲平は予定変更や見通しが持てない場面では、声が出たりしてしまいます。
市役所の担当の方が丁寧にスケジュールの流れを教えてくださっていたので、とてもありがたかったです。たとえ障害があっても、哲平も同じ市民です。今年からは選挙権だって平等にあるのです。哲平も赤磐市の市民として認めていただいたようで、成人式に参加できたこと、誇らしく嬉しく、報告させていただきます。
ちょっぴり悪そうな男の子たちの何人かが「おっ哲ちゃんじゃー。元気かー?」と声をかけてくれて、一緒に写真を撮ったり話しかけてくれたりと、小学校以来の再会もありました。
「こんなになっちゃってー」と言いそうな口をちょっと我慢して話すと、あの頃と少しも変わらない気の良い彼らです。
人を見かけで判断してはいけませんね。
女の子たちはすっかり綺麗になって、6年生のときの顔しか覚えていない私には驚き以外ことばはありません。もちろん哲平も・・・。
哲平は山陽西小の近くを通るとき、いつも同級生の姿を探しているんですよ。
「○○くんはいるかな?」なんて・・・。小学校の近くへ行くと哲平の中ではタイムスリップするのでしょうか。一人ひとりを振り返って見ては「いない、いない」と思っているらしいのです。
20歳になった彼らが「俺、○○じゃー」なんて言っても「ふーん」という感じです。でも綺麗なお姉さんは大好きなので、女の子たちに囲まれて「ニヤリ」の哲平でした。
詳しい報告が、会報最後の「事務局だより」にあるようですので、見ていただけたら幸いです。
さて、そんな忙しい中、哲平には週末の予定がずーっとありました。
楽しみにしていた予定を変更するとよくないと思い、どんなに忙しくとも哲平の予定を最優先にしようと心がけました。
おばあちゃんの死を受け入れたとはいえ、多少不安定な気持ちになっている哲平でしたから、できるだけ不安になる要素は取り除こうと思いました。
大きな予定は、マラソン大会出場でした。
去年から申し込み、楽しみにトレーニングしてきた哲平です。中止にするのも混乱すると思い、私も元気を出してサポートしました。幸い以下のような記録を出すことができ、ハーフマラソン(約21キロ)では、一人でペースを作って走れることを実証してくれました。
 [記録]
●1月27日 美作市F1ロードマラソン (ハーフマラソン参加)
    1時間25分10秒
●2月3日  丸亀マラソン(ハーフマラソン参加) 
    1時間26分36秒
桃太郎夢クラブでも「しっかりコース」から「バリバリコース」へと変わり月4回の練習となりました。この練習が楽しみらしく、火曜日が毎週待ち遠しい様子です。これほど走ることが好きだとは思いませんでした。
そう言えば幼い頃、夕方になると外へ出たがり、私は哲平の後ろを一緒について走ったものでした。時々興味のあるものがあると、立ち止まって、水の流れを見たり、たんぽぽの綿毛を飛ばしたり・・・。けれど走り出すと1時間でも2時間でも平気で走ったものでした。
私もまだ若かったのでついて走りました。その頃から心肺機能は高く、私はハァーハァー言っているのに、哲平はケロッとしていましたねぇ。
次は西大寺駅伝の第一走者です。スペシャルオリンピックスの陸上部でチームを組んでの参加です。100人もの駅伝ランナーが同時スタートだとか、狭い坂道もあって心配です。
哲平はトラック勝負のスピードランナーではありません。どちらかというと、持久力を持ってるコツコツ長く走るのが得意なタイプです。みんながダッシュで走る6.8キロコースでは力が発揮できないかもしれません。でも、スペシャルオリンピックス岡山の赤いたすきをかけて、頑張ることでしょう。
2月10日(日)西大寺の神崎山陸上競技場13:30スタートだそうです。応援に来られる方はどうぞいらしてくださいね。お願します。
立春とは名ばかり、まだまだ寒さが続きます。
寒さが辛ければ、春が来ることを喜べるというもの・・・。
人生も同じ。辛く長い苦しみを過ごした人こそが、より多くの喜びをその人生の中に見出していけるのではないでしょうか。障害のある子との暮らしを喜びたい、そう私は思います。この子がいなければ私の人生は今私が感じているほど幸せではなかったかもしれません。幸せとはつくづく分からないものですね。私の人生はまだ続きます。一生懸命、生命のある限り生きていきましょう!皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします。
育てる会代表 鳥羽美千子

キッズルームのお知らせ

皆さんお待ちかねの「キッズルーム」が2月17日に開催されます!
年に3〜4回の活動ですので、ぜひこの機会に参加してみてください。
大勢の大学生のお兄さんお姉さんがいっぱい遊んでくださいます。
兄弟にもボラさんがついてくださるので安心ですよ。どうぞお楽しみに。
日 時  平成20年2月17日(日) 12:30〜14:30(いつもより30分遅くスタートです)
           ☆最初はボラさんと一緒にパズルやビッグボールで遊びます。
           ☆集団で大きな輪を作って、体を動かします。
           ☆セリフがなく音楽に合わせて人形が動く、短い人形劇を見ます。
           ☆最後は「スカイバルーン」で皆で遊びます。
場 所  岡山大学津島キャンパス第二体育館
参加費  本人500円、兄弟400円 (当日受付で集金。お釣りの不要なように持参ください)
持ち物  体育館シューズ・休憩時に飲むお茶・タオル
           (寒い時期ですので防寒グッズは必需です。保護者の方もスリッパなどをご持参ください)
申込み  育てる会事務局へ2月13日(水)までにお願いします。(正会員および兄弟のみ)

育てる会勉強会

「18歳の春をめざす親子療育クラブ」 
    〜支援ツール連続講座のご案内〜

香川大学教育学部の武蔵博文先生を迎え、全6回の予定で支援ツールの勉強会を行います。お母さん同士でお互いにアイデアを出し合いながら、わが子のための支援グッズを作っています。分からないときやちょっと困ったときにはすぐに武蔵先生からもアドバイスをもらえるので、「確実に今日から使えるグッズ」を作ることができています。
第一回・第二回はすでに終了しましたが、DVD・ビデオの貸し出しもいたします。
「手先には自信がないから…」と言われる方も大丈夫!そんなの関係ない!!
せっかくの機会、皆さん一緒に勉強していきませんか?
日 時 : 平成20年2月14日(木)9:30〜13:00(予定)
場 所 : きらめきプラザ2階 研修室
申込先 : 育てる会事務局へ12日(火)までに
参加費 : 育てる会正会員1,000円、それ以外2,000円
    ※今後の予定  2月28日(木)、3月6日(木)
参加者からの感想をいただきましたので紹介します。

これまで育てる会での活動がセミナー参加のみでした。だから、もっともっとたくさんの人と話をしてみたいという気持ちを持っていました。でも、性格から話をするのがちょっと苦手なんです。18歳の春を目指す親子クラブに参加して、少しずつみなさんの顔が分かり始め、また会って話をしたい!思いました。武蔵先生のお話のもと、子どもの支援を考えるグループワークはまさにこんな事がしたい!と願っていたことでした。
それぞれのお母さん方がもつアイデアがいっぱいあり、グループワークは時間が足りないぐらいです。視野の狭い私には、はっとなることが多く、「そんな方法もあるんだぁ』と感心させられっぱなしです。次回を楽しみに、宿題に励みたいと思います。今後はサポートブック作りなどにも挑戦してみたいです。 (Tママ)

会のNさんから「予め子どもの目標を考えてくるように」という連絡をいただき、アンケートを前に直前まで迷っていました。衣服の着脱・衣服の管理・洗面・お皿洗いなどなど・・・「どのことを優先目標にするべきか?」あまりにも中途半端なことばかりで、今までよくぞこれだけ放ってきたものだ!?と変に感心したり焦ってみたりでした。
しかし、「目標を絞り込む」ときのポイントに、子どもの長所を活かすことや、充分な条件が整っているか(一緒にやれる人がいるか・毎日やれることか)どうかを考えることなどがあることを聞いて、「わが子の目標は、やはり毎日できることから」と考えが決まりました。
わが子の場合「歯磨きを手順に沿ってする」かな?直前まで「入浴で体を洗う」にしようかと考えていたのを変更しました。もう1つ、目標変更した大きな理由は、ここ最近になって、ようやく「歯磨きをする」ことを意識してきていて、誘えば必ず「歯磨きする!」と意欲を燃やしているからです。本人の意欲が出てきているものを大事に育ててやりたい、そう思ったのでした。
グループで4分ずつ自分の子どもの「支援のねらい」を発表して、他のお母さんの助言をもらうというのをしていても、「できるだけ早く一人でするようになってほしい」という思いが先行するあまり、本人が何を目標に(楽しみに)して生活の一つ一つの動作を行っているかを見逃しているなぁと自分自身を反省しました。
「おにぎりを作ろう」という手順書を実際に作成したときに、今まで一緒におにぎりを作ったときにした失敗を思い出しました。本人が考える時間を与えればできること、少し支援の方法を考えればできること、ちょっと今は難しいことというのを明確にして、わが子のオリジナルな支援ツールを作ることが大事なんですね。頭で分かっていても何から作ればいいのか分からず、今までは口だけで「やかましい」指示ばかりしていた失敗を思い出しながら作成しました。「今までごめんね」という思いを込めて、下手な絵を描いて「おにぎり作り、やる気になってちょうだい」というような第一段のツール作成体験でした。
学校から帰ってきてゆったりしているわが子に早速この「おにぎり作ろう」というカードを見せたら、最初の表紙のところを「じーっ」と見てくれました。4枚目ぐらいまで見た彼は、突然「ウルトラマン」の本を出して「ウルトラマンボーイを描いて」と言いました。「???(な、な、なんだ?!おにぎりはどうなったんだ!?)」ひそかにガッカリした私でした。
しかし、入浴後彼がまたしても突然「ぼくの大事なおにぎりの紙はどこ?!」と言ったのでした。「おにぎりの紙?!今日作ったおにぎりカードのことだ!」感激して思わず息子を抱き締め「ありがとう」と言う母でした。少なくともカードの表紙に入れた彼の好きなウルトラマンの絵の意味、「ウルトラマンのようにおにぎりをしっかり自分で作ってみようね」という私の思いがしっかりと伝わっていたのでした。やったー!これからもがんばるぞー!オー!!
 ( I ママ)

「母の想いを話す会」

1月30日(水)開催された第8回目は、7人のお母さんが参加されました。
参加されたお母さんから感想が寄せられたので紹介します。
母の想いを話す会では、毎回各々の近況報告や、情報交換などで話が盛り上がり、時間が経つのを忘れるほどです。
子どものことで悩んでいるという話が出れば、一緒に対応策を考えたり・・・、嬉しい出来事があったという話には、共に喜びあえたり・・・、そんな暖かい場所でもあります。
辛い想いを共感し、些細なことで喜びあえる。仲間の存在が心の支えになり、いつもパワーを与えてくれています。「今日からまた頑張ろう」といつも前向きな気持ちになって家に帰っています。
素敵なお母さん方と知り合えてとても嬉しく思っています。ありがとうございます。   (Tママ)
次回の「母の想いを話す会」は・・・
日 時 : 平成20年2月20日(水)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 中会議室(岡山市南方)
内 容 : 今回の読書は、昨年12月にお迎えした篁一誠先生の「学校生活」を一章ずつ読書して、その読書を通してそれぞれの悩みや想いを出しあっていきます。一人で悩むより、皆で考え合うことでよい知恵も浮かぶものです。母親しかいませんから誰に遠慮もありません。
楽しいエピソードに笑ったり時には泣いたり、そして慰めあうそんな暖かい、そして良い学びの場になるような、そんな場所です。
悩んでいらっしゃる方はもちろん、元気いっぱいのお母さんもぜひいらしてくださいね。
参加費 : 300円(別途本の購入がある場合もあります)
申込先 : 育てる会事務局へ2/18までに。(正会員 母親のみ)

支援者養成講座

19年度も、重松孝治先生に「自閉症児への支援:実践編」を講義と演習のセットでお願いしています。
即!実践につなげることのできる先生対象の講座です。
来年度も先生にお願いして来ていただけることになりました。
第7回である1月18日(金)は「余暇支援」をテーマにお話していただきました。
余暇支援、つまり自由時間の過ごし方の指導は、何をして過ごしたらいいのか分かりづらい彼らにとって、優先度の高い支援であること。また、その方法は自閉症の特性と本人の興味関心に基づいて、一人ひとりに合わせて考えることの必要性などをお話していただきました。
参加者からの感想をいただきましたので紹介します。
・自閉症の方にとって余暇の過ごし方を学ぶことを計画的に取り組むことの大切さを再確認できました。
・「声かけのプロンプトはいらない」ということ。声かけがないと動けない子どもが、声かけのプロンプトの消去に苦労しているので。保護者や先生の中には、まだまだ「声かけを大切にしてほしい」という人も多い。(養護学校)
・今、ちょうど家庭内の余暇の過ごし方に悩んでいたので、教えていただけてありがたかったです。高機能ですが、興味関心が狭いので、学校から帰るころ「何をしていいか分からない」と不安を訴えていました。今日教えていただいたことを元に考えていきたいと思います。ありがとうございました。(小学校)
・私たちにとっては楽しい余暇時間が自閉症の人たちにとっては不安な時間であること。だから、楽しい時間になるべく手立てが必要であるということ。(小学校)
・「教える」というプロセスが必要ということ、「優先度」が高い領域である、ということがとても印象に残っています。余暇活動のお話の中で、この二点が欠けていたことを強く感じました。今まで後回しにしていた部分をしっかり考えていきたいと思います。ありがとうございました。(療育)
・生涯の人生を考えてみると、自由な時間がほとんどを占めることに気付きました。少しずつ生活の幅を広げながら興味を広げることができたらと思います。(養護学校)
  次回 第9回 支援者養成講座
日 時 : 平成20年2月8日(金)19:00〜21:00
             会場は生涯学習センター大研修室です。
欠席連絡: 育てる会事務局(086-955-6758)

AAOのお知らせ

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」の言葉通り、あっという間に2月になってしまいました。
2月にはAAO恒例のありがとう集会があります。
バスの降車口で子どもたちが時間をかけてバスカードを通すのを無言で待ってくださる乗客の方。コンビニのレジでお金が払いやすいよう画面に出た合計金額を指で指し示してくれる店員さん。皆さんの善意に支えられてこの子たちは育っていくことができます。その中でも遠いところから試験や実習、お仕事の日程を調整して子どもたちの笑顔だけを楽しみに集まってくださるボランティアさんたち。皆さんのおかげでAAOは成立しています。本当に本当にありがとうございます。
ありがとう集会は下記の要領で行います。用意するものがいくつかありますので、よろしくお願いします。
日 時 : 平成20年2月17日(日)12:00〜14:30
場 所 : 京山公民館2階 第二講座室
持ち物 : @ボラさんへの感謝の手紙 各1通ずつ
       Aボラさんへのプレゼント 1000円以内
       B交通費の紙、印鑑
       C子どもが過ごすための支援グッズ
☆マジックを見せていただく予定です。子どもたちが歩き回って手品に触ったりしないようご注意ください。
(AAO担当:T)

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成20年2月24日(日)10:00〜12:00 (9:30集合)
場 所 : 旧岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
持ち物 : マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札
      お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
      親リーダーはグループノートとボラリーダーさんのお茶
* 雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきて下さい。
   保護者の方の体育館シューズも忘れずにお持ち下さい。
* 欠席の方は2月5日(火)までにサッカークラブ担当までご連絡ください。
* 今年度ご卒業されるボラさんにお礼の気持ちをこめて、写真をとったり、心ばかりですがプレゼントをお渡したり・・・を考えています。
☆サッカークラブでは、引き続きメンバーを募集中です! 
サッカーのルールがわからない、チームプレーなんて・・・と難しく考えている方!
サッカークラブでは、サッカーの試合だけをしているわけではありません。リレー、ダッシュ、チームにわかれてのミニゲームなど、それぞれの子どもにあわせて無理なく参加できるよう皆で工夫を重ねています。
最初はうまく参加できなかった子も回数を重ねるにつれ、いい表情をみせてくれます。
大学生、社会人のボラさんが、親とはまた違った目線でひとりひとりの子どもとふれあってくださいますし、子どもの成長もともに感じられることが多くあります!
現在小1〜20歳までのメンバーが活動しています。
子どもも、親もまずは仲間づくりから・・・一緒に始めてみませんか?
体験験希望の方は担当までご連絡下さい。(正会員のみ)
(サッカークラブ担当:M)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成20年2月17日(日)15:30〜17:30
場 所 : 岡山OSKプール
連絡先 : 育てる会事務局
* 欠席される方、ボランティアの必要な方は事務局に必ず連絡してください。(土日は閉局です)
  当日の急な連絡などは担当まで連絡してください。
* 後期の会費については参加されている方々に連絡しますのでよろしくお願いします。
* 出席ボード写真を撮り直していこうと思っています。(皆さん大きくなっているので^^)
  声をかけますので後期中に随時写真を撮らせてください。
* 来年度の水泳教室のお世話をしてくださる方を募っています。
  ボランティアさんで「何かお手伝いしたいけれど、水着はちょっと…」という方も大歓迎です。
  どなたかお願いできないでしょうか?
(水泳教室担当:S)

お母さんコラム

毎月会報でコラムを書いてくださっている I ママが、「母の想いを話す会」での出来事について原稿をくださいましたので紹介します。


「今日出会えたこと」の不思議さを感じる、そんな一日
     〜「母の想いを話す会」に参加して〜

「仕事を休んで来たの?大変ねぇ」と言われるけれど、「今しかない」「今だからこそ」来れているんですね。
これが、去年や来年だったらどうだったか。
来る気になっていたか?来ることができていたのか?
自分でも分からないです。
今回参加しても思ったのですが、自分の意思に運命が重なって、「この場で色んな人に出会えているのかなぁ」と感じました。自分の「日常の想い」を笑いと涙の中で、聞いてもらって、また顔を前に向けて歩いていけるのです。素直に語れば語るほど、ドバーッと涙したり、大笑いで悔しさや恥ずかしさを洗い流したり・・・。「我慢なんかしなくてもいいよ」とそう言われているみたいで、顔を前へ上げてまた歩いて行けると思いました。
鳥羽さんが「育てる会で、昔小学生の子どもを熱心に育てていたお母さんで、今では会の活動に参加されていない方もいるんですよ」と言われて「(どうしてなのかなぁ?)」と現在就学前や小学生の子の参加者からは、一様に疑問が出ました。
私が思ったのは、「自分の子どもが(あんなに一生懸命だった子育てが)一段落してしまって、気が抜けてしまったんだろうか?」とそんなことを思ったのです。子育て中に一生懸命であればあるほど、その後の自分自身の目標ややりがいが見つからないと、空虚だろうなぁ。
でも、幸い私たちは、少なからず子どもを思う故に、痛い思いやジレンマや喜びや感動や感謝の経験を人一倍してきているのですよね。だからこそ「子離れ」したときに、自分の喜びや生きがいを「育てる会」で活かしていける日がいつか来るのではないでしょうか?(お願いします)
「ドラマのような人生よねぇ」と今回も皆で笑ったけれど、この日があったことを活かしていきたいと思いました。これから「子どもをありのままに受け止めて子育てしようとして」迷ったり、悩んだり、落ち込んだりする親の人たちに、「もがきながら、こうして喜びや感動や嬉し涙に変えてきたよ」と伝えることのできるように。毎日子どもと一歩一歩ですけど。子どもが一緒に歩いてくれているんですけど。そのことに改めて感謝できる日でした。
お母さん方「この日、この時に出会わせてくれて、ありがとう」
そしてわが子にも「出会いをありがとう」
(Iママ)

 事務局だより
気がつけば暦の上ではもう「立春」ですのに、まだまだ寒い時期が続きます。
赤磐ぐんぐんでも子どもたちや親御さんがよく風邪をひいてお休みされています。皆さん、体調に気をつけてくださいね。がんばれ!春はもうすぐそこです。
さて、今日はうちの弟:哲平くんのエピソードをお話ししましょう。
先日、哲平は「赤磐市成人式」に参加してきました。そう、20歳になった哲平は「参加者=成人」です。
育てる会の中でも一番年上の哲平は、皆の一番前を走って色々なことを経験します。将来20歳になる皆さんのために、成人式での哲平がどうだったか少し紹介してみたいと思います。
成人式の開催をお知らせするハガキが自宅に届けられました。
そこには「日時・場所  式典●●時開始。10分前までには会場へお越しください。受付でこのハガキをお出しください」としか書いていません。
これでは何があっていつ終わるのか、全く検討もつきませんね。
早速母がハガキに書いてある市役所の担当課に電話しました。
哲平が自閉症であること、彼は見通しが持てないことには不安を覚えること、
事前に予定が分かっていれば問題がないことなどを、担当の方に説明したところ、全体の流れを時系列に沿って教えてもらうことができました。
「最後の写真撮影では、中学校ごとに写真を撮ります」と言われたのですが、哲平は養護学校出身。どうすればいいかを聞くと「本来の学区の中学校でいいです」とのことでした。本当は「養護学校枠」があってもいいのではないかしらとも思いましたが、例えば転校して地元の中学校に通っていない子もいますよね。
そう考えるとそれほど抵抗なく受け入れられました。
教えていただいた流れを元に、私が哲平がよく分かるように流れ表を作成しました。
例えば「受付」「君が代」「市長挨拶」「来賓紹介」「記念品贈呈」…。
自閉症の哲平にとって単語から意味を理解するのはなかなか難しいものです。具体的にどういうものがそこであるのか、言葉で説明することは逆に私たちにとっても難しいものです。
そこで、便利な「インターネット」登場。
それっぽい写真やイラストを探してきて、哲平に「見て分かるスケジュール」を即席で作りました。
市長の写真は、インターネットで調べればすぐ出ます。
成人式の写真は、自分の市のものでなくても、古いものでも、大して変化ありません。
挨拶の写真や来賓紹介の写真は、どこかの誰かがお話しているようなそれっぽい写真を探してくれば、小さい写真ならば差異は問題ありません。
君が代は「歌う」、記念写真は「カメラ」、記念品贈呈は「卒業式or入学式」などなど、意味が伝われば充分なものは、簡素化して作りました。
哲平に事前にこのスケジュールを見せて説明すると、じーっと見て、「成人式行く!」と自信満々です。本人にとって流れが理解できたということでしょう。
ですが、やはり成人式に哲平一人でいくとなるのは、突発的な出来事があった時などを考えると少し不安…。
担当の方に付添が可能かどうか聞くと、「いいですよ」と言っていただいたので、当日は私が一緒に参加することになりました。
(母親が付き添うよりは姉弟の方が年齢が近いだけ違和感は少ないだろうということで)

さてさて、当日。
哲平はこの日のために新調した真新しいスーツに身を包み、私は黒服上下で、母の車で会場入りです。母は会場外のロビーで待つことになりました。
哲平は小学校時代、地元の小学校に通っていたこともあり、何人かの同級生から「あ!てっちゃんだ!!」「変わらないね!元気?」「ほら、オレ、○○だよ!!覚えてる??」などなど、たくさん声をかけてもらいましたが・・・、哲平の頭の中では彼らの姿は小学生。不思議そうな顔をしていました。
いよいよ式が始まります。
哲平と私は会場やや後方の端の椅子に陣取り、哲平は渡していたスケジュールを大切そうに膝の上に乗せています。
最初は予定通り「アトラクション…太鼓の演奏」。始まった太鼓の演奏を、どの成人よりも姿勢よく、じっと聞き入っていました。それが終わると、さっとペンで「終わり」チェック。
「君が代」も元気いっぱい歌うことができました。
退屈な(失礼?)挨拶も、「あとこれだけの人の話を聞けば終わり」と分かっているからか、静かに聞いていることができました。
順調にスケジュールをこなし、いよいよ後半のメイン「各中学校の思い出DVD上映」。
最初の中学校のDVDが終わり、さぁ次の中学校…と思ったとき、哲平はパッと立ち上がりました。
「え?!何??」と一瞬思いましたが、ハッと気付きました。
哲平はスケジュールの「中学校のDVD」を見て、一つだけだと思ったのです。
次の写真撮影のスケジュールに移動するため立ち上がったのです。
すぐに「哲平、座りなさい」と小声で伝えて座らせ、彼の持っているスケジュールに横から「○○中学校、▽▽中学校、■■中学校…」と市内のすべての中学校名を書き、今上映が終わった中学校名の上に横線を引きました。その間中、哲平はじっと私の書く手元を真剣に見ていました。「あと●個あるからね」と小声で伝えると、納得顔で静かに最後までDVDを見続けることができました。
同じように唐突に入った「抽選プレゼント会」も、スケジュールに「ゲーム」という文字をサッと書き込むと、何も問題なく、最後まで参加することができました。
最後の写真撮影では、「てっちゃん、こっちおいでよ」と同級生の男の子が並んで立ってくれたおかげで、皆の中に入って並ぶことができました。
おかげで私は、カメラマンの方の後ろに立ち、本人に「ここを見るんだよ」と小さくサインを出すだけでよく、本人もカメラ目線で写真を撮ることができました。
「成人式」という公共の場、しかも一生で一度しかないリハーサルのない式典に、何も問題なくきちんと参加することができたことは、おそらく哲平本人にとっても、良い思い出となったのではと思います。
「自閉症だからこういう行事に参加できない」のではないと思います。
本人に合わせて適切に支援を準備しておけば、彼らは集団の中であっても、しっかり自分の場所を確保して参加することができると今回の出来事で思いました。
学校行事の総仕上げの3学期。皆が安心して参加できるといいですね。
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
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容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
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