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平成20年6月30日

 

 第122号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 122号 目次

     もうすぐ梅雨も明けそうです

     自閉症児の支援者養成セミナー 報告

     育てる会勉強会
         「NTN夢工房 見学会」
         「18歳の春をめざす親子療育クラブ」
         「母の想いを話す会」

     支援者養成講座

     のびのびキャンプ ボランティア募集

     サッカークラブ・水泳教室のお知らせ

     私のお薦め本コーナー
          「アスペルガー症候群 教師として知っておくべきこと」

     近隣の講演会等のご案内

     夢工房 リレートーク

     お母さんコラム
          「吉田友子先生 〜その子らしさを生かす子育て〜」の講演会を聞いて

     事務局だより

店先のブーゲンビリアやハイビスカスなど夏の花々が咲き競い、もうすぐ来る夏を待ちわびているみたいです。
今年の梅雨はじとじと雨が降るというのではなく、ドカーンと降った後はお天気が続く、というかんじですね。それでも梅雨時ですから、お天気は良いのに湿度だけ高く、暑さが余計に厳しく感じられ、ついつい「暑いよぉー」を連発している私です。
さて、6月21日の吉田友子先生によるセミナーには、大勢の皆様の参加をいただき、ありがとうございました。
参加された何人もの方に「素晴らしい講演会でした。ぜひ吉田先生をもう一度呼んでくださいね」と頼まれました。
皆さん喜んでください。先生は「また来ますよ」と優しく言ってくださいましたよ。その日がいつか、また4年先のオリンピックの年になるかもしれませんが、きっと来てくださると思いますので、楽しみに待ちたいと思います。
今、私たちは吉田先生のお話が聞けました。けれど何年か後、今はまだ生まれていない人たちや、まだ親になっていない人たちに、先生のお話を聞かせてあげたい。そう願わずにはおられません。このセミナーに参加された方の感想や報告が会報の中にあります。またお母さんコラムの I ママさんの熱い感想も終わりの方にありますのでご覧ください。

続いての第2回のセミナーは8月9日に行います。
今回は京都の向ヶ丘養護学校澤月子先生をお迎えします。澤先生が養護学校でのお子さんとの付き合いの中から感じておられることや、大切にするべき教育者としての視点を分かりやすく丁寧に動画をたくさん入れて講演いただく予定です。学校教育の目的は学校を終えた後にその教育が生徒の生活に人生に、どのように生かされるかではないでしょうか。
卒業後へ向けての「今」を考える教育でなければ学校教育の意味はありません。
ただ言われるままに、指示されるまま動かされて育った子と自分自身の意志を尊重されて日々の生活を送ってきた子とは、随分違いがあるのではないでしょうか。たとえ重度ではあっても「できる・できない」で子どもを見るのではなく、「わかる・できる」ための支援によって自立性が高まり、それが自分への肯定感をも高めることにつながるのではないでしょうか。自己肯定感は人から認められ、自分自身も確かにやれたと感じられたところから、育まれるものだと思います。
子どもの自己肯定感を高めるためには、支援者の側の支援がたくさん必要になります。その支援について、たくさんの事例を通して具体的に率直にお話いただけることでしょう。
澤先生には向日が丘養護学校の取り組みの中から実物展示をしていただけることになりました。
そして、それと共にせっかくなので、岡山からも多くの皆さんの支援ツールや自立課題などの展示を合わせて行おうとになりました。
県下の各養護学校や特別支援教室、児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐんの自立課題なども展示する予定で現在準備中です。
また、息子の勤め先のNTNの支援ジグなども、展示してくださる予定です。
お互いの支援ツールを見合うことでそれぞれの刺激にもなりますし、その工夫を手に取って話し合いもできます。この場が支援する人々のよき交流の場になればと願っております。
保護者の皆さんにも広く呼び掛けて会場いっぱいに展示したいと思っておりますので、皆さまどうぞ展示に参加ください。こんなものを出すのは、恥ずかしいと謙虚に思われるかもしれませんが、勇気を出して皆さんに見ていただくことで、アドバイスがもらえたりするかもしれません。参加希望の方は事務局までお問合せください。どうぞ大勢の皆様のご参加をよろしくお願いいたします。

さて、皆さんお待ちかねの(待ってないか)哲平くんの話題です。
これは昨日の出来事です。
朝早く事務局のある太陽の家へ出掛けてお掃除をすることにしました。2〜3か月に一回ごとに太陽の家の一階をお掃除する当番が交替で回ってきます。
今週は忙しくやっと週の最終日の日曜しか時間が取れませんでした。サッカークラブに行くまでの1時間あまりを利用して哲平と二人で掃除を始めました。
ところが私に電話がかかってきたり、用事が次々できたりして、私は事務局のある2階へ上がりっぱなしになりました。
結局一人で掃除を全部してくれて、私にお手伝いの請求をしてくる哲平でした。
「お掃除70円」。哲平と最初に話し合って決めていた金額なのですが、ちょうどのお金がなくて、一人で全部掃除してくれたこともあって100円を渡しました。
お釣りがないらしい哲平に「お釣りはもういいよ。100円あげる」と言いました。
そして、そのことをすっかり忘れていた私でした。
サッカークラブを終え、帰りに二人でマクドナルドに寄ってバーガーセットを買いました。
私の財布に小銭が出来たのを見ていた哲平が「お母さん、70円・100円交換します」と言います。何のことかと思ったら、自分のサイフから100円を出して、70円を出させて交換しようというのです。
自分の働いた分以上はいらない。律儀な哲平です。
そんな哲平がお年玉や毎月いただくお給料をコツコツ貯めて、念願だった自分専用のパソコンを買うことになりました。毎月毎月貯めたお金は○○万円。インターネットをするだけなら10万ぐらいで買えると思うのですが・・・「パソコンは高いよー」と適当に言った私の言葉を信じて、買いたいものも我慢して貯めた金額です。仕事をするのも手伝いするのも「自分だけのコンピューターを買いたい」という動機があるせいか真剣です。目標があるから頑張れる。これはすごいことですね。私が適当に言った金額を超えるお金が、今回のボーナスの支給で出来ました。
さあ、大変。次のお休みには、パソコンを買いに行かなければなりません。
安いパソコンで充分なのに、やっぱり高いのを買うのでしょうか?
どうなることやら、続きは次号でお知らせしましょう。
では、皆さんお元気で・・・。
育てる会代表 鳥羽美千子

自閉症児の支援者養成セミナー 報告

去る6月21日(土)、山陽新聞社本社ビル(岡山市柳町)9階大会議室にてペック研究所・よこはま発達クリニック医師:吉田友子先生をお招きして、
「その子らしさをいかす子育て 〜高機能自閉症・アスペルガー症候群の理解と支援〜」
の講演会が開催されました。
当日は保護者、保育園・幼稚園・学校の先生方、校長先生・園長先生方、行政の方、保健師さん、政治家の方まで、実に多種多様な方が300名以上も参加してくださり、会場は満員状態。
真剣に約4時間の講演会に聞き入っておられました。
参加した学校の先生から感想をいただきましたので紹介いたします。

吉田先生のお話を聴かせていただのは2回目でしたが、今回も優しい語り口の中に「“当事者のあなた”の気持ちや長所を大切にしましょう」という確かなメッセージを感じることができた講演会でした。
講演内容は、第1部:障害特性を理解する、第2部:支援の原則、第3部:子どもへの診断名の告知という構成でした。
第1部の「障害特性を理解する」では、「社会性の障害」「コミュニケーションの質的差異」「社会的イマジネーションの質的差異/こだわり」という「三つ組」についての理解と、Wing先生の社会性障害のタイプ(「孤立型」「受容型」「積極奇異型」)別の支援の留意点についてのお話がありました。
最後に述べられた「社会性の伸び」とは、「適切な社会的行動が増えること」「年齢が進んでも不適切な社会的な行動が増えないこと」であるというお話は、とても重要な視点であると思いました。
学校では「とにかくたくさん体験させる」「色々な体験をさせる」ことが「技術の向上」につながると考えがちです。
『「社会性の伸び」とは人とのかかわりの総量が増えることではない』ということを理解し、“当事者のあなた”の気持ち(自己肯定感)を大切に、長所を生かすことのできる課題設定を再考する必要があると感じました。
第2部の「支援の原則」では,吉田先生の著書の「あなたがあなたであるために」(中央法規)にも述べられているように、
原則1「直すんじゃなくて、生かす」、
原則2「直すんじゃなくて、補う」、
原則3「経験は計画的に積む」
という原則にのっとって、聴覚過敏やこだわりなどについて、支援のポイントと方針と具体的な支援例のお話がありました。
「運動会のピストル」の例は、ピストルの音が我慢できない子どもに接した経験のある方はとても共感できたのではないかと思います。イヤーマフや耳栓を使ったり、見学時間は落ち着ける空間を確保したりするなど個人に働き掛けるとともに、ピストルではなくて笛や声掛けにしたり、スピーカーの前を走るときには音量を小さくしたり、運動会といういつもと違う状況だからこそ聴き慣れている好きな曲を演技のBGMに選曲したりするなど全体への配慮を学校全体で共有しなければと思いました。
また、「集団参加のための技能と一人遊びの技能は安定した社会参加のための両輪」であること、「一人で過ごす技術を向上させることと、必要な社会的な行動を教えていくことは矛盾しない」ということは、どの年齢になっても大切であると思いました。年齢が大きくなるにしたがって、より長く・より大きな集団の中で落ち着いて過ごすことに重点を置きがちになる学校生活を“当事者のあなた”の視点から整理し直す必要があると感じました。
第3部の「子どもへの診断名の告知」は、とても考えさせられるテーマでした。具体的な進め方や留意点のお話があり、資料には告知文例がありましたが、みなさん「あの子だったらどのように伝えたらいいかな」と思い描きながら聴いておられたのではないかと思います。
吉田先生の著書の『高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て』(中央法規)の最初に、『「障害」か「個性」か。その区分はあなたがいま子どもにどんな視点を向けているのかを示しているに過ぎません。そしてこのふたつはどちらが欠けてもだめなのです。両方の視点を持ち合わせて子育てをしていくことが子どもをトータルに支援し育児を楽しむために必要なのだろうと思います。』と述べられています。
告知に際しても“当事者のあなた”を「障害」と「個性」のどちらかだけを伝えるのではなく、両方の視点から捉え、伝えられるかどうかが大切であると感じました。
5時間を越える講演でしたが、自分が今取り組んでいることに対して、自問自答しながら聴くことができた講演でした。講演が終わった後、会場の外でたくさんの参加者の方が自分の接している子どもについて話し込んでいるのが印象的でした。
ありがとうございました。
(K先生)

【保護者からのアンケート】

・ 詳しい説明がとても分かりやすかったです。友達ができないこと、一人遊びばかり好むことをマイナスと思っていましたが、一人で過ごす能力は伸ばしていいことだと知り、目からウロコでした。また、自閉症であることを、私もポジティブにとらえられていなかった事を反省しました。私の意識をかえていかなければと思います。子どもにもいずれ自分の特徴を知り、楽に過ごせる方法を考える機会を与えるということでも告知のことも考えてみようというきっかけになりました。
・ 「自閉症を長所に」というお話が良かった。まだ完全に受容できていないけれど、先生方が「自閉症でもいいんだ」と話してくださることが、とても大きな支え、励ましになっている。先生のとても穏やかな話し方を聞いただけでも、親として子どもに静かに話しかけるべきだと勉強になった。大変多くのことを勉強することができました。ありがとうございました。
・ 「自閉症の強みなんて慰めだ…」と思って過ごしてきました。先生の具体的なお話と、温かいお人柄で、ちょっとだけ信じて、自閉症のわが子の将来に希望を持ってみようかな…と思えました。不安はたくさんありますが、私にとっては大きな一歩です。
・ 自閉症の特性が強みであることを知ったこと。鳥羽代表がいつも「いいじゃないですか、自閉症で。何がいけないんですか?」という言葉を思い出しました。私の中にある、自閉症に対しての偏見を払拭したいと、とても思いました。混同してしまうこと、誤解しやすいことを詳しく分かりやすく教えていただけたことも良かったです。自閉症について丁寧に説明してくださいました。とても想いが伝わってきました。
・ 講演会に参加してよかったと思いました。広汎性発達障害と診断されて、手探りの状態でやってきました。私が知りたかったこと、常に疑問に思っていたことを分かりやすくご説明いただき本当に有意義な時間でした。こだわりについて、いろいろな事例をとりあげて下さったので分かりやすかったです。その子の特性にあったかかわり方が大切と分かり、今までの私の態度を反省しました。娘は私への信頼をなくし、自己否定感が強くなっていると思います。今からでも自分を改めて、娘を支援していこうと思います。
・ 親として、どういう気持ちで育てていけば、と迷っていたので、参考になる話がたくさん聞けてよかったです。小1の男の子の母ですが、告知について、メリット・デメリット・タイミングなど、実際的な話が聞けて、これからの道筋の1つが見えた気がします。先生がお話された中に、とても温かい言葉がたくさんありあわててメモを取りました。長時間たっぷりお話をお聞きできたのが良かった反面、この場では消化しきれなかったこともあるので、家に帰ってからお話していただいたことをじっくり見直したいと思います。
・ 親も自閉症児の親であることを選び取る生き方をしてほしいといわれた言葉が印象的でした。日々、困ることや悩むこともありますが、一番困っているのは子どもであり、適切な具体的支援の大切さを改めて実感できました。先生の本を読み、療育、子育てに対して考えが変化し、子どもとも随分接しやすくなりました。今回の講演を聞き、まだまだこれから、子どもと成長していきたい、と思いました。
・ 本人が自己肯定感をもてるような親としてのかかわり方について、たくさんの力をいただいたと思う。親としての肯定感が未熟なので、この子がいてよかったと、もっと思えるようになりたいと思う。そのための大きな力をいただいた。支援のあり方や心構えについてたくさん学ぶことができた。
・ 自閉症の症状のすべてが悲しくなるという心持ちの親は、まだ告知の状況にはない、との言葉、身にしみました。まだまだ未熟な親だと思いました。三つ組の特性について、質的な違いを細かく教えていただけてよかったです。特に社会性についての話が良かったです。「年齢とともに不適切な行動が増えない=成長である」というとらえ方をしたことが今までありませんでした。
・ 「自閉症だと胸を張って生きよう」ということは、以前にも聞いたことがあり、頭では分かっているつもりでした。しかし、先生のお話を聞いて、今まではそう思おうとしてきたことに気づき、今日から実感として得ることができました。そのためには自己肯定感をしっかり育てていかないと!と思いました。今後息子と歩んでいくにあたって、今日分かったことはとても大きいことだと思っています。告知についても考えているところだったので、先生のお話を聞けることを心待ちにしていました。レジメ以外の資料もいただけてありがたいです。これからHPも利用させてもらいながら勉強して、告知できる段階に育てていこうと思います。今日は、先生の話を聞くことができてよかったと、心の底から思っています。ありがとうございました。
・ 吉田先生を岡山に呼んでいただいてありがとうございました。1年ぶりの県外での講演会が岡山だなんて・・・。
わが子は高機能自閉症です。小4の頃から自分が他のこと違うということを意識するようになりました。現在小5ですが「ぼくはみんなの言っていることの意味がわからないし、国語や道徳はできないし、スポーツもできない。のび太だ」「ぼくはダメ人間だ」と言うようになり、最近私もかなり気になっており、吉田先生の話はぜひ聞いておかなければと思って会場へ向かいました。吉田先生の話を聞いて、息子の自己イメージの低下にはかなり危機感迫るものがある。今のうちに何とかしておかなければ大変なことになると感じました。春ごろからお医者様にお願いして告知もありかなと思っていたのですが「告知での一発逆転は狙えない」という話を聞いて、そうなんだと改めて認識しました。ネガティブな自己認知から、ポジティブな自己認知になるような具体的支援を考えることが急務という思いを強くもちました。
・ 自閉症であることに誇りを持って生きていけること、そこまで我が子が思えるようになってくれたらどんなに嬉しいだろうと思いました。それには自閉症の特性を強みにした支援を続けていくことが大切だと改めて感じました。また、そんな支援を続けることが、子どもがこの先自分の長所として受け入れ実感できることへもつながっていくのかなと思いました。告知後、子どもたち自身が自閉症について学んでいくという取り組みをされているというのにもとても感動しました。うちの子にもそういう「自分らしさ」をよく知って生きていってほしいと思いました。

【教育関係者からのアンケート】

・ 社会性の伸びとは、人とのかかわりの総量が増えることではない、適切な社会的行動が増えること、不適切な社会的行動が増えないこと、ということが分かった。一人でいることを選び取ること…学校でも大切にしたいと思った。
・ 告知についてなど、これからの見通しがもてたこと。また、課題を設定する際に子どもにとってそれが本当に今必要なことか、毎日子どもに同じ質問をしてうんざりさせていないか、などはドキッとさせられました。スケジュールの大切さも良くわかりました。
・ 自閉症の特性を強みとしてとらえ、誇りを持っていくということ。そのための適切な支援、信頼される伴走者になれるような具体的手立て、こだわりを使ってこだわりをコントロールしていくという具体的な方法を聞くことができてよかったです。明るく前向きに、自閉症を受け止めていけそうです。子どもたちにも自信を持って、強みとして知らせていきたいと思います。ありがとうございました。
・ 園で、診断名がついている子の支援を担当していて、戸惑うことが日々何度もあります。自分が支援する立場として、困っていることを解決する糸口が見つかったように思います。今日の講演を聴き、自分の反省すべき点、実践してみようと思うことが多々ありました。良い道筋をありがとうございました。
・ 先生のやさしい語り口調の中に、ドキリとさせられることがたくさんありました。日々の支援の中で、自分の都合の良いように子どもの行動をとらえていたように思います。自分の支援を見直していきたいと思います。
・ 診断名の告知について、「必ず取り返しがつく」と言っていただけたことが心に残りました。先生の講演を何度でも聞きたいです!
・ 大きくなった子どもたちが自分の特性や、どう行動したらよいのかを学んでいくグループワーク、初めて見ました。このような取り組みもあるのだなと思いました。子ども自身がどう行動したらよいのかを学ぶことができたら過ごしやすくなるのだな、と知りました。参考にしたいと思います。

【福祉関係者・行政・学生・その他からのアンケート】

・ 表面に表れている行動だけに目を向けるのではなく、その裏に隠れている特性を理解することと、「具体的支援」のキーワードが印象的でした。1日で盛りだくさんの内容を聞けてよかった反面、それぞれの内容についてもっと詳しく知りたい気持ちもありました。
・ 例えば「友達はたくさんいたほうがいい」というような、現在の社会の中での「こうあるべき」という考え方にとらわれず、その子にあった、その子にとって良いことは何かを考える視点を、再度教えてくれたことが良かった。
・ 自閉症の方の生涯にわたる支援に関わっている方の生の声を聞かせていただいたこと。子どもたちや成人されている方の幸せを願ってする支援はいかなるものか、教えていただき大変良かった。とても分かりやすかったです。ありがとうございました。

NTN夢工房見学会について

NTNテクニカルサービス株式会社夢工房で働く鳥羽哲平くんたちの働きぶりを見ていただける見学会を、7月にも行います。
どなたでも参加できますのでどうぞお申し込みください。
今回は土曜日の開催ですので、学校の先生方やお父さんたちにもご参加いただけると思います。皆さまのご参加お待ちしております。
日 時 : 平成20年7月26日(土)10:00〜12:00
場 所 : NTNテクニカルサービス(株)夢工房 (備前市)
申込み : 育てる会事務局へ7月23日までに。
   ※夢工房の見学は、個人の方の場合は育てる会経由でお願いします。

「18歳の春をめざす親子療育クラブ」

日 時 : 平成20年7月4日(金)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 研修室1
参加費 : 年間 5,000円
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
※詳しい内容は参加者へご連絡します。
  欠席された方へは資料とDVDをお渡しします。
※まだ参加されていない皆さんも興味を持たれた方は、ぜひお申し込みください。
子どもたちの将来のために目標を持った子育てをする仲間たちが待っていますよ!
参加しているお母さんたちからの前回の感想を紹介します。
ぜひ皆さんも一緒に学びあいましょう。

鳥羽父の貴重なお話を聞けたこと、ご夫婦で子どもさんへの愛情を惜しまず注いで来られたこと感動しました。見習いたいと思います。そして主人も一緒に鳥羽父の話を聞いてほしいとも思いました。みなさんの支援ツールを拝見させて頂いたこと、自分の子どもに合うものが出来たらいいなぁ〜と思いました。(高1母)
個別教育プログラム(IEP)の重要性を感じました。将来子どもにこういう風になってほしいという漠然とした目標はあるのですが、それに向けて身につけさせたいことは多く、ただ闇雲に子どもにさせていたように思います。なので、IEPを作り、今の子どもの状態を再確認して将来のために今取りかかるべきことを明確にしていく必要があると思いました。夫婦で話し合い、子どもの将来や現在取り組むべきことについてじっくり考えてみようと思います。(小3母)
家庭での支援ツールの発表をさせていただいて、皆さんの感想を貰えたことがとても励みになりました。
発表させていただいた支援グッズについてのご意見やご質問があれば、後日でも言っていただけるとより勉強になるし、励みになりますのでよろしくお願い致します<(__)> また、息子の成長に合わせてのステップアップがなかなか出来てなくて、その参考にもさせていただきたいので、皆さんの支援グッズを見せていただけるのを楽しみにしています。(小3母)
前回の支援ツール製作もよかったが、土台となるIEPについて学ぶことでできたのがよかった。実物を手にして説明してもらえたのでイメージがわきやすかった。就労にむけての課題は、本当にそのまま使いたいし、他のところも使いたいところが多かった。哲平くんを育てたご両親だからこその講義で、育てる会に入ってこの勉強会に参加してよかったと思いました。せっかく学ぶことができたのだから「よかった」で終わらず、IEPを作成し行動につなげていかないといけないと思いました。(小1母)
普段漠然と○○が出来ないからこの手順書作ってみようと何となく考えて行動していたが、IEPを作成して客観的に子供の事を見る事で目標も立て易いと感じました。代表がおっしゃっていた「待っていても誰も何もしてくれないんだから親がするしかない」という言葉が印象的でした。一番理解してやれるし、子供の為に何とかしてやろうと行動出来るのは親しかいないんだと強く感じました。「塵も積もれば山となる」ように小さな事から少しずつ着実に出来るようになるよう頑張ろうと思いました。
参加された方の支援ツールをたくさん見せて頂いてとても参考になったし何よりお子さんに対する愛情を感じました。以前ネットで「神様は障害のある子を授ける時とても悩みます。そんな神様にあなたは選ばれたのだから大丈夫」という内容の詩を読んだ事がありましたが、まさに「選ばれし母」を見た気がしました。
子供の将来像(どんな大人になってほしいのか)を見据えた目標設定の大切さを教えて頂いた事。鳥羽さんが「哲平君が、6年生の時に、IEPを作成していなかったら、今の哲平君は、いなかっただろう」と、言われた事が、とても印象に残りました。もし私が『18の春』に参加していなかったら…小学校に入り、とっても落ち着いている生活に満足して、のほほんと過ごし、取り返しの着かない事態に陥っていなかっただろうかと思うと、ゾッとします。本当に『18の春』に参加して、良かったなぁと、思いました。また、他の方の家での取り組みや、支援ツールを見せて頂いた事。とても参考になりました。(小3)
まずは、鳥羽夫妻に感謝です。半年かけてお二人が作成されたというIEPを具体的に提示していただいて、またまた貴重な一歩が踏み出せそうです。長期目標と中期目標は、これ以上ないほど我が子にもぴったりと当てはまります。もっと勉強していけば、また違う目標になるのかもしれませんが、「とりあえず長期目標はこれで!」と背中を押していただいたので、ズボラな私は助かります。子どもの現状を冷静に評価し、短期目標を定めていくこと。ここからが「親として」試されるときなのかもしれません。「評価」は日常の子どもをいかに客観的に見ているかを問われるものだからです。
さぁ、この1ヶ月間、また「産みの苦しみ」かもしれません。でもこの宿題が「学校」との共同作業として発展していけば、子どもにとって強い味方になるでしょうから、またまた頑張ります。本当に私には躊躇している時間がありませんから。(笑)(小3)

「母の想いを話す会」

  7月の「母の想いを話す会」は・・・

日 時 : 平成20年7月14日(月)9:30〜12:00
場 所 : 育てる会事務局  ※いつもと会場が違います
内 容 : 6/21に開催された吉田先生のビデオを見る形で行います。
参加費 : 500円
対 象 : 育てる会正会員
申込先 : 育てる会事務局へ早めに申し込みをしてください。

支援者養成講座

  すでにスタートしている講座ですが、途中からでも参加できます。
  欠席された方・途中入会された方へはDVDを貸出いたします。

日 時 : 5〜3月の、毎月一度金曜の夜19:00〜21:00(8月はお休み)
場 所 : きらめきプラザ(岡山市南方)・生涯学習センター(岡山市伊島)など
      ☆第3回は平成20年7月11日(金)19:00〜21:00
             岡山県生涯学習センター 大研修室
講 師 : 重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す人対象。
       また施設・福祉関係職員も可。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
参加費 : 全10回分
        賛助会員 17,000円 ・ 一般 20,000円
       ※途中から参加される方へはそれ以前のDVDを貸出しします。
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

のびのびキャンプ ボランティア募集

自閉症の子どもたちと、ボランティアさんが作るキャンプです。
子どもたちが親から離れて、自由な時間をどう過ごしていくか、楽しいひと時をみんなで作るためのボランティアさん大募集です。
事前に、自閉症の特性についての説明会やリハーサルも行いますので、自閉症に接するのが初めての方でも安心して参加してください。
本番:のびのびキャンプ
      平成20年10月4日(土)〜5日(日)
      吉備少年自然の家
事前学習会
      平成20年7月13日(日) 10:00〜12:30
      生涯学習センター
プレキャンプ(リハーサル)
      平成20年9月21日(日) 9:15〜16:00
       生涯学習センター
詳しくは、チラシをご覧ください。

サッカークラブのお知らせ

日 時:平成20年7月27日(日)10:00〜12:00(9:30集合)
場 所:旧岡山中央南小学校グラウンド(岡山市中山下)
持ち物:マイボール、ゼッケン(ボラさんの分も)、ハチマキと名札、
     お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード
     親リーダーはグループノートとボラリーダーさんのお茶
* 草抜き清掃へのご協力ありがとうございました。
* 雨天時または前日に雨が降った場合は、体育館シューズを持ってきて下さい。
  保護者の方の体育館シューズも忘れずにお持ち下さい。
* 欠席の方は7月7日(月)までにサッカークラブ担当までご連絡ください。
* 8月の練習はお休みです。
* 9月の練習日はメンバーの運動会の日程を確認し、施設の利用状況等調整して参加者が多い日に決定させていただきたいと思います。
後程、お聞きしますので、各自日程のご確認をお願いします。

  ★メンバー募集中★

サッカークラブでは、引き続きメンバーを募集しています!
ボランティアさんとのふれあい、仲間とのふれあいを通して一人でも多くの方に、サッカークラブの活動、楽しさを知っていただき、仲間を増やしていきたいと思っています☆
チームプレーができないからと迷っている方!大丈夫です!!
子ども一人ひとりにボランティアさんがついて下さいます。
できることを無理のない範囲で一緒に楽しくやっていきましょう♪
ボールをけるだけで、走るだけで、子どもたちはとても生き生きしています。
興味をもたれている方、ぜひ一度体験にいらして下さいね!お待ちしています。
体験験希望の方は担当までご連絡下さい。
(サッカークラブ担当;M)

水泳教室のお知らせ

日 時: 平成20年7月20日(日) 15:30〜17:30
場 所: 岡山OSKプール(貸切プールで行います)
連絡先: 育てる会事務局
いよいよ夏休みがやってきます。みなさん待ち遠しいですね。長い夏休み、元気に過ごせますように。
水泳教室では随時体験入会ができます。興味のある方はぜひ1度トライしてみてください。みなさんのご参加をお待ちしています。
★ 会費の入金がまだの方は早めにお願いします。
★ 新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★ 欠席される方、ボランティアさんが必要な方は必ず事務局に連絡してください。 
★ 当日の急なキャンセルは水泳担当に直接ご連絡ください。
(水泳教室担当:T)

夢工房リレートーク

鳥羽哲平くんの勤務先である「夢工房」の方に綴っていただく「夢工房リレートーク」。
前回の篠岡所長に続き、今回は高津部長からの原稿をいただきました。お忙しいなか、ありがとうございます。

育てる会、会報120号で、篠岡所長より鳥羽哲平君の実習受入から入社、現在までの状況を紹介いただきましたので、別な角度から夢工房の今後の役割をお伝えしたいと思います。
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平成18年12月29日仕事納めの日です。
朝7時30分頃から備前市に初雪が降り始めました。
赤穂線は定刻7時58分に香登駅に到着、いつものように哲平君が一番に列車から降りるのが見えます。今日はいつもと違い白い雪が激しく降っています。その中をいつものコース(線路沿いのあぜ道)を走って通勤します。今日は走りながらよそ目をしているそぶり・・・?暖房の効いた事務所の2階から「寒い中を可哀想に」と独り言を言いながら工場へ入るまで見守っていました。
8時 1分これも時間どおり製作所の通用門から場内に入ります。ここまでくると哲平君の顔の表情がはっきり確認できます。
通用門を通りながらあたりをキョロキョロ!顔の表情は何かしら嬉しそうな顔をしています。
上を見上げているのを見てやっと納得。降ってくる粉雪を楽しんでいることを理解しました。外気温は0度です。寒さより久しぶりの雪を楽しみながら走ってきたのかと納得し、少し気が楽になりました。事務所に入ると、小職の前まで来て『気をつけ、礼、お早う御座います』小職「お早う御座います。雪が降っていますね。」哲平君「降ってます」差し出したロッカーの鍵を親指に包帯を巻いた右手で受け取り事務所を出ます。
今日もいつもどおり仕事の始まりです。
グループ長  西山 岩男・・・障害を持つ子に特別の思いを持つ方。
サポート員  今村 里美・・・思いやりと明るさ、素直さを備え持っている方。
総合管理   津  信
哲平君にとっても、今後入社してくるであろう方にとっても最高のスタッフを任命できたと手前味噌で思っています。   ―― 後略 ――
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平成19年12月28日、仕事納めの日です。
昨年の出勤時は、雪が激しく振っていました。
今年は、冷たい雨の中を定刻に出社してきます。
違いはもう一つ、昨年は鳥羽君1人でしたが今年は仲間が増えました。M君です。
赤穂線が香登駅に停車し、ドアが開くと同時にまず鳥羽君が、続いてM君が降りてきます。昨年の何時ごろだったか、赤穂線から降りると走ってくるようになりましたが、今も同じです。
先に赤穂線のガードをくぐるのは鳥羽君で10bくらい遅れM君が走ってきます。香登駅から3分程度で事務所の小職のところにロッカーのカギを取りに来ます。
作業服に着替えたら仕事の始まりです。  ―― 中略 ――
M君が平成19年6月16日トライヤル雇用で入社し、1年が経過しましたが「仕事をしたいという動機づけが出来てきた」と感じています。会社だけで働くということを理解いただくことは出来ません。ご家庭の生活の中でも率先してお手伝い等をしていくようご指導下さい。必ずや継続就労に繋がってきます。   ―― 後略 ――
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少し長くなりましたが、平成18年と19年の仕事納めの日に各家庭に出した小職の手紙の抜粋です。
毎朝、彼らの行動や顔色を診てその日の健康状態を出社時に確認するようにしています。
夢工房では継続就労をしていただく趣旨で、仕事のサポートだけでなく一部私生活についても提言し実行していただいています。
詳しくは、次のトークリレーのネタに書いていただこうと思っています。
昨年は、200名を超す見学者がありました。今年も既に80名を超す見学者(育てる会経由の保護者の方、養護学校PTAの方、支援施設関係者等)が見えられました。感想をまとめて送っていただいておりますが、ある養護学校のPTAの方の感想を一部紹介いたします。

先日は夢工房を見学させて頂き有難うございました。以前からの念願が叶い本当に嬉しく思いました。
会社を訪れ守衛を入ってすぐ目の前に夢工房があった事にまず驚きました。
実際の職場では、障害を持つ三名の方がいきいきと働いておられる姿に一種の感動を覚えました。
そして「彼らはちゃんと働けます」「私達はボランティアではやっていません」「障害者が主役で働く職場を作っています」「夢工房を見に来た社員は彼らのひたむきな働きぶりをみて多くのものを得るのです」などのお話に、就労を突破口にしたノーマライゼーションの実現を見た様な気がしました。
夢工房は今までの障害者雇用のやり方ではなく発想の転換をされ、雇用にかかるコストをチーム編成を働く環境の工夫で利益追求やコスト削減という難題を克服・解決しようとなさっておられ、だからこそ障害者が働く上で必要なものが発見でき、冶具が生まれ、障害者が混乱無く安定し主体的に働ける為の視覚支援というサポートがなされているのだと思いました。一人一人の不自由さを理解し、それを何とかしようと考えて下さる。まさに理想的な職場を見させて頂いて、同じ障害を持つ子供を育てている親として涙が出そうな程、熱いものがこみ上げてきました。
3/2のセミナーと今回の見学でのお話を通して家庭と学校とでしっかり連携が取れていることの必要性を改めて感じました。
就労を目前に控えている我が子に、ちゃんと働く意欲と喜びを持たせられるよう、これからも継続してお手伝いをさせるなどをやっていき、卒業後、企業とのパイプ役になって頂ける様学校としっかり連携を取っていきたいと思います。
最後になりましたが、夢工房の取り組みをもっと多くのメディア等でPRされ、多くの企業が前向きに障害者雇用を考えてくれる事を希望します。お忙しい中本当に詳しくご説明・ご案内をして頂きました高津様と今村様に心から感謝申し上げ、つたない文章ではありますが、見学の感想とさせて頂きます。
有難うございました。

夢工房を訪れた多くの見学者(保護者)の方が同じような感想をもたれています。
@子供の教育を学校任せにするのでなく、家庭の中で出来る事を考え直してみる機会になった。
A多くの企業が前向きに障害者雇用を考えていただく取り組みをして欲しいなどです。
夢工房は知的障害、自閉症等の障害者の自立支援をしていこうという趣旨で設立しましたが、これほど多くの方の要望に応えるため、セミナー等でお話をしましたように、これからの夢工房の役割は、雇用の拡大だけでなく、保護者の方には、哲平君の就労を一つのモデルケースとして捉え、将来に希望を持って養育いただきたいこと、地域企業経営者の方々に障害があったとしてもチョットしたサポートで就労が出来るようになりますよというメッセージを発信していかなければならないと感じています。
1社で10名の雇用も良いが、10社が1名ずつ雇用する方が将来の拡大に繋がると考えています。機会あるたびに夢工房の見学を受け入れますし、雇用実践の報告要請があれ
ば、時間を割いてでも発表していきたいと考えています。
夢工房のスタッフの努力の一方で、三名の仕事に対する責任感や働きたいという思い、家族の支援など、多くの人の思いが一つになって、NTNワークショップ”夢工房”は日々稼動しています。
障害を乗り越えやりがいをもって、ひたむきに仕事に取り組む姿勢は、私たちも学ぶ事がたくさんあります。ともに学び、助け合って成長していく”夢の工房”の実現を目指す福祉工場は、普段「夢」を見失いがちな私たちにとって「働く喜び」「相手に対する思いやり」「仕事への責任感」「ひたむきな姿勢」などを再発見できる場でもあります。
見学いただいた方たちのご意見、感想は、夢工房スタッフにとって大きな勇気を与えてくれます。仕事を通じ成長していく彼らが、今後とも「主役で働ける」よう職場環境つくりとサポート体制の充実をしてまいりますので、今後とも皆様方のご支援をお願い致します。
(NTNテクニカルサービス株式会社 高津)

お母さんコラム

今回のお母さんコラムは、Iママさんが6月21日の吉田先生の講演会を聞いての感想と合わせて、ご家庭での生活の様子を書いてくださいました。
Iママさん、ありがとうございました。


「吉田友子先生 〜その子らしさを生かす子育て〜」の講演会を聞いて

吉田先生の心のこもった一言一言にほんとうに、親として元気をもらいました。いろんな子どもさんに関ってこられた、先生だからこそ、自閉症という子どもに恵まれた(!)親たちや本人の「理解されないが故の痛み・困っていること」に寄り添うような気持ちが伝わってきました。ですから、とても癒されたのでした。
「思春期に荒れる自閉症の子ども」について触れられた時、「適切な支援を受け、こだわりや自閉症の特性を強みにして成長してこれた子どもは思春期に伸びる」「でも、力で押さえつけられてきた子どもは思春期になり荒れやすい。」というようなことを言われました。
我が子の子育てにおいても、しばしばこのような「力で押さえつけたり、子どもが何故このようなことをしたのかを、考える前に叱ってしまっていたりしたこと」があったことを深く反省させられました。しかも、反省しても反省しても同じようなことをしてしまっていて・・・
幸いなことに、私の同居する母や息子達の冷静な言葉や助けもあり、また今回でいえば、「自閉症の特性」について改めて勉強することもあり「暴力的な態度を反省」することができているのでした。
「自閉症の特性」について、何度も聞くうちに、「もう、聞かなくても判っている。」というような自分がいたこと。これも間違いのもとでした。「今の我が子の年齢や状況から、自閉症の特性を聞くこと」は、「自分の親としての支援のあり方や自立に向けての捉え方を振り返ること」だったからです。
例えば「社会性の定義は、分量の問題でなく、質の問題である。直感的に周りの状況をくみ取れずに、一方的に人と関る傾向にある。」などと、聞けば我が子を振り返ることになります。
息子はそういえば、同年齢の子どもが『なんか、こいつおれのしゃくに障るようなこと言うよなぁ。』というようなことがよくあります。人の気持ちを推量して「考えてものを言う」ことが下手です。そういうことをしていることに、親子共気づかないで高学年になるにつれて「何かうまく自分ができていない。」と感じる年頃になり、どうやればよいか判らずに人の顔色ばかり見てビクビク過ごすようなことにもなるのだろうか?そんなふうに感じると、今自分の子育ての中で何ができるのか。とか、「将来の子どもの理想の姿に向けて、今親としてするべき支援は何か?」などど、今からやらないと大変だと考えさせられたのです。
我が子への日常の支援でも、様々な反省があります。
一昨日のことでした。
2階へ上がらないとトイレの大便ができない我が子なのですが、「お母ちゃん。ウンチするよ。」と2階へ上がり、いつもなら、「お母ちゃん。ウンチをキレイニしてくださぁーい!」と呼び私が上がるだけで、実際には自分で拭いて出てくるのです。
その子がいつまでも私を呼ばずに、始末をしている気配が感じられて、私は『あーすごいなぁ。いつからこんなに、一人でトイレの始末もできるようになったんかなぁ。誉めてやらなくちゃ。』と感激していました。ですが、そのまま、息子は降りて来ずに好きなビデオやお絵かきをやっている様子。
そのうち、私も忙しさに忘れてしまい、「晩ご飯よォー!」で、降りてきた息子が食べるそばから、「うん?何か匂う。」
それもそのはず、ウンチが拭き足りなかったらしく、パンツにも布団のシーツにもほんのチョッとついていて・・・!!
私すぐ、「なんじゃー!ついとるー!洗って来いー!!」と叫んでしまっていました。
なんていうことでしょう。
ついさっきまで「息子も一人で2階でウンチの後始末できるようになった。」と、感激していたというのに・・・誉めてやることも忘れて、「鬼」のように怒ってしまって。
きっと息子とすれば「自分でがんばって始末したのに、理不尽な怒り方されるなぁ。」と、納得いくことではなかったはず。
「今度からまた、ペーパーにつかなくなるまで拭こう」ということを一言感情を入れずに言えていたら、次に繋がっていけたのに。そう振り返ると「次を考えなくては、親と言えども信頼を失いかねない。」と講演会を聞きながら思いました。
「この人の力を借りてこれもやってみようかなぁ」というような、子どもの意欲は「安心と信頼のもてる日常生活から」全体の先生のお話の中で、「支援の最優先されるべき課題はこれです」という思いがビンビンと伝わってきました。わが子といえども「分かったつもりが一番怖い」ですね。恥ずかしい、恥ずかしい。
それにしてもわが子は3歳9ヶ月でよくぞ「広汎性発達障害」と診断してくださったものだと感謝するばかりです。親の自覚もないうちに、育ててくださっていた先生が勧めてくださった市の発達相談を受けることになり、診断をいただくことができたのです。このことがなければ、きっと私は今日「自閉症」について、学ぶことも無く、「一人遊び」を楽しむわが子を悲しく思ったりする母であったかもしれません。彼の「納得や理解を得る努力や支援」をせずに責めあげて彼の主体性の力をことごとく摘み取ることになっていたでしょう。
ワァーこわいー
最近の朝のことです。予定表を見せても「今日学校?お休みする。」と言っていた息子でした。
その子が「お母ちゃん。(ヘルパーの)Mさんとプールへ行って、ソフトクリーム食べる日は後1個がんばれば良い?」と聞くのです。?!「あと1日がんばればお休み?」と聞いてきたのでした。なんていじらしい。かわいさ倍増でした。
「18歳の春をめざす親子療育クラブ」で宿題の「個別の目標」も少しずつ書きながら、1つ1つ彼の実態を見つめなおす作業もしています。『なんて、楽しい作業なんだろう。』このように講演会では、確認・反省・前進・実行の機会とわが子への新発見に気づく楽しさを与えていただきました。ありがとうございました。
もう一つ最近の会話で。散歩の途中のことでした。
「なぁーお母ちゃん。コブラのへびさん、あのヘビの(プクッとふくれた)お腹のところ、お母ちゃんのお腹みたい。」!!
おいおい、少しは想像しろやー!!
そんなこと言われて女の人が喜ぶと思うか??
そうだ。これも、自閉症の特性だったねぇ。
「今日もやっぱりわが子は楽しい自閉症だった!!」
( I ママ)

 事務局だより
7月に入っていきなり蒸し暑くなってきましたね。事務局は風通しが悪いのですが、「今からクーラーつけていたら本格的夏が越せない!」とできるだけ頑張ろうと思っています。省エネ省エネ!
さて、先日の吉田先生の講演会には本当に大勢の方が来てくださり、ありがとうございました。
先生は本当に分かりやすく穏やかな語り口で、お話を聞いていると心がほっこりと暖かくなりました。それは先生が、自閉症のお子さんたちのことを、「可愛い」「面白い」と感じてくださっていることがお話の随所から感じられるからだと思います。
心からそう感じてくださっている先生のお話だからこそ、告知前後の子どもたちも、彼らの強みや良いところのお話をしっかり受け止めることができるのでしょうね。
今回の講演会は、正会員の通う養護学校や地域の学校・園の校長先生・園長先生・教頭先生をお招きしました。大勢の先生が参加してくださり、学校や園のトップの方々に吉田先生の素晴らしいお話を聞いていただけたことは、学校・園全体としての自閉症児への理解につながっていくのではないかと思います。詳しい報告は会報をご覧ください。
また、8月9日には澤先生の支援ツールについての講演会が開催されます。こちらへも大勢の方のご参加をお待ちしています^^
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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