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平成20年7月31日

 

 第123号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 123号 目次

     この世での使命

     夏休み木工教室のご案内

     吉備国際大学招待行事のお知らせ

     川崎医療福祉大学招待行事のご報告

     クローバーの会 〜女の子の会〜 活動報告

     育てる会勉強会
          NTN夢工房見学会
          18歳の春をめざす親子療育クラブ

     支援者養成講座 報告&案内

     サッカークラブ・水泳教室からのお知らせ

     私のお薦め本コーナー
          「おっちょこちょいにつけるクスリ」

     近隣の講演会等のご案内

     お母さんコラム
          「川福ASCサークル招待行事 〜ボウリング大会〜」

     事務局だより

暑い毎日が続いていますが、お変わりありませんか?
澤月子先生をお迎えしての講演会と支援ツールの展示会の日時が近づいてまいりました。
準備に大忙しの只中、父が亡くなりました。
私の頭の中では、父の死が実感として感じられるまでには、時間がまだまだかかりそうです。
母に続いて、父までも亡くなるという悲しい現実にまだ私の心は、対応できていないようで、妙に悲しさは、実感を伴わない状態です。
悲しみを何かが押しとどめているのかもしれません。
そんな中、久しく思いださなかったことを、突然思い出しました。
それは私が高校2年のことです。
今から38年前、学校帰りに大阪万博へ行った時のこと、会場はどのパビリオンもいっぱいで、友人とふたり空いていそうな会場をうろうろしているとき、偶然入ったのが、とある教会のパビリオンでした。生まれて初めての宗教との出会いでした。
そこで私の感じたこと、それは当時の私には鮮烈な記憶として、今でも残っているのです。
宣教師の方のお話に、友人と二人聞き入りました。
「人は、神によって定められた人生があり、今生きているということは、神の意志であるということ。今生きているということは、神にとって意味のある存在だということ。今生きているということは、神にとって、まだ定められた仕事が終わっていないということ。死の時も神が定められている」
というのです。
その当時、私の祖父は脳溢血で長く寝込んでおりました。
動けない祖父は、「いっそ死んでしまいたい…」
そんな風に高校2年の私に言いました。
まだ幼い私には受け止めかねるような祖父の訴えに、私は宣教師の受け売りでしたが、祖父に言いました。
「おじいちゃん、生きるときも死ぬときも、それは神さんが決めとられるんやで。今、まだおじいちゃんは、死ぬときが来てないんとちがうやろか〜。まだまだ、おじいちゃんには、やるべきことが残っているんやないやろか〜」
神様という言葉を神さんに言い換えて祖父に言いました。
祖父は涙を流しながら、頷いてくれました。
それから4年。やるべきことを終えたのでしょうか、祖父は亡くなりました。
あれから38年。今、父の死を私は迎えました。
人には、この世でなすべきことがある。神の前にはどの命にも等しい価値がある。
高校生の私にとって、この言葉は、大きな大きな意味ある言葉でした。人の価値は地位や職業、知的能力や、美醜などで決められるものではない。神様は同じように意味のある存在として私たちを作られたという事。神の前には、みんな等しい。
そして同じようになすべき仕事があるからこそ、この世に誕生してくるということを、若く感性の豊かな時期に聞いたことは、その後の哲平の障害の受容への、大きな助けとなりました。
やるべきこと、この世での使命を終えて、旅立った父だったのでしょう。
死に顔は穏やかでした。
父の脳腫瘍が見つかり、すぐ手術をして、一時は回復し畑を耕し、ジャガイモの植え付けまで、弟に指図しながらやれるほどになりました。
植木も高いところまで登り剪定するくらいの回復だったようでした。もしかしたら、奇跡が起きて、回復してくれるのではないか…、そんな期待をするくらい元気な様子の父でしたが、やはり末期がんとの診断は、間違いなく父の体から体力を奪っていきました。
6月はじめに倒れた後は、病状は悪化をたどり、ついに7月30日、還らぬ人となりました。
生前、「わしの人生は、満足できるええ人生やった。思い切り生きた。好きなこともいっぱいした。お母ちゃんを泣かしたこともあるけれど、お母ちゃんも分かってくれとるワイ。それはまあしょうないわい。ええ人生やった。豪快な人生やった。何も思い残すことはない」そんな風にいっていました。
「好き勝手して…」と母も笑って許してくれていることでしょう。
父は悪ぶっていましたが、本当は、いつも周りのことを考える気配り・心遣いの人でした。それも、離れているからこそ、私と妹にはよく分かりました。やさしい思いやりのある人でした。
こんな父だったので、倒れてからの介護に帰るたびに、私の体のことや残してきた哲平のことなど気遣ってくれる人でした。
「そんなに帰ってこんでも、ええぞ〜」背中をさすってあげても、すぐに「ええ気持ちや〜、もうええぞ〜」と遠慮するような人でした。でもその背中が痛みを訴えているのが聞こえてくるようで、手を止めることが出来ませんでした。出来るだけ多く顔を見せたいと岡山から兵庫県まで高速道路を通いました。
母を思いがけなく亡くしたせいで、父の介抱がさせてもらえるというのは、子として嬉しく、この7ヶ月、心を通わせる時間を持てたことが、せめてもの慰めです。
正直で、率直で、心優しい父でした。お父さんの子で幸せでした。お父さんの子として、私は誇りを持って生きていきます。本当にありがとう。

今回も父の死を哲平には、知らせることが出来ませんでした。
葬儀場ではなく、自宅での再びの葬式でした。少し迷いましたが、哲平の安定のためには、静かだった家のふすまが取り払われ、ご近所の人や親戚など何十人もの人が慌しく出入りするこんな喧騒の中に身をおかせることに、意味を見出せない気がして、いつも通り会社へいかせました。
留守宅は兄と姉が代わる代わる見てくれて、無事に通夜と葬儀を終えました。
まだ、哲平はお祖父ちゃんの死を知りません。
盆のお休みを利用して、ゆっくり実家へ帰ってこようと考えています。
その時に、お祖母ちゃんの時と同じように話して聞かせたいと思っています。
哲平にとって、葬儀とはそういうものだというのでも、いいような気がしています。
みんなと同じではなくても、お別れの仕方はあるのではないでしょうか。本人にとって、混乱のない形にするのが一番と思います。いつもと違うお祖父ちゃんの様子や通夜から葬儀にいたる慌しさの中に身を置くしんどさは、想像するだけでかわいそうです。
またこれが岡山でのことなら、私たちが主体で考えられますから、哲平のことを一番に考え対応できますが、兵庫県の田舎の風習に沿って行われる葬儀は、とても大掛かりで、私情を入れる余地がありませんでした。哲平のために今出来る最善のことをしたい。そう思いました。それが、葬儀には出席せず、知らせず、お仕事をいつものようにするということでした。
ですから、まだ哲平はお祖父ちゃんの死も知らず、気楽にお仕事にいっています。この会報で皆さんにお知らせしてしまいましたが、哲平とお付き合いのある方は、今しばらくこのことを本人には伏せておいてください。よろしくお願いいたします。

さて、はじめにお話した澤月子先生の講演会と支援ツールの展示会が、迫ってきました。
8月9日(土)の10時から展示会その後昼食をはさんで、講演会というとても大規模なことになりました。
はじめは、澤先生の学校の課題を展示していただきたいとお願いしましたところ、先生が
「岡山の学校での取り組みや、保護者の方の家庭でのツールを展示も出来たら面白いですね」
とおっしゃっられたのです。
そこで、何とか実現できたらいいな〜と思い、哲平の出身校の東備養護学校の担任だったT先生に、まずお電話してみました。すると「いいですよ」と気軽に受けてくださいました。このことに勇気をもらって、県下の養護学校のコーディネーターの先生方に次々電話していきました。すると、昔お世話になったことのある先生や、担任をしていただいたことのある先生だったりして、お話しするうちに、皆さん快く出展を内諾してくださいました。
また、香川大学の武蔵博文先生の支援ツールの講座以降、勉強を続けている18歳の春を目指すお母さんたちが、たくさんの支援ツールを出してくれることになりました。
哲平の働く夢工房からも治具やツールが数多く出してもらえることになりました。児童デイサービス赤磐ぐんぐんの自立課題の数々もスタッフの協力のもと出せることになりました。どの支援ツールも殆どが手作りですので、参考になればと思います。そういうわけで、多くの方の力を結集しての大変大掛かりな支援ツールと自立課題学習の展示会を行えることになりました。
このことをお知らせしなければならないと、元気を出してこの原稿を書いております。
皆さん、夏休みで、お忙しい時期ではございますが、この展示会を見逃すのはとても惜しいと思います。
岡山では、このような展示会は始めての試みです。学校と保護者と療育機関とそして、お仕事場での支援が同時に見てもらえ、作り方など学びあえるということは、今までにはなかった取り組みです。皆さんどうか見にきてください。そして、ご家庭で、学校で、そして療育機関でこんなツールがあれば子どもたちはやれるんだということを、見ていただきたいと思います。
皆さんのお子さんが少しでも楽になるために、どんな支援が必要かを、見ていただきたいと思います。支援の為の手順書や、スケジュールそれぞれ持ってきてくださる方によって、子どもの状態によって違います。多くの支援グッズの中から、ヒントやぴったりのものが見つかったら、その場に作ったその人が居ますので何でも質問してください。作った人は、苦労をしただけにそのグッズを褒めてもらったり、評価してもらったりすることが、また次への意欲につながっていくと思います。双方向からの勉強になるこんな機会はめったに出来ることではないと、思っております。
澤先生のお話は、午後からとなります。京都府向丘養護学校での「自立」をキーワードにした取り組みの数々を、長年の自閉症児との付き合いの中からお話いただけることになっております。先生の歯切れの良いお話は、きっとこの暑さをぶっ飛ばしてくださるに違いありません。元気を貰いにどうぞ皆さん来てください。まだまだ、お席に余裕がありますから、お誘い合わせの上、どうぞ、いらしてください。お待ちいたしております。

さて、ここで哲平のパソコン購入のお話をしましょう。
前月号で、哲平が自分用のパソコンを買うためにコツコツお金をためているというお話を書きました。
ボーナスが出た次のお休みの日を待ちかねるようにして、お父さんと私と哲平の三人で東川原のデオデオへ出かけました。
哲平が選んだのは、26万円弱の機種。なぜそれを選んだかというと、26万円持っていたから。すぐにでもお金を払おうとする哲平に、値下げの交渉をする私…。
「買う買う、25万8千円払う!!」と横からうるさい哲平。哲平の血と汗の結晶のようなお金です。私は、少しでも安くしてもらおうと、交渉している横でうるさいのなんの…。しかたなくお父さんに頼んで少しの間、他の売り場へ連れていってもらい、再び値下げ交渉です。
ウイルスバスターの3年間のソフトをつけてもらって、何とか24万円以下にしてもらえたところで、再びうるさいお兄さん登場。今にも財布から26万円を取りだそうとする哲平。もう一声でプリンターもつけてもらえそうだったのに、哲平の「早く払いたいんじゃ〜」攻撃に母は屈してしまいました。24万円でいいよ。という私に「どうして???」という顔の哲平。世の中は、哲平が思っているより複雑なのよ。26万出す哲平のお金を一旦預かって、そこから24万払って、後から2万円返しました。納得はしないけど、なんかよくわからんけれど、得はしたと思ったのでしょう、すぐにそのお金でずーっと我慢していたDVDソフトを買いに隣の売り場に行って、満足そうに帰ってきました。
パソコンはテレビもついて、とてもかっこいい機種です。でも、インターネットしかしない哲平には、宝の持ち腐れのようなパソコン。
「まあいいか〜」満足そうに自分の部屋で映画情報を検索している哲平を見ながら、夫婦して顔を見合わせる私たちです。
夏は厳しい時期ですが、私は好きです。
寒がりの私は、冬より夏が好きです。入道雲が大好きです。
それを見ると、子どもの頃の夏休みを思い出して、なんだかワクワクしてしまいます。虫網を持って駆けた田んぼや畑のあぜ道。近所の川で大勢の子どもたちと一緒に泳いだ毎日。川魚が水中眼鏡の向こうを横切っていった光景。宿題の絵日記をまとめて書いた日の苦しさまで、まざまざと思い出しました。トンボやカエル、みんみんゼミの鳴き声までもが、降ってくるようです。皆さんのお子さんにとっても、この夏が、かけがえのない夏休みになりますように…。お母さん、がんばれ〜!!
育てる会代表 鳥羽美千子

夏休み木工教室のご案内

来る8月30日(土)、木工作家・川月清志先生指導で「夏休み木工教室」を開催します。
夏休みの宿題で工作などを考えておられる皆さん、ぜひこの機会にご参加いただき、世界でひとつしかないお子さんの手作り作品を作りましょう!!
日 時  平成20年8月30日(土)10:00〜12:00
        ※希望者が多い場合は、午後の部も行うかもしれません。
場 所  岡山県生涯学習センター 木工教室
参加費  子ども一人につき1500円(材料費)
作 品  オリジナルペンケースとペン立て
      お子さん自身ができるところは本人に。
      難しいなと思えるところはお父さんお母さんで。
      木工が苦手な方も、先生が指導してくださいますので大丈夫ですよ。
☆詳しくは同封のチラシをご覧ください☆

吉備国招待行事のご案内

今年も吉備国際大学ボランティア部ではイベントを行いたいと思います。
タイトルは「さがそう!つくろう!クッキーと宝さがしは高梁で!」
日程  平成20年10月26日(日)
時間  9:00頃〜15:00頃
場所  高梁市社会福祉協議会
詳しい内容などについては次回以降の会報に紹介します。
ぜひ大勢の親子に参加していただきたいです!!

川福ボウリング大会報告

先日7月5日(土)、サンフラワーボウルにて、川崎医療福祉大学ASC部による「ボウリング大会」が開催されました。
育てる会からは11家族・27人が参加しました。
主催したASC部のボランティアさんと、参加した保護者の方から感想をいただきましたので紹介します。

 ボランティアさんからの感想

今回のボランティアは約1年ぶり。正直自閉症の子たちとどのように接すれば良いのかということを忘れている気がして不安でした。
私は二人の男の子のいる家族のボラをしました。二人いっぺんに対応するのは大変だと思いましたが、ご両親も協力してくれたのでスムーズに進むことができました。
子どもたちとも最初は緊張していて話せませんでしたが、最後の方では手を握ってくれたりしてくれて、とても嬉しかったです。
私も子どももお互い心を開きあった気がします。今回のボラを通じて、色んな人と関わっていくことは大切なことだと思いました。
これから出来る限り参加したいと思います。
私の受け持った子はピンを倒すというルールをあまり分かっていなかったみたいで、ピンを倒してもあまり喜んでいませんでした。
でも「○本倒せたから色塗ろうね」「○本倒せたよ」と毎回声をかけていたら、少しずつ分かってきたみたいで、楽しそうに色を塗ったり、シールを貼ったりしていました。
妹が投げるときに一緒についていって、妹が何本倒れたかを「○本だったよー!」と走って教えに来てくれたときはすごく嬉しかったです。
今回は3回目のボランティアだったので、自分なりにどうすればこの子が喜んでくれるかとか、どうやったら分かりやすいかを考えられるようになってきたので、紙に投げる人の順番を書いて自分は何番目かを分かるようにしたり、靴やボールを片づけに行くときも、一つ一つ説明しながら教えると、分かってくれたみたいで、妹やお母さんにも片付ける場所を嬉しそうに教えようとしていました。
今回は準備全然行けなくて申し訳なかったのですが、皆の準備のおかげで良いボウリング大会になったと思います。
子どもの人数に対して十分なボラがいて良かったと思う。
全体的にスムーズに進み準備がしっかりできていたということだと思う。
次回のために改善点を一つ挙げると、レーンによって終わる時間がバラバラだったので、各レーンの人数をうまく分けることや、待ち時間に簡単な遊びをするなどして、時間を調整することに気をつければもっとよくなると思った。

 家族からの感想

若い人たちのエネルギーをいっぱいいただきありがとうございました。
「早くボウリングするんよ」と初めての場所なのに、見て回って安心でき、二回目のボウリングなのにやる気満々でした。
家族で行ったら自分の番まで待てるけど、今日は「続けて投げたい!」と順番を待てず、マジックや印を書くものを用意していただいていたので、それを見て待つこともできました。全体の開会式のときに、プログラムの説明が最初にあれば子どもにも分かりやすかったと思いました。
最後のお菓子のプレゼントは「やったー!」でした。
本当にお世話になりました。ありがとうございました。
去年に続いて二度目の参加ということで、本人もよく分かっていて、やる気満々で来ました。
今年は落ち着いて行動できるかと思っていたのですが、コンピューターのスコアに触りたい、ガーターレーンでやりたい、ボウルチェンジしたい、など色々やりたいこともできて、そのつど納得させるために説明してやらなければなりませんでした。ですが、ストライクを出すこともできて、本人にとっては嬉しい一日となったと思います。
このような会を催していただき、ありがとうございました。
今日はご招待いただきありがとうございます。とてもリラックスして楽しく参加することができました。
今回で二回目の参加でしたが、とても集中して楽しそうに取り組めたので、見ていて安心で、親の方も嬉しくなりました。
スタンプなどで自分の倒したピンの数を確かめることができ、達成感を味わいながらできました。途中、タオルで球を拭くシーンなどは思わず見ていて吹き出しそうでした。
よく観察しているな、とびっくりしました。
今回が初参加でした。子どもたちはボウリングも初めての体験で、どうなるかなと心配していたのですが、ボラさんに教えてもらって楽しくできたようです。待ち時間も色塗りやシール貼りがあったので、時間を持て余すことがなくて良かったです。
「またボウリングしたい」という気持ちになっているので、家族でも行ってみようと思います。今日は本当にありがとうございました。
場所もよく分からず参加させていただきましたが、中庄駅まで迎えに来てくださり、ありがとうございました。皆さんとても優しい方ばかりで、子どもも緊張せず、ボウリングを楽しめたと思います。楽しい休日になりました。ありがとうございました。
会場に入った瞬間、ゲームの音がしたので、長時間いるのが辛いかもしれないと心配しましたが、思っていたよりも落ち着いて見え、安心しました。ボウリングのゲーム中、他の方が投げるのを待つ間にスタンプを押すことで、時間を持て余すといったことがなく、とてもありがたく思いました。ボウリング場へ行ったのは初めてでしたが、「次はいつ?」と尋ねていたので、また来させていただきたいと思います。ありがとうございました。

クローバーの会 〜女の子の会〜

クローバーの会とは、高機能自閉症やアスペルガー症候群の女の子たちで集まっている会です。カラオケに行ったり公園へ行ったり、楽しく活動しています。
担当のお母さんから7月の活動の報告が寄せられたので紹介します。

7月13日(日)に、グリーンヒルズ津山(プール)に行き、4家族で遊びました。
その日、我が娘は、長さ90メートルのウォータースライダーに「行きたい」と私に、訴えたのですが、私は小心者なので怖くて「嫌だ」と言うと、母親はあてにならないと判断したのか、「Mちゃん、行こう」と、Mちゃんと行ってしまいました。(それでも、娘にとっても初めての試みのはず、本当に大丈夫なのか、親として心配で、一応上まで一緒に階段をのぼったのですが・・・)ここで、Mちゃんが、「おばちゃん、心配せんでも大丈夫」と、私を励ましてくれて、二人は順番を待っていました。
Mちゃんが余裕で滑り、その後に、わが娘もスタート!
後の様子を聞こうと、必死で階段をおりて、「大丈夫だった?」と尋ねると、「楽しかった」の一言を言い、また、泳ぎ始めている我が娘。(私一人で、オロオロしていただけのようでした。子どもはたくましい)
津山まで、車で一緒に行ったYちゃんは、顔に水がかかることが苦手、でも、長い年数をかけて、少しずつ少しずつプールに長く入っていられるようになっていました。そんなYちゃんが、帰りの車の中で、「もっと、プールしたかったのに・・・」とつぶやいていました。(楽しかったのね。よかったね)
次回は、かりものに行こうと約束をして「さよなら」をしました。
クローバーの会は、仲良くしようを求めるのではなく、それぞれの個性を、少しずつ認めていきながら、一緒に過ごした時間が楽しかった。また遊ぼう。と子ども達が思えていける会でいいのではと思う私でした。
(クローバーの会担当:Nママ)

育てる会勉強会

NTN夢工房見学会について

NTNテクニカルサービス株式会社夢工房の見学会を、7月26日(土)に行いました。
参加された方からの感想を紹介します。


上岡一世先生の3月のセミナーで、ビデオでは拝見していましたが、働いている哲平君を間近に見ることができ、感激しました。
正確で確実な動作で全精力を傾け、黙々と作業している姿は胸を打たれました。『土曜出勤』『土曜出勤』と哲平くんがつぶやいていたのは、土曜出勤がほんのすこ〜し不本意だったのかしら?
サポート員の今村さんはすばらしかったです。壁面にも、床面にも、ホワイトボードにも、作業台から休憩スペースにまで、きめ細かく、視覚支援がなされ、準備から片づけまで、一連の動作を、しょうがいを持つ本人が自分の判断で確実に行えるよう、導いておられました。鳥羽さんの意見を聞き、哲平君の様子を見ながら、試行錯誤を重ね、日々改善を重ねてこられたのですね。『どうやったら、こんなに働く意欲を育てることができるんですか』との私の質問に、鳥羽母は「家でお手伝いをしっかりさせることですよ。」と答えられました。
家庭で役に立ったという自信、できたという達成感、これが働く=生きる意欲につながるのですね。家庭+学校+地域すべてが勉強の場、ですね。 息子は今年5月から、地元の公民館で週1回1時間、ジョブサポーターさんの見守りの元、ぷれジョブをしています。作業はシュレッダーかけです。紙がバキバキッと粉砕される音と吸い込まれてなくなる様子が、たまらない魅力なのです。
この活動を始めたこと+養護学校に進学したこと+思春期の成長期すべての成果だと思いますが小学校時に比べ、たたずまいに落ち着きがみられ、表情に自信があらわれてきた気がします。
おりしも夏休みです。家庭ではお手伝いとして各種ごみだしと買い物時の荷物運び、犬の散歩は、継続して取り組ませたいと思います。(つきあう親にも根気がいることではありますが)貴重な機会を与えていただいたことに感謝しています。ありがとうございました。
(保護者)

先日は以前からずっと知りたいと思っていたNTN夢工房の見学をさせていただき、ありがとうございました。猛暑の中でしたが、入口正面の一番目立つところにある職場は冷房が完備されていて、ほっと一息つけるところでした。私たちが到着したときは、見学時間に合わせて早めに取っていた休憩時間の終わりを知らせるアラームがピピピと鳴っているときでした。すると、イスに座っていた3人が本当にあっという間に自分の持ち場に行き、無言のままサッと仕事を始められました。その速さにまずビックリ。
その後の会社の方からの説明と職場の見学は、噂には聞いていましたが、実際に目にし、耳にすると改めて驚かされることの連続でした。仕事内容を個人別に作業種・量・順を示したスケジュール表、一人ひとりに合わせた作業台・何度も試行錯誤を重ね、改良を繰り返した治具・製品の積み方を示した写真など、構造化され、できる工夫で満たされた空間といったイメージの職場でした。そんな素晴らしい職場環境も、最初からできていたのではなく、一つ一つ、会社の方と保護者とで話し合って作ってこられたものだということを聞きました。その時、鳥羽さんが「今までこんなに素直にお願いしたこと(助言)を聞いてもらったことはなかった」と言われました。確かに良いアイディアをもらっても学校ではすぐに実行できないことも少なくないです。が、夢工房で指導に当たられている今村さんは、良いと思ったことは即実践され、効果をあげられました。反省し、一番のサポーターである保護者の意見を尊重しつつ、考えていることを実行していく力を高めなければと思いました。そして、もう一つ心に強く残ったのは「うまくいかないのは(支援者の)やり方が悪いから」という言葉です。できないのを障害のせいにするのではなく、できるように工夫・支援する。私たちの問題と考えるということでしょう。うまくいかないときは「どうすればうまくいくんだろう」というポジティブな姿勢で考えることを見習っていきたいと思います。
お忙しい中、丁寧に説明してくださった夢工房の皆様、鳥羽さん、本当にありがとうございました。
(養護学校教諭)

先日は夢工房を見学させていただき、ありがとうございました。私自身は夢工房のことをよく知りませんでしたが同僚に聞き、誘われるままに参加させていただきました。
実は私は哲平くんが東備養護学校在学中は同校に勤務しておりました。私の担任は小学部だったので、哲平くんとはプレイルームを横切る姿を見かけるぐらいでしたが・・・。卒業式の日、偶然高等部の職員室に居合わせ、鳥羽さんご両親で挨拶に来られたときのことを今でも思いだします。あの時の就職先について語られた時の晴れ晴れとした表情、この夢工房で働かれている姿を見て納得しました。素晴らしい職場ですね。作業所とは違い、企業の一部としての責任の重さを感じました。作業を効率的にするための治具の工夫も企業ぐるみでされていたり、障害のある方に分かりやすいように構造化も工夫されていたりと、個々が働きやすい職場になっていることに感心しました。
またスタッフの方も熱心に行動観察をして、障害について理解していこうという前向きな姿に感動しました。工場と保護者との連携がしっかりできて、意見交換も密にされているからだとも思います。雇用できる人数に限りがあるのは残念ですが、他の企業にも夢工房のような働く場が増えるよう、我々教員も努力していかなければいけないということを感じました。本当にお世話になりました。
(養護学校教諭)

「18歳の春をめざす親子療育クラブ」

日 時 : 平成20年9月5日(金)9:30〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 研修室1
参加費 : 年間5,000円
申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)
※詳しい内容は参加者へご連絡します。欠席された方へは資料とDVDをお渡しします。
7月4日(金)、参加しているお母さんから「夏休みの過ごし方を考える」と題して実践報告をしていただきました。お話の一部を紹介します(写真や表が豊富なためWeb版では割愛しています)。

支援者養成講座

すでにスタートした講座ですが、途中からでも参加できます。
欠席された方・途中入会されている方へはDVDを貸出いたします。
7月11日に開催された第3回は、「評価に基づく支援の実施」というテーマで学びました。
「評価」というと通知表?テスト?と思われる方がおられるかもしれませんが、そういうものではなく「この子ってこういう子よね」「あー、よくやる行動だわ」「なんとなく落ち着かないんだよなぁ」などの思い込みや主観で関わるリスクを最小限に抑えるためのものであり、教育目標や提供するサービスを決定し、指導目標や教え方を決定し、指導結果の検証に基づいた調整や方向転換をするためのものです。
そしてこの評価には当事者への評価(持っている力や苦手なこと、興味関心、学習の仕方)はもちろんですが、「支援者の評価」も入ります。適切に待っているか、観察時間を持っているか、プロンプト(指示)やキュー(スタート)の出し方はどうか、教材の選択はどうか、構造化の使用はどうか…。
熱心な先生ほど、子どもが好きな先生ほど、本人への評価だけでなく、自分自身の支援についての評価も大切になってきます。
ヒントを与え過ぎて、本人が考える時間を作っていないのではないか。
「できないだろう」と思ってやらせてなかったかもしれない。
難しすぎる課題を提供して、結局ほとんど私の指示でやらせてしまっていた。
などなど、先生方からは感想が出され、自分自身の日々の支援についての気づきも多い勉強会となりました。
重松先生、ありがとうございました。
8月はお休みで、次回は9月12日(金)に行います。
夏休み明けでお忙しいことと思いますが、ぜひ皆さんご参加ください。

 6月27日参加者からの感想

・短時間にとらえて記録に残すことはとても大切なことと充分に分かっていても、実際にはとても難しいことと思っています。
今日、評価のポイントが示され、またワークシートがあったため、ポイントが注視して接する面が明らかになりました。(児童クラブ)
・今日の講座では、子どもの好きなもの・ことを把握しておくことで、それが子どもの動機付けになり、「やろう」という意欲へと結びつけることができることなどを学びました。「○○を頑張ったら○○ができる」などの見通しを持たせてあげることも大切であることを学びました。「自閉症の特性」にはこんなことがあると頭にはあっても実際子どもたちを目の前にして評価を行うことは簡単なことではないと感じました。評価するスキルもしっかり身につけたいと感じました。(療育機関)
・子どもの支援をしていく中で、評価というのは大切だということを知りました。評価することで、実際の支援で活かせるところ・改善すべきところが分かるのではないかと思いました。子ども一人ひとりをじっくり関わることはできませんが、しっかり関わることで支援に活かしていきたいと思います。演習を行うと、実際にビデオ・資料などから子どもの行動・特性について考えることができました。もう少し演習の時間が長い方が支援方法など知ることができるなぁと思いました。(療育機関)
・実際に子どもを見ながら考えることができてその難しさを痛感しました。「こうかも」と推測を立てて支援してきたつもりでしたが、表などを目の前にしてそれをすると、自分はまだ何にも気づけていないなと思いました。よい機会でした。(療育機関)

 7月11日参加者からの感想

・日課での活動に目標があまり定めていないことに気付きました。(養護学校)
・子どもができたかどうかのチェックや評価をしがちですが、支援の方法を見直すことの必要性を痛感しました。(養護学校)
・「支援者の介入や行動も評価の対象である」PACINGの大切さ、介入の度合い・介入の仕方を常に意識していくことの大切さがよく分かりました。自立に向けて教えるためには最小限の指示でできるようにしていくこと。視覚支援…子どもに合わないことでは納得が得られないこと。子ども一人ひとりにとって意味のあること、目標を達成できることを考えることなど、多くのことを学びました。ビデオをみて、グループで話し合ったり、カリキュラムについてグループで話し合ったりできたのが、色々な意見を聞くことができて良かったです。(小学校)
・指示待ちや指示を受け入れられない子どもについてのお話が聞けて良かったです。(養護学校)
・個別課題を作成する上で、ビデオ上の課題はとても参考になった。支援者によって介入の仕方が異なっていること(自分では気付きにくいが)を再確認できた。また一度提供された課題は、他の支援者ではなかなか実施できていないのでよい振り返りになった。
・毎回の講座に参加する中で、知っているつもりのことで、実際にはできていないものなど振り返る良い機会になっています。少しずつ支援につなげていきたいと思います。(療育機関)
・終わりを子どもに理解させる方法…とても参考になりました。(養護学校)
・目標の設定についてのお話はとてもよく分かりました。日々悩んでいたことなので。毎回大変具体的で分かりやすいので、ありがたく思います。(養護学校)

☆第4回は平成20年9月12日(金)19:00〜21:00
 会場は、岡山県生涯学習センター 大研修室
 対 象 : 教職員・保育士やそれを志す人対象。ただし施設・福祉関係職員も可。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
 参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円
    ※途中から参加される方へはそれ以前のDVDを貸出しします。
 申込先 : 育てる会事務局(086-955-6758)

お母さんコラム

今回のお母さんコラムは、Iママさんが7月5日の川福ボウリング大会に参加した感想を教えてくださいました。Iママさん、いつも原稿ありがとうございます。


「川福ASCサークル招待行事 〜ボウリング大会〜」

ASCの皆様、そして担当してくださったMさん。
この楽しいひと時をありがとうございました。
「ボウリング大会」の案内を育てる会の会報で見た途端、申込をしていました。
「岡山方面へのお出かけに悪いことなし。良いことばかり」と息子はいつも確信を持っているみたいです。電車の中やボウリング場へ向かう道で、大好きなお絵かきをしたりザリガニの観察をしたりしながら「ボウリングするよ」と楽しみにしていた表情を写真からも見ることができました。
また、時間いっぱいに、息子のそばでボウリングがうまくいくように見守り、時間いっぱいに付き合ってくださって、そのことに感謝します。私たち親や家族は必要以上に周りの人に気を使いながら日常を過ごしていて、日常生活の中や電車や公共生活の中でも「ボリューム3でしゃべってください」などと言いながら過ごしたり、時には子ども本人にとって「不当」と思える叱り方をしたりすることがあります。こんな日常から離れて、ひと時をゆったり過ごしたい、そう思って参加しました。
予想通り様々な工夫や事前の準備をしてくださっていて「若いエネルギー」を貸していただいて、「ホッ」とできたことは、感謝余りあるものです。私たち親子の楽しいひと時のためには、皆さんのようなエネルギーと勉強のある準備とが必要です。これまでの勉強と経験を生かされて、これからの職業に活躍されることを心より祈っています。
大人になる過程で、余暇活動の一つの体験を提供していただいたことを皆さんに感謝しながら筆を置きます。ありがとうございました。
(Iママ)

 事務局だより
8月です。夏休みも残り1か月ですね。お子さんたちはいかがお過ごしでしょうか?
毎年「夏休みに何をさせて時間をつぶしたらいいか分からない」そんな声を聞くのですが、今年はその声がいつもより少ないです。
どうしてかなぁと思っていたのですが…意外(?)な理由がありました。
「18歳の春を目指す親子療育クラブ」のお母さんたち。
「夏休みこそ色々なことに子どもと挑戦するチャンス!」とやる気に満ちていました。
色々なことと言っても、大変な過酷なチャレンジではなく、「本人のできそうなことで、でもまだ一人ではできないことを夏休み中、しっかり取り組むため」の挑戦なのだそう。
ですから、それぞれの家庭によって取り組んでいるものは違います。
庭の花に水やりをする。新聞をポストから取ってくる。洗濯たたみ練習をする。毎日一枚プリントをする。寝るときに挨拶をする。一人でシャツのボタンをとめる。…目標は様々です。
でも継続は力なり。学校がお休みの夏休み中、目標を立てて、子どもとそれに向かって取り組んでくださっているようです。
自閉症のお子さんにとって夏休みなどの長期休みが大変なのはなぜか。それはもしかしたら「やるべきことが分からないから」なのかもしれません。
学校へ通っている学期中は、朝起きる時間が決まっていて、学校へ行けば何らかの流れで一日が過ぎて、家に帰る時間もある程度決まっていて…。「今何が求められているか」は分かりやすいです。
でも、家庭に24時間ずっといると、何をしたらいいか分からない。一人で過ごせるような余暇もそんなにたくさんはない。預けるようなところもなかなかない…。
そんな悩みを解決してくれるのが「親子で取り組む夏休みの課題」のようです。やることが決まっていて、練習する場面を多く作ろうと計画すればするほど、お子さんも自分に何が求められるか分かって張り切ってくれるみたいです。
お子さんにとって、今年の夏休みは、今しかありません。どうぞ有意義なものになりますように・・・。
さて、私事ですが、私・鳥羽紗代は8月23日に結婚することになりました。
結婚後も今まで通り仕事を続けてまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。次回の会報には弟・哲平がどのように結婚式に参加していたかも含めてご報告できると思います(^^)ではでは。 
(事務局:鳥羽 紗代)

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