sorry,Japanese only

平成14年10月1日

 

               第53号

NPO 岡山県自閉症児を育てる会

秋の気配に

吉備国際大学よりの招待行事 秋の運動会

河島淳子先生のセミナーを振り返って

河島先生、高橋先生からのメッセージ

河島先生セミナーアンケートより

「教材・教具の展示に感激」

”続” 秋の勉強会

AAO活動のご案内

キッズルームは? 報告の予告編

「三井住友海上より事務備品の寄付」

勉強会のお知らせ
「OHAの会」「つくしんぼの会」「ゆりかご講座」

サッカークラブからのお知らせ
水泳教室のお知らせ
女の子の会からのお知らせ

ハートフルコンサートへのご招待
         主催:岡山県自閉症児を育てる会

私のお薦め本 「星降る夜は 肩ぐるま」

近隣の講演会等のご案内

事務局だより

掲示板

 暑い夏の素敵な想い出をお知らせしたのが、つい昨日の事のような気がいたしますが、もう1ヶ月が経とうとしています。
そういえばもうすっかり秋の気配が満ちていますね。
9月になって間もなく西川の川辺にある大きなどんぐりの木が実を落とし始めました。

この早さにはびっくりです。
思えば、今年の夏の蝉も鳴き始めるのが早かったです。
だからなんとなく、2学期も行事に追われて早く過ぎていく気がします。

まず初めは運動会ですね。
会報が出る頃には、もう終わっている学校が多いと思いますが、終わるまでのご家族の努力と気苦労は年間ランキングで表せば第3位くらいに位置するのではないでしょうか。

何とかプログラムどおりに参加して欲しい。
やるべき事をやって欲しい。
あーあなたの逃げ足はもっと速いでしょ。
リレーでドキドキ。
皆と同じようにはちまきしてよ。

・・などなど、小さな事から大きな事まで心穏やかではいられませんね。
日差しが弱くなってきたとはいえ、紫外線は、まだまだ厳しかろうと思います。応援には、SPF値の高い日焼け止めをお忘れなく。

そして夏の疲れがじわっと出るのもこの頃です。
運動会のくたびれと合わさって、老化も加速しがちです。
子どもが学校に行っている間に、コーヒーでも飲んで眉間の力も抜いてゆっくりしましょう。


昔から私がオススメしている事に「お母さんは定期的に息を抜きましょう」というのがあります。
そうして、元気になって次の目標に向かってまた頑張る・・・。

これですよ!私たちは、子育てをしているだけではなく自分の人生も歩いています。
一番息が抜けるお母さん同士の井戸端会議も、子育ての悩みを相談しながら自分の人間関係が広がって自分のためになっています。

悩みはその場で解決しなくても、話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になります。
お父さんに内緒でお昼に美味しいもの食べたり、何か習い事したり、自分のために時間を使う事は、私は必要だと思っています。

お母さんは、ずっと元気で明るくいて欲しい。(お父さんだってそう思ってますよね)
私たちの歩いている道は、今だけ突っ走ればいいということではないということ、将来も考えなくてはいけないということ…。

さあ、夏の疲れがとれて元気になったら発表会の練習、練習。
ちょっと疲れたら(貯めてはいけませぬ)、又ヒミツの隠れ家に集まってプシューっと息を抜いて頑張りましょう。

道は長くても、少なくとも、この会報を読んでくださっている皆で歩いている道です。
とても頼もしくて楽しい道だと思いませんか。
育てる会の行事も深い内容になってきています。参加しようかどうしようか迷っている人は、これを機会に参加してみてはいかがでしょうか。

初めの一歩で、なん通りもの道と扉が開けますよ。

文責:K.H

河島淳子先生のセミナーを振り返って

セミナー担当:M

私が娘の障害を知り、育てる会に入会して、初めて参加した活動は、「ともに」を読み合わせ我が子について語り合うという勉強会でした。ちょうど2年前です。
それまでの担当であったKさんが、「おめでた」になり、勉強会に数回参加しただけの私が司会進行役として年度の後半を担当しました。

当時は勉強会当日にむけ、「ともに」を読んでいくのがやっとでした。何も知らない私が恥ずかしげもなくよくやれたものだと、驚いてしまいます。


昨年夏、ぜひ河島先生のお話を岡山でも聞きたいという、大変贅沢な企画が上がりました。
鳥羽さんが先月の会報で書かれていましたが、

「今年は台湾に行くので無理ですが、来年なら行きますよ」

との河島先生の言葉を聞き、勉強会の担当だった私は1年間楽しみにしていました。

トモニの副所長の高橋知恵子先生とのセミナーに向けての連絡や内容の詰めはFaxやメールでしましたが、急ぎの時はご迷惑とは知りつつ遅い時間に電話をかけたこともありました。

高橋先生は、私の細かい問いに答えてくださいました。またそれだけではなく河島先生にもすぐお電話で聞いて下さって、直接河島先生が我が家にお返事くださったことも・・・。

河島先生は「私が担当の方にお願いするのはいつも 『時間だけはたくさん下さい』 ということぐらいで後はお任せなんです。」 と笑いながらおっしゃいました。

でも、当日の時間の配分や決めかねて判断できずに細かいことまで聞く私に、いつも丁寧に答えて下さいました。そしていつも私たちが動きやすいような答えを出して下さった気がします。

いよいよセミナーの日が近づき、レジュメをいただいてコピーという日がきました。
お盆休みを返上して高橋先生は、2日目の教科指導のレジュメを作って下さいました。
この資料はまだトモニの会員の方も持たれていないものでした。

高橋先生は当初、「膨大なページ数(50P程度)になったのですが、コピーは大丈夫ですか」と聞かれました。
セミナーを4日後に控え、印刷と製本に時間がかかると心配されたのです。
私は「大丈夫です」と答えたものの、内心当日に間に合うか不安もありました。

その夜、高橋先生から
「トモニは秘密主義ではないのでできる限り伝えたいという思いなのですが、この資料は出来上がったばかりです。
セミナーでの説明を聞かず資料だけ読んだ時、誤解を招くようなことがあってはいけないので、今回は使うのをやめようかと思っています。」
という様なお電話がありました。

とても残念な思いでしたが、先生がおっしゃることは当然と思い、
「親としてはとても残念ですが、この先この資料でトモニでセミナーをされるときには、育てる会からみんなで参加したいと思います」
と答えました。

資料のコピーは必要がなくなり、がっくりしていたところ、9時過ぎ河島先生から直接お電話がありました。
先生は
高橋の資料に目を通しましたが、よく仕上がっています。子どもの為になると思いますし、折角楽しみにしてくださっている会の方に使っていただこうという事になりました。
申し訳ないですがたくさんですがコピーをしていただけますか?」

とおっしゃいました。私はこれ以上なくうれしい結果に「ばんざい」とその場で飛び上がりたい気持ちでした。


河島先生は、医者であり療育者であるとともに、私たちと同じ自閉症児を持つ親です。

「一人一人の子どもの可能性を見つめながら人間と向き合うという、ミクロのことを私はやっています。
家族にとっては一度限りのかけがえのない子どもですから、ここまでできたからこの辺でいいだろうと、あきらめることはできないでしょう。可能性を追求していくと、どんどん細かいところに行くんです」

そうおっしゃったのが心に今も残っています。

環境を整えることは大切ですし、安定した中で子どもを育てていきたいというのはもちろんですが、親ならみんな障害をもっている子どもでも、可能性がある限りどんな小さなことでも伝えたいと願っているはずです。


2日目のセミナーは会員限定で、と先生にはお伝えしていましたが、先生は
「もし会員の子どもが通う学校の先生で来たいとおっしゃる方がいらっしゃるのなら、来ていただいたらどうですか。そうしたら皆さんが助かるんじゃないでしょうか。」とおっしゃってくださいました。

会では賛助会員も受け付けていました。60人参加申込の中で教師の方は20名もいらっしゃいました。そのことを伝えると、「そうですか、それはよかったです。」と喜んで下さいました。
先生は「2日間でこれだけたくさんのことをみなさんにどれだけ伝えられるかわかりません。不十分なことしかできませんが、少しでも役に立つのはうれしいことです。」と締めくくられました。


セミナー前々日、セミナー担当が昼間打合せをし、自宅で宅配便を待っていたところ配送の関係で夕方6時ごろやっと先生から資料が届きまました。

ドキドキしながら箱を開け資料を見ました。
できたてほやほやの資料はトモニ療育センターで実際に子どもに指導している手立てが細かく、文章や絵も交えて書かれていました。先生の手書きの絵もありました。
興奮のまま急いで鳥羽さんに連絡し、近くのスーパーで待ち合わせをして資料を渡しました。一緒にいた哲平君には申し訳なかったですが、近くのベンチに座りこみ一緒に資料を見ながら話し込んでしまいました。

セミナー前日には、自宅にトモニで昨日まで使っていた60点もの教材が届いていました。
教材は一つ一つ袋に入れられ、2箱のダンボールの中に綺麗に隙間なくおさめられていました。ぎりぎりまで今回のセミナーのために、私たちの希望を聞き入れてくださった先生に感謝の気持で胸が熱くなりました。

その後のことはセミナーに参加された皆さんが見ていた通りです。


 アンケートからの少し・・・

 

 帰りに書いていただいたアンケートには、「非常によかった」が殆どでした。
いただいた中から少しご紹介します。

・ タイル算とお金、時計との結び付けがわかり、実生活の為の訓練であるということがわかった。(親)

・ どんな状態の子どもでも教え方によって学ぶことができるのだと思いました。コミュニケーションの再現はやってみようと思いました。(親)

・ 正しい知識と愛を持って親が療育にあたることが大切だとあらためて思いました。何歳になってもそこから療育が可能であると思うと心強く感じました。(親)

・ 自分の子どもに対する考えの甘さを痛感しました。今まで生きてきた年よりも今後の歳月のほうが長いのだから、人間らしく生きていかせたいです。(親)

・ 具体的な指導方法を教材とその使い方まで丁寧に教えていただきありがとうございました。現在指導している子ども達にどのように教えていこうかと思っていたところのヒントをたくさんいただきました。(賛助・教師)

・ ご自分の実践されてきたことからのお話なのでとても訴えるものがあり、大変参考になり、少しずつでもできることをやっていきたい。(賛助・教師)

・ 強度行動障害についてのお考え、私も同じです。同じ思いで現場にいます。でも養護学校では課題学習を進めていくことは難しいことも多いです。(賛助・教師)

・ 河島先生のご講演は今回が3,4回目で、いつも私自身のやる気を生ませてくださるすばらしい講演なのですが、今回が一番良かったです。子どもの可能性を信じて子どもに目でみてわかる教材、教具を工夫されて実践されているところ、それを私たちに見せてくださった、話してくださったところが良かったです。(賛助・教師)

賛助会員のK先生に、一ケ月たった今の感想文をあらためて書いていただきました。


 教材・教具の展示に感激

河島先生を知ったのは2年前、三光荘で行われた自閉症講座。個別指導学級(知的)を受け持って2年目のときで、次年度に高機能自閉症の1年生を迎えるかもしれないことがわかり、自閉症について何も知らないでは受け入れられないと、本を読みあさっていた頃でした。

学校に期待はできないと、母親として実践した療育方法を広めていらっしゃる先生に、教育現場の者としてがんばらなくてはと思いました。

今回は2日間もあり、具体的な指導法についても紹介してくださるということで、とても楽しみにしていました。
最も参考になったのは、数々の工夫された教具の実物です。

私も3年間でそれぞれの児童に合う教具を試行錯誤しながら作っていますので、惜しげもなく全ての作品を展示してあることに感激してしまいました。一つずつ手にとって見せていただき、2日目にはデジカメをもって1時間も早く会場へ行きました。

数の指導に私もタイルを使っていますが、2センチ四方で作っていたので1〜100を一度に並べることはできませんでした。一目で見られる範囲の重要性はわかっていたもののあんなに小さいタイルを使用することなど思いもしませんでした。早速作りました。

また、ニキーチンの積み木にも使われていましたが、トレーシングペーパーを使って全体の中の一部分を意識させる方法もすごく使いたいと思いました。

どんなに大きい書店で探しても、こんなにたくさんの教材・教具について書かれた本はありません。いただいた資料に、デジカメで撮った写真を添えてカードを作り教室に残しておこうと思います。

河島先生・高橋先生、そして当日のお手伝い、賛助会員にもなってくださったトモニへ指導の勉強にいかれている橋本先生、岡山の親のために力強いメッセージと我が子の療育の様子をビデオで見せて下さった親の方に感謝いたします。

 
ハートフルコンサートのお知らせ

            ♪ヴァイオリンとピアノのコンサート♪

 エジプト人の父とフランス人の母を持ち5歳でヴァイオリンを始め、14歳からパリ在住、世界的に活躍するヴァイオリニスト、アテフ・ハリム氏。
ハイフェッツ、シュリングといった20世紀の巨匠から受け継いだ高い音楽性は、ヨーロッパの有名音楽誌ルモンド誌やディアパゾン誌上で「四つ星」を受賞、最も知的で輝かしい音楽家と称されています。

 そんなハリムさんは子どもたちが大好き。そしていつも子どものような心でヴァイオリンを弾いています。ハートフルコンサートでは、素敵なピアニスト淡路七穂子さんといっしょに、エネルギッシュで愛に溢れるヴァイオリンを乗せて親しみやすい曲を物語ってくれます。今回のコンサートの招待がハリムさんから、育てる会の子どもたちに届きました。
「育てる会」だけでなく、音楽は好きでもなかなか会場に行くのは…と思われている方、木のぬくもりのある京山公民館に、ヴァイオリンとピアノの温かい音色と生の振動を感じにいきましょう!

    日 時:2002年10月26日(土) 17:00〜
    場 所:岡山市京山公民館(2階)
    参加費:無料 希望者は要予約
    主 催:育てる会事務局 Tel&Fax 0869-55-6758
    締切り:10月25日(金)

    出 演:アテフ・ハリム(ヴァイオリン)、淡路七穂子(ピアノ)、森明美(進行)

    プログラム:タイスの瞑想曲(マネス)・愛の挨拶(エルガー)
         ユモレスク(ドボルザーク)・荒城の月(滝廉太郎)・赤とんぼ(山田耕筰)他

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「案内板・伝言板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。

なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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