sorry,Japanese only

『「障害児なんだ うちの子」 って言えた おやじたち』

町田おやじの会:著  ぶどう社 定価:1500円 + 税
ISBN4-89240-171-4 C0036 ¥1500E


町田市に住むユニークなおやじたちの会「町田おやじの会」をご存知でしょうか。
そのユニークさは、以下の「町田おやじの会」のHPの規約(?)を読めば一目瞭然だと思います。


「町田おやじの会」規約  (真面目に読まんで下さい。(^^;))

町田おやじの会は、町田市在住のすべての障害児の父親が女房に文句や愚痴を言われようが誇り高く生きられる環境の実現を基本理念とし、公平性、自主性、連帯性、自虐性を基本的性格とする。

(名称および所在地)

  第1条 この会の名称および所在地は次のとおりとする。

 (1) 名称 「町田おやじの会」〜Machida Oyaji Network〜
 (2) 所在地 町田駅周辺の適当な居酒屋(確定していない)

(目的)

  第2条 この会は、父親相互の横の連携を図り、子どものことを考え、女房に逆襲するとともに、地域福祉の向上を目的とする。

(会員)

  第3条 この会は、町田市内の障害児の父親かそれと似たような境遇の者であり、会の目的に賛同するものをもって構成する。
       間違っても母親は入れてあげない。

(活動)

  第4条 この会は、第2条の目的を達するために次の活動をおこなう。

 (1) 例会と称しての飲み会
 (2) 総会と称しての飲み会
 (3) 学習会と称しての飲み会
 (4) 対行政を考えるための飲み会
 (5) 対女房を考えるための飲み会
 (6) その他必要な飲み会、および飲み会以外のこと

・・・・・・・・(以下、続く (^.^) )・・・・・・ 初めてこの規約(?)を読んだ時、我が意を得たり!と・・笑っちゃいました

http://www.geocities.co.jp/SweetHome/3887/kiyaku.htm


 そんな愉快なおやじさんたちが本を出しました。肩のはらない、本音で語られるおやじたちの素顔です。
決して不真面目な会ではありませんが、一致団結して子ども達のために何かをしなければ!・・という、何かを犠牲にしてまでもがんばっている会でもありません。
 そこに集っているのは、私たちと同じ飲み会の好きな普通のおやじたちです。

たまたま、障害児の父となっただけで、ほとんどのみなさんはそれまで「障害」とは無縁のところで生きてきた・・、仕事人間であったり、アウトドア派であったり、遊び人であったり・・もちろん、マイホームパパだった人もいますが・・そんな、おやじたちです。

 ある日突然障害児の親になったことを知らされ(もちろんお母さんも同じですが)、それからのことをみんなで書いた本です。
正面からドンと受け止めた方もいますし、なんとか仕事に逃げようとした・・おやじもいますし、中には一足先に奥さんに逃げられ(?)父子家庭で奮闘しているおやじさんもいます。

 本当に、家庭の数だけ、それぞれのドラマがある・・そんなおやじたちの作品集です。
でも、みんな集って盃を持てば、同じ葛藤を経てきたおやじたちの熱い思いがあります。

饒舌でなくとも通い合うものがあります。
そう、「障害児なんだ うちの子」って言えたおやじたちです。

 夜、町を歩くほかの人間たちが、仕事や女や競馬や金のことを話しているなかで、僕らだけが違う話しを、しかも、彼らと同じようにリラックスして話している。
それだけのことで、新鮮な感じがした。
障害児をネタに酒を飲む男親が、僕らのほかにいるとは思えなかった。  
(ふくだ夫)

 この町田おやじの会の世話役の一人で、以前会報54号でも紹介した「ぼくはうみがみたくなりました」の著者のレインボーおやじさん<山下久仁明 氏)からも紹介文です・・

たぶん、父ちゃんが手にする本ではなく、母ちゃんが買って来て、父ちゃんに無理やり読ませる本のような気がしてます。(^o^)

そうですね、飲み会であれ、なんであれ、父ちゃんたちが集って、我が子の障害を受容 ( 「受容」って言うのはオーバーでも、「障害児なんだ うちの子」って気負いなく言えるってのは、ある意味「障害の受容」ですよね) してくれることは・・、
家庭も安定して、家族・・すなわちお母ちゃんと子ども達が・・暮らしやすくなるということですね。

それより何より、あえて言わせていただければ、母ちゃんたちは、「よその」父ちゃんのことは、すごく理解のある「良い父ちゃん」に見えるようですね。
そんな理想のお父ちゃんから、良い刺激をいっぱいもらってくるのを期待しているようですが・・・

町田でも岡山でも、酔っ払ってしまえば、みんな(全員)どっこいどっこいの、お互いただの飲んべのおやじたちなのですが・・(^_^;)

「会報 70号」 2004.2)


   目次

プロローグ こうして、「町田おやじの会」は始まった

1章 なんで俺の子が

最後のワン・ピースがはまった ・・・・・・・・・・・ 前田 健太郎
子どもは確かに天使! ・・・・・・・・・・・・・・・・・ のんちち
かけがえのない子なんだから ・・・・・・・・・・・・ ミッキーの父
おやじ自身が小児科医の場合 ・・・・・・・・・・・ 伊東 建

  【おやじたちの座談会 1】 いっぺんにと、ジワジワにと

2章 この子がいるから頑張れる

いつか、「パパ」と言わせたい ・・・・・・・・・・・・ 春山 隆幸
耕ちゃんからの贈り物 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブルース・バートン
酔った勢いで ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ コウちゃんのパパ
「ケセラセラ」、うん、いい言葉! ・・・・・・・・・・ イロモノ1号
三人それぞれの 「父親物語」 ・・・・・・・・・・・・ 腰痛おやじ

  【おやじたちの座談会 2】 家でも、仕事でも

3章 家族の暮らしをつくる

娘のそばにいよう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 松野 城太郎
報酬は笑顔 only! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮島 勝美
「つぎはー まちだー まちだです」 ・・・・・・・・・ 丹代 友幸
駄目親父と子どもたちの奮闘記 ・・・・・・・・・・ 角谷 直次
「母親業」を引き受けてみたら ・・・・・・・・・・・・ ふくだ夫

  【おやじたちの座談会 3】 きょうだいのこと、お母ちゃんのこと

4章 父親として、自分として

OTをめざして勉強中 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小宮 哲
脚本家だった私へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山下 久仁明
障がい児の父親は、楽しいよ ・・・・・・・・・・・ 平井 秀夫
おやじたちへのメッセージ ・・・・・・・・・・・・・・ 川上 一三

  【おかあちゃんたちの座談会】 手も口も、出してほしい

あとがき おやじの会のポリシーって?


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