『 自閉症ガイドブック シリーズ1 乳幼児編 』
社団法人 日本自閉症協会 : 定価 500円
日本自閉症協会からの『 自閉症の手引 〜あなたは隣のレインマンを知っていますか〜』に続くガイドブックです。
今回は「乳幼児 編」として、特に子どもの遅れに気づきはじめたお母さんや、告知をうけたばかりの家族の方に、先輩として手を差し伸べたい・・という観点から書かれています。
不安や混乱の最中にいるであろうお母さん方のために、わかりやすいように「 Q & A 」形式で答えていきます。
私たち親が一度は通ってきた道、一度は聞きたいと思った質問、助けを求めてアドバイスをお願いした、「どうしたらよいでしょうか」が詰まっています。
そして、コラムに寄せられた全国のお母さん、お父さん方からのメッセージ、「ひとりじゃないよ、仲間がいるよ、いっしょにがんばりましょう」 そんな熱い思いがあふれています。
別に紹介している「自閉症入門 〜親のためのガイドブック〜」 (バロン・コーエン 他)などの本が、少し気持ちが落ち着いてからのお薦め本なのに対して、この本は、まず最初に、読んでいただきたいとお薦めしたいガイドブックです。
本の注文は、各県に自閉症協会の支部がありますので、相談をかねて、まず最初に連絡していただければ・・・仲間といっしょに、この本も手にはいります。
『自閉症協会各県支部 連絡先』
http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~asj/shibu.htmlなお、2003年3月に、続編 「シリーズ 2 学齢期編」がでました。あわせてご覧下さい。
(2002.03)
目次
1 子どもの遅れに気づき診断されるまで
(1) 自閉症の乳幼児期の特徴
Q:自閉症はどのような障害なのでしょうか。
また、どのようなしぐさや行動があったら、自閉症の疑いがあるのでしょうか
(2) 診断
Q1:どこで、どのような診断を受けたらよいのでしょうか
Q2:自閉症の診断は何才頃からできるのでしょうか
(3) ハイリスク児
Q:乳幼児期の早期でも,自閉症の疑いが非常に強く持たれる子どもたちがいるときいていますが、その特徴と、その場合どのようなことに留意して育てたらよいでしょうか
(4) 相談機関
Q:自閉症の疑いがある時、どこに相談すればよいのでしょうか
2 自閉症と診断されてから
(1) 親の心構え
Q:子どもの障害をどのように受けとめたらよいのでしょうか
(2) 保育園、療育機関
Q:保育園や通園機関の選択や療育方法についてどんな点に注意したらよいでしょうか
3 子どもの発達 - 言語・コミュニケーション・社会性
(1) 子どもの発達をめざして
Q:子どもの発達のために何をめざして、どう育てていったらよいでしょうか
(2) 言語・コミュニケーション
Q1:自閉症の子どもの言葉の特徴、言葉の理解等について教えてください
Q2;言葉がまだでません。言葉の発達を促すにはどうしたらよいのでしょうか
Q3:まだ言葉が獲得できていない場合、どういうコミュニケーションがあるでしょうか
Q4:言葉はあるのですが、独り言やコマーシャルだったり、オウム返しで会話になりません。
コミュニケーションに言葉を使えるようにしたいのですが
(3) 遊び
Q:丸いものを回したり、積木などを並べるだけで、ごっこ遊びなどをしません。
どうしたら遊べるようになりますか
(4) 人との関わり
Q:友達と遊べません。
人との関わりを広げるにはどうしたらよいでしょうか
4 基本的生活習慣・身辺自立
(1) 親の心構え
Q:しつけをするに当って、親が気をつけなければならないことはどんなことでしょうか
(2) 食事の問題
Q1:自分で食べられるようにしたいのですが
Q2:じっと座って食べられないのですが、どうしたらよいでしょうか
Q3:極端な偏食ですが、どうしたらよいでしょうか
Q4:食べなかったり、食べ過ぎたり、コントロールができません。
どうしたらよいでしょうか
(3) 衣服の着脱
Q1:自分で着脱できません。
どうしたらできるようになるのでしょうか
Q2:同じ服しか着ようとしません。
どうしたらよいのでしょうか
(4) 排泄の問題
Q1:オムツがはずせません。
早くはずしたいのですが、どう教えたらよいのでしょうか
Q2:おしっこ、うんちを特定の場所や決まったトイレでしかできず、困っています。
どこのトイレでもできるようにするにはどうしたらよいでしょうか
Q3:おねしょをどうやって直したらよいのでしょうか
(5) 睡眠の問題
Q:夜泣きで、夜、寝なかったり、睡眠が昼夜逆さまで親は体力の限界です。
どうしたらよいでしょうか
5 困った行動への対応
(1)困った行動への親の心構え
Q:自閉症の子どもが、さまざまな困った行動を起こしたときの親の心構え、態度は・・・
(2) 行動の問題
Q1:ひとときもじっとしていられない、興奮して走り回ったり、危険が分からず飛び出したりする子どもにはどう対処したらよいのでしょうか
Q2:家から脱走する場合の対応を教えて下さい
Q3:我慢や待つ事ができないのですが、どうしたらよいでしょうか
Q4:じっとして動かない、自分から積極的に行動できない子どもには、どう対応したらよいでしょうか
(3) こだわりと常同行動
Q1:何でも匂いをかいだり、女性のストッキングに触ったり、時間、道順、物の配置などにこだわりがあります。
どうしたらよいでしょうか
Q2:両手をヒラヒラさせる、ぴょんぴょん飛び跳ねる、体を回転させる、体を前後に揺らすなどの行動をする場合、どうすれば止めさせられるでしょうか
(4) かんしゃく、自傷、他傷への対応
Q1:「かんしゃく、自傷、他傷」をおこさないようにするには
― 予防的対応に関して ―
Q2:急に機嫌が悪くなり、大泣き、大あばれしたりします。
かんしゃくを起こした時どのように対応したらよいのですか
Q3:自傷行為 (手を噛む、頬を叩く、頭を何かにぶつけるなど) を止めさせるには、どのような対応をしたらよいのでしょうか
Q4:人に危害を加えるような (叩く、噛みつく、髪の毛を引っぱる、つねるなど) 他傷行為を止めさせるにはどのような対応をしたらよいでしょうか
6 家族・近隣関係
(1) 家族の対応
Q1:夫の理解がなく協力が得られません。
どのようにしたらよいのでしょうか
Q2:自閉症の兄弟姉妹には、親としてどのように接したらよいのでしょうか。
また、自閉症のことをどう説明したら分かってもらえるでしょうか
Q3:祖父母、親のきょうだい、親戚に自閉症のことをどう理解してもらったらようでしょうか
(2) 母親へのメッセージ
先輩からのショート・メッセージ
(3) 父親へのメッセージ
Q:父親は母親をどうサポートして、子どもにどう関わってゆくべきでしょうか ― その1 ―
Q:父親は母親をどうサポートして、子どもにどう関わってゆくべきでしょうか ― その2 ―
(4) 近所とのつきあい方
Q:近所によく迷惑をかけます。
ご理解いただくには、どうしたらよいでしょうか
7 社会資源の利用
(1) 地域資源の利用
Q:プール、児童館、子ども会などを利用する時注意することは何でしょうか
(2) 学校の選び方
Q:通常学級か特殊学級か養護学校か、どのように選択すべきでしょうか
(3) 医者にかかるには
Q:病気や怪我、歯科治療など時、診療を受けるにあたって注意することは何でしょうか
(4) 自閉症の子ども専門の相談・療育機関
Q:自閉症の子ども専門の相談・療育機関にはどのようなものがあるのでしょうか
(5) 療育手帳について
Q:療育手帳はどこで、どのようにして取得できますか。
また、受けられるサービスを教えて下さい
日本自閉症協会とは
日本自閉症協会支部(事務局)名簿
自閉症関係施設一覧
あとがき
監修 石井哲夫・太田昌孝・佐々木正美・山崎晃資
執筆 明石洋子・内山登紀夫・奥平俊六・奥村幸子・小山裕子・清水康夫・須田初枝・永井洋子・武藤直子・廣崎彰吾・吉田智子