Халхын голын байлдаан
NOMONHAN INCIDENT
ノモンハン事件70周年 & 第二次世界大戦開戦70年
モンゴル国政府主催
国際学術シンポジウム開催。
〜テーマ「ハルハ河戦争:歴史と現代」〜
(2009.8.24-27 ウランバートル市 モンゴル国外務省)
モンゴル外務省内の円卓会議場におけるシンポジウムの風景
主催:
モンゴル国政府・内閣実現局、モンゴル国防大学、
モンゴル防衛研究所、モンゴル国境警備大学
参加国:モンゴル国、日本国、米国、ロシア、中国
当センター、日本側代表として調査報告。
実証主義的手法を提案。
8月23日からモンゴル国の首都・ウランバートル市にてハルハ河戦争についての国際学術シンポジウムが開催されました。
モンゴル国外務省の円卓会議場に、モンゴル国、日本、米国、ロシア、中国から代表が参加、モンゴル国内からの研究者、軍事関係者合わせて、約200名が集い、同時通訳を介して、5日間にわたり活発な論議を行いました。
各国の報告者からは政治的な歴史認識の発表が多数を占めましたが、日本側はそれらと異なり、歴史の事実を若い世代に伝えるための工夫と努力の一つとして戦場現地の視覚化と発掘作業をモンゴルと協力して行ったことを発表。
そのなかで、今後必要なのは、政治イデオロギー的な価値基準に基づく歴史観ではなく、勝敗にこだわる価値観でもなく、戦争の悲惨な現実と事実を素直に見つめ、科学的な光を当てて検証しなおす実証主義的で学術的な立場が必要であるとの問題提起を行いました。
●ハルハ河戦勝70周年式典
シンポジウム期間中の26日、ウランバートル市では「ハルハ河戦勝70周年式典」が開催され、当代表団も招待されました。式典にはロシアのメドベージェフ大統領も献花に訪れていました。ただ、結果的に今回のジューコフ記念碑における式典に関しては、ロシアの資源戦略と歴史問題への強い姿勢を表明する場となったようです。同式典にロシアの国家元首が出席したのは史上初めてとのこと。
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会議名:国際学術会議
“ハルハ河戦争:歴史と現代”
主催者:・モンゴル内閣実現局 経営アカデミー・モンゴル国防大学・モンゴル国境警備大学
共同開催者:・モンゴル国防省・モンゴル外務省・モンゴル国境警備局
国際学術会議 招待国:ロシア国、日本国、中国、米国
開催期間:2009年8月23日〜27日(5日間)
開催地:モンゴル国 ウランバートル市
全般日程:開催期間2009年8月23日〜27日
-8月23日 参加者受付 -8月24日 国際学術会議 開会式 -8月25日 国際学術会議(於:外務省)
-8月26日 ハルハ河戦争70年祝賀式典参加 -8月27日 国際学術会議 閉会式 -8月28日
出発
会議の翻訳方式:同時通訳
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【日本側基調報告の要旨---インデックス---】
T はじめに
U ノモンハン事件 国際共同学術調査の意義
V 今次学術調査で用いた手法
一、学術的手法に基づく初のノモンハン戦場調査の実現
●軍事考古学的手法の採用
●宇宙考古学的手法の採用
●ハルハ河戦場の遺構を人工衛星画像で精査
●公刊戦史・歴史文献との照合
●衛星画像合成から遺構図面の完成へ
二、調査行程概要
三、調査成果概要
W フイ高地の地点確定と現地踏査の成果
一、フイ高地調査の理由と衛星画像評価
二、フイ高地調査
●地点確定までの過程
●現地採取遺物の状況
●遺物採取上の課題
●現地での所感
X タムスク基地遺構群現地調査報告
一、モンゴル側基地群の沿革
二、タムスク基地の遺構
●遺構の分布状況
●建物
・現地調査結果
●各種掩壕群
●対戦車壕と野戦陣地
●鉄道遺構
・衛星画像による検討
・現地調査結果
●飛行場
・衛星画像による検討
●墓地
●その他
・トゥミンウリズゥイオボ
・道路跡
・不明方形区画
三、サンベース基地の遺構
四、まとめ
Y むすび
モンゴル国外務省 表玄関 シンポジウム風景(右端は辻田文雄主席研究員)
基調講演を行う虎頭要塞日本側研究センター代表 モンゴル国 国防大臣(手前左)と懇親
シンポジウム参加の各国代表団
(スフバートル広場チンギスハーン像の前で儀仗兵をバックに記念撮影)
ジューコフ記念碑へ献花に訪れたロシア大統領メドベージェフ氏(左)とモンゴル大統領(右)
ロシア大統領メドベージェフ氏の発言と欧州議会の動向についての所感は、
「随想 つれづれ」 【2009.9.10 欧州議会とロシアの動向への所感 】 に掲載しました。
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2009.5.2-5.11
ノモンハン事件 国際共同学術調査団
調査報告
概要
【名称】
ノモンハン事件 国際共同学術調査団 (日本・モンゴル国・中国)
(=第10回 国境軍事要塞群 日中共同学術調査団)
【渡航調査期間】
平成21年(2009年)5月2日〜5月11日
【調査範囲及び調査箇所】
モンゴル国 東部国境地帯
全行程10日間 モンゴル国内移動距離 約2,500キロ
【参加者】
日本側研究者 9名
【専門分野】
軍事考古学者、戦史研究家、兵器鑑定家、歴史研究者、
朝日新聞本社記者、朝日新聞本社写真部カメラマン、
ABC朝日放送ディレクター、朝日放送カメラマン、調査コーディネーター他
【派遣事務局】
JCR-KF虎頭要塞日本側研究センター
(本部:岡山市 首都圏本部:東京都調布市 中部日本本部:岐阜県岐阜市)
日本側団長:岡崎久弥 副団長兼調査班長:辻田文雄
【今回の共同研究パートナー】
モンゴル国防大学 モンゴル防衛研究所 モンゴル軍事博物館
中華人民共和国 ハルピン市社会科学院 及び 同科学院 ノモンハン戦争研究所
内モンゴル自治区 ホロンバイル市政府 他
【感謝】
モンゴル国陸軍省、モンゴル国境警備隊、在日本モンゴル国大使館
在日本中国大使館 在モンゴル国日本大使館
中国中央電視台(CCTV) ホロンバイル電視台
ウランバートル・テムジンホテルグループ、ハルハ河戦争従軍元兵士、
ノモンハン事件従軍兵士、 他
【報道】
朝日新聞ウエブ版では、筋野カメラマンによる現地写真36枚を
スライドショーにて音声と共にご覧いただけます。 ↓