@ 代理母の問題点 / A 代理母を認めるか認めないか / B 各国の法的規制 /
ここでの参考文献
『生命倫理と現代社会』 加茂直樹著 世界思想社
『いのちの法と倫理』 葛生栄二郎 河見誠 共著 法律文化社
@.親子関係、母子関係の錯綜化
・伝統的法原則 「母子関係は分娩の事実によって確定する」
→戸籍の問題 実子として登録、または(普通・特別)養子制度を利用
・代理出産は生殖機能と分娩機能を分断・介入
→婚姻における性交・生殖・出産の一体性を重視する立場には、倫理的正当化は困難
A.代理母契約の有償性
・代理母契約で支払われる対価は、あくまでサービスに対する対価か←→子供への対価か
アメリカ 代理出産を「出生前養子」と捉える。
一方、養子売買はアメリカのあらゆる州で禁止、イギリスも「養子法」57条で禁止
B.代理母契約の強制 (強制=当事者間で契約が上手く行かない時に法が介入して解決する)
・法的に契約を強制肯定、否定どちらにしても問題がある。
○ 法的強制しない→ 依頼人、代理母双方からの契約違反の可能性 (引渡拒否・受け取り拒否)
○ 法的強制する→ 違反になった場合、救済手段(※)は当事者を納得させつつ正義を実現するという目的を果たしえない。
※ 損害賠償・・・依頼人としては子供が欲しいのであり、金銭賠償をされたところで納得がいかない。
強制執行・・・代理母に強制的に生ませるというわけにはいかない。人権の侵害。
C.代理出産の目的
・依頼人が不妊であることに限定されない
ex.要職に就いている、単に苦痛を避けたいetc.