sorry,Japanese only

平成13年10月1日

第 41 号

NPO 岡山県自閉症児を育てる会

目次

 「つくしんぼの会」にて

 第3回 「自閉症児への指導・支援講座」のご案内

 10月のAAOのお知らせ

 第3回 キッズルームのご案内
       「キッズルームに参加して」
       「
すごい!キッズルーム

 10月度勉強会のお知らせ
       「O.H.A の 会」
       「つくしんぼ の 会」
       「ゆりかご講座」

 サッカークラブからのお知らせ

 10月度水泳教室のお知らせ

 近隣の講演会等のご案内

 私のお薦め本コーナー
       「
自閉症なんか怖くない
       「ともに 5号

  10月を迎えてようやく涼しくなりました。
 皆さん、いかがお過ごしですか?
 運動会、遠足や音楽会、参観日すら心配だらけのドキドキヒヤヒヤです。
 なんと言っても私達は自閉症児の親たちですね。
 元気出して、大変な2学期を乗りきりましょう! ね!! 
 先日のアメリカ貿易センタービルの事件は、ショックでした。テレビにくぎづけの時間を過ごした私は、子どもがこのテレビをどう受けとめるかまでは考えませんでした。
 飛行機がビルに突っ込むシーンをテレビは何度も何度も映し出しました。その後、貿易センタービルが一気に崩れ落ちる様も・・、何度も何度も繰り返し見つづけた私でした。
そのときは、哲平がどう感じるかなんて考える余裕もありませんでした。
 先日、私が北海道に今度飛行機で行くことを話していると、『おかあさん、飛行機乗りません。』と急に言い始めた哲平。
ニュースなどわかってないように思えても、哲平なりにこの時のショックが大きかった事をはじめて知った私でした。なんとウカツな事でしょう。
『怖い怖い、乗っちゃ駄目。』と言い張って、パニック寸前です。
『大丈夫。お母さんの飛行機は、落ちないから安心して。』そう説得した私でした。
哲平に私の乗った飛行機の見送りに来てもらおうと思ったけど、止めた方がいいでしょうね。
「どうか、私の飛行機が落ちたりしませんように…」
・・・ 本当の事を言うと私だって不安なのです (^_^;)

 さて、育てる会では毎月勉強会を行っています。
告知を受けて間の無い小さい子どもを持った家族の為の勉強会が、ゆりかご講座
高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもさんを持つお母さんのための、OHAの会
そして、非高機能の会が、つくしんぼの会です。(低機能という言葉にはちょっぴり抵抗ありますね。故に非高機能の会、なんて、みんなで勝手に名付けています。)
 私はその「つくしんぼの会」に所属して勉強しています。
 今、つくしんぼの会は、先輩のお母さん、今田恒子さんをお迎えして、悩みや困った事を聞いていただいたり、アドバイスを受けたりしています。
 今田さんは、現在36才の息子さんと暮しておられます。息子さんは、地域の作業所に自転車で通勤して、時に給料でお酒を飲みに行ったり、カラオケを楽しんだりされているそうです。
 それでは、今日は、今田さんが私の悩み事を解消してくださった話をしましょう。
哲平は電車での自主通学を中1の終わり頃からがんばってしていました。
自動車で瀬戸駅まで行って、瀬戸から電車に乗って、ふた駅目の東岡山駅で降りて、約1キロほどの道を歩いて学校まで行く。
これが行程です。
切符も自分で買えるようになりました。
途中に2つある信号機もちゃんとひとりで渡れるようになりました。
そして、徐々に支援を減らして行って・・・という状況まではわりとスンナリ行きました。
 でも、このまま一人で行かせることには躊躇していた私でした。
 哲平はなんとか通学は出来そうでした。でも、高校生がいっぱいの列車の車内にあの子を一人で乗せることは、狼の中に子羊を放つような気がして(良い様に言い過ぎですかね)心配で決心できませんでした。
最近の高校生って怖いのですよ。ふたりで4人掛けの席を大きく足を広げて占拠したり、肩にチョット触れたからといって睨んだり・・・・。
 でも、そんな私に今田さんの一言が鮮烈でした。
「鳥羽さんは、いつまでも哲平くんを抱えて暮すつもり?」
「人の世話にならんと行かんのよ、この子達は。」
「あなたは、人の悪の部分だけを見ている。もっと人を信じないといけない。
 
人は善なるものよ。人の善を信じて、人の中に出していかないといけない。
「子どもの人生を狭めたらアカン。」
「親が人を信じれなくて、どうして子育てが出来るの?」
ひとつひとつ心に染み入るような指摘でした。
 私は、間違った方向へ行っている自分に気がつきました。
 そうなんです。子どもは、色々な人に育てられて行きます。
つらいことや困った事を子ども自身が、自分で乗り越えていくことも大切です。
また、今までも哲平自身が周りの人たちを変えていった事が、いっぱいあった事も思い出して、勇気を出して外へ出していこうと思いました。
 その次の日から、将来一般就労できた時のためにと、もう1度自主通学に挑戦する事にしました。介助者は、父親です。
電車で通学するには、朝は、一家揃って一時間早く起きなければなりません。(ホントは車で直行すると10分で学校まで着きます。電車にすると、遠回りで1時間かかります。)
お父さんと哲平を一緒に車で瀬戸駅まで送って行くのは私です。見送ってから車で大急ぎで東岡山駅へ先回りして、哲平を受け取ってそれから一緒に歩いて学校へ・・。
父親は、東岡山駅の改札口で見送った後、次の電車に乗り換えて会社へ・・。
そして私は東岡山駅での迎えを、徐々に改札口から離れて、学校寄りで待ちうけるようにして行きました。
最近は、ひとりでも大丈夫になって、駅からはひとりで学校まで歩いています。私は、瀬戸へ送るだけになりました。
 でも、父親の方は、まだ電車通学を一緒にしています。まだ、全く一人での通学させるまでの決心は、父も母もつきかねています。父親は切符を買わせた後、改札口で別れたフリをして・・違う車両に隠れて乗ってこっそり見ています。本人はもちろん一人で電車通学しているつもりです。(・・過保護ですね)
乗る位置は、最後尾の車両です。車掌さんがいる車両なら、何かあっても大丈夫ではないかと思っての選択です。少しずつ哲平を同じ車両の人たちが覚えてくれて、ウッカリ乗り過ごそうとしたら教えてくれるようなそんな風になったらなぁ〜と思う今日この頃…。
完全自主通学、親の踏ん切りまで、あともう一歩というところでしょうか。

 
 さて、つくしんぼの会での、今田さん語録。ウンチクあるのでみなさんにも紹介します。
「私達の子は、人間や!」
「ロボットにしてしまったらアカン。」
「自分で判断して、自分で選び取る人生を彼ら自身が選べるようにしてやらんとアカン。」
「親は、自分の都合で子育てしたらアカンのや」
「面白いで〜、うちの息子。」
大阪出身の人ですから大阪弁で、話されます。
60才を過ぎておられるのが、不思議なくらい若くて肌もピチピチされています。
今田さんの話しには、人を引きつけるものがあります。悲しくなりそうな話でも明るく前向きなお人柄が救ってくれます。
今田さんが大好きです。
 我が子がどう育って行くのか、心配なつくしんぼの会のみんなも、今田さんと話しているといっぱい元気がもらえて、
「なんとかなる。きっと何とかして見せる。」そう思えてくるのです。
 自分では一生懸命子育てしているつもりの私でした。でも、自分の都合で子どもを思いどおりにしていたのではないかと反省するようなお話が多く、今田さんとのこの時間は、とっても勉強になります。
私も子どもが30代のいいおじさん、お兄さんになった頃(その頃私も60代)、
「面白いで〜、うちの息子。」
といえる自分になっていたいと思います。
鳥羽 美千子

 

第3回 「自閉症児への指導・支援講座」 の ご案内

運動会や行事が多いこの季節、子ども達にとって一番落ち着かない、でも新たな成長の時季であるかもしれません。前回の「ことばの獲得」では、これまでの応用行動分析学の歴史的な流れ、そして今、子ども達に行われている先生の療育のお話でした。
今回は「ことばの獲得」実践編です。実際の療育の様子をビデオを通じて勉強したいと思います。なかなか家庭で取り入れることは難しいかもしれませんが、一人一人子どもに合った形で療育をしていけば子どもは伸びるということを、親だけでなく、子どもと長い時間かかわる教育現場の先生に見ていただけたらと思います。
なお、今回は実際の指導風景をビデオで流すことになりますので、録画、録音はお断りします。
会としてもビデオの部分に関しては、プライバシーの事を考えて遠慮したいと考えています。
奥田先生の実際の療育場面をご覧になりたい方は、ぜひ当日ご参加くださいますように、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、今回のテーマについて奥田先生からメッセージが届いています。

吉備国際大学臨床心理学科助手の奥田健次です。

今回のセミナーでは、自閉症の子どもが指導を通してどのようにことばを獲得していったか、良好な対人関係を取り結んでいったかといったことを、VTRを利用して紹介する予定です。

ことばとは、必ずしも発話される音声言語に限りません。子どもの行動がどのようにして環境を変えていくか、環境が変わることによってどのように子どもの行動が変わるか、という視点からお話したいと思います。


 日  時:平成13年10月20日(土) 午後1時30分 〜 午後4時30分

 会  場:岡山国際交流センター 3階 研修室
      岡山駅西口すぐ(パスポートセンターと同建物) 有料駐車場有

 申込み先:事務局(Tel.Fax.0869―55―6758)

 事務局 E-mail : acz60070@syd.odn.ne.jp でも受け付けます。
     氏名・連絡先・会員,賛助会員,学生等を明記して下さい。
     申込後のキャンセルは事務局まで連絡願います。

 参 加 費:正・賛助会員 1,000 円、学生・ボラさん 500円、一般 2,000円

 締切り日:10月15日(月) 

  • 個人のプライバシーに関する相談が主になりますので、録音等はご遠慮下さい。
  •  

    これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は目次と
    巻頭文だけにさせていただいています。

    会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「案内板・伝言板」に、
    また特にみなさんにお伝えしたい記事だけは「
    育てる会 ライブラリー」に載せるようにしています。
    容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。

    なお会報は賛助会員の方へも郵送でお届けしています。
    もしご希望の方がおられましたら、賛助会員に申し込みをお願いします。
    申込み方法の詳細は「
    育てる会 HP」に記載しています。

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