平成13年12月3日
第 43 号
NPO 岡山県自閉症児を育てる会
目次
天空よりの使者
クリスマス会招待状
教育フェスティバル in おかやま
AAOの予告(14年1月・2月)
第4回 キッズルームのご案内
「キッズルーム担当のつぶやき」 M
勉強会のお知らせ
「OHAの会」・「つくしんぼの会」
サッカークラブからのお知らせ
12月水泳教室のお知らせ
「水泳教室、三年目になりました」 スーパーマリオ
「ドラマチック劇場 はじまり・・」 E
私のお薦め本コーナー
「講座 自閉症療育 ハンドブック」
「2001 どっちのカレー SHOW!!! in たかはし」 ボランティアさん感想 特集
近隣の講演会等のお知らせ
掲示板・事務局だより
木枯らしは、澄んだ空の遠くから、木々を揺らして降りて来る天空からの使者。
庭に突っ立って何かに聞き耳を立てているように見える哲平の横で、私も一緒に音を聴いてみます。耳をすませていると、遠くから風の音が、ザーッと押し寄せてくるのが解ります。
もしかして、この音を聴いているのでしょうか?
何を考えているのか解らない哲平の横で、哲平と一緒の時間を過ごしてみます。
彼の心の中にソッと寄り添う様に私の心のチャンネルを合わせてみます。一瞬何かが見えたような気がするのは、私の思い過ごし? それとも考えすぎ?
なんでもいいんです。わたしは、こんな風にこの不思議な我が子との時間が、この瞬間が好きです。
ついこの間まで、青い空にくっきりと際立っていた紅葉も、落葉となって、路を彩っています。冬がそこまで来ています。皆さんいかがおすごしですか?
風邪なんかひいてませんか?
つい先日の事です。哲平の学校の先生にからだの歪みを指摘されました。
「足が同じように曲がらないのです。体が歪んでいる様です。」
「エーッ!」
何たる事でしょう。脳の障害はあっても体だけは丈夫だった筈なのに、大変なショックです。
でも、よく考えてみると私の知っている哲平と同年代の障害を持つ子ども達の多くが、そのような事態に見舞われている事に気づきました。
同じ町内に住む中学三年生の自閉症のKくんは、背骨が歪んでコルセットを付けています。保育園で一緒だったAちゃんも同じく背骨が歪んできたと言われたそうです。どうしてこんなことになるのでしょうか?
私達の子どもは、自発的に運動をしません。中学生ともなると健常児は、部活に入って、力いっぱいスポーツをしている頃でしょう。ところが私達の子どもは、体を動かすのも苦手ですし、どのように体を動かせば良いのか解りません。
例えば哲平の場合、ストレッチでアキレス腱を伸ばそうとしても、どのように教えても、見本を見せてやってもうまくやれないのです。体がどんどん硬くなります。体操座りが出来なくなって、後ろへゴロンと引っくり返りそうになります。前屈は、マイナス10cmくらいはあるみたいです。足先を持つなんて不可能も良いところです。どうすればいいのでしょうか?一度校医の先生が見てくださると言うのでその診断結果待ちですが、色々事は起こってくるものです。
自閉症は脳の障害ですから、これは仕方ありません。でも、体の歪みは生活の中で付けてしまった二次的な障害かもしれません。これからの生活でなんとか正していけるものなら、何とかしてやりたいとおもいます。うっかり作ってしまった障害なら、私に責任があります。
育てる会の会員の中でも、一番の年上の中学二年生の哲平です。体が大きくなっても体を鍛えていないため、骨の成長に筋肉が追いついて行かないのが歪みの原因かもしれません。
皆さん、まだまだやることは多いようです。
でも何かあるたびに、それを克服する為のファイトがムクムクと湧き上がってくるのが、私の良いところ〈自分で言うか?〉。
またがんばらなければと思っています。
鳥羽 美千子
キッズルーム担当のつぶやき
第三回のキッズルームが11月23日に岡山中央北小学校で開催されました。体育館の舞台には一週間後に控えている音楽会に向けて楽器類をすでにセッティングされている体育館を快く貸して下さった学校関係者に感謝しています。
子供たちが楽器に興味をもって触りまくったらどうしよう、ひな壇に乗って遊びだしたらどうしようと思案していと、一箇所に楽器を寄せて目隠しをする、更に机などでブロックする。またはビニールテープで囲い込むそんな構造化?が回を重ねるごとに自然に出来るようになっているスタッフに拍手です。少しは子供たちを制止する機会が少なかったのではと思っています。
今回もしっかり暗幕補強をして児童文化部の影絵の舞台とボードビルの舞台と贅沢なダブルキャストでした。会場が真っ暗になった瞬間子供から「まっくらーだっ」の声が挙がり混乱する子供が出るかなっと心配する担当者の予想を裏切り、音楽が流れ出すとスクリーンにくぎ付けになっている子供達の眼はいきいきしていました。下見の時、暗がりを怖がり部屋にはいれなかった子供の姿に、影絵は子供たちには難しいかもと考えた時期もあったのですが、今ではしっかりキッズの1コマになっています。
無理だよなっと諦めずに色々な子供たちと一緒に挑戦できるのが育てる会のいいところだと思います。そんな体験をもとに子供の通っている学校であのコンピューター(ボードビル)を見せてもらえないだろうか、なんて親御さんから相談されるとやったねと思います。子供の世界が広がっていくよーとうれしく思います。地域の子供会のクリスマスに、他のサークルの催し物にと、児童文化部さんに声が掛かっているようです。
福祉を志している人、教育関係を目指している人色々な方がキッズに関わって下さっています。
定期的に子供たちと接する機会を持つ事で彼らの中に少しでも自閉症への啓蒙、理解へのはじめの一歩が芽生えてくれたらいいなっと思っています。
子供に接する親の生の姿を見て一緒に遊ぶ事で、親や子供が日常困っている事、小さなヒントでこんなに安定するんだなんて、少しずつ成長していく子供の姿を見て、学校や施設以外での子供や家族の事を肌で感じてもらえればいいなっと思っています。
クリスマスが大好きな私は今回BGMにクリスマスソングを生演奏してもらおうと思いつきました。ちょっと声をかけると快く引き受けてくださる人がいて、本当に色々な才能をもっている人の集まりだなっとあらためて感じました。(保育士を目指す学生さんの羨望の的。)
我家の子供たちは、キッズルームは子供の会だからお父さんは家でお留守番ねっと宣言。
(本当は父の参加も大歓迎なのですが・・・)
色々なお兄さんお姉さんの名前をあげながら話しに盛り上がりながら帰りの車の中で眠り込む姿を見ると本当に毎回楽しんでいるのだろうなっと思います。貴重な休日に子供からプレゼントされた自由な時間をしっかり過ごして父も大満足の一日のことでしょう。
四年程前の我家は三連休などとても恐怖でした。チョコチョコ走り回る子供を安心して連れて行ける場所は限られていました。すぐ迷子になる。並んで待つことが出来ない、大声を出すから人込みはだめ。周りに迷惑をかけるのではと気にしていたら、父不在の外出は考えられませんでした。そして親子で楽しめる場所なんてほとんど皆無でしたもの・・・・
そんな時育てる会に出会い、色々な方とめぐり合って、子供たちに色々な体験をさしてもらいました。合宿、水泳、クッキング、山登り、AAO、クリスマス会、スタンプラリー毎週のように顔を出していた時期もありました。子供より親が楽しんでいたかもしれません。
ひとりで悩んで落ち込んでいる時、いろいろなお母さん達と話をする事で、自分は一人じゃないんだと本当に救われました。勉強になりました。
みんながんばっている、その姿を見ること、接する事で子供に少しやさしく話しかけている自分がいました。子供と一緒に色々な行事に参加さしてもらい子供の笑顔を見ることで母は元気をもらっていました。
いま我家の子供たちは少し落ち着いてきたので?!キッズの担当をする事が出来るようになりました。
今あの時の恩返しが少し出来ているだろうかと自問自答しています。
今回も直前に欠席の連絡をいだだく時、子供はキッズルームをとっても楽しみにしているのですが熱が出ていて・・・とても行きたがっているのですが・・・・次回はぜひ参加したいですというお話を聞くと担当者としてはうれしく思います。
キッズのスタッフもそれぞれ配慮のいる子供をかかえているお母さん達です。子供の笑顔が見たくて、会場の確保に始まり、教材の搬入、会場設営などなど本当に色々な方のお力を借りて開催にこぎついています。皆さんありがとうございます。
そんなキッズを一番楽しんでいるのは、実は担当の私なのかもしれません。これからもキッズルームをよろしくお願いします。 (M)
皆さん、キッズルームは小さい子から、大きいけれど少々幼い子まで育てる会の子供が気兼ねなくいける場所です。かくいう我が子は、最高年令(中2)ですが、充分楽しんでいる様です。カレンダーには、いつも息子の字で「キッズルーム」と大書してあります。学生の皆さんと、担当の皆さんのお蔭でいつも楽しい時間を子どもに提供出来る事を感謝しています。参加者が多いほど盛り上がりますのでどうぞ、気がねなくご参加ください。
水泳教室、三年目になりました !
ペンネーム スーパーマリオ
往復130キロ(多分一番遠くからと自負しています)、200分の時間を費やして月一回通っています。
本人は毎月の行事としてカレンダーで確認をし、近づくと『〇〇日岡山のプール』と、何度も催促をしています。連れていく方としては正直「遠い」、「時間がかかる」と思うことがよくありますが、張り切って着替えをし、準備体操をし、嬉しそうに泳いでいる姿を見るとがんばろうと思ってしまいます。
ただよく考えてみると、往復の車の中で辛いのは息子も同じです。彼にできることと言えば、好きなカセット(以前はお母さんと一緒シリーズでしたが最近はTSUNAMIと進歩?しました)で音楽を聴くことと窓の外の景色を眺めることだけですから。
何もすることがないという彼としては苦手な時間なのですが、水泳教室の持つ魅力がそれを上回っているようです。
もともと水泳(水遊び?)は好きだったのですが、人の指示がなかなか聞けないこともあったので内心どうなることかと思っていました。でも2年前の初めての時でも、親から離れて、先生やボラティアさんと一緒に一生懸命に練習していました。最初は自分のペースで(自分勝手に)する事が目立っていたのですが、回数を重ねるごとに理解でき、他の人を待つ(見る)こともできだしました。色々なボランティアさんに関わってもらったり、保護者の方の温かい声かけもたいへんありがたかったです。
彼は厳しい人は苦手なので、M先生のことはできれば避けようとしているのがよくわかりました。でもつかまっては、覚悟をして死にものぐるいにがんばっていました。自信のないことには取り組まない方だったのですが、上達したいという意地がもて始めたように見えました。25メートルをクロールで泳ぐと言う目標に向けて根気よく努力をしていき、《やればできる》と言う自信を持たせたいと思っています。
肝心?の泳ぐ技術の方はなかなか進歩しませんが、水の中を自由にのびのびと進む快感 はいつも味わっているようです。今後もがんばって通うつもりですので世話人のOさんやボラさん先生よろしくお願いします。
スーパーマリオさん、こちらこそいつもお世話になっています。200分ですか。遠いですね。この頑張りはきっと報われると思います。これからも、どうぞよろしく。
これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は目次と
巻頭文などだけにさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「案内板・伝言板」に、
また特にみなさんにお伝えしたい記事だけは「育てる会
ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報全文は賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、賛助会員に申し込みをお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。