| タイタニックがスピード記録を焦ったために氷山と衝突したとして,その点が強調されがちなのですが、同じ会社の姉妹船オリンピックの記録を上回ろうとしただけのことで,エンジンの出力からも,世界記録(ブルーリボン記録)はもともと無理な設計でした。 逆に裏側から見れば,次ページ「タイタニックのライバルたち」の表に見るように,タイタニックの速力は同時代の主要客船の中で一番遅いものでした。ホワイト・スター・ラインのイズメイ社長がスピードにこだわったのは,タイタニックやオリンピックが遅い客船だという印象を与えるのを恐れていたのかもしれません。 |
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| エンジンの構成 | |||
| こうした事情から、タイタニックのエンジンは就航当時でも、世界最強のものではありませんでした。 しかし船自体が世界最大の大きさなので、エンジンも相当に強力なものではありました。(タイタニックのエンジン出力56000馬力は当時,ルシタニア級の72500馬力に次ぐものでした。) 一方、運航経済性の重要さはタイタニックの場合も勿論例外ではなく、したがってエンジンの効率については特に注意が払われ、レシプロ蒸気機関とタービンを組み合わせた、ユニークな方式が採用されました。 | |||
| ボイラーで作られた蒸気は、まず左右のレシプロ蒸気機関を動かし、低圧となって出てきた蒸気で中央軸の直結タービンを回す構成です。 これは珍しい方式で、タイタニック級3隻の他には少数の客船にしか採用されていません。 同時代の他の主要客船はどれも,全軸が直結タービンで駆動される方式でした。 結果的には,このタイタニック級の方式に大したメリットはなかったようで、全軸直結タービンの方式と,経済性はほぼ同等だったようです。 どちらの方式も,数年後にギヤード・タービンが実用化された時点で,時代遅れの方式となりました。 |
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| 当時の新技術だったタービンだけで構成せず,レシプロ蒸気機関を主力としてエンジンが構成された背景には,タイタニックとオリンピックを建造したハーランド&ウルフ造船所が,当時はタービンよりもレシプロ蒸気機関を得意にしていたという事情もあったようです。
映画で機関室の機械がダイナミックに動いているシーンがありますが,あれはレシプロ蒸気機関です。 タービンは外から動きが見えないので,映画には出てきません。 |
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| レシプロ蒸気機関 | |||||
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以下の3枚の写真・図は, タイタニック号そのもののエンジン写真が 残念ながら無いので,様子のつかめる 近い写真を載せています。
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| 初めて航洋客船に使われたタービン 工場で組立て中。タイタニックより8年前。 |
| ボイラー
タイタニックに装備されたボイラーは円筒形をして 1985年にロバート・D・バラード博士の調査隊が, |
初期のスコッチボイラー |
| その1 スクリューの大きさ | ||||
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| その2 スクリューの反転 | ||
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| その3 後進運転と舵の効き | ||
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| ドン・リンチ/ケン・マーシャル著 「TITANIC:An Illustrated History」 には,「皮肉なことにマードックはエンジンを逆転させたために,衝突を引き寄せてしまった。 どんな船でもそうだが,タイタニックも高速で前進しているときのほうがすばやく旋回できた」と,記されています。 マードック航海士がなぜ後進に入れたのかが,大きな疑問として浮かび上がってきます。 |
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| その4 ボイラー室の設計 | ||
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