sorry,Japanese only

平成16年8月31日

 

 第76号 

           NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 


  

 

目次

    
     夏の終わりに

 

自閉症支援者養成セミナー 開催
  門 眞一郎 先生 講演会

 

すすむっち report from Lincoln
       〜新1年生の巻〜

 

自閉症カンファレンス NIPPON 報告

 

AAO活動・キッズルーム 案内

 

サッカークラブ・水泳教室・女の子の会 お知らせ

 

OHAの会・育てる会勉強会 の 案内

 

支援者養成講座 の お誘い

 

私のお薦め本コーナー
   
『 自閉症の評価 』

 

近隣の講演会等のご案内

 

掲示板コラム事務局だより

 

夏休みの終わりにやってきた台風は、様々な傷跡を残して、去っていきました。
皆様のお宅では、お変わりありませんでしたか?
 
30日の夜半に一番風が強くなって、このまま我が家が吹き飛ばされてしまうのではないかというような瞬間もありました。風とともに雨も激しく窓ガラスに打ちつけます。もし、この嵐の夜をたった一人で迎えなければならないとしたら、さぞかし心細いことでしょう。
そんな時 家族のありがたさを思います。1人ではないことに安心を覚えます。
 
私達育てる会も「1人じゃない」「仲間がいる」と思えることで、しんどい子育てに耐えていける家族のようなものではないでしょうか。 
考えてみると私達自閉症児の親たちの暮らしもこの嵐のようなものです。
思いがけない我が子の障害に翻弄されて、押し流されるのか、それとも嵐に向かって戦いを挑むのか、または子どもの障害を前向きに受け止め、自閉症のいいところを見つけてこの子との暮らしを楽しむ生き方をするのか、それぞれの親の障害に対する考え方や受け止め方によるのではないでしょうか。
様々な家族の選択があります。
どうか、子どもの幸せに結びつく選択でありますようにと祈らずにはいられません。
 
私自身も様々な療法を試してみたり、何とか自閉症を治してみせると意気込んだ昔もありました。
でも、今思うことは、その時期その時期にいい人との出会いや良い書物との出会いがあって、今があるのだと思えるのです。
子どもの障害を前向きに受け止めて、息子の良いところを伸ばすという生き方をしたいと今は思っています。
 
息子の良いところは、正直・優しい・一生懸命・根気がある・何事も頑張ってやり遂げる・無口である(いらんことは言わない)・健気・明るい・柔軟・嘘をつかない・冗談が言える・気持ちを切り替えて混乱から脱出しようとする・信頼できる・真面目・手先が器用・一度教えられて身についたことは、真面目にその通りやる・目から入った情報は強い・学びたいという姿勢を持っている・・・というようなところでしょうか。(あくまで親としての主観 (^_^;) 人からの評価ではありません)
数えてみるといっぱいあります。みなさんも書き出してみてください。きっといっぱいあると思います。



先日東京の早稲田大学であった「自閉症カンファレンス日本2004」という大きな規模の勉強会に参加してきました。今年で3回目を迎えるこの勉強会は、TEACCHから学ぼうとする人々の熱気と、すぐにでも取り組む為の様々なアイデアやたくさんの情報。各地の取り組みの報告や展示、そして膨大な書籍の数々・・・。学ぶことの多さに圧倒された2日間でした。今年も参加できて本当に良かったです。 
できれば皆さんも子どもをお父さんに任せて、この先進的な取り組みを見に行かれてはどうでしょう。必ずや 情熱や活力を自身の中に沸々とたぎらせて家路を辿ることができることは請合います。 
あとでこのカンファレンスで発表を行なった事務局よりの報告の中にもありますように、『ないものは作っていこう!』 が私達のモットーでした。
できるものから取り組んでいかなければ、棚ボタを期待して待っているだけでは間に合いません。
子ども達はどんどん大きくなっていきます。
 
正直、療育を行なうと言っても、もう高等部2年生になって、卒業をひかえた我が家の哲平には間に合わないと思います。
でも 早期療育という点から見たら、今最もサポートを必要としているのは、就学前の子ども達だと思いますし、そこで培った指導のノウハウは学童期の子ども達にも応用できるはずです。
そしてやがて就労に向けてのサポートや本人の自立というところまで繋げていければ・・・夢は大きく膨らみます。
 
でも、まずは出来るところから それも出来るだけ早く で来年から療育のできる体制を作っていきたい。
その思いで青写真を検討しているところです。まさにゼロからの出発ですし、全てはこれから作っていかなければなりません。
でも すぐにでも支援を必要としている子ども達が待っていることも疑いのない現実です。
 
子ども達のために何ができるか。たかまった思いを抱いてカンファレンスから帰ってきました。
全国でも同じ思いの親の方、専門家の方も多かったです。皆さんや色んな方の協力を頂いて取り組んでいきたいと思っています。
もちろん、思いだけでは継続的に行なうことは困難ですし、運営のためにしっかりとした計画も必要になってきます。
子ども達のために できるだけ早くということで模索しています。
皆さんからの意見やアドバイス、企画・提案などをお待ちしています。
 
子ども達のために力を合わせていきましょう!! 
(育てる会代表:鳥羽 美千子)

 

 

 


自閉症支援者養成セミナー 開催


 

講  師 : 門 眞一郎 先生(京都市児童福祉センター副所長
                             児童精神科医)

 

演  題 : 「高機能自閉症・アスペルガー症候群へのサポート」

 

開催日時 : 平成16年10月24日(日) 10:30〜16:30(昼休憩含む)

 

開催場所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室(岡山市伊島町)

 

申込方法 : 育てる会事務局

 


 

知的障害を重複している自閉症の子どもに比べ、高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもは「一見」健常の子どもとの違いが分かりません。
そのため「何で普通に出来ないの?」「我が儘ばかり言って」などと周りからの理解のない状況に置かれ、いじめなどに合ってしまうこともあります。
 
「自閉症」 「高機能自閉症」 「アスペルガー症候群」の子ども達の障害への正しい理解、そして一人一人に合わせたサポートをどのようにしていけばよいかを、実際に子ども達への支援をしてこられた児童精神科医の門眞一郎先生にお話していただきます。 
子ども達 皆がその子なりの幸せを見つけるために、私達 自閉症児者に関わる者にできる事を一緒に考えてみませんか? 大勢の参加者をお待ちしています!!

 

 

 

 

自閉症カンファレンス
 NIPPON 報告

 

 

 

 

 

 

 

月28〜29日に東京の早稲田大学講堂で行なわれた「自閉症カンファレンスNIPPON 2004」に参加してきました。

 

昨年度に引き続き、今回も1000人規模での開催で、大型台風の暴風に 負けない すごい熱気でした。

 

「自閉症カンファレンスNIPPON」とは、アメリカのノースカロライナ州で開発され、世界的に普及・発展してきた自閉症の人への支援プログラム「TEACCHモデル」を、日本国内 それぞれの地域の状態や文化に合わせて各地で実践している人が集まって、活動の成果を報告しあい、経験を交換し合う大会で、今年で3回目の開催となります。

 

TEACCHの基礎についての講演、親と専門家がそれぞれ求めたいことを話し合うシンポジウム、アスペルガー症候群本人による講演会、日本の現状についての話、10歳以下・17歳以下・18歳以上 それぞれの年代についての実践を集めた分科会など、本当に2日しかないのが勿体ない大会でした。

 

その中で「親の活動・専門家との協力〜TEACCHの実践に学ぶ〜」というシンポジウムがあったのですが、そこでの発表者の方の言葉がとても印象に残っているので紹介します。


 

【親から専門家へ】 自閉症協会副会長 氏田照子 氏

 

保護者が困っていることは、幼児・学童期に学校以外に専門的な療育をしてくれる場がないこと、また学校などに対応方法をアドバイスしてくれるところがないこと。学校卒業後は経済的に自立していける見通しが立たないこと自立生活をするために適切なグループホームなどがないことです。そのため保護者はいつも不安で、安直な「こうすれば治る」というような療法に惑わされたりします。

 

今後の日本で早急に必要とされるのは、専門家による正しい知識と支援・直接支援の場の充実・本人と保護者と専門家の連携ではないでしょうか。本人の要望・保護者の支援・専門家の支援、この全てがそろってこそ、自閉症児者の支援は成り立つのではないでしょうか。


 

【専門家から親へ】 つばさ発達クリニック 藤岡宏 氏

 

地域と自閉症児者がお互いに歩み寄ることが大切です。そしてその地域と自閉症児者をつなぐ調整役として保護者(家族)があるのだと思います。専門家は裏方として そのつながりを見守り 応援し アドバイスや支援が必要な時にはすぐ手を貸すという立場なのです。

 

親の会に求めたいことは、
(1) 本人の家族のニーズを正しく汲み取り代弁する組織体であること
(2) 特性理解に沿った支援を行なうシステム体としての機能を果たすこと
(3) 他の組織体とも必要な連携を図ること
(4) 自閉症児者に関わろうとする多くの意識を育てるよう様々な働きかけを行なうこと、などです。

 

専門家は「教えてやる」などという上の立場ではなく、当事者(自閉症児者本人や家族)との協働を図っていかなければなりません。勿論当事者ではありませんから、彼らの気持ちそのままは分からないでしょう。でも歩み寄る気持ちがあれば、近付くことはできるはずです。


 

【メジボフ教授より】

 

全ての子どもが育つのに地域社会は重要です。そのニーズはたくさんあり、実現するためには保護者と専門家の協力は必須です。反発するよりは相談しあったり協力しあった方がよりよいサービス(療育)ができるのだということは、きっとどなたも同意してくださることでしょう。
保護者と専門家、それぞれの得意分野を生かし(例えば保護者は行政や社会に理解を求めるよう活動し、専門家はその理解を元に、療育の方略を開発したり、トレーニングしたり、将来のスタッフを育てたりできる)役割分担をして、一緒にやっていくことができれば、よりよい社会ができるのではないでしょうか。
相互に尊重しあう敬意ある気持ち、そして一緒にやっていこうというやる気さえあれば、それはきっと実現するはずなのです。


 

また、2日目の分科会で「17歳以下の子どもへの実践報告」にて、育てる会の活動について発表をさせていただきました。
(大変緊張しましたが、なんとか乗り切りました)

 

明石洋子さん・津田明雄さん(静岡のNPO法人クローバー会長。自閉症協会のHP管理人)・戸部けいこさん(光とともに作者)・重松孝治先生(療育事業のアドバイザーとしてお世話に)など、大勢の方に聞いていただいて、「地道な実践が良かった」「『ないものは作っていこう』というその考え方が良いね」「参加者からも共感してもらえたと思うよ」などの嬉しいコメントをいただきました。

 

このような発表の場を用意してくださった坂井聡先生、本当にありがとうございました!

 

 

カンファレンスのレジメです。「抄録集」として配られました

 

ないものは作っていこう!!
          〜岡山の親の会からの発信〜

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 

1.「岡山県自閉症児を育てる会」の沿革

平成9年(1997年)、自閉症児を持つ5人の母親が集まる
「この子たちのために、今何ができるか?」「一緒に頑張れる仲間がほしい」

    ↓

「自閉症児をもつ母親の会」結成
「この指とまれ」と出した指に岡山全域から大勢のお母さんが

  ↓

「まずは自閉症の事をもっとよく知りたい」と講演会や勉強会を企画。
会員も増え、お母さんパワーに引きづられたお父さんや学校の先生方、ボランティアの方も集まって「みんなで育てていこう」という思いが広がる。

    ↓

平成10年(1998年)「岡山県自閉症児を育てる会」に改名。

    ↓

「ないものは作っていこう!!」を会のモットーとし、様々な活動に取り組む

    ↓

会員対象事業・・それだけでいいのか?
後に生まれてくる子どもたちが、我が子より少しでも暮らしやすい社会を
後で告知を受けるお母さんたちが、私たちより悩むことが少ない世の中を

    ↓

平成12年(2000年)5月 NPO法人格取得
おそらく日本で最初にNPO法人格を取得した自閉症関係団体

    ↓

「自閉症児者 皆が暮らしやすい社会を」と願い、様々なNPO事業を展開

 

 

2.「ないものは作っていこう!」

「利用できる社会資源が少ない」と嘆いているうちに、子ども達はどんどん大きくなる

    ↓

今、必要なものを 誰かが手を挙げれば、この指とまれで実現できる

 

角丸四角形: キッズルーム
 就学前・低学年の子ども中心の活動です。
集団活動が苦手な子ども達のために、ゲームや人形劇などをします。
   角丸四角形: AAO活動
 
ガイドヘルプ活動の子どもバージョン。
その子のできる事を増やしていこうという活動です。1年間同じボラが2人つきます。

 

 

             角丸四角形: 夏合宿
 
JRで小旅行をしたり、自然の森でキャンプをしたり、ボランティア合宿を行ったりも。

 

 

角丸四角形: サッカークラブ
 
子どもとボラでパスやドリブルなどの練習を行います。いつか試合ができるといいな!
  角丸四角形: 水泳教室
 
全くプールに入れない子には水慣れから、上級者にはクロールまで、クラス別に練習。

 

 

3.「特定非営利活動法人(NPO) 岡山県自閉症児を育てる会」としての活動

 

自閉症のしおり

自閉症のしおり

 

 自閉症の子ども達のことを親の言葉でまとめた冊子。
 助成をいただき、岡山県下に10000部無料配布。
 一部50円+送料で、現在も全国各地へ発送。

 

命の電話相談

 

岡山県内に住む自閉症の子どもに関わる方対象。自閉症児の母親が電話を受ける。
一人で悩まないで。
辛いのは自分だけではない、仲間がいるということに気付いてほしい。
 「死んでしまおうかと思ったのですけど、お電話して元気が出ました」との声も。
共に悩み、涙する。同じ苦しみを知っているからこそ解りあえる。

 

支援者養成セミナー

 

自閉症児のための支援者養成セミナー

 

一般の方を対象にした講演会。(年間約5回開催)
講演会は4時間以上が平均、じっくりと一人の先生に講演をしていただく形。
「育てる会の講演は良い先生が来られるし、聞きたい話をしっかり聞かせていただける」と定評がある。
最近は学校や施設・行政からの参加者も増えている。

 

 

ボランティア研修会

 

テキスト ボックス:  ボランティア研修会 毎年春に、岡山県内の大学新入生を対象に開催。
自閉症のこと、子ども達の事を知ってもらいたいと願い行っている。
自閉症の障害特性・育てる会の活動内容・ボランティア経験者の話など具体的な事例をもとに伝えている。
毎年100名前後の参加があり、多くの学生がボランティアとして参加してくれるきっかけになっている。

 

 

 

 

 

 

 

支援者養成講座

 

賛助会員の先生方や療育関係者のための夜の勉強会
自閉症の子ども達のために何ができるかを皆で考える会。
実践報告や指導方法など、毎月テーマを決めて行っている。

 

 

おじいちゃん、おばあちゃんのための自閉症講演会

 

「色々なことでお世話になっているおじいちゃん・おばあちゃんに
自閉症の孫のことをもっと知ってほしい」との願いで開催。

 

4.これからの育てる会がめざすもの

 

子どもたちも、年長の子は自閉症児から自閉症者へ。再び「ないものは作っていこう」

 

※地域で普通に暮らしていくためには何が必要か?

○働く場づくり
○暮らす場づくり
○地域の理解つくり

※まだ小さい子ども達のため → 「将来の自立に向けての療育」 を行いたい。

※子どもとの付き合い方の分からない親のため → 「実践的な勉強会」 をしたい。

※学校や療育機関や地域、そして同じ親の会(日本自閉症協会など)とも今のまま良好な関係を維持していきたい

 

5.最後に・・なぜ私が育てる会に関わっているか

 

 姉として、家族として → 私の9歳年下の弟が自閉症。親の苦労を知っている

 学生時代 → ボランティアとして、育てる会の多くの自閉症児と関わる

 自閉症児の不思議な魅力のとりことなる → 自閉症の事を、もっと知りたい

 自閉症児者のために役立ちたい → それまでの仕事をやめて事務局員へ

 支えてくださる方や理解者が増える → 喜びを感じる

 自閉症児の笑顔 → 元気の元

 

 

以上、カンファレンス用のレジメでした m(__)m


TEACCHの考え方でもう一つ、とても共感できるお話があったので紹介します。


 

TEACCHでは「自閉症」と診断する時、

 

「この診断はあなた(家族)にとってどのようなものですか?
ある程度予想していたことでしたか?
私達はあなたの側にいて、これからこの子の人生を一緒に考えて関わっていきたいと思っています。
だから要望や不安なことがあったら何でも言ってくださいね」
 

と、親への丁寧な寄り添い方をしてくださるそうです。 
勿論アメリカの専門家の中でも「助けてあげている」という高飛車な態度の方もおられるそうです。
また正しい情報を親には伝えない、それが家族のためだと思っている専門家もいるそうです。
 
「自閉症」「一生治らない」ということは、保護者にとって、とてもショックなことでしょう。
でも専門家は、正しい情報を伝えることが、大切なのではないでしょうか。
 
家族は子どもの障害について本当の事を、正しく知る権利を持っています。
何故ならそのことについて決定し、将来に渡って責任を持つのは、本人と家族だからです。
障害のある人や保護者からの信頼を勝ち取る出発点は、正直であることではないでしょうか。

もう一つ、TEACCHの精神に学んだことがあります。


 「あの手法はダメだ」と行なっている療法以外を批判される方がおられますが、TEACCH部の方は、そういう批判をされません。そのやり方について専門的に学んだりしていないし、他の人の実践をとやかく言えないといわれるのです。ただ目の前の子どもに向き合って、その時間をその子どもにとって意味ある時間とすることだけを考えたいと思っておられるからではないでしょうか。 
やってきた実践に誇りと自信を持ち、常に謙虚に学ぶ姿勢を持ち続ける。自分自身にも置き換えて、私もそうありたい、
そんな風に子どもや保護者の方と関わっていきたいと心から思いました。

 

(事務局:鳥羽 紗代)

 

 

 

 

支援者養成講座

 

一年を通しての療育者・支援者のための勉強会です。
教師の方や、将来 自閉症児の療育を志す方対象に行なっています。

 

先月は第4回目として、養護学校教諭の浜田敏子先生を講師に「K−ABCについて」の学びを行ないました。
これは、子どもの知的な発達の水準と知能の強い面と弱い面を明らかにするために使われる心理検査で、学習のつまずきが大きい子・発達のアンバランスな子に対して、その子がどういう形で物事を考えていくのかということを見極め、その上でどういう指導法が使えるかを教えてくれる検査です。

 

自閉症だけでなく、ADHDやLDの子ども(どちらかというと、こちらの方がより有効かも)にも使える とても有意義な検査でした。
実際に参加者もその検査の一部を体験してみたのですが「あ、私それ得意だったわ」「ええ、これが出来ないのって私だけ?」など 自分自身の苦手分野・得意分野も見つかり、とても楽しく勉強になる時間を過ごしました。

 

 

第5回 支援者養成講座

 

日  時 : 平成16年9月17日(金) 19:00〜21:00

 

場  所 : 太陽の家 2階(育てる会事務局)

 

発 表 者 : 鳥羽 紗代 他 
           川崎医療福祉大学トレーニングセミナー受講者

 

内  容 : 5デイズ トレーニングセミナー 受講報告

ノースカロライナTEACCH部と川崎医療福祉大学の協力で実現した5日間のトレーニングセミナーを受講した者たちからの報告会を行ないます。現場で子どもにどのように対応したら良いか、保護者とどのように関わったら良いか、アセスメントのとり方、構造化のアイデアなどを考えています。

 

参加資格 : 育てる会賛助会員

 

年 会 費 : 10,000円 ※年間10回講座(途中入会の方、それまでの講座のビデオあります)

 

 

 

育てる会 賛助会員 募集 のお知らせ

 

 

私達は、自閉症という困難な障害を抱えた子ども達が、地域の中で自分なりに自立して幸せな人生を送ってほしいと願っています。
そのために必要な子どもの自立へのサポートを、そして地域へ対して 自閉症に対する理解を深めてもらえるよう啓発活動を続けています。

 

「賛助会員」とは、その名の通り、育てる会を応援してくださる会員の方を指します。
入会の制限はありません。どなたでも入会していただけます。
子ども達を応援してくださる方、自閉症に興味のある方、どうぞ入会をよろしくお願いします。  

 

年会費 3,000円(年度途中からの入会の場合はその月から1年間)

 

特 典  毎月会報を郵送。セミナー・講演会の参加費を割引

 

詳しいお問い合わせは、育てる会事務局:(0869-55-6758)まで

 

 

コ ラ ム

 

夏休み中、太陽の家(育てる会事務局のある建物)では、なんと給食がありました。
毎度おなじみの高校生のTくんとMくん・そしてTくんママが、夏休みの日課の一部として毎日の昼食作りに取り組んで出来たものを食べさせてくれたからです。
メニューは、冷やし中華・カレーライス・焼きそば・チャーハン・素麺・コロッケ定食など、栄養を考えた昼食で、味もとてもおいしいものでした。
 
最初は、Tくんママが作り方を教えながらほとんどを作り、子どもたちはそれを手伝うという形でした。
Tくんは家でも食事作りは1人でやっているので、どんどん新メニューに挑戦していきましたが、Mくんはこれまであまり家では調理をしたことがありません。
そこでMくんには、まずは包丁の持ち方・扱い方・してはいけないこと・火の使い方や処理の仕方・・・手順を教えるだけでなく、いかに安全に調理を楽しめるかという事から、ゆっくり丁寧に関わっていきました。
 
学校などの調理実習では子どもが色々なものを分担して一つのものを作っていきますが、Tくんママは 「家庭で、自分一人で出来るようにならなきゃ自立と言えない」 と、一つ一つの工程をすべてひとりで出来るようにと指導を考えました。 
Tくんは、経験があったためか見本を示せば、ある程度きるようになる(根が自閉症児らしくなく(?)臨機応変だからかもしれません)のですが、Mくんは、般化が苦手な自閉症児の例のごとく、なかなか指示待ち状態から抜け出せません。 
それでもちゃんと次にすることを教えていき、分からない時の尋ね方、困った時の対処法などを教えていったおかげで、ついに冷やし中華を最初から最後まで(野菜を切ること・麺をゆでること・盛り付けること)、全ての行程を一人で作れるようになりました! 
夏休み中Mくんは何度も何度も冷やし中華を作ってくれました。
1人で頑張って作った冷やし中華の味は格別だったようで、いつもにも増して笑顔が弾けたお昼ご飯となりました。
 
そして早速おうちでも冷やし中華を家族のために振る舞い、とても喜んでもらえたそうです。
子どもの自立していく姿を見るのは本当に嬉しいです。
 
夏休みという長期休暇だから、毎日関わっていったからこそできた取り組みを紹介しました。

 

 


 

事務局だより 

いよいよ9月。新学期に向けて子ども達も張り切って学校へ向かっていることと思います。今年の夏も終わりました。去年と違って今年は猛暑が続き「夏らしい」夏でしたね。その上大型台風が何度もやってきて、せっかくの休みなのに、この台風で出掛けられない日があったという家庭もあったかもしれません。
おかげ様で事務局のある山陽町は海からも川からも遠く、浸水等の被害はありませんでしたが、吹きさらしの田んぼに囲まれた場所にあるので、風は容赦なく吹き付けました。

 今年の事務局の夏は、本当に大忙しでした。

 

8月12日には県同和教育研究会で、ブース展示をさせていただきました。
学校関係や障害者問題に関心のある方々へチラシを配ったり本を販売したりして、自閉症の啓発につとめました。

 

15〜19日には会報中でも書きましたが、「5デイズトレーニングセミナー」を受講しました。
これはTEACCH部が実際に現場の研修として行なっている内容と同じもので、アメリカではこれを受講していないと「TEACCHをしている」とは言えない、というトレーニングだそうです。
本当に勉強になる有意義な素晴らしいセミナーでした。詳しいお話は、勉強会でさせていただきたいと思います。どうぞ、ご参加ください。

 

25日は理事会、26日夜は支援者養成講座があり、27〜29日は「自閉症カンファレンス日本」の発表者として(詳しくは会報中)早稲田大学へ出張させていただきました。


 この夏休みは、そんな理由(わけ)で閉局日も多く、皆様にはご不自由をおかけいたしました m(__)m
 でも、夏休み返上で一生懸命頑張っておりますのでご理解ください。
まだまだ、至らない私ですが、今私は、この仕事を天職と思っています。
『誰にでも代わりが出来る仕事』ではなく、できれば 『私だから出来る仕事』 といわれるようなそんな自分になりたい、と願い、日々頑張っています。

ただし時には仕事を忘れて、発散も大切。プライベートと仕事がどっちも充実していないと笑顔で仕事もできません(^^)
 2年連続参加のうらじゃ祭りでは岡山ドームにてステージに上がって最後の総踊りを任され(実は全国へうらじゃ祭りを広めるPR隊員の一人なんです)、1000人以上の参加者を前に 弾けてきました。
たくさんの思い出もでき、本当によい夏を過ごせました
 
★ 9月からも頑張ります!    (事務局:鳥羽 紗代)

 

 

 

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。

なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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