sorry,Japanese only

平成16年11月30日

 

 第79号 

                   NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

4月より・・いよいよ自閉症児の療育 始めます

自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー
   
第4回(明石洋子・徹之氏)・第5回(内山登紀夫先生)の ご案内

すすむっち report from Lincoln
   
〜描画の巻〜

吉備国際大学招待行事 報告
   
「お月見スタンプラリー OH! 月見だピョン」

川崎医療福祉大学招待行事 ご案内
   
「ASC部(育てる会を支える会)主催 クリスマス会」

AAO活動のお知らせ

キッズルーム 報告

サッカークラブ・水泳教室・女の子の会・OHAの会 の お知らせ

育てる会勉強会 報告

支援者養成講座 報告

私のお薦め本コーナー
  
「 My フェアリー・ハート 」

近隣の講演会のご案内

掲示板面白コラム事務局だより

12月だというのに、空はカラリと晴れてお天気の良いポカポカとした暖かい日が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。窓の外、紅葉樹の色づく山々がいつもより迫って見えます。紅葉の美しい季節となりました。私は風の中に立ってキラキラと舞う落ち葉の下にいるのが大好きです。季節は違うけれど桜吹雪の中にいるのも好きです。

また、雨の降りしきる中、傘を差してたたずむのも好きです。

先日の台風の時は、裏の溝があふれそうになったのでカッパを着て溝のごみを取ったり、水はけをよくする為に、地面を掘ったりもしました。カッパを通して雨が体を叩きます。そんなこともなんだか不思議な感覚で「いやじゃないな…、むしろ好き」と思えるのです。少し変でしょうか?

小さい頃から多動でじっとしていない子に付き合って田舎道を歩き回ったせいか、私は他の人より自然と親しむ機会が多かったように思います。

台風の中カッパを着込んでたたずむ哲平。
雪の朝、家の近くを歩きまわって足跡をつけつづける哲平。
傘を差してその雨音に耳をそばだてているように見える哲平。

一見意味のないように見える行動のそのわけを知りたくって、私は哲平と同じことをしてみます。雨の中にたたずんで思ったのは、雨の音の不思議です。ボツボツ、ポポポ…、雨傘を通して手にもその振動が伝わってきます。

小学校時代のことです。朝の登校途中に急に哲平が立ち止まりました。「いったいどうしたの?」「早く行かないと遅れるよ」いくら言っても動かない哲平の顔を覗き込んでハッとしました。「あっ聴いている。この子は雨の音を聴いているのだ」自分の足音で消えてしまわないように止まってその雨の音に耳を済ましているのです。

「なんてすてきな子だろう」我が子ながらそんな哲平を好もしく、そんな子との暮らしが私には限りなく豊かなものに思えたものでした。

「自閉症の子どもで、残念!」そんな風に思ったこともありました。でも今、「自閉症でOK!」と思えるようになったのは、こんな息子のおかげです。

もし彼の親でなかったなら、こんなに自然と親しむこともなかったことでしょう。自閉症児を授かったことは、私にとって不幸ではなく、より深く味わい深い人生を生きさせてもらっているのかもしれません。彼との日々がとても豊かだったから、そう思えるのではないでしょうか。

 

さて、いよいよ来年の4月から、待ちに待った療育が始まります。

重松孝治先生や中山清司先生をお招きしての勉強会、運営面でのアドバイスは大阪自閉症支援センターの新澤伸子先生からも受けて、少しずつその内容が具体的に決まってまいりました。

我が子をどう育てていけば良いのか困っておられる方や、告知を受けたばかりのお母さんたちに相談には乗って差し上げることは出来ても、実際に具体的な子育てのノウハウを伝えることは難しかったです。毎日の家庭生活を手伝ったり、子育てを手伝うこともできませんでした。でも、やっとこの度私たちの親の想いと力を結集させた療育をはじめる事ができることとなりました。

育てる会が、児童デイサービスの事業所を立ち上げるのです。それは、私たちの子ども、自閉症の子どもたちが通える児童デイサービスができるということです。
私たちは、ないものを作っていこうと今まで活動してまいりました。サッカー教室・水泳教室・AAO・キッズルーム・・・。でも、本当に必要なものは、もっともっとあります。療育をしてくれるデイサービスもそのひとつでした。

児童デイサービスと呼ばれるものは、すでに岡山市や倉敷にはたくさんあります。ただデイサービスをただの子どもの預かりというように捉えられているような事業所も一部あると聞きます。
児童デイサービスは、本来療育の場のはずです。学校や家庭だけでは取り組みにくい個別的な課題や教材の必要な勉強をめざします。自閉症児にとって苦手な社会性やコミュニケーションを学ぶ場を丁寧に個別的な関わりの中で育んでいきたいきたいと思っています。

児童デイサービスの性質上、規約の上では自閉症児だけが対象ではありませんが、

「自閉症児も安心して通える児童デイサービス自閉症の特性に応じた療育が行える児童デイサービス」

大阪自閉症支援センターの新澤伸子先生のところの研修に参加したり、療育の見学もし、そこで使われている多くの教材も見せていただきました。その間にもたくさんの方が、相談に、勉強に、そして療育に見えていました。活気に満ちたその様子は、私たちが目指す将来像です。「がんばらなくっちゃ」と決意も新たに帰ってまいりました。

さて、例によって、ここでひとつ、いつものてっちゃん情報を。

毎日忙しい日が続いています。そこでついつい夕食を哲平に作ってもらうことになります。1日目、カレーライス。2日目は、から揚げにマカロニサラダ。どちらも作りなれた哲平の大好きなメニューです。がんばって作ってくれる哲平に大感謝の日々でした。

でも、3日目の夕方のことです。私のところへやってきた哲平くん、「ご飯 作らん!」と真剣に私を見据えて言いました。「お母さん作る!」と遂に言われてしまいました。ああ〜、反抗的。でも、無理ないか〜。さすがの哲平も呆れたのでしょう。「ハイ、わかりました。お母さんが作ります。」そう言うと安心したように笑顔になりました。その日は、母さんの手料理と相成りました。
母さんと哲平とどっちの料理が上手かって? それは もちろん・・・??

育てる会 代表  鳥羽 美千子

吉備国際大学招待行事 報告

去る10月31日(日)、吉備国際大学主催:招待イベント「お月見スタンプラリー OH!月見だピョン」が開催されました。

当日はあいにくのお天気となりましたがたくさんの親子とボランティアさんが参加され、スタンプラリー・お団子作りにちなんだ劇の上演(学生さん主演)・お月見団子作り・OH体操・・・紅葉の高梁で、楽しい秋のひと時を過ごしました。

お母さんたちやボランティアの方からたくさん感想をいただいておりますので紹介します。
吉備国際大学のボランティア部の皆さん、本当にありがとうございました!!


お母さんからの感想】

吉備国際大学ボランティア部の招待イベントに初めて参加させてもらいました。
趣向をこらした様々なプログラムに子ども達が楽しそうに参加していたことと、ボランティア部の学生さん達の優しく丁寧な対応や心遣いがとても印象に残っています。
イベントの数週間前から、ボランティア部の方が子どもの性格や接する時の注意点を確認してくださいました。また当日 子どもと共に行動してくれるボランティアの方々の写真やプロフィールを送ってくださるなど、事前から子どもに対する気配りをしていただき、嬉しかったです。

当日、初対面の人と行動することに慣れていない4歳の息子は、やはり初めは緊張していました。ボランティアさんと手をつないで、高梁の街中でスタンプラリーをしながらも、時折心細そうに、後ろにいる私や主人の方を振り返って見ていました。しかし、スタンプラリーから帰ってくると、「おみこしあったんよ」と資料館で見たおみこしのことを嬉しそうに話してくれました。
その後はボランティアさんと一緒に好きなお絵かきをしたり、お団子を作ったり、私達と離れていても、まったく平気な様子で楽しく過ごしました。時には笑いながら飛び跳ねたり、はしゃいで床に寝転んだり、いつものお調子者の素顔が出てきたほどです。

調理室から、自分で作ったお団子を持ってきて誇らしげに見せてくれた時には「成長したなぁ」と感動しました。息子が一日のびのびと楽しく過ごせたのも、ボランティアさんが息子の目線に合わせて、一緒に遊んだり優しく接してくれたおかげと感謝しています。
子どもの成長した姿も垣間見ることができ、ボランティア部の皆さんの優しさにも触れて、とても清々しい気持ちで帰途に着きました。
来年も参加できることを楽しみにしています。

(はるママ)

親子とも、とても楽しませてもらいました。
うちの子はスタンプラリーよりも公園の遊具に目が止まってしまい、ハラハラしたのですが、ボランティアのお姉さんがにっこり笑って「子どもさんのペースでやりますから大丈夫ですよ」と言ってくださったのがありがたかったです。
お団子も普段は苦手で、全然食べられないのに、今回は自分で作ったからか、お姉さんの関わりが良かったのか、3つも食べられたのも感謝でした。
行き帰りの電車の旅は、子どもは景色が見れて楽しく また親はのんびりできて良かったです。ありがとうございました。

(小2女:母)

「不安だったらついていきますよ?」
「不安じゃないと言ったら嘘になりますけど、がんばってみます!」 と一生懸命な学生さん達に任せたスタンプラリー。

当初は「時間以内に帰ってこられるかしら?途中で寝転がったりしてないかしら?」と不安な気持ちになっていたのですが、なんと一番のりで帰ってきました。
ボラさんに聞いたところ、何の問題もなく、さーっとクリアできたとのこと。もうびっくりでした。(逆に時間が余ってしまって退屈させてしまいました)
電車でも、去年はトンネルが辛くて(暗いのが怖かったのかな?)大騒ぎだったのですが、今年は「トンネル静かに待てたら、マーブルチョコひとつあげるよ」と言っていたところ、だんだんと「チョコもらいたいから、トンネルまだこないかな?」と逆に楽しみに待てるようにまでなり、成長ぶりが見れて良かったです。
遠い高梁での行事ですが、毎年子どもの色々な成長や発見が見れて嬉しいです。また来年も参加したいと思っています。

(小4男:母)


【学生ボランティアさんからの感想】

今日は本当にドキドキな一日でした。ずっと前からどうなることかと緊張していたし、当日も最初はずっと困惑でした。
私が担当についた子は、最初はなかなかこちらに慣れてくれなくて、コミュニケーションをとることが出来なかったのですが、途中からその子の言いたい事もなんとなく分かってきて、一緒に楽しく出来るようになりました。

言葉での会話はあまりなかったけど、ジェスチャーでわかるようになりました。最後にOH!体操を楽しそうに躍ってくれたのが一番嬉しかったです。電車で見送る時に、「バイバイ」としてくれ、別れた後は、泣いてしまいました。今日一日、とても大変で疲れたけど、それ以上に子どもが楽しそうにスタンプラリーとお月見をしてくれた事が嬉しかったです。本当に良い思い出となりました。

(平岡 聖加)

今回は引退前の最後のイベントということもあり、とても思い入れの強いイベントでした。
裏方だったので 子ども達と触れ合うことは出来ませんでしたが、チェックポイントや団子作りではみんなの楽しそうな顔を見る事ができました。
最後のOH!体操では、全員で踊ることができ、元気に踊ってるみんなを見ながら3年間のイベントを思い出していました。去年や一昨年前に来てくれた子ども達がまた高梁に遊びに来てくれるのも、楽しみなことでした。その思いがあるから、今年も頑張って楽しいイベントを作ろうと思えたし、イベントが終わった後も、来年も頑張ろうと思ってこれたのだと思います。
今年で私がイベントに参加するのは最後ですが、他の行事などでボランティアとしてまたみんなに会えたらいいなと思います。今日もらった元気をもとに、また学んだことを活かしていきたいと思います。ありがとうございました。

(三上 早苗)

今回のイベントでは天気がとても心配でしたが、てるてる坊主を通して私達の願いが通じたのか朝のスタンプラリーの時は太陽も出ていて、スタンプラリー日和でした。
昼からの活動の中で、私は劇班として活動していたのですが、劇は本番前からドキドキで「人」という字を3つ手に書いて飲むほど緊張していました。
いざ終わってみると、子ども達からの鋭い指摘やかわいらしい反応をもらうことができ、とても楽しい劇になることができたのではないかと自画自賛しているところです(笑)

今回のイベントは私にとって最後のイベントでした。でも、実際はというと、それぞれの班に分かれて準備している時も"これが最後のイベントなんだ!!"という実感は全然と言っていいほどありませんでした。
けれど、閉会式の時の玉木さんの挨拶を聞いて感動しながら、"本当にこれで最後なんだ"と色々な想いが込み上げてきました。
この3年間、育てる会のイベントを通じてたくさんの子どもやその親御さん達に出会い、そして一緒に活動する中で子ども達からたくさんのパワーをもらって様々なことを学ぶことができました。これで引退するのはとても残念ですが、これからも後輩たちに頑張ってほしいと思います。3年間お世話になりました。

(糸瀬 由理)

当日の雨を心配をしていましたが、なんとか晴れてくれたのでスタンプラリーも無事に成功しました。子ども達も楽しそうにお兄さんやお姉さんと手をつないで歩いたり、話しをしていて、絶えず笑顔だったように思えます。
最初は、とても不安でした。でも電車から降りて子どもの顔を見ると緊張もゆるみ、すぐに子どもと仲良くなれたように思えます。なかなかスムーズにいかにこともありましたが、やはり子どもは可愛くて素直だなと感動しました。劇やお団子を楽しそうに見たり作ったりいるのを近くで見ていると、今日まで一生懸命子ども達のために練習や準備をしてきて良かったと感じました。
帰り際に手を振って「バイバイ」と言ってくれた時は泣きそうになりました。たった一日という短い時間の中で子どもと自分との信頼関係が築けたことに驚きを感じました。
私は3年生なので来年はもうイベントに参加することは出来ないのですが、子ども達の笑顔がこぼれるような良いイベントが行なえるように、後輩への指導や引継ぎをしたいと思います。
来年もまた高梁への来訪をお待ちしております。

(佐伯 寿)

一日子ども達と過ごして、僕自身もすごく元気になれたし、楽しくて良い思い出になりました。僕は司会をやらせて頂いたので、一人の子どもと長い時間を接する事は出来ませんでしたが、その分いろいろな子ども達と話したり遊んだり出来たし、たくさんの子どもの喜ぶ姿を見ることが出来ました。
スタンプラリーでは子ども達全員が全部のスタンプを集めて来てくれたし、お月見の劇も喜んで見てくれました。また、お団子作りも楽しく、美味しく、なりよりもケガすることなくすることができました。今まで準備してきた僕達にとって、大きなケガもなく、楽しく喜んでもらえるということが一番嬉しいです。
いつも思うのですが、子ども達の楽しそうな笑顔を見ていると本当に元気づけられます。また、子ども達の活動的でパワフルな姿を見ていると、自分自身を見つめなおし、もっと頑張ろうと思います。子ども達に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。

(鳥居 真治)

今日(10/31)はとっても充実した一日でした。初めて担当に付いて戸惑うこともたくさんありましたが、家族の方や部の人達の様々なサポートがあったおかげでケガもなく大変楽しかったです。
私の一言一言が難しかったのか、なかなか教室に入ってくれなかったり、スタンプラリーのコースを歩こうとしてくれませんでしたがお母さんの一言で行動を開始するのを見て、お母さんってすごいな・・・と感激したのが何度もありました。
OH!体操を元気良く踊っていたり、月見団子をおいしそうに食べていたり、スタンプを嬉しそうに押す姿を見て「やって良かった」「頑張ってきて良かった」と改めて思いました。また来年も元気な姿で参加してくれることを願っています。一日がとても楽しかったです。ありがとうございました。

(宮崎 直子)

キッズルーム 報告

先日 11月14日(日)に開催されたキッズルームでは、前回の反省で出た

「スケジュールに写真を」
「時間の分かりにくい子どものために工夫を」
「ざわざわした空間が苦手な子のためにカムダウンコーナーを」・・など

たくさん出た課題を、岡大児童文化部の皆様の頑張りと工夫によって たくさん実現することができました。

また最近はボランティアさんの方から「こんな課題を作ってみました」「こういう工夫はどう思いますか?」などの意見が率直かつ積極的に出てきていて、本当にキッズルームが成長してきているなぁと感じています。

では、そんな中から学生ボランティアさんからの感想を紹介します。



今回のキッズルームは2回目の参加でした。
子ども達が元気よく楽しく遊んでいるのを見ていると 何だか私までとても元気になり、楽しくなります。
私がついた子どもは兄弟児だったのですが、とても明るく人なつっこい子でした。
その子は何度も「にこにこピンクが可愛い」と言っていました。私は悔しかったので、「にこにこピンクよりもその子にとってのヒーローになってやる!」と頑張って接しました。(果たしてヒーローになれたかどうかは不明ですが・・)
またその子は私の髪型が気になるらしく、何度も触っていて、最後には自分も同じようにくくると言い出し、ずっと髪を色々触っていました。
注意しようかなとも思ったのですが、今はきっと髪をくくることにすごく はまっているときなんだなぁ(女の子だし)と思ったので、させてあげました。
でも、スカイバルーンが始まるとサッと くしを鞄の中に戻し、楽しそうに参加していました。
スカイバルーンって本当に子どもの心を掴んですごいなぁと改めて思いました。ありがとうございました。



「キッズルーム」は、自閉症児の兄弟姉妹にとっても、お兄さんお姉さんが一緒に遊んでくれる楽しい場になっています。一人一人にボランティアさんがつきますので、「キッズに行こうよ!」と兄弟がお母さんにねだったりする家庭もあるそうです(^^)
また、保護者の方が一緒に参加しておられますので、普段なかなかできないお母さん同士の交流や、先輩お母さんへのミニ悩み相談もできているようです。

次回のキッズルームは来年2月13日(日)の予定です。
ぜひぜひ大勢の親子の参加をお待ちしております♪

 

育てる会勉強会について 

11月の育てる会勉強会は、当会の副代表:K.Hさんの子育てについての経験のお話をしていただきました。

小学校を選んだ時のこと、学校での様子、自傷・他害のこと、山登りや出会ってきた先生方のお話などをお子さんの写真を交えながらのお話でした。

その中で、Hさんは ヘレン・ケラーとサリバン先生との関わりの話を挙げながら

「子どもの視点に立つこと・気持ちを理解することはすごく大事なこと。
だけどそれは、子どもの言いなりになることではないと思います。母親や先生の言う事を聞かないといけないということを、子どもが理解して『教えてもらおう』という気持ちを持たないと、身につかないと思うんです。
だって男の子は大きくなってくるし、力も強くなるでしょう?
小さい時にしっかりと関係作りをすることが大事だと思います。
色々な格闘や回り道もありましたが、一番大切な『子どもへの愛情』があるから、伝わっていったんじゃないかな。今では出来ることも増えて、自慢の息子なんですよ」

と笑顔で Hさん流の子育てについての考え方を話してくださいました。

参加者からは様々な質問も出て、日々の悩みや将来への不安について、皆で話し合い、とても有意義な時間となりました。長谷川さん、ありがとうございました。

12月の育てる会勉強会はお休みです。1月に新入会員の集いを行なう予定です。

支援者養成講座 

先月は第7回目として、養護学校教諭の 金島久美子先生が
「個別の指導計画を生かした指導 〜『時計を読む』ことを目指した指導〜」
と題した実践報告をしてくださいました。

自閉症の子どもさんに実際に作られた指導計画・短期目標などに沿いながら、どのような指導を行なっていかれたか、どんな支援グッズを作られたのかということを、お話くださいました。
その中でも「分からないのであれば、どの部分が分からなくて困っているのか」を考え、子どもと一緒に分かる方法を生み出していく過程についてのお話は、本当に見事で、また「子どもが分かった瞬間の表情が、とても嬉しいんです」と生き生きとお話くださる先生から、その時の子どもと先生の関わりの様子が伺えました。

支援グッズもオリジナルで、早速使ってみたいと思えるものばかりでした。

また、先生が作られた「始業式」などを子どもに分かりやすく視覚的に作るプレゼンテーションも見せていただき、「こういう形ならとても分かりやすくていいなぁ」と思いました。(例えば、校長先生のお話を分かりやすい絵でスライドショーで見せたり、海の音楽を聴く時にはイルカが泳ぐ映像を流したり)
6月の坂井聡先生のセミナーを聞いて工夫を思いつかれたそうで、自閉症児にとって苦痛を伴う「ただ黙って座ってよく分からない話を聞く」ことよりも、例え話の内容が分からなくても、「面白い絵や写真を見られて楽しい時間」にしてくださる学校側の対応がありがたいと思いました。岡山でもこんな取り組みが始まっていることも嬉しいことでした。

そして、「校歌カラオケバージョン(!)」のプレゼンテーションも目からウロコでした。スライドに大きく校歌が書かれていて、それが歌われているところの文字がどんどん変わっていくのです。(よくあるカラオケですよね)「歌詞を覚えて思い出しながら歌う」のが難しい子ども達。体育館の壁に掲示してある歌詞では、遠すぎて集中して見えない。それなら、「見ながらでも歌う」+「カラオケの練習にもなる」+「安心」ですよね。

とても分かりやすく、早速取り組んでみたいと思える実践の宝庫でした。金島先生、貴重なお話を ありがとうございました。

(事務局:鳥羽 紗代)

 

 

 面白コラム

「講演会で良い話を聴いてきても、すぐ実践に生かせないから残念です」と言われた方がありました。
自閉症児の担任でない先生や療育スタッフの人だと、せっかくの話も実践に活かせない事が多いといわれるのです。

その時あるお母さんが思わず「あら、お気の毒。私たち親は お話を聴いてきたら、即 家で待っている我が子に試して見れるのよ。うらやましい?」するとその方、「ほんとですよね〜。うらやましいなぁ」とお話をされていました。



育てる会事務局のある「太陽の家」には、自閉症や知的障害を伴った近隣の子どもや保護者がさをり織りをしたり、パン作りをしたり、勉強をしたりと通ってきています。

その中の、今年養護学校の高等部を卒業するKくんのお話です。

Kくんはお母さんが大好き。お父さんも大好き。ある時「どっちが好き?」と聞かれて、とっても困ってしまいました。
そこで例の鳥羽さんが「そういう時はね、Kくん。
『どっちも好き』て答えていいのよ」と教えてあげました。

それ以来、Kくんは『どっちかなんて選べない時どう言えばいいか』を上手に使っています。

「クッキーとおかき、どっちが好き?」「車と電車、どっちが好き?」「テレビとゲーム、どっちが好き?」「お母さんと鳥羽さん、どっちが綺麗?」(笑)・・・

上手に答えることができると、皆も嬉しい気持ちになれるみたいです♪

  事務局だより

12月に入ったというのに、まだ秋のようですね。今年はいつもより冬の到来が遅いようです。寒いのが苦手な私にとってはありがたいことです。

11月〜12月にかけては、本当に忙しい毎日です。セミナー前は特に大変・・・。
手伝いに来てくれる人、募集中です(><)あ、療育グッズ作成ボランティアさんも募集続いてますよ★

さて、面白コラムに登場したKくん(高3)、この4月から一般就労することが決まりました!

自閉症で知的障害もあるKくんが、一般企業で働けるなんて、本当に夢のよう。皆で大歓声です。
そんな中、「Kくん、ところでお給料は・・?」との質問に驚きの答え。なんと私よりも時給がいいんです!びっくりすると同時にちょっぴりへこんだ事務局員でした(^^;)

(鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。

なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

 会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ