sorry,Japanese only
平成17年5月9日
第84号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
新緑の中で 児童デイサービス「赤磐ぐんぐん」が始まりました
自閉症支援者養成セミナー報告
次回セミナーのご案内
ボランティア研修会の報告
17年度 育てる会総会 報告
赤磐ぐんぐんだより VOL☆1
すすむっち report from Lincoln,USA
〜早くも1年〜
川崎医療福祉大学招待行事
毎年恒例 ★ 「ボウリング大会」のお知らせ
木工教室へのお誘い
AAO活動案内
キッズルームのお知らせ
育てる会勉強会
OHAの会案内
茶話会案内
17年度 支援者養成講座 案内
サッカークラブ・水泳教室 よりのお知らせ
私のお薦め本コーナー
「自閉症の息子とともに・・・3 お仕事がんばります」
近隣の講演会のご案内
掲示板・面白コラム・事務局だより
新緑が、まぶしい季節です。我が家の哲平君とお父さんは、二人で連れ立って毛無山へ片栗の花を見に行きました。
お父さんの一番の楽しみは、哲平と二人の山歩き。哲平の楽しみは山頂で食べるおにぎり。
去年の台風で倒れた木々の整備は、もう済んだのでしょうか。北海道でも道路沿いの木々が倒れたままになっているのが目に付きました。あの木は誰が片付けるのでしょうか。とても気になりました。
さて、児童デイサービスセンター赤磐ぐんぐんが始まって、ちょうど一ヶ月が経ちます。何人もの子どもさんが、通ってきてくださっています。
定員に達してはいないのですが、初めは少な目がちょうどいいかなと思っています。スタッフが子どもさんの一人ひとりを解るためには、しばらく時間も必要です。
療育に通ってきてくださった子どもさんが、どこに分かりにくさを持っているか、どこに困り感をもっておられるのか、それを見ながら私たちは、細かく本人に会った支援をしていきたいと思っています。毎日毎日が、子どもに合わせた再構造化の日々です。
赤磐ぐんぐんは、自閉症の特性に沿った療育を行っています。それは視覚的に分かりやすく伝えることや、見通しを持てるスケジュールの提示などです。お子さんに寄り添った、お子さんの特性に合わせた療育を心がけていきます。
その為、毎日開くことができません。実は、土・日曜日の外に月曜日もお休みです。
一人ひとりに合わせた準備や教材つくりの時間が必要なのです。また、PEP検査などのレポートを書く時間も必要です。そういう訳で赤磐ぐんぐんは月曜日もお休み。お母さんたちは、土曜日や日曜日にも開いてほしいと言われます。遠いところから通っておられる方は、なおさらです。学校が終わってからでは、4時30分には間に合いません。本当に申し訳ありませんが、今現在のスタッフの精一杯でがんばっております。ご容赦ください。
通ってこられるお母さんからの嬉しいお話は
「ぐんぐんは、何かうまくいかなくても、すぐ次の時には対応を考えてくださっていてありがたいです」
というものです。お話を聞きながら、こんなお母さんのために、スタッフは頑張っているのよ〜、と言いたくなりました。
事務局も、従来どおりの仕事に加えて、赤磐ぐんぐんの事務が増えたわけですから、ますます忙しく、私も何かできることはないかと、毎日事務局に詰めて手伝っております。一生懸命頑張ってくれている療育スタッフと事務局スタッフで、精一杯頑張っていこうと思っておりますので、応援よろしくお願いします。
さて、いつもの我が家の哲平君の話題をいたしましょう。
育てる会を立ち上げた頃、小学4年生だった哲平は、現在高等部の3年生になりました。
いよいよ来年は、社会人になる予定です。それに先立ち、自主通学の練習をしたいとおもい立ちました。
今までは、JRの駅まで私が送り迎えしていました。高等部の間に自転車で駅までひとりでいけるようになってほしいというのが、高等部入学時からの私の希望でした。何とか自転車でひとり通学ができないものかと考えて、春休みに何度か、練習をしました。一番安全な道をと考えて一番遠いけれど、歩道の広い安全な道路を選びました。道のり7キロほどの道を、お父さんにも協力をしてもらって、付き添いながら何度か通いました。自転車預かり所にも登録して、いよいよ4月から自転車通学の始まりでした。
完全に自立するのは、多分1学期中くらいはかかるだろうと、覚悟を決めて取り組もうと思った・・・それは始業式の日のことでした。行きは、私が自転車で付き添ってJR瀬戸駅まで送りました。
さて、帰りのことです。私が急な用事でどうしても迎えにいけなくなったので、姉に無理を言って迎えを頼みました。1時にJR瀬戸駅に迎えに行ってくれた姉は、いつまで待ってもホームから出てこない哲平の携帯に電話をしてみたそうです。
「もしもし、てっちゃんいまどこですか?」「太陽の家」と答えた哲平は、一人で自転車に乗って、事務局のある太陽の家まで帰っていたのです。私が、時間を間違えて伝えていたため、姉とは行き違いになったのでした。哲平は、たった一日で自転車通学を自立してしまいました。
一学期中くらいはかかるかな〜と、覚悟を決めていた私はあっけない哲平の自立になんだか拍子抜けです。
それからしばらくは、私も気になって、付いていったり、隠れて見守ったりしていましたが、「ひとりで行きます!!」と宣言する哲平は、私を目ざとく見つけると「お母さんかえる!!」といいます。
こっそり隠れてみている私の横を通り過ぎていくときの哲平はとってもしっかりして見えて、なんだか普通の高校生みたいに見えます。ブレザーが良く似合って、ネクタイも決まっています。少し髪も短く切ってかっこよくなった哲平は、高倉健の若いときみたいな風貌です。(言いすぎかな?)
桜並木が満開ではらはら桜が散る土手で哲平の帰りを待ちました。コンビニの駐車場の車の陰で哲平を見守りました。
病院の建物の陰で隠れていて、哲平が行き過ぎても気づかずにいつまでも待ったりしているようなこともありました。
点滅信号は、ちゃんとボタンを押して、自動車が止まるのを待って渡っています。これが解るまで、どれほど長い年月がかかったことでしょう。
「自動車を見るのよ!」といっても彼にはどういうことかがわかりません。私たちは、自動車を見るといえば、こちらへ向かってくる自動車を見て、危なければ止まって待つ、ということが解ります。でも、哲平には自動車を見ることの意味やその危険性が理解できませんでした。「自動車に気をつける」なんて、どうやったら彼に伝えられるでしょうか。本当に、一度軽く当ててもらったら自動車の恐ろしさがわかるのに・・・、なんてとんでもないことを考えた昔もありました。
思い返すと、中学部2年から始めた電車通学の練習は大変でした。途中いろいろな事件もあって、一人で電車通学できるまでの道のりは、結構厳しかったものでした。
ところが、今は目を見張るような成長振りです。私が思っている以上に、力を蓄えた哲平がいます。ビデオショップにもひとりで自転車に乗って行って借りることができるようになりました。本屋さんへは、交通量の多いたくさん交通事故のあった交差点をわたらなければいけません。これからの課題でしょう。図書館や理髪店にも一人で行けたら、哲平の生活地図が広がります。ひとりで何でもできるようになる哲平。そんな日が近いことが、夢ではないように思えてくる私です。自閉症でも、生きていける。障害があっても周りの人たちが、優しければ、少し足りないところを助けていただくことで、きっと自立していける。そんな風に思える私です。自転車で通学ができるようになったという、普通の高校生なら当たり前のそんなことが、これほど大きな喜びになるほど、私たちの喜べることはたくさんあるのです。
先日は、こんなことがありました。お風呂の中で機嫌の良い声となにやら音がします。ドアも閉まっているので朝からお風呂にでも入ったのかな?と思って声をかけました。「なにしてるの?」「お風呂洗いしてる」と哲平の答えにドアを開けてびっくり・・・。窓を閉め切って、お風呂の中でカビキラーをシュッシュとタイルの汚れたところや天井に吹きかけてこすっているのです。びっくり仰天です。確かにお風呂洗いは哲平のお仕事ですが、そこまでやってくれなくてもいいのに・・・と思いつつ、「ありがとう。でも、窓とドアは開けてお仕事しようね。ガスが出て危ないからね。」と教えました。また、一つ私の仕事が減りました。哲平のおかげで、お風呂のカビは、もうありません。すごい!!
もう少ししたら職場実習が始まります。次の号では、そのお話ができるかと思います。
乞うご期待!!
育てる会代表:鳥羽 美千子
自閉症支援者養成セミナー 報告
去る5月8日(日) 岡山県生涯学習センターに於いて
『自閉症児者への適切な関わりとは?〜必要な支援を必要な時に〜』
という演題で、小説「MYフェアリー・ハート」作者で、自閉症者ご本人である 成澤達哉氏と、旭川荘療育センター児童院 笹野 京子先生による講演会が開催されました。
参加した自閉症の子どもを持つご夫婦の方から感想を頂きましたので掲載させていただきます。
5月8日の成澤達哉さんと笹野京子先生による講演会に参加しました。
笹野先生がお話くださいました『自閉症スペクトラムの基礎理解』については、とても優しいお言葉で分かりやすく、色んな具体例を挙げながらお話ししてくださり、とても勉強になりました。同じ自閉症といっても色んなタイプの方がおられて色んな対応の方法があるということを改めて感じました。また、第2部講演(事前にアンケートされた質問を元に笹野先生が成澤さんに質問してくださり、答えてくださるという形のものでした)でも、いろんな配慮のあるお言葉で分かりやすく説明してくださり、一つ一つの細かいことまでとても参考になりました。また、先生の「病気をせず健康でいてくださいね。余裕を持って人と接していくには、健康でないとできませんから」と笑顔でおっしゃった先生のお言葉に心からの優しさを感じました。
そして、高機能自閉症を抱えておられる成澤さんのお話では、高機能の方は、カナータイプの自閉症の方に比べて、自分のことを少しでも言葉にして表現できる分苦労が少ないのでは?と思われがちで、笹野先生がおっしゃられていたように、言葉を多く使える分、何でも分かっていると誤解されていることが多いように思います。
成澤さんのお話を聞かせて戴いて、改めて知能の遅れの有無に関係なく、同じ苦労・困難を抱えて、悩み苦しみながら生活していることに変わりはないのだと感じました。
講演が始まり、淡々と幼児期の頃からのお話をされる成澤さんにすごいなと感じつつ耳を傾けました。
園ではパニックで泣き叫んでいた記憶しかないこと、周囲の声が音としてしか聞こえていなかったこと、鬼ごっこなどの遊びのルールが分からなかったことなど。
お話をされている中で、過去の辛く忘れられない記憶に憤りを抑えられなくなり、声を荒げて大きな声で興奮気味に辛かった頃のお話をされました。
でも、その後ご自分の気持ちを抑えて立ち直られたお姿、後で「すみません」と謝られていたお姿には、成澤さんのすごさを感じ、尊敬の念さえ感じました。ご自分のことをとてもよく理解されている方だと感じました。
また、笹野先生が冒頭の講演で「困ったときはいつでも助けるからね、と言ってくれる仲のいい家族がいることが大切」とおっしゃられていたお言葉をここで思い出しました。子どもの頃はお母さんにも理解してもらえなかった辛い思い出を話された後、「でもお母さんのことは恨んでいません。私にとって家族は一番多くの時間を共有していて自分を一人の人間として見てくれる人です」とおっしゃられたお言葉を聞いて、愛情に溢れた仲のいいご家族なのだなと感じました。私もそういう家族でありたいと切実に思いました。
第一部の講演の最後で、ご自分の言葉で今の思いをお話ししてくださいました。
「本を出せたことで、自分の使命を果たしてしまった、もう自分はこの社会には必要ないのではないか、自分一人居なくなっても世の中は何も変わらないのではないかと思っていました。でも、こうして大勢の方が私の話を聴きに来て下さって、自分にもまだできることがある。この障害の代弁者として皆さんに伝えていく使命があると思い頑張ろうという気持ちになりました」と。
この30数年間、たくさんの大変な思いをされ苦労し悩んで努力してこられたことが伝わってきて涙が出ました。とても切実なお気持ち、貴重なお話が聞けて本当によかったです。心に響きました。お話ししてくださった成澤さんにはとても感謝しています。そして、もっともっとたくさんの方に成澤さんのお話を聴いて頂きたいと思います。 とてもすばらしい講演会でした。
(フェアリーハートを持つ5歳の男の子の母親)
このたびは、笹野京子先生と成澤達哉さんの講演会に夫婦で参加させていただきました。
笹野先生のお話は、とても分かりやすく、(私たちの子どもも笹野先生の外来で診察していただいているのですが)何かいつもの診察室でお話を伺っているかのように優しくお話をしていただけてありがたく思いました。特に、自閉症は基本症状があるものの、人それぞれにその症状やこだわりの種類や程度の強さが異なるということはよく理解ができました。健常者でも、勉強が得意な人やスポーツが得意な人もいれば、芸術に長けているひともいるし、また、日によっては気分が乗らない事もあれば、ばりばりと仕事をこなせる事もあるように、自閉症者でも人によってその症状やこだわりは千差万別であり、体調や気分によっても症状が変わってくるのだなあと感じました。改めて自閉症についての認識を深める事ができ、私たちにとっては大変有意義なご講演だったと思います。
そして、御本人も高機能自閉症である成澤さんのご講演は、大変興味深いものでした。
生まれてから今日まで経験なさった様々な辛い思い出が、どれほど成澤さんの心に深く突き刺さり、そして成澤さんを苦しめてきたのかを聴き、自閉症者の心がいかに清らかで、そして傷付きやすいものかとうい事を改めて実感いたしました。
私達の息子にも投影させて、「あー、あの時はこんな思いをしていたのかもしれないなあ」とか、「あの時の私たちの何気ない言動がもしかしたら彼を傷つけていたのかもしれないなあ」等と思い返していました。
また、成澤さんの中の辛い思い出をお話くださった部分のお話では、私も隣で聴いていた妻も思わず涙があふれていました。成澤さんの心の叫びは、それぐらい心に強く響くものがありました。
今後も妖精界と人間界との橋渡しをなさる、自閉症の伝道師としての成澤さんのご活躍を心からお祈りしたいと思います。
(フェアリーハートを持つ5歳男の子の父親)
<保護者アンケートより>
お母様の「早くに疾患を認知することが大切」という言葉に救いを感じました。早く疾患に気付いたことで、子どもの対応など楽になったこともありますが、親としては辛いと感じることも多々あります。
知らなかったら今の苦悩はないのになぁとも思いますが、本人の生活のしづらさを理解し、支えていきたいと思います。
笹野先生の講演での最後のお言葉がとても優しくて感動しました。また成澤さんが今までの人生でまた今現在も計り知れない苦労や色んな思いをしてこられたのだなぁという思い、気持ちがとても伝わり、心を打たれました。大変な思い・苦労を感じ、息子のことも重なり、涙が出ました。思いを少しでも感じることができて良かったです。質疑応答でもとてもよく分かった気がします。笹野先生の細くの説明もとても良かったです。
成澤さんの嫌な思い出もお話くださってありがとう。聞きながら泣いてしまいました。ご本人の気持ちがとてもよく伝わって「もっと自分の子どものことを理解してやりたい」「何か手伝ってやれることはないか」と強く思いました。
我が子に何をしてやれるのか、どうしてやるのが彼のためになるのか、私には分からないのです。成澤さんのように皆に発言してくださる方はとても得難い存在です。成澤さんが私達の子どもの先頭を行ってくださっていると、とても心強く思っています。
初めて参加しましたが、具体的な内容で大変満足しました。多くの参加者が来られていることに驚きました。一人でも多くの人に自閉症の理解が広まることを期待しています。同時に自分ももっと理解を深めたいと思いました。
辛い・しんどい体験を話された時の迫力!!講演の終わり頃「すみません・・・」みたいに言われていましたが、とても良かったです。どんなに辛く嫌な体験だったか伝わってきました!!学校の先生方とかによく分かっていただけたのでは・・・?最後にアンケートにお答えいただいたあの形式、分かりやすくて良かったです。ありがとうございました。
本人の方の講演は初めてでした。今まで専門家の話など、何度か聞いていますが、一番よく伝わってきた感じがします。息子は自分の気持ちをあのように話はできませんが、息子が訴えているようで、切ない気持ちになりました。もっともっと本人の気持ちを分かってあげないといけないと思いました。
まだ小さくて、自分の考えたこと、内面の気持ちをほとんど言わない息子。将来なんか想像がつきません。
でもあんなに大きく立派に成長するんだ、と思えました。辛い気持ちを教えてくださり、本当にありがとうございました。本で「辛い」とか「大変だ」とか「フィードバック」のことも知っていましたが、親にとって「何気ない言葉」でもどんなにそれが子どもを傷つけるか、よく分かりました。本当に胸が痛くなりました。人間界(非自閉症圏)と妖精界(自閉症圏)の例えは、本当に分かりやすかったです。ありがとうございました。
<教育関係者アンケートより>
自閉症ご本人の講演を伺うのは初めてでした。原稿だけでない、ご本人のほとばしる熱い思いや願いに接し、心を打たれました。本人の著作本は何冊も読みましたが、客観的な受け止め方しかできていなかったと改めて思いました。ご本人の本当の思いを受け止められる教師でなければならないと切実に感じた素晴らしい講演会でした。
ご本人の言われる「使命」を充分達成されたと思います。
ご本人のお話を聞ける機会は本当に少ないと思います。文章や言葉でこれほど伝えることができる方も多くはないと思います。その素晴らしい力を今後もご自分の宝に、そして皆さんの宝にもしていただけたらと思っています。
成澤さんの一生懸命に伝えようとする姿に心を打たれました。
障害を抱えて生きるということは、本人にしか分からない大変で辛いことだと思います。
しかし、成澤さんが障害を抱えて一生懸命生きてらっしゃる姿はこれから同じ障害を抱えた子ども達の希望になるでしょう。お会いできたことを、感謝します。
本を読んだり、人から聞いたりしていたこととは比べようもない思いで生活しておられること。それはずっとずっと続いていくこと。自閉症の方のお気持ちを理解すること(おこがましい言葉だと思いますが)は、本当に難しいことなんだと痛感しました。私って何も分かっていなかったんだなぁということが分かって、良かったです。一から出直しです。
成澤さんが本人の話で、おそらくこのような雰囲気は苦手であろう中で、自分の言葉でゆっくりとではありながら思いを語ってくださったところは、とても胸打たれる思いでした。「自分を必要としている人がいる」と思うことで、自己否定感を取り払おうとする心の動きにも、感動させられました。
今回のセミナーでは、予想を大幅に超える超満員で、大勢の方にお断りを申し上げ、皆様には多大なご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。
昨年度も開催した坂井先生の講演会では「家庭と学校の連携」に焦点を当てたお話をしていただき、「立ち見でも聞きたい!」と言われる方も大勢いらっしゃった大盛況の講演会となりました。今回は、岡山ふれあいセンターの大ホールを予約することができましたので、大勢の方に参加していただけると思います。
今年度の講演会では、「社会参加」「自立」に視点を向けたお話をうかがいます。
自閉症の人たちもいずれは学校を卒業し、地域社会の中へ旅立って行かなければなりません。どうすれば彼らを
より豊かな自立へと導くことができるのでしょうか。家庭や学校・地域では どのような支援が求められているのでしょうか。今回の講演会では、長年養護学校で自閉症児とかかわってこられた坂井先生から、多くの実践とアイディアや工夫を たっぷりお話いただきたいと思っております。
この講演会により、家庭と学校との連携が、自閉症の子ども達の生活を広げていってくれることを期待しています。詳しくは同封のチラシをご覧ください。
●日時 平成17年6月11日(土)10:30〜16:00
●場所 岡山ふれあいセンター 大ホール
●演題 「自閉症の人の社会参加をどう支援しますか?」
〜視点を変えてみることで見えてくる工夫とアイディア〜
午前の部「自閉症の基礎理解」 10:30〜12:00
午後の部「発達期自閉症児の教育」 13:00〜16:00
●講師 坂井 聡 氏 (香川大学教育学部 助教授)
●後 援 岡山県教育委員会・岡山市教育委員会・倉敷市教育委員会・岡山県社会福祉協議会・
岡山市社会福祉協議会・岡山県手をつなぐ育成会・日本自閉症協会岡山県支部など
●参加費 正会員 午前の部 500円、午後の部 500円、両方参加 500円
賛助会員 1500円、 1500円、 2000円
一般 2000円、 2000円、 3000円
学生 500円、 500円、 500円
●申込・問合せ Tel.0869‐55‐6758 FAX.0869‐55‐6748
4月30日(土)、岡大50周年記念館 大会議室にて、「自閉症児のためのボランティア研修会」を開催しました。
新聞などにも取り上げていただいたおかげで、学生さんだけでなく、一般の方や地域の方も多く参加してくださいました。
最初に「自閉症の理解とその支援について〜自閉症のこどもたちにかかわってくださるみなさんへ〜 」という題で、県立岡山東養護学校 教諭の濱田 敏子先生がお話くださいました。
分かりやすく自閉症のことが説明されていて、初めて参加した方は勿論、すでに子ども達のことを知っている人にも理解していただけたのではと思います。
自閉症の概念や自閉症スペクトラムについてのお話では、自閉症の人と私達の違いについて「このラインからが自閉症」というのではなく、緩やかな山のようになっていて私達一人一人はそのどこかに所属しているといえるのだ、というお話は分かりやすいなぁと思いました。自閉症の特性(先の見通しがないと不安になるところや急な変更に弱いところ、初めての場所では不安で携帯をいじるなどのいつもやっている行動をすることで安心する)と言われることを、私もよくやっているので、「私もこの山の中腹ぐらいにはいるよなぁ、と思えました。
※・・・予断ですが自閉症の連続性を「オレンジジュース」に例えられた先生もおられました。果汁100%「ポンジュース」(=自閉症児)もいれば、果汁20%「なっちゃん」(=健常児と言われる人たち)もいる・・・という。ある意味納得の説明でした。
また障害の特性に合わせて、行動障害や精神障害などの話もしてくださり「でもこれが自閉症の特徴ということではなく、不適切な関わりをしてしまうことで、二次的・三次的にこのような症状がついてしまうこともある」ということをお話くださいました。
何よりも大切なことは、障害特性と一人一人の子どもの個性に合わせた支援をしていくことが大切だというお話には、自閉症児に何度か関わってくると陥りがちな「今までの経験があるから」「こうやったら大丈夫なはず」という自分主体の関わりをしてしまいがちな私達の反省になりました。
共感性や理解の気持ちをもち、子どもの長所や良さを見つける大切さ・短い言葉で個別的な指示を出す必要性・信頼関係ができるように工夫すること・そして本人や家族の方にしっかりと教わっていく大切さまでお話いただき、本当に改めて勉強になるお話でした。
濱田先生、ありがとうございました。
続けて「ボランティア体験談」「育てる会活動紹介」といったプログラムで行いました。ボランティア体験談は毎年子ども達と付き合ってくださるボランティアである吉田さんと丸山さんに体験をお話いただきました。
吉田碧子さんは、岡大児童文化部の活動において、後輩達へのフォローなどをしてくださったり、様々なアイディアを出してくださったりしておられるボラさんです。
現在は、岡山大学特殊教育特別専攻科で、将来 自閉症児者など 発達に障害を持つ子ども達への支援者として勉強しておられる方で、自閉症の子どもと関わるようになったきっかけや卒論で色々な本を読んで関わっていく中で、うまく行かないときに悩んだりもしたけど、楽しく活動をしていると言うお話をしてくださいました。
丸山由里さんは、岡大教育学部を2年前に卒業されて、現在は、岡山市内の小学校の先生として、学校現場で働いておられる方で、自閉症児者への学校現場のサポーターとして、子どももお世話になっているボラさんです。
学生時代から、私達の会のボランティアを熱心に続けてくださり、今もお忙しい中、水泳教室のボランティアとして活動をしてくださっておられます。失敗にめげず成功体験が大切だということ、そして子どもだけでなくそのお母さんとの関わりや同じボランティア同士で励ましたりアドバイスしあって、成長していけるというお話は、多くの共感を呼びました。
吉田さん・丸山さん、ありがとうございました。
育てる会ボランティア登録をしてくださっている方へは、毎月の会報と一緒にボラを必要としている活動時にメールをします。もし興味のある方や昨年度も登録してくださった方でも活動してみようと思う方は、ぜひ育てる会事務局へご連絡ください。
育てる会は、ボランティアさんなくしては活動ない会です。どうぞ大勢の方のご協力をお願いしたいと思います。参加された皆様、ありがとうございました!!
赤磐ぐんぐん だより vol★1
平成17年4月1日、ついに「赤磐ぐんぐん」での療育が始まりました。
私達はオープンの前日まで、デイサービスのスーパーバイザーの重松孝治先生からアドバイスをいただきながら、部屋の構造化や教材作りなど様々な準備をしていました。しかし、実際ここを利用するお子さん達が来てくれなければ、一人ひとりにどんな支援が必要なのか、今どんな芽が育ちかけているのかがわかりません。
だから療育開始日がとても待ち遠しかったです。
最初の一週間はお子さんも私達もお互いに初めての顔合わせです。
私達は各自の初日の様子を見て気付いたことをもとに、そのお子さんが次に来る時までに色々なところを改善しました。室内の導線、スケジュールの提示方法、ものの位置、課題の内容、課題のトレイなど、お子さん達一人ひとりの動きや反応の全てが私たちにたくさんのことを教えてくれました。
新たに改善したことがすんなりわかってもらえる場合もありますが、次の週までにさらなる改善の余地がある場合がほとんどです。
また、お子さんの状態が安定して、新しいことに挑戦することも改善です。お子さん達が来る前の3月までにせっせと準備していたもので、結局「こりゃダメだ〜」「使えない〜」「これじゃあ伝わらないんだ〜」とお蔵入りしたものもたくさんあります。この一ヶ月間、お子さん達とのかかわりの中には「おっと、そうきたか」「なるほど〜、そこを見ているのね」「これが邪魔なんだな」という発見が山ほどありました。そのたびにそこを改善して次回の来所を待つ、とてもやりがいのある毎日です。
この一ヶ月間で私が一番驚いたことは、ここに初めて来た日から穏やかに過ごしているお子さんが多いことです。事前に保護者の方から「初めての場所では混乱して必ず泣きます」とか「慣れるまで時間がかかります」とうかがうことがよくありました。しかし、お子さんが実際ここに来てみると、「あれ?あなた泣くんじゃなかったの?」とこちらが拍子抜けするようなことが、一度や二度ではありませんでした。
「赤磐ぐんぐん」では活動や時間の流れ、環境や課題の意味を明確にすることを第一に心がけています。
こうすることで、私たちが色々口で言わなくても、「ここではこれをするんだな」「ここをこうしたらいいんだな」とお子さん達自身が見てわかり、自分で考えて、安心して場にあった適切な行動ができるようです。見てわかりやすく伝えることが自閉症のお子さんたちには必要だと言われていますが、ここに来られるお子さんたちはとてもよく環境を見ています。
スタッフの私たちの動きや伝え方も環境に含まれます。環境の意味がわかりにくければ不適切なことをしてしまいますが、「ここではこうすればいい!」と自分でわかった瞬間に誰に教えられなくても落ち着いて、飄々と適切に課題をこなしたり、楽しんだりできるのです。
お子さん達の反応は本当に正直ですから、私達は「あなたはなんでそんな事をするのかな」というところからこそ、多くを学ぶことができると考えています。お子さん達が来るたびにそれぞれのお子さんにとって見てわかりやすくなっている「赤磐ぐんぐん」でありたいです。
療育が始まって嬉しいことは、お子さん達が「これ分かった!」と行動で示してくれる瞬間に立ち会えることと、お子さんの課題や成長についておうちの方と一緒に考えたり喜んだりできることです。
まだ午後の部が開始して一か月、どたばたする日もお子さんの体調が悪い日もあります。お子さんにとって4月は変化の多い月ですから色んな影響が関係して、行動に現れます。
そんな中でお母さん方と「ああかな?こうかな?」「○○ができた!」などと分かち合い、相談したことを活かして改善してみる、それでも分かりにくかったらまた考えて試してみる、そのくり返しが大切なのだと感じています。必ずそれぞれのお子さんの考え方や理解の仕方にあった支援があります。それを一緒に見つけて、お子さんと家族の皆さんと一緒に喜びあいたいと思っています。
「『今日はぐんぐん行く〜』って喜んでるんですよ」「ここに来るのは嫌じゃないみたい」「他の場所にいるときと比べたら落ち着いてる方なんですよ」と教えてくださるお母さん達がおられます。その言葉がとても嬉しいです。
療育を別室から見られた後、「うちの子、ちゃんと○○できるんですね。さっきやってましたねぇ」と驚かれるお父さん。この子にできること、きっとまだまだありますよぉ〜!と楽しくなります。
「こんな風にしたら分かるかもしれない」「うちではこうやって伝えてます」「学校ではこんなことに取り組んでます」と教えてくださるお母さん。本当にありがたい情報です。
私たちが見つけたい力は「赤磐ぐんぐんでならできる」「家でならできる」「誰がいればできる」というその場限りのものではありません。
「どんなところに行っても、誰とでも、○○さえあれば自分の力でできること」を増やしていきたいと思っています。その「○○」を保護者の方と一緒に見つける場所のひとつがここ「赤磐ぐんぐん」だったらいいな、と療育開始一ヶ月たった今、強く感じています。みんなの芽がぐんぐん伸びていくところが見られるなんて、ありがたいお仕事をさせていただいているなぁ、と感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(利守 愛子)
平成17年4月1日。待ちに待った療育初日がきました。
初めて会うお子さんはどんな子どもたちだろうかとドキドキ、ワクワクした気持ちで待っていました。
「お母さんと離れると必ず泣きます」とプロフィールに書いてあるお子さんがいました。
初日は場面に慣れてもらうだけ・・・慣れてもらうというのも、ただこの「赤磐ぐんぐんを知ってもらう」ということに重点を置きスケジュールなどの設定をしていました。いつもしなれていることをこの場所で行う。そうすることで気持ちのよりどころ、安心できるものを確証してあげたい。そうした気持ちで待っていました。
お子さんがきました。お母さんとしばらくさよならします。「さぁどうなるか・・・泣くかなぁ・・・」すると、お母さんとすんなり離れてそして泣いていません。「あれ?」という気持ちと同時に「よかったよかった」とまずは一安心。「さぁスケジュールを見に行きましょう。これがあなたのスケジュールだよ」とスケジュールの上の名前を見せて一つ目のカードを取りました。まずはプレイエリアで遊ぶ。いつもは家でぬり絵やお絵かきをしているという情報を元にスケッチブックと色鉛筆を用意していました。その子はスケッチブック向かっていました。プレイエリアで一人で10分程すごした後、1対1(先生とお勉強)です。
1対1エリアでは、先生と一緒に机に向かうこととワークシステムに従って行うこと、左から右への流れを知ってもらうこと、終わった課題を終了箱にしまうというこの流れを知ってもらう。この場面ではこのことを目的にしていました。課題は簡単なものを用意してあります。
その子は声かけをしないでほぼ自立して課題を行うことができました。課題も確実に行うことができました。これはただ見ただけで何をしたらいいのかわかる課題だったからだと思います。
先生とお勉強が終わるとまたスケジュールにもどり次の予定に進みます。初日は10分でもこの場にいることができて提示されているスケジュール(3つ)をこなすことができたらOKとしていましたが終わってみると30分もいることができました。
赤磐ぐんぐんでの流れは、来たらまず荷物をロッカーにしまいます。次にスケジュールに向かい1番上のスケジュールを取ります。プレーエリア、余暇エリア(ビデオ、キーボード、音楽を聴く)、1対1エリア、自立エリアとおやつを食べるエリアがあります。それぞれに分かれているので自分のスケジュールを見て示しているエリア(場所)に行きます。
エリアにはすべて仕切りがあり独立しています。ここで何をするのか、できることはひとつしかありません。ここではそれをするだけです。
初日は3人のお子さんにスタッフ2人。しかもみんな初めてあう子どもたち。どうなることかと思っていましたが私たちの想像をはるかに越えて3人のお子さんはスケジュールに従って初日を無事に終えることができました。
何をするのかが明確にされている部屋の構造に自分の予定表・・自閉症の特性を考えたこの部屋とスケジュールにお子さんたちはすっかりはまってしまったようにみえました。私たちスタッフもお子さんたちも穏やかにすごすことができました。
(実際はそんな心穏やかに過ごしていた訳ではなくドキドキは続いていましたが・・・)
今ようやく一ヶ月が過ぎて私たちはここにきてくださるすべてのお子さんから色々なことを学び、発見させてもらっています。
お子さんたちが「これじゃ分からないよう」と言葉にならない言葉を身体で表現してくれることで「これなら分かる?」と問いかけるように新しいスケジュールや課題を設定します。それでもすぐにはぴったりしたものが用意できないかもしれません。でも「待っていてほしい。お子さんから出るサインを見逃さないようにして出来る限りお子さんのわかる提示や過ごしやすい環境を作りますので」という思いでスタッフ2人と事務スタッフと代表とで頑張っています。私たちはここにきてくださるお子さんが暮らしやすくできるお手伝いをしたいと思っています。
毎日をともに過ごす家族の方と幼稚園や学校の先生などお子さんを取り巻くすべての環境の方たちと協力しあい、時には連携しあってなるべくベストの状態を作っていきたいと思います。
赤磐ぐんぐんだけでなく、家でも学校でも社会でも暮らしやすく無理のない生活ができるようになることを願っています。
今私がこのような仕事ができるようになっていることを育てる会の方や応援してくださっているすべての方に感謝して今後も頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
(横内 奈穂)
6月12日(日)に第一回を開催予定です。
年間4回の活動で、毎回元気いっぱいの学生さん達が自閉症の子どもとしっかり関わってくれる「キッズルーム」小さい子どものお母さんお父さん、そして兄弟達の味方です★
日 時 : 平成17年6月12日(日) 12:00〜14:00
場 所 : 岡山大学 清水記念館(体育館です)
対 象 : 育てる会 正会員
参加費 : 本人 1,000円、兄弟児 400円(兄弟はボラをつける場合のみ)
持ち物 : 体育館シューズ・お茶・タオル・子どもの見通しがついたり、落ち着くためのグッズ
申込先 : 育てる会事務局
締切り : 5月31日(火)
【キッズルームってなんだろう?】
キッズルームは、子ども会や学校行事になかなか参加できない自閉症児と保護者のための場所が、あまりなかったことから「ないものはつくろう!」と始まった親子スペースです。
親子で楽しめるようになってきたら、学生ボランティアさんが子どもと一緒に関わってくれます。
内容は4部構成。
受付した後、「トライアル」。
色々な遊具(ビッグボールやトンネル)やパズルなどの教材で楽しく遊びます。
そして「リトミック」。
大きな円になって、歩いたり走ったり踊ったり。一人一人で無理のない範囲で挑戦してみましょう。
そのあと「人形劇」。
岡大児童文化部出演の本格的な出し物です。ストーリーのあるものではなく、音楽に合わせたものなので、無理なく楽しめます。影絵などが入ることも★
最後に、「スカイバルーン」。
大きなカラフルな布を皆で揺らしたりひっぱたり中に入ったりして遊びます。
自閉症の子ども達のための「キッズルーム」は、小さい子どものお母さん達の憩いの場になっています。「他の人の迷惑になるかも・・」なんて気にせずに、子ども達が楽しんでくれるための場なので、一度足を運んでみてください。
17年度・第2回目の「育てる会勉強会」は、「OHAの会」として高機能の方対象の勉強会を開催します。先日(5月8日)のセミナーでお話いただいた成澤達哉さんのお母さんをお招きします。私達の大先輩のお母様です。
以前、自閉症協会の前県支部長:今田恒子さんを囲んでの、つくしんぼの会(知的障害を伴うカナータイプのお母さんの会)がありましたが、今回は高機能の方のお母様である成澤さんのお母さんんを囲む会を行います。
色々なお話を座談会形式で行いましょう。ぜひ皆様ご参加ください。
日 時 : 平成17年5月23日(月)10:00〜14:00
場 所 : 育てる会事務局(太陽の家2階)
対 象 : 育てる会 正会員(夫婦での参加も可)
参加費 : 500円
持ち物 : 筆記用具・お弁当・飲み物
※お弁当希望の方は400円(税込み)で用意します。
お申込みの際お申し出ください。
申込先 : 5月20日(金)までに育てる会事務局へ
茶 話 会 案 内
ちょっと誰かと話してみたい。
育てる会でビデオを見せてほしい。
本を借りたり読んだりしたい。
そんな会員さんが自由に来て、事務局で過ごす場を提供しています。
4月の茶話会では、5名のお母さんの参加があり、学校や園での生活についてや、思春期や性についての悩みなどについてもお話が出て、参加された方からも「又ぜひ来たいです」とお話くださる方もおられました。
どうぞ5月も大勢の方にご参加いただきたいです★
日 時 : 毎月第4月曜日 14:00〜16:00
5月は「OHAの会」に続いて行います。
場 所 : 育てる会事務局(太陽の家2階)
対 象 : 育てる会 正会員
参加費 : 無料(ただし事前申込は必要)
教師・保育士・自閉症児の療育を志す方対象に行います。
自閉症の子どもの担任になったけれどどんな風に関わって行けば良いのか、困っていらっしゃる先生はおられませんか?
この講座はそんな先生のための勉強会です。
◎自閉症の基礎講座
◎先生同士の情報交換とネットワーク作り
◎自閉症の子どものための教材を考える
◎自閉症の子どもへの勉強の進め方
◎講演会や勉強会に参加された先生の報告会
などなどという内容を予定しています。
一年間を通して、療育者・支援者の為の勉強会です。
日 時 : 平成17年6月3日(金)19:00〜21:00
場 所 : 育てる会事務局(太陽の家)
演 題 : 自閉症の基礎理解 〜障害の正しい理解と対応方法を考える〜
講 師 : 濱田 敏子先生(県立岡山東養護学校教諭)
対 象 : 育てる会 賛助会員
参加費 : 年7回講座で、一括10,000円
※途中入会・欠席の場合は、ビデオを貸し出します。
申込先 : 5月25日(水)までに育てる会事務局へ
今回はおなじみTくんのおうちでの様子と「赤磐ぐんぐん」でのエピソードを紹介させていただきます。
ある天気の良い穏やかな休日の朝10時ごろのことです。
休日出勤していた事務局員がTくんのお母さんに用事があり、ご自宅へお電話をかけました。
すると電話には休日だったためか、Tくんが「もしもし」と出ました。
以前にお母さんから「Tはまだ電話の応対は上手にできないのよ〜」と聞いていた事務局員は(大丈夫かなぁ)と思いながら「Tくん、お母さんいますか?」と聞きました。
Tくん「いる」
事務局員「電話代わってください」
Tくん「・・・(困っている様子)」
事務局員「お母さんって呼んでみて」
Tくん「お母さん(小さい声で)」
事務局員「ん〜、じゃあ、お母さんは今何をしていますか?」
Tくん「お母さんいない」
事務局員「え?お出かけしているの?」
Tくん「お母さんお二階。お母さん寝てる!」と自信たっぷりの一言!
事務局員は笑いをかみ殺して「そっかぁ、分かった。じゃあね」と一旦電話を切り、昼過ぎにもう一度お電話をし直しました。
さすがに起きておられたTくんのお母さんはことの次第を聞いて「えー!そんなこと言ったの?格好悪いなぁもう(^^;)」とのことでした。
今後は「今出れません」と答える練習が必要そうですね★
児童デイサービスには、午前の部で小さい子どもさんが使っているカラーボールの入ったテントがあります。
ある日そのテントにこっそり入って遊んでいた高校生のTくん、療育スタッフの利守さんから言われてしまいました。
「あれ?このテントは5歳までの人が入るものなんだよ〜? Tちゃんはいくつだったかな〜??」
まだまだ遊んでいたかったTくんは 「ゴサイ」と答えて、ニヤリ。
その話を聞いたTくんのお母さん、「Tくんは何歳ですか?」
Tくん、照れくさそうに「17歳」
最近相手に合わせてやりとりも出来るようになってきていて、とっても楽しいひと時でした。
4月の終わりぐらいから一気に暖かくなり、日によっては夏のような暑さですね。
でもまだまだ朝晩は肌寒いです。皆様 いかがお過ごしでしょうか?
ボランティア研修会&セミナーが終わって少し気が抜けたせいでしょうか。事務局員はお決まりの風邪をひいてしまいました。喉と関節の痛みで半泣きでしたが、薬&ホッとカーペット布団&冷えピタという民間療法のようなお決まりコースで、何とか回復しました。
会報発送が遅れてしまい申し訳ありません(><)
今月から作業の一部を、作業所「太陽の家」(事務局をお借りしている団体です)が委託で受けてくださっているので、ラベル貼りや印刷がとても助かっています(^^;)
さて、会報79号で紹介した一般就労したKくんのその後を知りたいと、何人もの方からお問い合わせがありました。Kくんは、元気に働いています。先日は初めてのお給料ももらえたそうです。自閉症を持つ彼がどのように働いているのか、皆さんも心配してくださっていることでしょう。それでKくんに原稿を依頼してみました。彼は、言葉で伝えるよりも文を書く方がうまく気持ちを伝えられる人です。
僕は、朝、8時30分に家を出て、バスを乗り継いで、近くのバス亭から、自転車で10分ぐらいの所に通勤しています。9時30分から仕事が始まります。
勤めている所は、赤坂天然ライスと言う所で、たくさんのスーパーマーケットにお弁当を出しています。仕事内容は、番重とかのケースを洗ったりする仕事をしています。機械を動かしたり、止めたり、する仕事もしています。失敗をして、叱られる事もありました。
ケースを持って行く時に間違える事や、積み重ねる時に違う所にのせたりしました。でも、一生懸命仕事をしています。こないだ、給料をもらいました。何を買おうか今、考えています。
先日お母さんと一緒にいるKくんに出会ったのですが、とっても元気そうで、素敵な笑顔でした。大変なことや失敗することもあるでしょう。高機能ではない彼が、一生懸命働いているであろう姿を想像すると、本当に心からのエールを送りたい気持ちになります。
どうか皆さん、暖かく応援してあげてくださいね。
事務局:鳥羽 紗代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。