sorry,Japanese only

平成17年5月31日

 

 第85号 

                   NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

新しい日々に
成澤達哉氏コラム
   〜 旅における興味 〜
すすむっちreport from Lincoln,USA
   〜レスパイト制度の利用スタート〜
木工教室報告
支援者養成講座
育てる会勉強会
AAO活動のお知らせ
サッカークラブ・水泳教室のお知らせ
私のお薦め本コーナー
   「あの扉のむこうへ」
近隣の講演会等のご案内
坂井聡先生 特別連続講座 の ご案内
掲示板・事務局だより

入梅前のさわやかな季節、皆さんいかがおすごしでしょうか?

この季節が、一年中で一番過ごしやすい季節ではないかと思います。
暖かく晴れた日の夕暮れ後、事務局前の小川に蛍が光ります。
6月5日に田植え前の溝掃除があって、蛍たちも下流に流されていきますので、ぜひその前に是非見に来てください。
本当にいい季節ですね。

先日ある情報が欲しくて、インターネットであちこちのホームページを覘いていたときのことです。たまたま訪れた自閉症協会千葉県支部のホームプページに以下のようなアンケート結果がありました。
千葉県支部の会員を対象に行ったアンケート調査の結果です(子どもの年齢は6歳から32歳)。

 「現在困っていること」

● 会話ができず,意思の疎通がうまくいかない。
● 多動であり,危険がある。
● 地域の中で,反社会的な行為が行われる(いたずらなどを含む。)。
● 一人で留守番ができないので,緊急時にも外出できない。
● 趣味がないため,なにもすることがない。
● 固執性が激しく少しの変化にもパニックを起こす。
● 親,兄弟との関係があまりよくない。

 「もしやり直せるとしたら,どんな時期にどのようなことを?」

● その時期はできるだけ早く,幼児期や生まれてすぐの時点からやり直したい(次いで多かったのが小学校)。
● 先回りして何でもやりすぎたのでそういう失敗はしない。
● 理解してくれそうな人だけではなく,親戚や知人などにももっと話しかけたい。
● 学校などの指導方法が未確立であったので混乱して迷ってしまったので,今度は何とかしたい。
● 専門機関でも適切な指導が受けられなかったので,今度は何とかしたい。

 この設問では逆に,「精一杯やってきて,これでよかったと思っている。」という回答も少なくありませんでした。

私たちはまだ、一番大きい子でも高校生の会員ですので大人になった自閉症の人の将来は見えにくいのが現実です。しかし、千葉県支部がこのようなアンケート結果を踏まえて活動されているのですから、確かにその通りなのだと思います。

特に私が気になったところは、現在困っていることの中で

「趣味がないので何もすることがない」 といわれているところと、
「固執性が激しく、少しの変化にもパニックを起こす」 というところでした。

何もすることがなく、自分のこだわりに固執する自閉症の大人の方が目に浮かびます。
私たちは、こういった先輩のお母さんたちから学びたいと思います。どう育てればよかったのでしょうか。私たちは、まだ小さい子どもを持っています。大きくなった子の親御さんが戻りたいというその場にいます。やり直したいといわれるその時におります。
子どもが小さいことは、大きくなった子どもを持つ親にとっては、本当にうらやましいことなのでしょう。
私たちは、今からはじめましょう。急いですぐに始めましょう。後になって後悔しなくてもすむために・・・。

今日が私たちの人生で一番新しい日です。
よいと思えることはすぐに、今すぐに取り掛かればいいのです。過ぎてしまった日々は、取り返せません。今から変わればいいのです。私たちには、毎日新しい日々が与えられます。そのことに感謝して、今日から新しく始めましょう。
ちょうど、坂井先生の連続セミナーが始まります。よい機会が私たちには与えられます。
先生からもきっとよい指針がいただけることでしょう。


さて、話は変わって・・・、
恒例の障害者スポーツ大会がありました。
今年は、去年に引き続き国体用に作られた桃太郎スタジアムでの大会です。

哲平は、1500メートルに出場しました。
係りの人の指示が解りづらかったのでしょうか、「ヨーイ、ドン!」の合図の前に走り出してしまった哲平は、150メートルほどを全力疾走してしまいました。止めようとした係りの人も後ろから追いかけるので、哲平のスピードになかなか追いつけません。止められた後も一生懸命走ってスタートラインに戻る哲平ですから、合計300メートルも余分に走ってしまった計算になります。

そしてすぐに始まる再度の1500メートル。
今回も金メダルはダメかな?と思いました。

改めてのレースで途中まで先頭を走っていた哲平は、駆け引きなんかできませんから、ただただ、いつものように彼なりの一生懸命のマイペースで走ります。
ゴール前に抜かれたときにも淡々と走る哲平に、ゴールの意識はありませんでした。

ゴールとは、説明を聞いてもわかりづらい哲平です。ゴールした後、もう一周を同じペースで走っていく哲平に、係の人もまたまた追いつくことができず止められませんでした。まだまだ走れそうな余力を残しながらも、残念ながらの2秒遅れの2位となりました。去年も2位で銀メダルでした。

それにしても、自閉症の子のためにはじめと終わりをもう少し明確にわかりやすくて提示できないものでしょうか?
優勝した子はゴール前ラストスパートを全力疾走で、ゴールインと同時に倒れこみました。それにひきかえ我が家の哲平、周回遅れのランナーをマイペースで抜きながらゆうゆうともう1周です。

障害者スポーツ大会というからには、障害のある人に寄り添った支援があるはずと思ってしまいます。担任のO先生がおっしゃっていましたが、
「フライングしたときのことも想定して、教えておかにゃーいけんなぁー」
「・・・そんなこと、決まっとるがな〜!」
鋭い突込みを入れたくなる私でした (^_^;)

「本当の実力は、哲平一番。金メダルだよ」
密かにひそかに、母はつぶやくのでした。
「でもその実力を、レースでは充分発揮できにくいのも、また、哲平らしいのかな・・」これはその話を聞いたお父さんのつぶやきでした。

育てる会代表:鳥羽 美千子

 成澤 達哉 氏 コラム 

 〜旅における興味〜

 私はひとり旅をするのが好きな人間である。これまでにいろいろな場所へ行ったが、そのほとんどは私がひとりで出かけた旅である。私は「集団で行く旅」が好きではないのである。
 集団で行く旅と聞いてまず連想するのは、修学旅行である。私はこれが嫌いだった。いやがおうにも騒がしくなる移動車内。それが私には苦痛だった。そのうえ私を狙い撃ちしてイジメるヤツがいて、旅行中そいつにずっと悪口をいわれたりちょっかいを出されたりした。小学校でも中学校でも、である。
 楽しいはずの旅を一部の連中によって台無しにされたことで、私は「集団で行く旅」を拒絶するようになった。それゆえ私の旅はほとんどが「ひとり旅」となったのである。これなら誰にも邪魔されることなく、自分で動いて世界を広げることができる。旅をいいものにするも悪いものにするも、すべては自分次第。ひとり旅は私にとっては理想の旅行像である。
 旅に出ると、さまざまなものを興味の対象として楽しむものである。観光名所、ご当地の食べ物、地元の人たちとのふれあい、など。
私の場合はご当地の食べ物、そして「移動手段」である。行き先まで行くための列車、飛行機、船に乗ることも、私にとっては楽しみである。
先ほど「移動車内で騒がしくなるのが苦痛」と書いたが、それは修学旅行で児童生徒だけの空間となって騒がしくなることを指している。一般の移動手段の中は案外騒がしさがなく、気楽に過ごせるものなのだ。
 そして、私は旅先で写真をとるということを、あまりしない。自分の記憶に焼き付けるだけで十分と思うからである。
 旅では人間よりも食べ物や乗り物に興味を持ち、記憶を焼き付けられる私は、やはり自閉圏の人間なのだなと自分でも思うのである。
成澤 達哉

先日講演いただいた、成澤達哉さんにお願いしてコラムを掲載させていただきました。
今後も定期的に原稿をいただけるそうですので、皆様楽しみにしていてくださいね。
成澤さん、ありがとうございました!
また成澤さんの連載が山陽新聞で掲載されるそうです。ご期待ください。

木工教室 報告

去る5月21日(土)、生涯学習センターにて、木工作家川月清司先生による木工教室を行いました。
参加者10家族11人、講師は川月先生といつもお手伝いいただいている三宅さんです。

今回はイーゼル型のフォトフレームの作成です。
はじめに簡単な先生の説明の後、すぐに作業に取り掛かりました。
キットを組んでいただいているので誰でも作れるのが、この木工教室のありがたいところです。また、工夫された見て解る手順表を作ってくださったり、解りにくいところは、やって見せてくださるので、誰でも作ることができます。

子どもには少し難しいかと思われた糸ノコでの形切りにも、思い切って多くの子どもが挑戦しました。
また、ドリルでの穴あけ作業は、どの子も参加できていました。
子どもたちのために先生が工夫してくれた糊付け作業や、冶具の工夫により、みんなすばやく仕上げることができました。

中には、お父さんの木工教室になってしまっていた親子もあり、お母さんから注意が飛ぶというような場面もありました。
これはお父さんの、「ついつい良い物を作りたい」という思いがそうさせているのでしょうね。よくわかります。でも、どこかに少しずつ彼らの成長の足跡が感じられる作品作りこそが、後々の思い出となって、彼らの人生を彩るのではないでしょうか。

「このときは、ここを作ったね」「このときはここまでできたよね」というように、一年一年成長の足跡を見出せる作品つくりを、と願います。
今回で7年目を迎える川月先生の木工教室での作品の数々は我が家に全て揃っています。
椅子・本棚・机・ベンチ・トイボックス・時計・ランプ・端材で作った貯金箱・そして今回の写真立て、ほとんどの作業は私がしていた頃の息子から、今ほとんどの作業を一人で作れるようになった息子までの、作品の数々は、いつまでも残っていく木工作品だからこその値打ちとなって、我が家のそこ、ここを飾っています。

思えば川月先生とも長いお付き合いです。先生は毎回お忙しい中、ご自身の作品つくりの時間を割いて、お金にもならないこんな仕事を引き受けて下さっています。同じく初回より協力くださっている三宅さんも本当に感謝です。
紙面を借りて、お礼を申したいと思います。本当にありがとうございました。

鳥羽 美千子

育てる会勉強会 

5月8日のあの講演会の興奮冷めやらない5月23日、6人の参加者が成澤達哉さんのお母様を囲んでの座談会を行いました。

事務局の奥まった和室に集まった母親たちにとって、昼食をはさんでの4時間は、あっという間の時間でした。とにかく話が尽きません。自己紹介がなかなか終わらないのです。皆の思いの大きさからでしょうか、お話が尽きません。それだけで予定の時間を大きく過ぎておりました。またの再会を約束して、当日は時間切れとなってしまいました。

成澤さんのお母様のおおらかなお人柄は、まだ小さい子どもの親たちに「これからの子どもの人生、何とかなるかな」というある程度の安心感を感じていただけた時間だったように思います。
講演会で笹野先生がおっしゃっていたように、「家族が愛情でしっかり結ばれていれば、子どもは育っていく」それを感じさせていただけた時間でした。
成澤さんのお母様、ありがとうございました。

さて、今後もこのような座談会を行っていこうと考えております。
成澤さんのお母様以外でもお呼びしたい講師の方や、お母様、先生などありましたら、事務局の方へお知らせください。小さい集まりで気楽にお話していただけますので、お声をかけてください。

さて、次回の勉強会は、お話足りなかった、成澤さんのお母様を、再びお迎えいたします。
「学齢期にどのようなことに気をつけて暮らすべきか?」についてお話をお聞きしたいと考えています。また、皆さんの悩みや相談ごとも一緒に考えて行けたらと思っております。どうぞ、ご参加ください。

日 時 : 6月22日(水) 10:00〜14:00
場 所 : 育てる会事務局(太陽の家2階)
対 象 : 育てる会 正会員
参加費 : 300円
申込先 : 育てる会事務局
締切り : 6月20日(月)
持ち物 : 筆記用具、お弁当(注文される方は一つ400円で用意します。お申込み時にお申し出ください)

  事務局だより

去年の会報で、「事務局の前の川にホタルがいます」と言ったところ、会員の方や賛助会員の方が見に来てくださいました。こんな小さなコーナーも読んでくださっているんだなぁと思うと、とっても嬉しいです。

今年もホタルの季節になりました。去年の台風の影響で崩れた川(田んぼ用の溝といった風です)の補修工事により、土はコンクリートに、草はなくなり、花も少なくなってしまいました。
「今年はホタルは見られないかもしれないなぁ・・」と残念に思っていましたが・・、いました。数は少ないし、ちょっぴり元気もないですが、補修工事の上流にフワフワ光るホタルが見えます。
もし見に来られる方がおられましたら、静かにそっと見守ってあげてください。
来年はもっとたくさんのホタルが生まれますように・・。

ちなみに。私が今までで一番すごいなぁと思った県内のホタルスポットは「旧:北房町」。今は真庭市になっているところです。秋はコスモスがとっても綺麗なところです。見ごろは6月初旬〜下旬。梅雨前にぜひ見に行きたいと思っています。


今回は面白コラムがないので、一つだけ、自閉症の弟とのエピソードを紹介しますね。

先日の日曜日、朝ごはんを食べようと少し寝坊して台所へ行った私は、弟が昨夜の残りのカレーライスをたっっっぷり自分のお皿に取っているのを目撃しました。鍋はからっぽ。
「あぁー!お姉ちゃんもカレー食べようと思ってたのに・・・」
それを聞いた弟はこちらをちらりと見たあと、おもむろに食器棚を開けて小さい小さいお皿を「んっ」と私に渡します。
「これぇ?(小さいなぁ)」と言った私を一瞥すると、今度はもう少し大きいお皿を見せました。そこで「んー、まぁそれなら」と言うと、その中ぐらいのカレー皿にご飯をよそって、自分のお皿にあったたっっっぷりのカレーを分けてくれました。

その時は一連の流れにこらえきれず、とうとう笑ってしまったのですが、考えてみれば別に「ほしい」とか「分けて」と言ったわけではなかったのに、言外に含められた言葉をちゃんと受け止めて、行動ができるようになっている嬉しい弟の成長を見た気がしました。

事務局:鳥羽 紗代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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