sorry,Japanese only

平成17年7月25日

 

 第87号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 夏休みのはじまり
 坂井聡先生 特別講座
 赤磐ぐんぐんだより VOL☆2
 ボウリング大会の報告
 成澤達哉氏 コラム
    〜雨に対する複雑な思い〜
 すすむっち report from Lincoln, USA
    〜何とか夏休みも折り返し〜
 支援者養成講座
 育てる会勉強会
 AAO活動 ・ キッズルーム
 サッカークラブ ・ 水泳教室 の お知らせ
 私のお薦め本コーナー
    「 あなたがあなたであるために 」
 近隣の講演会等のご案内
 掲示板 ・ 事務局だより

梅雨もあけて、さあ〜、夏休みのはじまり、はじまり〜♪
誰ですか?「子どもが毎日家にいるなんて頭が痛いよ〜」なんて言っている人は?
夏休みは、毎日子どもがいるからこそ、じっくりと我が子と関われるチャンスです。
特に我が家の場合、哲平は高校三年ですから、彼にとっては、おそらく生涯最後の長期の夏休みになると思います。養護学校の同級生の中には、デイサービスやショートステイに行かれる方も多いようですが、私は、息子の夏休みをもう少し有意義なものに出来ないか考えています。こんなに長い休みは、彼の人生にはもうないことを考えると、旅行へ行ったり、日頃できない日常生活のスキルをじっくり身につけたりすることに重点を置いた生活を送りたいと思っています。
・・・この夏を私は、手ぐすね引いて待っているのです。
思い出せば、小学5年生の夏休みに、私は初めてしっかり息子に家事を教えました。
正直言って、小学4年までの息子は、多動で家事を教えるどころではありませんでした。
ようやく落ち着き始めた息子と二人三脚で過ごした思い出深い夏休みを今でもよく思い出します。
まずは最初が肝心と、夏休みに入る前からスケジュールを立てて、起床時間から就寝時間までの流れをしっかりと決めました。それに沿ってがんばろうと、自分にも活を入れての夏休みでした。はじめは手取り足取りの食器洗いに始まり、洗濯干し・掃除機かけ・・・一連の朝仕事が終わると、もう昼でした。そんな最初は大変に思えた夏休みも、10日・20日と経つほどに、家事も上手になっていって、40日の夏休みが終わりました。
さて、始業式を迎え息子が学校へ行くようになってハタと気づいたのは、彼が担ってくれていた家事の多さでした。思えば夏休みも終わりの頃、母は家事から解放されてずいぶん楽をさせてもらっていました。その夏から、食器洗いは彼の仕事となっています。冬でも私の手がちっとも手荒れをしなくなった理由です・・・もちろん、それ相当のお小遣い(1回 20円の約束です)は要求されますが・・・。
家事以外でもスケジュールを見ながら生活時間もしっかり整って、40日余りの時間が、とても有意義だったのを今でも思い出します。
さて、「できれば今年も有意義な夏休みを・・・」と担任の先生にも言っていたところ、「職業訓練をしてみませんか」とお話をいただきました。夏休み中でも受けることが出来るとのお話に、参加の申し込みをすることにしました。
期間は2週間、一人で岡山市の平田にある障害者職業センターまで、自転車・JR・バスに乗り継いでの通所になります。
まだ面接があるとのことですから、確実に行けるかどうかは分かりませんが、もし行けることになったら、せっかくのことですから職業センターでの体験報告を次号でしたいと思っています。
先日交通機関を確かめる意味もこめて、父親と瀬戸駅からの順路を辿ってみてもらいました。父親いわく「たぶん、一人で行けるだろう」とのことでした。一番課題になりそうな、JRからバスへの乗り換えの際にも、岡山駅前では「6番のりば」で「13番行き」のバスに乗るという、自閉症には分かりやすい構造化がすでにできているというのがその理由のようでした。
それでも、やはり初めての岡山市街を通っての通勤になります。不安がないといえば嘘になります。「かわいい子には旅をさせ」とはよく言われますが、本当に私たちは哲平に結構厳しい道を辿らせているのかもしれないなぁ〜と、思うことがあります。
でも、今思い切って取り組むことが、新たな経験へとつながると思うのです。
そしてそれにより、彼の成長があるに違いないと私には思えるのです。
彼はもっと経験を重ねていかなければなりません。なぜなら、彼は自閉症らしく、応用が苦手で、学んだこと、体験した通りのことしかなかなか覚えてくれません。
そう言えば、昨日こんなことがありました。
休日の朝、朝ごはんに「シシャモ」を焼いてもらおうと、袋に入ったシシャモを手渡して、「焼いてください」と頼みました。さっと受け取った彼が、焼いてくれたシシャモは、そのままセロハン袋に入って魚グリルで焼かれたようでした。丁寧にお皿に載って食卓に現れたシシャモには、溶けたセロハンが張り付いて、とても食べる気になる代物ではありませんでした。ン〜〜ン、残念!!
ごめんなさい、トレーに乗った鮭はグリルに並べて焼けるので、シシャモも同じと考えた母が悪かった。
そういえば、「セロハン袋に入ったお魚」なんていうのはそれまで見せたことはなかったですね。
これからも、新しい体験は続きます。今年の夏休みもまた新たな経験が増えることを願っています。
(育てる会代表:鳥羽 美千子)

坂井聡先生 特別講座

  第2回 ・・・7月4日の講座の報告

前回の特別講座同様に笑顔いっぱいの会場では宿題に出されていた、各家庭のコミュニケーションサンプルの分析を行いました。どのような場面で自発コミュニケーションが多いのか(食べ物のことが多い!)、誰に対して多いのか(えっ、お母さんばっかりじゃ!)、要求が多いのかそれとも注目が多いのか(拒否がないがぁ!)・・・など。こうやって記録して改めてわかる子どもの実態が今後のコミュニケーションを育てていく上で重要ポイントになることを実感しました。
しかしそれ以上にこのサンプルをグラフ化していただくと歴然と子どもの実情がわかりました。
そこからは次の段階(コミュニケーションターゲット)へ。個々の子どものどこに注目していくのかグラフから考え、1つだけ抽出し実行へ移してみることになりました。
機能(要求・拒否など)に重点を置くなら、場面や相手などは得意なものへ。また、相手に重点を置くなら、機能や相手などは得意なものへという先生のアドバイスを受け個々に考えアドバイスをいただきながらポイントを絞り込みました。一週間で成果が出るとはもちろんいえませんが、確実に親子とも意識付けはできていくのではないでしょうか。
こうやって【やり取り】をする楽しさを子どもたちに気づかせていきたいなあと思いました。
(R.S)

  第3回 ・・・7月11日の講座の報告

いつものようにとても楽しい雰囲気の中で始まりましたが、内容はハッとさせられるものばかりで、とても勉強になりました。
「自閉症だから○○なんだ」ではなく、困っているのは何かを考える癖をつける。
障害という枠を越えてみるとアイディアが見えてくる、ということで、自分自身へのチェック項目をいくつか挙げられました。
我が子は表出言語があまり多くなく、カードなどあった方がいいとは思っているのですが、ついつい言葉を引き出したくて(面倒で、という部分もありますが)、音声に頼っていたり、反対に喋っているのを遮ったりしている自分の姿に、苦笑いが浮かびました。
また、こういった勉強会に参加したり、本を読んだりしている自分に満足して、子どもに合ったことをしていない部分も多くあるなぁと思います。
特に、前回の宿題で考えた文字カードを、家で子どもに試してみると、結構簡単に子どもがそれを使って要求してくる姿に驚いたばかりだったので、余計にそう思いました。
「工夫したところは、必ず変わる・成果が出る」という言葉を信じて、今年の夏休みは親子共々、ちょっと頑張ってみようかなと、思っているところです。
(K.M)


 コミュニケーションのやりとりをする際のチェックポイント
 

★チェックしてみましょう★

□ 相手(子ども)にあわせる努力をしてみましたか?

□ 音声以外のコミュニケーション手段について考えてみましたか?

□ どのような方法が相手に合っているのかを考えてみましたか?

□ 相手(子ども)の言い分を聞いてみる努力をしていますか?

□ 相手に分かるように伝える努力をしていますか?

□ コミュニケーションの機会を意図的に作っていますか?

□ 困った行動の果たしている役割を考えてみましたか?

□ その行動がコミュニケーションのきっかけにならないかと考えてみましたか?

□ 共通の話題を持っていますか?

□ やりとりしたくなるような場面を設定していますか?

□ 選択する場面を設定していますか?

〜坂井先生 勉強会スライドより〜 



赤磐ぐんぐん だより  vol2

赤磐ぐんぐんの近況をご報告いたします。
5月初旬からだんだん暑くなって、赤磐ぐんぐんに来ているお子さんも汗をかくようになっていました。
ぽたぽたと汗をかくお子さんにハンカチで汗を拭く練習ができたり、部屋に入るなり「わ!」と言った子が、「どうしたの?」とたずねられて「ここ、暑いねぇ!」と上手に答えられたりと、その時期にあった療育(?)をしていました。
そうこうしているうち、助成金がいただけることになり、赤磐ぐんぐんでもクーラーが使えるようになりました。
おかげさまで最近では体温調節が苦手なお子さんにとっても、過ごしやすくなっています。

6月6日には赤磐ぐんぐんを利用されている保護者の皆さん対象の勉強会がありました。
赤磐ぐんぐんのアドバイザーをして下さっている大阪府立藤井寺養護学校の重松孝治先生に「自閉症の子どもたちへの支援と赤磐ぐんぐんの活動」、と題してお話いただきました。
TEACCHの氷山モデルをもとにして「自閉症の人の立場に立って考える」ということの大切さを身近な例を交えながらご説明くださいました。表に見えている行動の背後には必ず要因があるから、そこにアプローチしていかなければ他の行動で表れてくるだけ。もし何かよくない行動が表れた時に、その行動だけに注目してやめさせようとするだけでは解決しません。
「どうしてかな」「どこで困っているのかな」と行動の要因や自閉症の特性などから改善していく必要があるのです。赤磐ぐんぐんでもこの視点を大切にしています。
今回お話で、保護者の皆さんと私たちとが大切にしていくことを確認しあえました。
また、自閉症の特性について丁寧に教えていただき、それをふまえて赤磐ぐんぐんの役割や、家庭・学校・療育機関などが連携し、子どもたちの環境を整理していくことの重要性についてもわかりやすくお話くださいました。整理された環境の中で得たスキルをもとに、地域の中でできるだけ自立していくことを目指していこうと思いました。
勉強会の後にはお母さん方が自己紹介をされ、ご自分のお子さんのエピソードや、今気になっておられること、ぐんぐんを利用しての感想などについて、先生と和やかに話す時間が持てました。またこのような会を開きたいと思います。
※TEACCHについては、朝日新聞厚生事業団から出ている「自閉症のひとたちへの援助システム」(500円)、「自閉症の人たちを支援するということ」(800円)が分かりやすいです。

6月13日と7月11日に赤磐ぐんぐん見学会がありました。
赤磐ぐんぐん見学会は6月から毎月第2月曜日11:00〜12:00に行っています。
申し込みいただいた上で、6月13日には5人、7月11日には4人参加されました。
赤磐ぐんぐんの療育室内、スケジュールの例、課題をするときの手順などについて見ていただき、ご質問をお受けしました。皆さん熱心に見ておられ、この見学会が、それぞれの方の地域や活動の場で少しでもヒントになれば、ご理解いただけたところが誰かの役に立てば、と嬉しくなりました。
(ぐんぐんをご利用のお子さんのプライバシーに関する情報は一切見学者の方の目に付かないようにしておりますので、ご安心ください)

6月16日からボランティアの松浦さんが登場! しました。
木曜日の16:30からと金曜日の14:30からの時間帯にボランティアの松浦友輝さんが来てくださることになりました。
川崎医療福祉大学臨床心理学科4年生です。
「スタッフの方が動きやすいよう、お手伝いをさせていただきます、精一杯がんばりますのでよろしくお願いいたします」と言ってくださり、本当にそのとおりになっています。とっても穏やかでよく気のつく方です。スタッフとしてはありがたくてたまりません。
松浦さんの優しい雰囲気を見て、遊んでほしがるお子さんもおられます。
松浦さんはスタッフのお手伝い、のつもりでも、お子さんたちが放っておかないかもしれませんね。

今の時期、すごく暑い日やじめじめした日があったり、学校でプールが始まって元気を使い果たしてしまったりして、体調を崩されているお子さんも多いようです。梅雨が明けてみんなの体のリズムが早く整ったら、と願っています。
これからもみんなぐんぐん伸びていって欲しいです。そのためにおうちの方と一緒に個別支援計画を立てていきたいと思っています。
お一人ずつお時間をいただくことになりますが、その際はよろしくお願いいたします。
(赤磐ぐんぐん 療育スタッフ)

ボウリング大会の報告

6月19日(日)、川崎医療福祉大学ASC部主催の招待行事:ボウリング大会に行ってきました。
数日前に担当ボランティアさんからTELがあったり、ボランティアさんのプロフィール表を送っていただいたりしました。
また、ボウリング場にはスケジュール表を貼ったり、始める前には「ボウリングはこうするんだよ」と分かりやすく絵とジェスチャーで教えてくれました。本当に準備が大変だろうなと感心しました。そのおかげで皆がボウリングを楽しめたんだと思います。
わが子は、何度か育てる会のボウリング会に参加したこともあるのですが、昔はボウリングに(ピンを倒すことに)まったく興味がなく、ボールを転がさずに置いていて、ボールが途中で止まり、いつも係の人を呼んでいました。
でも、今年は転がすことには興味が出てきて、一度も係の人を呼ばずに済みました。
少しずつボウリングを楽しめるようになったのは、毎年このボウリング大会に参加していたからだと思います。
来年もよろしく・・・と言いたいところですが、8月に千葉に引っ越すことになりました。
育てる会の活動は、このボウリング大会が最後。残念!!
ASC部の皆さんには、ボウリング大会だけでなく、クリスマス会・キッズルームなどで大変お世話になりました。
今後とも育てる会のサポート、よろしくお願いします。
岡山に来て5年、育てる会に入って、たくさんの人たちと出会えて、本当に良かったと思います。最後に娘の成長を見ることができ、すごく楽しかったです。
ありがとうございました。
(A.F)

  そのほかにも何人かの方から 感想が寄せられました。

【保護者】

初めてボウリングを体験して大喜びでした。今日の経験で楽しさを知ったようなので、次は家族でボウリングに出かけて楽しもうと思います。
ボウリングは次に何をやるのかが、わかりやすいスポーツですから、自閉症にピッタリだと思います。子どもにあわせた視覚支援の方法を、親の方も提示していきたいと思いました。

【ボランティアさん】

初めてのボウリング大会でわからないこと、子どもに自分を受け入れてもらえるかなど色々不安がありましたが、仲良くなることができてとても嬉しかったです。
私にとって忘れられない 良い経験になりました。
今回も色々と頑張って準備をしましたが、至らない点もあったと思います。会の準備もそうですが、自閉症について、接し方などいろいろ勉強しなければいけないなと思いました。でも、子どもと楽しく接することができ、いい時間が過ごせました。
今回は本当にありがとうございました。楽しい時間が過ごすことができました。去年よりは今年を、今年よりは来年をと、年々よいものにしていけたらなと思います。

 成澤 達哉 氏 コラム 

 〜雨に対する複雑な思い〜

梅雨の季節は、誰しもが「うっとおしい」「不快だ」と感じることであろう。この私もそうである。
そして私の場合は、そうした不快な気分の感じ方が、特に顕著である。
私は昔から、雨が降る日は苦手である。理由は以下のとおり。
まず、雨の日に外を歩くと、決まって服や靴がぬれる。それだけならまだよいのだが、その「ぬれ」が肌に伝わってくるのが、たまらなくイヤなのである。
中でも靴の中に水が入ってくること。防水性でない靴を履いているときに雨が降ってしまうと、確実に水がしみこんでくる。靴にしみこんだ水は、そこにとどまってしまって水がたまったような感触が伝わる。こうなると、すぐにでも靴を脱いでしまいたい思いにかられていく。
もうひとつ、気圧の関係なのか、雨が降ると決まって体調がすぐれなくなる。私は気圧の変化には敏感で、晴れの日と雨の日とでは、精神的にも肉体的にも身体の状態が大きく違うのである。雨が降っただけで調子は崩れてしまい、士気も下がってしまう。
そういうわけで、私は雨の日が苦手なのである。
しかし、風呂に入るのは何も気にならない。プールの中に入ることも、どうということはない。だが、ここでよくよく考えてみたら、雨が降るからこそ、風呂もプールもあるのだ。
さらに考えてみると、雨が降らなければ、それはそれで数々の困ったことが起こってしまう。水飢饉になってしまってはたまらない。
ここまで書いて、ずいぶんと勝手な人間だな、と自分で思った。雨で体がぬれるのがイヤなくせに、風呂やプールは大丈夫と書く。それらは雨のおかげで存在できるというのに、雨の日は苦手と書く。
ならば、雨がときどき降るのも自然の摂理だと自分に言い聞かせるしかない、と思うことにしよう。
成澤 達哉
『仮想公共機関 発達障害案内所』
http://ww6.enjoy.ne.jp/~washu-maru/
『自閉症本人日記の環』
http://ww6.enjoy.ne.jp/~washu-maru/ring_autisticdiary.html

支援者養成講座

教師・保育士・自閉症児の療育を志す方対象に行っています。
7月1日に開催された支援者養成講座の報告が参加された方から寄せられていますので紹介させていただきます。


私は岡山市内の中学校に勤務しています。今年から個別指導学級の副担任になりました。
今回の講座には、自閉症の生徒が安心して学校生活を送るポイントを知るために参加しました。会場には施設や作業所のかた、教員、保護者など多くの人が参加しました。
内容は、前半に先生の講演があり、後半に「たんぽぽ学級」の見学というものです。TEACCHの技法を知るだけでなく、実際の教育現場を見ることができたのがよかったです。たんぽぽ学級は旧第2図書室ということで通常の教室より広く、本棚や扇風機など、条件に恵まれた教室という印象を受けました。この学級で学ぶのが一人の児童ということからも教室を広く感じたのかもしれません。
学級に足を踏み入れた第一印象は「あれ?」。本棚には青色の布がかけられ、まるで小さい家のようにいくつもの部屋にパテーションや本棚で区切られた、不思議な空間。窓には全てカーテンがかけられ外が見えなくなっている。先生に質問してみると、できるだけ余計な刺激をなくすためだとか。説明されてやっと分かるこの鈍感さ。一つ一つの工夫に先生の試行錯誤があり、努力があることが伝わってきました。
今、私の勤務校ではスケジュールの作成や学級の物理的構造化、学習内容の検討をしています。その中でも、やはり試行錯誤の連続です。今回のセミナーや保護者の方からのアドバイスなど、多くのエキスは私の力不足を補ってくれます。全ての子どもが安心できる学校つくりのために、足で学ぶことは書物で学ぶこと以上に大切だと感じることができました。
(K.H)

育てる会勉強会

7月6日(水)、先輩のお母さん国本弘子さんをお迎えして、勉強会を行いました。
当日の参加者は6人。兄弟児の育て方を学ぼうとみんな真剣な表情で集まりました。

国本さんは、三人の男の子のお母さん。
ご長男は、カナダの大学の助教授としてこの夏赴任されたばかり、ご次男は、近くにご結婚されてお住まいとのことです。
ということで、今は自閉症の三男の息子さんとの二人暮らしをされています。

三人のお子さん、皆さん親孝行で、国本さんも嬉しそうでした。これほど子どものことを幸せそうに話される国本さんに、私たちは後輩として羨望を感じました。一日一日を大切に生きてこられたからこそ、今の安定した生活があるのだろうと羨ましい限りです。
今回は、兄弟の育て方のお話が中心になりましたが、三男の自閉症ご本人についても、また是非お話を伺いたいと思いました。

それでは心に残ったお話をいくつか紹介しましょう。


昔、国本さんは小学校で息子さんの障害のことを、話されたそうです。
2年の時には、クラスのみんなに、『みんなの心には、優しさの種があるんよ。一人ひとり水をやって育ててね』と話なされたそうです。そして6年になった時、その時のクラスメートだった男の子が、国本さんを見つけ走りよってきて言いました。
「おばちゃん、あん時の 僕の優しさの種、少し大きくなったよ」
嬉しくて泣けたといわれた国本さんに、私たち参加者もその男の子の健気さ・優しさにジーンときました。

  子どものコミュニケーションを引き出す子育てに心を配ることが大切です。

・ 子どもが語りかけてきたら、すぐに何をしていても手を止めて、話を聞いてやること。
・ 自分が親からしてもらって嬉しかったことや周りの人がしてくれて、ありがたかったことを自分の子どもにもする。
・ 自分の心がオロオロしている時でも、母はドーンとしていること。
・ テストなんかで悪い点取ってきても怒らない。終わったことを怒らない。明日またがんばったらいい。
・ 褒めて育てた子は、褒めなあかん子になる。
叱って育てた子は、叱らなあかん子になる。

国本さんには、お土産にケーキをいただいたり、お惣菜をいただいたりしました。とても美味しかった事をこの場を借りて、お礼と共に申し上げます。
こんな講師の方は、初めてで、とても暖かい一日でした。

AAO活動

毎日暑いですね。この夏休みいかがお過ごしでしょうか?
子どもと二人(または三人)で煮え付かないように何か目標を立ててみませんか?
包丁を握ったことのない人にいきなり一品料理をさせるようなことは無理ですが、もっと身近な叶えられそうな目標を立てて過ごしてみましょう。
例えば始めはゆでて柔らかくした野菜を切らせるとか、サラダのレタスをちぎるとか。できそうなところから始めてみませんか。一ヶ月間もあれば一つの目標はきっとかなうと思います。
我が家のこの夏の目標は「公共交通機関を使って海に行こう」
母やボランテイアさんと一緒にバスに乗ることから初めてすでに2年。
今年はボラさんと一緒に海に行きた〜い!
まずは、母と一緒に渋川海水浴場に行って様子を確かめて、危険なところがないかどうか調べます。我が子はやる気満々。だけど指示に従ってもらわなくては危険です。事前に紙に書いて約束します。そこはそれ、自閉症児ですから、紙に書けばきちんと約束が守れます。
トイレの場所、着替えは一人でできるか、シャワーは大丈夫か、海の家でいくらぐらい食べるか。気になることはいっぱいです。
・・・というわけで、続きが気になる人はまた来月会報でご紹介しますのでお楽しみに。
さて、今月のAAOは以前にお知らせしたようにお休みです。
9月も運動会とかの学校行事を優先する都合でお休みします。
ではまた9月の会報でお目にかかりましょう。
(AAO担当:H.T)

キッズルーム

6月12日(日)岡大体育館にて、第1回キッズルームが開催されました!
参加された家族は少なかったのですが(夏バテ?)、とっても楽しい時間が過ごせました。

特に今回は、学生さんの中でも一年生や今まで裏方で頑張ってくださっていた方が子どもと関わるなど、初体験な出来事がいっぱいのキッズになりました。
参加してくれた学生さんからの感想が寄せられたので、紹介させていただきます★


今回は初めてのキッズルームで、子どもにどう接したらいいのかわからずに初めはあわてていました。でも、子どもと関わっていくうちにどんどん楽しくなっていて、リトミックはあまり興味を示していなかったけど、ずっと一緒に走っていました。戸惑うこともたくさんあったけど、子どもと一緒の時間を共有できたことが嬉しかったです。これからもたくさん参加していろいろな経験をしていきたいと思います。
(パピコ)

キッズルームに参加するまで、自閉症児とあまり関わることがありませんでした。
キッズルームに来た自閉症児は、以前に私が知っていた子ども達とは全然違っていて驚きました。自閉症児にもいろんな子どもがいるんだなぁと思いました。
私がついたHくんはすごくおとなしくて、あまり話をしてくれなかったけど、楽しそうにしてくれていたので嬉しかったです。お別れのときは淋しかったけど、Hくんが笑顔だったので、本当に楽しんでくれたんだなぁと思いました。
キッズルームは初めてなことだらけで、戸惑うことも多かったけど、とても充実していて楽しかったです。
(ひばりちゃん)

今回担当になった子どもさんには、初めてつきました。
ビッグボールがお気に入りで、ゆらゆらしていると、とても気持ちよさそうでした。他にも、いろいろな遊具や教材で楽しそうに遊んでくれて嬉しかったです。
でも、暑いところが苦手だったようで、夢中で遊んで汗をかき始めると、泣いてしまっていたので、夏は、暑さ対策にも気を配らないといけないと思いました。
扇風機をたくさん回す等、少しでも、そんな子どもさんたちが心地よく遊べる環境づくりができるといいと思います。
また、トライアルが終わってからは、その子どもさんの顔がくもりだして、あまり楽しんでもらえていないのかなと不安でした。そんな状況の中、私は舞台の裏へ入ったのですが、人形劇が終わって、舞台から出て行くと、楽しそうにスカイバルーンの中に入っている様子が見れて安心しました。あとから聞くと、人形劇が始まる前までは顔がくもっていたけれど、人形が舞台に出たとたん、真剣な顔になってずっと人形劇を見てくれていたということでした。それを聞いて、私達のやっている人形劇を楽しんでもらえたのかなぁと思い、とっても嬉しかったです。
キッズルームに参加してくれる子どもさんたちが、少しでも多く“楽しい”と思える体験ができるように、これからもキッズルームがどんどんより良いものになっていくといいなと思います。
(ココア)

今回、約1年ぶりに子どもつきになりました。
今まで、チューターとしてキッズルームの運営そのものに関わってきた中で、自閉症児の症状や対処の仕方に関する知識だけでは、少しずつ増えていきました。でも、1年ぶりの子どもつき…正直不安でした。
自閉症児には、共通して言えるような症状もあるけど、一人ひとりによって特徴も接し方も全然違ったもので…そのことを知っていることに加えて、実際に子どもたちと触れ合う機会が少なかったことも作用して、今回のキッズルームはかなりドキドキでした。
当日になって、変更があり、プロフィール帳も当日に見せてもらいましたが、「実際に接してみないと分からないい!!」と覚悟を決めて、子どもを迎えました。
私のついた子どもは、はじめ紗代さんの手をずっとつかんだままで、私たちの方に来てくれませんでした。人見知りをしているのかなと思っていましたが、紗代さんが「久しぶりだから、色々見ているんだよ」といってくださって、「そうなのかな…?」と思いながら、しばらく一緒に歩いていました。しばらくすると、その子は紗代さんの手を離して歩き始めました。「あ、キッズの雰囲気になれてくれたのかな?」と思い、そんな小さな事が嬉しかったです。
それからは私の手も握ってくれて、「嫌なことは嫌」というのを示してくれました。りんりんゴールのボールを蹴ることが気に入ったようで、足の目にボールをおくと蹴ってくれました。初めはボールを蹴ることが好きなのかなとも思いましたが、どうやら、ボールそのものが好きなようでした。少しずつ時間を一緒に過ごしていく中で、少しずつ彼のことが分かっていくのが嬉しかったです。
今回のキッズルームで「正しい知識をたくさん持つことは大切。でも直接 接することはもっと大切」と本当に感じました。
私は(もちろん専門的ではありませんが)自閉症に関する知識を少しは持っているつもりです。
でも、責任者としてキッズに来ていた分、個人と接することは少なかった。
子どもたちと関わっていくことは、個人によって違っているけど、絶対大切だと思いました。
私のついた子は、最後は帰りたくないという気持ちを示してくれました。
帰るときに手を握ってくれました。それだけで、凄く嬉しかったです。彼らと関わっていくことは、ドキドキだし、そう言う意味で「怖い」ところもあります。
でも、初めはそう思っていても、いつも「今日一緒にいられてよかった。」と最後に思えるんです。今回も例外ではありません。これからも元チューター+1人の子どもつきとして、キッズルームに積極的に関わっていきたいです。
(キッキ)

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
毎回ステキなエピソード満載のキッズルームです。

第二回は9月18日(日)の予定です。
たくさんの親子&きょうだい&ボランティアの方々の参加をお待ちしています!
要望や質問は、育てる会事務局までお気軽にどうぞ。

  掲 示 板

○ おもちゃ王国について

玉野市の「おもちゃ王国」から、案内が来ました。(正会員にはチラシ同封)
通常、大人(中学生以上)700円・子ども(3歳以上)500円のところ、障害者割引で半額になるそうです。また付き添いの大人一人も半額で入場可能だそうです。
レゴやトミカ・ハローキティ・ピコなどのおもちゃ、トーマス列車などの乗り物もたくさんあり、小さい子でも楽しめるようです。まさに「おもちゃ」王国。
また9月4日までは、カブトムシ・クワガタ展(400円別途必要)、夏休み中はキャラクターショーも行われてるそうです。
詳しくは、TEL 0869-71-4488、 http://www.omochaoukoku.co.jp 

○ 育てる会 賛助会員 募集 のお知らせ

私達は、自閉症という困難な障害を抱えた子ども達が、地域の中で自分なりに自立して幸せな人生を送ってほしいと願っています。そのために必要な子どもの自立へのサポートを、そして地域へ対して 自閉症に対する理解を深めてもらえるよう啓発活動を続けています。
「賛助会員」とは、その名の通り、育てる会を応援してくださる会員の方々です。
入会の制限はありません。どなたでも入会していただけます。
子ども達を応援してくださる方、自閉症に興味のある方、どうぞよろしくお願いします。
年会費  3,000円(年度途中からの入会の場合はその月から1年間)
特 典  毎月会報を郵送。セミナー・講演会の参加費を割引

 事務局だより
暑い日が続いています。皆様いかがお過ごしでしょうか?
先月の会報で「カラ梅雨ですね」と原稿を書いた後、びっくりするほどの豪雨が続きました。
田んぼが青々、カエルがゲロゲロで、農家の皆さんも安心です。
雨が降ると気分が憂鬱になる・・・と思ったのですが、意外とすっきり気持ちのいい雨でした。そういえば先日テレビで「雨音は川のせせらぎと同じように、リラックス効果がある」と言っていました。そう考えると、雨の日もまた違って良いものだなぁと思えますね。
夏の研修旅行まであと一ヶ月あまり。参加家族も決定し、スタッフの下見も31日に行なう予定です。今回だけの活動、育てる会だけの活動ではなく、ご家庭や学校・地域でも役立ててもらうための練習になればいいなと思っています。そのためのヒント探しを皆で行えたらと思います。どうぞお楽しみに。あ、その代わり子どもに分かりやすく伝えるための工夫も各ご家庭で考えてみてくださいね★(宿題・・・かな?)
宿題と言えば、先日の坂井先生の特別講座で、夏休みに宿題が出ました。
それは何かというと・・・ズバリ、「コミュニケーションの練習」!!
例えば、「マクドナルド襲撃計画」を立ててみるのはどうですか?とお話されました。
子どもが好きなマクドナルドで、自分で注文して食べて帰る(もちろん保護者同伴で)を、ひと夏練習してみましょう、ということです。
お父さんが子どもを座らせておいて、お母さんが大忙しで注文して、急いで食べて帰る・・・もしくはドライブスルーで持ち帰り。なんてパターン、多いですよね。でも、いつになったら子どもが自分で注文して自分で食べて片付けて帰ってこれるようになるのでしょう?
自閉症の特性として、「経験しないことは身につかない」、でも「きちんと定着したものは、忘れない」ことから、正しい手順・やり方を、小さいうちから練習しておくのは、将来のためにも大事なことなのではないでしょうか。
もちろんそのためには準備も色々必要です。
お店に行ったらどういうことを聞かれるかな?うちの子の場合は、全部書いてある言葉を読んだ方が安定するかな?好きな物を注文して選ぶところをさせたいな。
「ちょっと一人じゃ不安・・・」と言う方、夏に限らず仲間に呼びかけて皆で行ってみてもいいかもしれません。
子ども達も「好きな物」を買うためには、きっと頑張ってくれますよ。ぜひこの夏、宿題に取り組んでみてください。
(事務局:鳥羽 紗代)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
会の行事の予定は育てる会の「
今月の予定」に、近隣の講演会等の案内は「近隣の講演会等の案内板」に、また特にみなさんにお伝えしたい記事などは「育てる会ライブラリー」に載せるようにしています。
容量は小さくなりましたが、ご覧いただければ幸いです。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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