sorry,Japanese only

平成15年11月30日

               

 第67号 

                   NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

教育フェスティバル小規模作業所「ひまわり」見学会

第4回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー ご案内
      「明石 洋子氏・徹之氏 セミナー」

      明石さんの本紹介 「自立への子育て 自閉症の息子と共に 2」

第5回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー ご案内
      「丸岡 玲子氏 セミナー」

11月度 支援者養成講座 報告

『 すすむっち report from Lincoln 』

AAO活動のお知らせ

キッズルームのお知らせ

サッカークラブ・水泳教室・女の子の会 の お知らせ

勉強会のお知らせ

OHAの会
つくしんぼの会
ゆりかご講座
将来を考える会
アルメリアの会

私のお薦め本 「ぼくとクマと自閉症の仲間たち」

近隣の講演会等のご案内

掲示板

事務局だより

秋も深まり、季節は冬へと移っています。皆様いかがお過ごしですか?

先日、『教育フェスティバルin鴨方』に参加してきました。
『教育フェスティバル』とは、教職員・保護者・県民が一体となって、子ども達の未来の事を共に考えていこうという催しです。
今年は鴨方町であったのですが、地図を片手に「本当にたどり着けるのだろうか」とドキドキしながらのドライブでした。

無事到着すると、ステージから井上あずみさんの歌声が・・・。生で『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』の曲を聞くことができて、ラッキーでした。
そして、司会者は何と「NHKきびきびワイド505」の森田恵子さんではありませんか!!
空き時間に各ブースを回ってこられ、こんなに近くでお会いできるなんて・・・自閉症のことをしっかり説明させていただきました。

育てる会のブースでは、本の紹介・販売を行ないました。全体としての人出は少ないものの、自閉症の子どもさんを持たれた方や教育関係者の方・おじいちゃん・おばあちゃんなど、足を止めて本やしおりを見てくださったり購入してくださったりしました。
自閉症児と関わり、もっと彼らを理解したいと思われる方が多いことを、嬉しく思いました。

また、以前に育てる会でボランティアをしておられた横内奈穂さんのお母様が近くにお住まいだということで、差し入れをしてくださいました。(手作りパンですよ!ありがとうございました)
「就職してからは、なかなかお手伝いできなくて、娘も残念がっております」というお話をお聞きし、学生時代に熱心に関わってくださった方が、今も育てる会のことを想ってくださっている・・・本当にありがたいことです。他にもそういう方がいらっしゃるんだろうなと思うと、心温まる思いがしました。

M.K 

第4回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー ご案内

演 題: 「自立への子育て」
      〜ありのままに 当たり前に 地域に生き、
         そしてひょうきんな公務員になった〜
講 師 : 明石 洋子氏・明石 徹之氏
日 時 : 平成15年12月7日(日) 10:30〜16:00(昼休憩 含む)
場 所 : 岡山ふれあいセンター 大ホール

明石洋子さんの講演会が近づいてきました。
この秋から冬にかけ、月平均6回というハードスケジュールで講演会をされ、日本全国で 大人気の明石さんです。そのお忙しい中、来岡され私たちの質問にもたくさんお答えいただける予定です。
また、徹之さんも岡山がお好きで、楽しみにしてくださっているという嬉しいお話も伺っています。


講演会に先がけ、明石さんより「薬剤師の会報に初めて自閉症の子育てが載りました」と、千葉県病薬会報(薬剤師の会報)第142号(2003年9月)を育てる会に送ってくださいました。

『ノーマライゼーションの定着は「心のバリアフリー」から』より、一部紹介させていただきます。

明石さんは、自分が亡くなった後も、障害をもつ徹之さんが、施設に収容されることなく「地域の中で」充実した暮らしができることを願い「地域ケアを支えるシステム作り」に、力を注がれました。
お仕事以外に、ボランティア活動を28年間も続けてこられています。
本当に必要で欲しいものが地域にないのなら、自ら「汗を流そう。お金も出そう。」と、地域作業所、グループホーム、地域生活支援センターを設立し運営されています。


私が私らしく、徹之が徹之らしく生きるためには「ありのままの徹之」を受け入れ、専門家のアドバイスを受けながら「地域の中で」育てたいと願いました。
障害があっても、家族の一員として、支えあって、喜びも悲しみも共有し家族各々が、ありのままを認め合い、その人らしい人生を送れればと「それが一番の幸せ」と思いました。

どこかへ預けて特訓して完治する障害ではない以上、地域の中で「生きる場」をひろげ、「自立する力」をつけ、それでも不足する分は「支援」していただくこと以外、我が子のしあわせな人生はないと思いました。
人の心の中の差別や偏見、哀れみや同情を、理解や共感に代えるための(「心のバリアフリー」です)「「人を耕し、地域を耕す」しか方法はありません。「治療より自立」を子育て方針にして、地域の方々とふれあう中で「誤解や偏見や差別」も徐々に解消され、代わりに「理解と共感と支援」をいただきました。
差別意識の解消には、子供時代からの共存と相互理解が大切です。

苦しい時は、発想の転換をしました。「パニック」は私が、彼の気持ちをわからないだけ、彼に強い意志がある証拠、「思い」を育てるチャンスです。「こだわり」は、むしろ智恵がフル回転している証拠、「無意味な行動を、意味ある行動に」と考え、お手伝い等「自立のスキル」の獲得に取り組みました。「超多動」は、好奇心旺盛な証拠、「いたずら」も隣人との関係つくりと、すべて彼の行動を「プラス思考」し、試行錯誤しながらも、地域の人に説明し、仲間や支援者を見つけて行きました。一生懸命生きていくと智恵と工夫が出、支援者も集まってくるものです。QOL(人生や生活の質)は、障害が重いか軽いかで決まるものでなく、周りに理解し支援する人の存在にかかっています。


障害児のいる家では、我が子の子育てのみに力を注ぎがちですが、明石さんは、将来を考えながら、地域に対しても、たくさんの働きかけをしてこられました。明石さんの深い愛情と力強さを感じずにはいられません。現在、明石さん御一家が、幸せな笑顔の中で暮らされていらっしゃる姿は、私たちの目標であり、何よりも大きな励ましになります。
講演会でも、前向きで、元気になれるお話をたくさんしてくださいます。

参加申し込みの締め切りはすぎましたが、大ホールでまだ席に余裕がありますので、事務局までお問い合わせください。
一人でも多くの方にご参加いただきたいと思います。そして、岡山にも障害を持っていながらもあたりまえに地域に生き、元気で明るく働く人たちが増えていくことを願っています。

(セミナー担当:M・F)

第5回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー ご案内

演 題: 午前 「自閉症ノブとの楽しい暮らし作り
                    〜丸岡家の場合〜」
      午後 「サポートブックを作ろう!
             〜本人・サポーター・親・みーんなラクのために〜」
講 師 : 丸岡 玲子氏
         現在22歳になる自閉症の青年ノブくんのお母さん
         自閉症児・者のための「サポートブック」発案者
         綾歌町心身障害児・者親の会「ひまわりの会」会長 他兼務
日 時 : 平成16年1月11日(日) 10:30〜16:00(昼休憩 含む)
場 所 : 岡山ふれあいセンター 小ホール・リハーサル室

HP「自閉症ノブの世界」や「光とともに」の第2巻のあとがきで おなじみの丸岡玲子さんをお招きして、1月11日に講演会を開催します。
丸岡さんは、重度の知的障害を伴う自閉症のノブくんとともに、この22年間を歩んでこられ、家庭での構造化、学校や職場との連携、そして毎日の経験をもとに、「サポートブック」を発案されました。

今回は、午前中に丸岡家での取り組みのお話を、そして午後に「サポートブック」のお話を伺う予定です。
「サポートブック」とは、ノブくんの行動を親以外の人に分かりやすく説明するために4年前に丸岡さんが発案したものです。
本人の住所や血液型などが載っているのは勿論、コミュニケーションの取り方・QHW(時計が読めない自閉症児でも1時間が分かる優れもの)の使い方・パニックの対処法・癖・食事・余暇の過ごし方・日常生活などをこと細やかに、絵やカードも交えながら、一冊の手帳にまとめられています。
私達のような素人でも作れるよう、「サポートブックの作り方」をしっかりとお話してくださいます。

今回の講演会では、ノブくんの使っておられる様々なコミュニケーション援助のための機器展示も「五大エンボディ」さんのご協力により、同時開催することが決定しました。皆様ぜひご参加ください!

 (事務局:鳥羽 紗代)

11月度 支援者養成講座 報告

11月5日(水)岡山ふれあいセンターにて、トモニ療育センターの河島淳子先生による支援者養成講座が開催されました。

今月は、講座生の方が身近な人や一緒に学びたいと思われる方をご招待するという形で、いつもの講座とはまた雰囲気の異なる勉強会となりました。平日の昼間ということで、学校の先生やボランティアの方には参加していただくことが難しかったのですが、残りわずかな先生との学びの時間を、しっかり満喫しました。 (正会員の方は、事務局にビデオがありますので そちらもどうぞ)

先生のお話は、障害の有無に関わらず、どの子どもにも求めていくべきお話が多いです。
一人一人の子どもを、「人間」として認め、その中で将来生きていきやすいように関わり方を教えてくださいます。今回は、その方針を資料に基づきながら教えていただきました。


 河島先生 

「大きい子どもでも、決して手遅れではありませんが、小さい子どもの時に取り組んだ方が希望を大きく持てます。親や教師が関わったように、育てたように、子どもは育ちます」

「どんな人になってほしいかを考えた時、『一緒にいて楽しい』『一緒にいたい』と思われる子どもに育てたいと考えました。そのためには具体的な目標・内面的目標が必要となるのです」

「子ども達は、一度分かったことはどんどん詳しくなっていきます。『あ、そうか!』と気づくようになるためには、何度も丁寧に同じやり方で取り組むことが大切。そして自閉症の子ども達は記憶力が良いので、手を使って覚えたようなことは、なかなか忘れないんです」

また、パニックを起こしてしまう子どもについて、何故パニックになるのか、そしてその時どのように対応したら良いのかを教えていただきました。

 河島先生 

「パニックは、訳の分からない状況や不安の気持ちを整理できず、恐怖におびえることから大混乱となることが多いです。それは、生半可な認知が原因となっています。

例えば、昔 熱いナベを手で触って火傷をした子どもがいたとします。そうすると子どもの中で『ナベ=熱い=火傷=痛い・嫌だ』という図式が出来上がってしまい、普通に食器と並んで置いてある熱くもなんともないナベにも『ぎゃーっ』となってしまう訳です。言葉で説明しても分かりませんし、説得できない時、どうしたら良いと思いますか?

(1) パニックの原因となるものを避ける方法(隠す、離す)
(2) 原因を克服させる方法

(1)の方法では、子ども自身は成長しませんから、ナベが見えるといつも大パニックです。
(2)の方法だと、ナベは嫌でも我慢して忍耐強くなる事を続けているうちに、本人が克服していくのです。どちらが生きていきやすいと思いますか?」

「譲らない姿勢が大切です。正しいやり方で最後までやらせる。スパルタではなく、できるやり方をこちらが考えて、時には全介助で行なうんです。手を添えてやることで、それが模倣力へと結びつくのです。最初は嫌がっても、その子の将来にとって、絶対必要なことについては、譲ってはいけません。嫌な事でもやらないといけないことは、きちんとする。それが社会性への第一歩です」

午後は、以前に講座生が出したアンケートや質問用紙の中から、先生がアドバイスをしてくださいました。どの質問にも、「そういう方法や考え方もあるのか」と目からウロコが落ちるようなアドバイスや発想の転換を教えていただき、とても参考になりました。
参加された方一人一人が大きくうなずき、真剣にメモを取っている姿に、帰宅されてからの子ども達への取り組みに光がさしてくるように思いました。

それぞれの家庭で、親が 一生懸命 本気になって我が子に取り組むことで、子どもは変わっていくのだということ。親がやらずにいては、誰もすることができないということ。時間はかかっても、色々な事を親子で取り組む事で、必ず良い方向へと向かっていくことができるということ。

大切なことを、たくさん教えていただきました。
いよいよ、来月で河島先生の支援者養成講座も最後となります。
講座生以外の方も、ビデオで勉強していただくことができますので、どうぞ事務局までお問い合わせください。きっと目の前の霧が晴れてくれることと思います。

(事務局:鳥羽 紗代) 


AAO活動

急に寒くなってきましたが、師走に入っていかがお過ごしでしょうか。
何かと気ぜわしい毎日ですが、子ども達にとってはクリスマス、お正月と楽しい時間が待っています。
この雰囲気に流されないように療育に取り組みたいものですね。

12月のAAOは先月お知らせしたように、お休みです。

11月には皆の予定が合わなかったのでちょっと寂しい話し合いになってしまいましたが、兄弟の問題についてや、現状などについて話し合うことができました。
日本の文化では、愛情なんかについてことさら言葉に出さない事が多いのですが、うまくいっていないと考える場合には、特別に言葉に表した方がよいのではないかと思います。今からでも間に合うのです。いつでも愛情にあふれた言葉を子ども達は望んでいます。言おうと思った時が良い時期なのです。みなさんも心の中の愛情を言葉にしてみてください。きっと何かが始まりますよ。

今学期のAAOは、ちょうど良い季節に恵まれたからか、なかなかバラエティーにあふれていたようです。サイクリング、大学祭、後楽園探索。
室内の活動では、カラオケ、映画、ショッピング。残念だったのはお母さん達があまり集まれなかったことです。集合場所が違うと仕方ないのでしょうが、時にはお話しすることで何か新しい活動のヒントがえられるかもしれませんよ。ぜひ1月には覗いてみてください。

交通費の精算は3学期にまとめてさせていただきます。
ボランティアさんのサインをお忘れなく。

1月の活動日は25日(日)です。次の会報にて詳しくお知らせします。

(AAO担当:H.T)

勉強会のお知らせ

私たちの会は、自閉症の子どもを持つ親の会です。
でも、同じ『自閉症』といっても、本当に色々なタイプの子どもがいます。
知的障害を伴った言葉のない子どももいれば、高機能でお喋りや勉強はぐんぐんできるのに、お友達とのコミュニケーション作りがとっても難しい子ども、そして就労前の青年となった子どもから、告知を受けたばかりの小さい子どもまで多種多様です。
そこで、私たちの会では、それぞれのタイプ別に勉強会を開いています。
同じような子どもを持つ親同士、悩みや思いをしっかり相談しあってみてください。

OHAの会  (アスペルガータイプや高機能的な自閉症児の親対象)

つくしんぼの会 (カナータイプ、知的障害も伴っている古典的自閉症児の親対象)

ゆりかご講座 (告知を受けてすぐの方や、悩んでおられる方のためのまずは自閉症を理解しようという勉強会です)

将来を考える会 (将来子ども達をどういう大人にしたいか。将来への不安や夢を皆で語り合い、解決方法を探る勉強会です)

アルメリアの会 (トモニ療育センター・河島先生の指導方法等を中心に、子ども達への療育方法を参加者で学びあう形の実践的な勉強会)


ゆりかご講座 

11月のゆりかごは、10月に引き続きとてもいい時間が持てたように思います。

1、 用品購入の思い出、入学式までにやったこと
2、 子どもの内面を育てるU
3、 悩みを話そう

という内容で話をしました。

就学前のお子さんがいるお母さんだけではなく、数年先に就学が控えているまだ小さなお子さんのお母さんにとっても先輩お母さんの話は、通ってきた道ですので参考になったのではないでしょうか。分からないことは何でも聞いていただけたらと思います。
「子どもの行動にふりまわされて家の中がぐちゃぐちゃで疲れ果てて、もうどうしていいかわからない…」私にもそんな経験ありました。

何が一番大切か落ち着いて考えれば、だんだん苦しい思いから解放されてきます。
大事な事…それはまず、お母さんが元気になる事なんですよ。
「1」子どもの能力を伸ばすことも大切ですし、「2」家事だってやらなくてはいけないことですが、それをやっていくのはお母さんなのです。
「1」「2」も忘れてお母さんが元気になる事をしましょう。

愚痴を話してスッキリする場所(ゆりかごですよ〜)に行く事もいいでしょうし、子どもが保育園などに行っている間に趣味の講座に通うのもいいでしょう。
私はエアロビとか手話とか通いました。五行歌という詩(厳密にはウタなのですが)もやっています。
:ゆりかご講座担当のK.Hさんは今年度の岡山県文学選奨のうち現代詩部門に入選されました。おめでとうございます(^.^)/~
おかげさまで元気ハツラツです。

ゆりかごに来てくださる先輩お母さんから出るのは回答ではありません。「問題行動はいつまでも続かない」けれどそのためには「こんなことをしてきた」という経験談です。それを聞いていただけばきっと元気になって帰っていただけるのではないでしょうか。とはいえ小さな子どもを育てることだけでも大変なことです。ゆりかごは、リラックスできる場所も目指しています。

そこで、今回はわいわい言いながらケーキを焼いてお茶しませんかという企画です。
先輩お母さんに気軽になんでも聞きながら楽しみましょう。
また、作り方を覚えて子どもさんとお家で作ってみてください。きっと良い関わりができるのではないでしょうか。

日 時 : 平成15年12月5日(金) 10:00〜12:00
場 所 : 東山公民館 料理講座室
参加費 : 800円(参加費300円・材料費500円)
申込先 : 育てる会事務局
定 員 : 15名
締切り : 定員になり次第
内 容 : 簡単チーズケーキ
持ち物 : エプロン、三角巾、ふきん、ケーキを持ち帰る容器、泡だて器(ある方)、20cm程度のケーキ型

今後のゆりかごの予定

    平成16年1月9日(金) 東山公民館 講座室 内容は未定
           2月6日(金)         和室     〃

(ゆりかご講座担当:K.H)


将来を考える会 

あっという間に一年の最後の月になってしまいました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

子ども達は 一日一日と大きくなってきますね。
「子ども達の将来を考えていこう」と豆づくりを始め、今 畑ではちょうど収穫のシーズンを迎えています。すくすく のびのびと成長する子ども達とどこか似ているようです。
収穫のお手伝いに来てくださる方、袋詰めのお手伝いをしてくださる方を募集しています。
詳しくは育てる会事務局までご連絡ください。

さて、先月は夏合宿で講師としてお世話になった田中涼子先生の関わっておられる「ひまわり作業所」の見学をさせていただきました。
見学された方に感想をお願いしましたので紹介させていただきます。


先日、初めて『ひまわり作業所』を見学してきました。
作業所がどのような状態なのか、全く分からないままで参加したのですが、まず見知らぬ見学者(私達)が入っていっても、誰一人として手を止めることなく作業を続けられていたことに驚きました。

作業自体はリサイクルが主だそうで、洗浄・乾燥されたビニールを1枚1枚伸ばして畳んだり、プラスチックダンボールの汚れを落としたりする一見単純なものでしたが、我が子に置き換えてみて、この作業が出来るようになる為には、実に色々な要素が必要になってきます。

ビニールのしわを、手のひら全体で伸ばすことも、最初はなかなか難しいことだそうです。これをするためには、日頃手のひらをしっかりこすり合わせて手を洗う行為ができていなければならないらしく、いざ作業を始めてみると、そのことですら きちんとできていない人が多かったと言われていました。

しわを伸ばしたビニールを端と端をきちんと合わせて畳む。それを大きさごとに分ける。破れた部分は線に沿って四角になるように切り揃える。
「単に半分に折れるとか、ハサミが使えるというだけでは仕事として成り立たない」
「お金をもらう以上、プロとして100%の成果を求められる」
・・・と思っていた以上に厳しいものでした。

洗浄用に洗剤を使うため、ビニール手袋をして作業をされていましたが、それすらも、ずっととなると難しいことです。
また、作業中はほとんど立ち通しで、かなりの数をこなさなければならず、それだけの体力と忍耐力も必要になってくると思いました。

指導員の方が、「子どものペースではなく、あくまで親のペースで毎日色々な手伝いをさせることが良い」と言われていました。

これくらいできるからまあいいか、と甘く考えていたことを反省して、一つ一つを正確に、でも焦らずに、できることから少しずつやらせていこうと思いました。

(K・M)


私達も ぜひ子ども達が安心してしっかり働ける作業所を作りたいですね。
でも、作業所をたちあげる準備はどのような事をすればよいのか、頭の中ではまだ漠然としています。

そこで『みどり授産センター』の檜尾先生に「作業所や授産施設について、お話していただけませんか?」とお願いしたところ、快く引き受けてくださりお話してくださる事になりました。

「小規模作業所・授産施設の立ち上げについて、運営側・行政の視点から」

日 時 : 平成16年1月20日(火) 午前中
場 所 : 未定
締切り : 12月19日(土)
申込先 : 育てる会事務局

詳細は 来月号でお知らせいたします。皆さん楽しみにしておいてくださいね。

(将来を考える会担当:K.O)


アルメリアの会

「トモニ療育センターの教材の使い方を、説明しよう」
そういう主旨で募集をかけて、11月のアルメリアの会は12名の参加者が集りました。

トモニ療育センターから寄贈いただいた手作り教材に加え、事務局の菅田君が頑張って作ってくれた教材を皆に見てもらい、実際の使い方の説明をしたいと思い勉強会を行ないました。

10時から始まった勉強会は、説明の途中で質問や感想や果ては悩み事まで飛び出して、教材説明はそっちのけのような勉強会とあいなりました。
結局今回も昼食も摂らずに延々14時頃まで話が弾んでしまいました。
担当者の進行がヘタクソで申し訳ありませんでした。
結局全ての教材の説明は出来ませんでした。

質問の多くが、現在困っておられるところへのお尋ねでした。
「〜についてどうすればいいでしょうか?」
私は専門家でもありませんし、そのお子さんをよく知りません。そういう訳でいいかげんな答えをすることも出来ません。
そこでの私の答えはこうです。
「それはね、子どもの事を一番知っている母親のあなたが考える事なのです。」
この答えを無責任と思いますか?

実はこれが、トモニ療育センターの河島先生の基本的な考え方だと私は思っているのです。
我が子の一番の専門家になり、「私の子は私が育ててみせる!!」そう決心しなければ、今の日本では、子どもは育てられないと思えるのです。
それが本当の厳しい現実です。

悲しんでいる暇は、私たちにはありません。本気で自閉症児のことを学んで、我が子の専門家にならねばなりません。
お医者様や学校の先生、療育機関の先生方は、アドバイスはしてくださるでしょう。でも、いずれはその方達とも別れがあるのです。
担任の先生がいくら良い方だとしても、来年は違う先生に変わってしまうかもしれません。
療育機関も同じです。大きくなれば、療育は後の子どもに譲ってあげなければなりません。何故なら自閉症児はどんどん生まれてくるのです。小さい子ども達でいっぱいなのです。

考えてみても、あなたの子どもを育ててくれる人は、無いのです。あなた以外に無いのです。
「誰かなんとかして!!」
そう叫んでみても誰もなんともしてくれない。それが今の日本の現状です。

ここらで本腰いれて、本気な子育てしませんか?

では、どのようにすればいいでしょう。どっちを向いて歩いていけばいいかわからないから、私たちは迷っているのですよね。
皆さんは、トモニ療育センターの「自閉症児とともに」という冊子をお持ちだと思います。
一度、ジックリ読んで見てください。河島先生の渾身の子育てへの想いが、精神が詰まっています。
解りにくいところは、河島先生のセミナーや太陽の家での講座のビデオを何度も借りて見直してください。

行き詰まったとき、先生の言葉が身に沁みます。色々なヒントが詰まっています。
「誰か何とかして!!」とアチコチしている間に子どもはどんどん大きくなっていくばかりです。
「この子を育てるのは私しかいない!!」
そうなんです。このかけがえ無い我が子のことを、来年も再来年も一生見つめ続けて行けるのは私しかいないのです。
そしてあなたのお子さんの母は、あなただけなのです。
本気な母親たちの勉強会を行ないたいと思います。

次回アルメリアの会は、12月は多忙の為お休みとして、1月開催となります。
出来るだけ多くの方達の希望に合わせたいと思いますので、参加希望の方は、1月の希望日を事務局までお届け下さい。曜日は毎月火曜日です。

  次回予告

日 時   : 平成16年1月
場 所   : 「太陽の家」 育てる会事務局
申込締切 : 12月20日(土)
申込み先 : 育てる会事務局

〈午前〉 困っている事、悩み事も皆で共感共有することで、解決の道を捜せるかもしれません。
     ぶっちゃけた話を熱心にしたいと思います。その中から、一人一人の方向を見出していきましょう。

〈午後〉 教材説明を行ないます。今の我が子の状態に合わせて考え合いましょう。
      皆で考えあえば、良いヒントが出てくるように思います。

(アルメリア担当:鳥羽 美千子)

 

掲 示 板

● 1月丸岡セミナー 申し込み開始!!

会報の中でも紹介しましたが、来年1月11日(日)に岡山ふれあいセンターにて、香川県の丸岡玲子さんをお招きして、『第5回支援者養成セミナー』を開催いたします。
申込み要項などは、同封のチラシをご覧ください。
また、今回は『五大エンボディ』の方のご好意により、支援機器展示も充実したものをご用意しております。ぜひ大勢の方のご来場をお待ちしております。

●年末年始の開局について

年末年始の育てる会事務局は、12月27日(土)〜1月4日(日)まで閉局いたします。
お急ぎの方は、できるだけそれまでにご連絡をいただくか、メール・FAX・お電話でご連絡ください。開局次第、対応いたします。

●11月22・23日の山陽町文化祭について

おかげ様で無事文化祭を終えることができました。
物品のご寄付をくださった皆様、ありがとうございました。

●12月川福招待行事について

12月14日(日)に川崎医療福祉大学ASC部主催で、『クリスマス会』が開催されます。今回も、例年同様にステキなクリスマス会を企画してくださっています。工作あり、楽しい歌の時間や踊りの時間、そして美しいハンドベルの音色・・・。子ども達にもきっと楽しんでもらえると思います。詳しくは、同封のチラシをご覧ください。(正会員のみ)

●『光とともに』第5巻発売について

12月4日(木)、待望の第5巻が発売となります。
「どの子もみんな違うはずだから、一人一人を大切にしたい・・・!」
明石洋子さんの講演会の際、販売を行ないますので、ぜひお買い求めください。
また、事務局でも注文を承りますので、どうぞご連絡ください。

●『for Mrs(フォア ミセス)』に育てる会の活動紹介

『光とともに』を連載中の雑誌『for Mrs.』の12月号に、当会のAAOの記事が掲載されましたので、お知らせいたします。 
( 「自閉症児のために」 文:鳥羽美千子 カット:K.H)

 

事務局だより

朝夕が寒くなり、もうすぐそこまで冬がやってきているような気がします。

事務局でもついにファンヒーターを引っ張り出しました。夏の暑さは何とか文明の利器(クーラー)に頼らずに乗り切っていたのですが、寒いのはどうしても我慢できないようです。
これでコタツがあれば文句なしですが、それでは仕事そっちのけで「猫」になってしまいそうですね。


11月は事務局も大忙しの毎日でした。明石セミナーの準備もですが、『ひまわり作業所』の見学や『教育フェスティバル』への参加、そして『助成金報告会』への発表者としての出席(この原稿を書いている段階ではまだですが、皆様のお手元に着く頃には終わっています)とめまぐるしい忙しさに追われていました。

そんな中、11月22日(土)に再び、あの大好きな映画『able』を観に行ってきました。

今回は12月の明石さんの講演チラシを会場前にて配らせていただいていたのですが、「せっかくの機会だし・・・」と会場へと足を踏み入れました。

入ってびっくり。すごい人です!!!400人を収容できる会場で、後ろに臨時のパイプ椅子をずらっと並べてぎっちり人が入っています。何とか一つ空きを見つけて座りました。
会場にはお年寄り、サラリーマン風な男性、家族総出でやってきた一家、小さい子どもをおんぶしたお母さん、そして大勢の子ども達・・・。一体どこからこんなに人が集まってきたのだろう?というぐらい色々な方が座っていました。

映画は勿論、今回も素晴らしくて、またまた泣かされてしまいました。
育てる会のボランティアさんや私の個人的なお友達(偶然会場で出会ったのです)と、「良い映画だよねー!!」と共感し「もっと大勢に見てほしいよねー!!」と話し合いました。

特に良かったのは、スペシャルオリンピックス日本の理事長:細川佳代子氏の講演会でした。

最初から最後まで涙がこぼれて止まらない、素晴らしい講演会で、障害を持つ子ども達への理解と優しさ、そして深い愛情に感動しました。
細かいお話の内容をここに書くことはできませんが、私が特に心に残った一節をご紹介します。少し違っている部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。


「どんなに人類の医学・医療が進歩しても、人口の2〜3%、必ずどこかに障害を持つ子どもが生まれてきます。何故だと思いますか?
それは、私達に人の素晴らしさを教えてくれるために、天から使わされた特別の存在だからです。彼らは妬みや恨み、嫉妬や邪心を持ちません。優しくて誠実で素直で努力家で、純真な心の持ち主です。彼らを『不幸な存在だ』『同情すべきだ』と言えますか?そう思うことは、私達の勝手な思い込みであり、傲慢なのです。
私達のうち一体どれくらいの人が邪心を持たずにいることができるでしょうか?」


細川氏自身、それをあるスペシャルオリンピックスのアスリート(競技者)のコーチの方に聞き、そのコーチはある牧師さんからその事を教えていただいたそうです。


彼らにはできることはたくさんあります。『できない』のではなく、私達が彼らにさせてあげていないのです。チャンスを与え、理解してあげて、そして困っていることに対して、ほんのちょっとだけサポートしてあげれば、彼らはもっともっとたくさんの『able(エイブル)』を発揮でくるでしょう」


人は皆平等であり、幸せになるために生まれてきました。私達の会の子ども達もまた、幸せになり、楽しい人生を送るために生きています。そのために私達にできること・・・それは、彼らの可能性を見つけ、少しでも伸ばしていくことではないでしょうか。

12月の講演会をお願いしている明石洋子さんは、ご子息の徹之さんの水へのこだわりに可能性を見出し、そして素晴らしい社会人にまで育ててこられました。

皆さんの子ども達一人一人の中にも、必ず『able』(無限の可能性)はあります。
まずは、親御さんから『できない』を『できるかも』に変えてみてほしいと思います。
子ども達の可能性をもっともっと信じたいと願う一日となりました。

(鳥羽 紗代)


冬が近づき、冬の星座が早く空に現われるようになりました。寒さは苦手ですが、冬の星座は明るく目立つ星が多く豪華なので私は好きです。

先日、岡山市内で講演会のチラシを置いてもらえそうなところを、自転車でウロウロと探して回りました。平日でなかったため、開いていないところも多かったのですが、図書館や公民館など、人がよく出入りしそうなところに頼んで置かせてもらいました。様々なところから後援を頂いているおかげで、どこもすんなりと受け取っていただけました。

誰でも自由にチラシを取れるコーナーというのは結構目にするものですが、実際どんなところにあって、どのようなチラシが置いてあるかを意識することは、これまでほとんどありませんでした。見てみると多種多様なチラシがあります。上質の紙にカラーできれいに印刷されているものから、手書きのものまで様々です。現在、育てる会のチラシは予算の都合で白色の紙に一色刷りですが、将来的には見栄えのするチラシも作れるようになればと思います。

私は運転免許はあるのですが自動車を持っておらず、移動はほとんど自転車です。しかしそれはあくまで休日の話で、仕事で遠くまで行く場合は公共機関を利用するか、他の方に頼んで車に乗せていってもらっています。車を持たないメリットというのもあるのですが、機動力が低い、多くの荷物を運べないというデメリットも最近強く感じています。大抵、事務局で郵便局や銀行へ行ったり、荷物を運んだりするのは車を持っている鳥羽さんの仕事で、事務局外での活動時などでは自分は物を運ぶどころか運ばれる側になってしまいます。まさに自分はこんなところでも「お荷物」なのだなぁと申し訳なく思います。しかし、また免許をとって以来8年間ほとんど車に乗る機会がなく(こんな人間にゴールドカードを与えていいのでしょうか)、車を買う余裕もなく、どんくさい人間が果たして車に乗ることがいいことになるのだろうか、かえって迷惑をかけはしまいかという思いもあります。現在思案中です。

税務というまた素人にはややこしい問題がせまって参りました。税務の講習会や年末調整についての説明会に出たのですが、これがなかなか厳しい内容でした。今のうちにしっかり勉強しておかなければと思います。

(菅田 尚樹)

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