建築家の設計とは?
建築家に依頼するメリット
大切な家族が暮らすための「住まい」として、建築家と共につくるオリジナル住宅をすすめる理由はいろいろです。家づくりという一大プロジェクトにおいて、建築家は建て主側の代理人として、工務店や数々の機器メーカーなどを相手に、プロの知識と知恵と経験をベースに、対等に交渉をしてくれます。あるいは土地をこれから探す場合には、不動産業者の勧める敷地に対するアドバイスもしてもらえます。
建築家がいなければ、自分たち家族だけでこれから始まる家づくりに立ち向かわなければなりません。たとえば、ハウスメーカーや建売業者が、「見えない部分はできるだけ安い材料でコストを抑えよう」と考えたとしたら?すすめられたプランは本当に自分たちに良いのか?この工法は自分の家にふさわしいのか?この材料は家族の健康に支障ないのか?提示された工事費は妥当なのか?ともすればこんな不安を感じるときがあります。
建築家という建て主さんの代理人がいれば、工務店に建て主の代わりに確認してくれたり、メーカーにサンプルやデータを持ってきてもらって証明してもらうなど、プロの立場での妥当な発言力を発揮して、アドバイスしてくれます。
建築家がいなくて、素人である建て主だけだったら、業者の「できません」「普通はやりません」以上の答えが引き出せないことがあると思います。
「建築家に頼むと高くなる」は本当か?
「同じ予算なら、建築家に依頼しての家づくりが、他の建て方より良い住宅になる」
工事費の予算が2000万円だとすると、その大切な2000万円をどう使うかを、建築家はあなた方とともに、知恵を絞って考えます。
建築家との家づくりには、標準仕様、規格プランはありません。必要なもの、不要なものを自分たち家族の生活に合わせて取捨選択します。
つまり予算が少ないなら、工法を工夫したり、安くても良い材料をさがしたりします。またコストをかけるべき部分は充実させるといった具合に、予算を我が家独自の割り振りにすることができます。
これが出来合いの建売住宅や、メーカーの規格プランだと、アレンジできるとはいっても、メーカー契約の商品や材料しか選べない、メーカーの工法しか建てれない等大幅な変更はできないか、かえって変更するとコストアップなってしまいます。
建築家がつくる住宅は、、建て主さんのご希望を伺いながら図面を作成し、施工する建設会社数社から見積をしてもらい、適正価格で工事してくれるように調整します。建築家は提示された見積書に落ちはないか?数量は適切か?単価は高くないか?などなどチェックします。
建築家とつくりあげる完全なオリジナル住宅のほうが、同じコストで満足度とクオリティの高いものができると私たち建築家は自信を持って言えます。
建築家と組むのがベストな理由
家を建てるなら、良心的で優秀な建築家と組むのがベストではないでしょうか。建築家は、社会における建築の意義を勉強し、「人間にとって豊かな空間とは何か」常に考えて仕事をし、提案やアイデアから住宅のカタチ(形)にします。
それに比較すると、サラリーマンとして住宅メーカーや建設会社に勤めている設計士さんは、住まいの提案やアイデアを提示するというより、ユーザーと同じ視点や会社の発想のみで設計するように思います。ともすれば、彼らにとっての関心事は「いかに自社に効率よく成績を上げるか」「利益を確保するか」「自社の商品を組み合わせるか」などなど、精神的にも豊かで、「建て主ごとにかたちが違う、たった一つの空間や工法を提供する」ことではできないからです。
良心的で優秀な建築家は、家族ごとに全く違うニーズと夢をもつ住宅を「かたち」にし建築的にも魅力ある住宅を設計します。こうした点では、工務店や住宅メーカーの設計士や営業マンも、優秀な建築家にはかなわないと思います。また、建築家は工事もきちんと行われているかを専門家として監理します。
また身体に優しいエコ住宅を希望する場合、こうした知識や経験のある建築家を選べば、建て主と一緒に健康素材などを徹底的に探し、家族の健康にやさしい住宅が実現できます。
住宅のリフォームで建築家に設計・監理を頼むメリットってあるの?
建築設計事務所に設計や監理を依頼すると、当然ながらその分の設計監理料が必要です。
リフォームの場合、新築一戸建てで建設費用の8〜12%程度の設計監理料がかかりますが、一般的には、リフォーム工事でもこれと同程度の設計監理料がかかります。
意味のない出費であるように考える人もいらっしゃいますが、時には新築よりも難しいリフォーム工事です。現在お住まいの住宅を調査・検証し、ご希望にあわせたリフォームの設計を行います。
図面が完成すると、建設会社数社から見積りを徴集し、使用材料の数量や提示金額を査定し、適正価格にて建設会社と工事契約できるようアドバイスをします。何社か工事見積りを取ると、拾出しの数量を多く見ていたり、単価を高く設定していたり、工事内容の勘違いによる過剰見積りなどが分かります。
数社見積りすると、通常1―2割の工事金額の差がでます。時には3割も差が出ることもあります。
もちろん、依頼する建設会社を決めるときは、単に安い金額だけでなく、工事を行なう会社をご案内し、会社の実績や得意工事を聞いてもらい、会社の雰囲気や、担当者の人柄に触れて相談して決めます。
各工事の工程では、適切に工事が行われているか監理します。大切な住まいのため、こうした、建築家の業務の重要性をご理解していただければと思います。