1997 W造2階 | ||
1階床面積 | - | |
2階床面積 | - | |
改修面積 | 97.92u |
平成12年度 岡山市まちづくり賞「まちなみ部門」受賞
以前 ご自宅を設計監理させていただいた縁で、古くなったお店の建替えました。
ご希望は、店舗部分の建替えと、住宅として新たに家族が触れ合うスペースを一部に設けることでした。何案かCGで外観案を制作しその中から、アール屋根のあるお店ができました。
<歴史と立地>
岡山城築城400年事業の一環としてオープンした「おかやま備前焼工房」は、岡山の観光地として有名な、旭川に接する後楽園の橋の袂との岡山市出石町にあります。出石町は、古くは岡山藩の城下町として発展し、明治・大正期には後楽園への観光や近隣の交通の拠点の商業地として栄えた。出石町はそうした城下町や大正ロマンの面影を残す数少ない街ですが、近年では交通ルートの変化や商業の衰退により、空地も点在し、古き良き街の姿を変貌させてます。
<目的>
街並みを形成している旧商家を改修し、「備前焼」を気軽に楽しめるギャラリーと土ひねりの工房として計画されました。、後楽園を訪れる観光客の市街地への流動や回遊性を高めるため、経路のポイント的建築であるとともに、出石地域のまちづくりの活性化をめざして整備されました。
<建築創造の継続性―再生>
旧商家の記憶の保存、過去と現在の混在、建築創造の継続性をめざし、ギャラリーは伝統的和風とモダンデザインの融合をはかっています。設計前に実測調査を行い、旧店舗の石框や大梁、ケヤキの大黒柱など生かした内部空間として設計しています。ギャラリー内にはスロープを設け、施設内で車イスの利用を可能にすると共に、備前焼を見ながら回遊するアプローチとして、手狭なギャラリーの中に車いす用スロープを設けています。床には備前の土で制作した特注タイルを使用しています。人の手の温かみの伝わるタイルを味わってみてください。道路面開口部は閉館後は透かしの木製格子を建て込み、この格子を通して、ほのかな明かりが町並みを照らすように配慮しています。
<活性化>
長期にわたり人々の記憶から消えていた商家は、工事が進むにつれて生気を回復し、建築がよみがえり、「おかやま備前焼工房」として再生されました。私たちは将来に向けて、出石町の再生への起爆剤となり地域の活性化につながることを期待しています。