この住宅は古い町並みの残る駅脇に建つため、1階の外壁は焼杉板、2階は漆喰を塗った切妻の伝統的な風情のある和風住宅です。延床面積 は88.6u(約27坪)とこじんまりとした若いご夫婦の住宅です。

Mo邸2009 木造2階建て
1階床面積 51.34u 2階床面積 37.26u
延床面積 88.60u(26.80坪) 地図 新月の木の家
図面平面図1, 平面図2

小屋裏から1階キッチンを見る 新月伐採は先人の知恵

建設工事は、岡山県新見市で自社の所有する森林の木で「新月伐採」にこだわり取り組んでいる、田枝建設さんに依頼しました。 柱・梁材と床フローリング 他造作材のほとんどを岡山県産材を使った「岡山の木の家」。 柱は田枝建設さんのグループの創山林業さんが、先代から丹精こめて植栽、伐採、育林をしている新見の山の木です。田枝さんのグループは秋から冬の間の新月の時期に伐採する「新月伐採」を手がけています。
新月伐採の木は、自然のリズムを大切にしてきた先人のすばらしい知恵で、木材が腐りにくい、強いと言われています。また、新月に伐採された木は、枝が付いたまま桧の場合3ヶ月間山に寝かして乾燥(葉枯し乾燥)しています。こうすると木の色合いも良い木になります。伐採後1年間倉庫で天然させて製材します。伐採した森は将来のために植林行ない新見の山の環境を守っています。

天然乾燥材は環境に優しい

梁材は久米南町の山渋製材所さんの天然乾燥にこだわった松材を採用。松専門の製材所は全国でもめずらしいが、岡山県北はかつて松の森がたくさんあったため、今でも岡山県北には高い技術力のある松専門の製材所数社があります。
天然乾燥の木は色艶も良いです。柱と梁材の構造フレームは4寸(12cm)と骨太の「生粋の岡山っ子の木」を使いました。
天然乾燥材は製造時の使用エネルギーが少なく環境に優しい。
岡山県では県産の木を一定以上住宅に使うと補助金が出る制度があり、この住宅も平成20年度の補助を利用しています。

食物の「地産地消」はよく知られていますが、身近な環境にとって建物も「地産地使」(地域で生産している材を地域で使う)のがおすすめです。 この住宅では木材以外の材料も、自然素材を生かし健康的なエコ住宅をめざしています。

工事の様子はこちらのブログをご覧下さい

ダイニングから和室を見るダイニングとキッチン、シンプルなステンレスの流し、床は温水式床暖房設置2階吹抜と小屋裏、手摺代わりの本棚小屋裏の座卓