頭の良い子が育つ家

建築の専門誌の日経アーキテクチャー200611−13 号で「頭の良い子が育つ家」展示場で人気 という記事がでていました。最近テレビでも放映されたようで、ちょっとした話題になっているようで、賛否両論ネット上でも書き込みが多いようです。

慶応義塾大学SFC研究室が、有名私立中学合格者の200軒ばかりの自宅を調査した結果、「子供室が閉鎖的でなく、吹き抜けがあるなど、家族の気配が感じられる、開放的である」住宅の間取りが良いようです。

日経の記事によると、「引戸やガラス窓を多用し、空間を開放的にする」「開放的にすると、親の情報や知識が子供に伝わりやすい」「子供室は文具などがある拠点にし、リビングやダイニングで家族と触れて勉強すると、五感が発達し、情報発信する訓練ができる」「住宅の空間は、落ち着いたアルコーブ(たまり)を設けると、子供の暮らしに刺激が生まれる」など紹介されている。

埼玉の大野建設では、この調査結果にもとづき今年9月にモデルハウスを完成。来客数が5−6倍と人気を得ているようだ。ある大手商社は最近では「頭の良くなる家」マンションも建設中とあります。

私の設計する多くの住宅には、リビングやダイニングの様子を、住宅のどこからでも感じられるようリビングに吹抜を設けています。また吹抜の2階の周りには子供室を配置し小窓をつけることもあります。小さなお子さんの子供部屋の様子を、キッチンやダイニングから少し分かるように小窓を付けます。「頭の良い子が育つ」を意識しているわけでないのですが、似たプランが多いです。

リビングやダイニングに家事机兼子供やお父さんや、皆の共有の机を設けることもあります。多くの住宅ではパソコンもリビングに置いています。机の前には、家族の情報や子供の絵や学校のお知らせ等を貼れるピンナップボードを造ります。

階段をあがった2階には、廊下を少し広くして兄弟で使える広い机を設けることもあります。ここは吹抜に面して家族の気配を感じることができます。最近は多くの住宅に床暖房を採用するので、こうした空間も快適になりました。天井には空気を攪拌する扇風機をつけているので、住まれた方の感想は、冬場も温かいとのことです。最近の住宅は断熱性も良くなっているので、夏場でも普通のエアコンで充分とのことです。南北に窓を配置し、開閉できる天窓を設けることにより、暑いときは一気に通風できます。



家族が一番集まるダイニングには、私が設計した、広い無垢の板の食卓テーブルを置くことが多いです。こうしたテーブルを置いて見学会をすると、住宅依頼時にはテーブルの制作も頼まれることが多いです。今は亡くなられた、かの有名な住宅建築家 宮脇檀は、「子供が非行に走らないようにするには、ダイニングに大きな立派なテーブルを置くことです」と言ったそうです。そんなテーブルを置くと、おのずと皆がそこに集まってきて、団欒が生まれるようです。



残念ながら、私が設計した住宅にお住まいのお子さんの成績はお聞きしたことはありませんが、ご家族皆仲が良い方が多いです。

私の家では やはりダイニングに卓球ができるぐらいの、大きな食卓テーブルを置いています。そのため、置くスペースがないのでソファーはありません。椅子はすこし広めでゆったりした物を使っています。今は、某国立大学 医学科に入学した長男は、小中学校までこの広いテーブルで勉強していました。個室で勉強するようになったのは、高校に入ってからです。

食卓テーブルで勉強する習慣が付くと、学校から帰ってすぐに宿題ができます。また、妻が料理中も様子が分かり、学校のことなどの話も聞けます。勉強中は、妻はできる限りテーブルの向かいに座り、付き合っていることが多いです。私の難点は、リビングが子供に占領され、テレビを大きな音で見れないことです。

長男は高校は無事、本人が希望した進学校に入学できましたが、その学校には東京大学を現役合格した友人は、センター試験で習ってない教科を1週間学校帰りに本屋で立ち読みして、その教科も受験し高得点を取ってしまう「本当に頭の良い子」がいました。こうした天才肌の子供は、住宅の間取りや勉強場所に関係なく、頭脳の構造が違うのでしょう。

私の体験では、小中学生まで家族の身近で勉強させた方が良いようです。今は、中学3年生の妹がリビングのコタツを占領し、廻りはいつも教科書や参考書などが散乱しています。子供部屋の勉強机は、部屋の真中に置き対面して座れるようになっています。小さいときからの習慣で、妻が座って相手しているようですが、子供も嫌がる様子はないようです。が、日常生活では適度に生意気に反抗もあります。