住宅雑誌の見出しから見る−住宅のトレンド−色
KEN−Platz 建築・住宅メール 2008年3月10日号 最近の住宅雑誌の見出しが語る住宅のデザイントレンドより
素材感重視の傾向が色の志向にも影響? 以下記事の概要です
床や壁、天井が真っ白な住宅は、一般向け住宅誌でよく見かける事例と言えるだろう。こうした傾向は、各誌の記事見出しでも顕著に表れている。
色に関する言葉では「白」が32件を数え、全体60件の過半数を占めた。やはり、建て主もつくり手も白が大好きなのだろう。次に多いのは「黒・墨」(9件)。白や黒に「グレー」(2件)や「無彩色」(2件)といった色を含めて、モノトーン系統としてまとめると、それらの合計は45件と全体の7割強に達した。
欧米の住宅では仕上げに塗装を用いることが多いが、日本では木材だけでなく、たとえば打ち放しのコンクリートのように、素材をそのまま見せる手法が建て主に好まれる。つまり日本の場合は元々、色をデザインの主役する意識が高くはない。そのため、色といってもモノトーン系に落ち着くと言えないだろうか。
他方、有彩色を表す単語を集めてみると、「緑系」(5件)、「青系」(3件)、「赤系」(4件)、「ベージュ・ナチュラルカラー」(2件)、「黄色系」(1件)と、特段の傾向は見てとれなかった。
住宅デザインの「テイスト」、「様式」、「素材」、「色」の項目で建て主向け住宅誌の記事を分析してきたが、それぞれの項目で1位の言葉を組み合わせると、「木の生かした白いモダンな和空間」となる。妙に説得力のある表現で、特に印象深いのは“中庸”な志向が色濃いことだ。「モダン」といっても、コンクリートや金属の質感を前面に出した冷たい印象の空間ではない。「木」といっても質実一辺倒のカントリー調とは違うし、「和」であっても伝統的なスタイルとは異なる。突出した個性があるわけではなく、程良いシンプルさを求めている。
今の色の流行は、白また黒の単色 または 白と黒の2色のカラー
よく見かける最近の住宅の外観 もこうした色が多いですね。