雨漏り

建築専門の日経BPホームページから「雨漏り」特集記事を見る。

近年は地球温暖化の影響か、台風の時は熱帯地域のように思わぬ暴風雨が来る。どうも最近の日本は、亜熱帯地域の気候に変化したように思う。
記事によると「最近の木造住宅は高気密・高断熱化など、住宅の構造が大きく変化してきた。他方、いったん構造体の内部に雨水が浸入したら、かつてよりも乾きにくく、構造体の腐食やシロアリの発生といった深刻な二次被害につながりやすい」
最近は、側面からの雨漏りが増えた背景には、いくつかの理由がある。デザインを優先した結果、雨仕舞いへの配慮が十分でない住宅が増えてきた。

たとえば、屋根の軒を十分に出さない住宅いわゆるデザイナーズ住宅をはじめ、敷地の境界ぎりぎりまで建てた狭小住宅などでも見かける。雨がかりする個所が増えれば、雨漏りのリスクも高まる」とのこと。

他、日経BPホームページからも「雨漏り」記事を見る。
 東海大学情報デザイン工学部の石川廣三教授は2004年、軒の出と住宅側面の雨がかりとの関係を調べる実験を行った。実験では、切り妻タイプと陸屋根タイプの住宅モデルを設定。気象データを基に外壁の年間の雨がかり量をコンピュータで試算。建物の形状によるが「軒の出が15cm長くなるごとに、壁の流下水量が約25%減少する」という傾向が共通している。

また、住宅保証機構がまとめた保証事故の統計から、「壁の雨漏り」が急激に増えてきているそうだ。「壁」の例にバルコニーや開口部周辺などからの雨漏りも含んでいる。2006年度の保証事故で雨漏りの事例は合計で543件。このうち「屋根の雨漏り」は81件で、「壁の雨漏り」は462件と屋根の5倍以上もあった。ここ10年間の推移でも「壁の雨漏り」が屋根の例を大幅に超える勢いで増えている。

少しでも軒があると、雨漏りのリスクが少なくなる。

最近はやりのBOXタイプのデザインの住宅を設計するには勇気がいる。
建築家の格言に「建築家が歳を取ると軒の出が長くなる」があります。私もかつては軒のない住宅をデザインもしていましたが、最近はできる限り少しでも軒を付けています。
住宅の雨漏りのリスクを避けるため、箱型デザインや陸屋根の住宅設計は避けています。
外壁からの濾水を防ぐには外壁通気工法を採用し、防湿シートを二重張りにし、サッシュ周りの施工を厳重にすることが肝要。木部が壁に入り込む可能性のある個所は、下地から何重も防水対策が望ましい。