(since 1998/5)(更新 2010/12/02)

TNO:情報処理試験 受験ガイド[勉強方法]

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情報処理技術者試験の勉強方法。
©Copyright 1998-2006,2008-2010 小野智章(小野情報設計)
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勉強方法

試験問題の解き方については、「解き方」ページを参照してください。

勉強方針
最終合否は午前と午後、それぞれでの判定によります。 つまり、午前のみでの不合格判定もあり、 午後の解答も午前60%以上の基礎知識が無いと困難です。 一方、午後は午前に比べて、 得意な問題が出るかどうかによる得点差が大きく、 合否が不確実です。
従って、まずは午前60%以上を目指しましょう。 それが出来てから、午前80%以上、午後75%を目標に、勉強しましょう。

ただし、基本情報(旧2種)については、 アルゴリズムの勉強を 早めに始めた方が良いでしょう。 プログラムの問題はアルゴリズムを知っている方が解き易いですから、 数多くのアルゴリズムに触れておきましょう。 又、言語毎に特有の頻出アルゴリズムがあるので、対策を取りましょう。 もちろん、 プログラミング言語の習得も 早めの方が良いです。

どこから手を付けようかという場合は、 「50%程度取れる問題」を優先させましょう。 (「50%程度」がなければ、「50%に最も近い」と考えてください。) 良く分かっている問題や全く分からない問題より、効率が良いです。
勿論、後で他の問題にも手を付けましょう。 学習が進むにつれて「50%取れる問題」が変って来る筈ですから、 学習範囲もそれに合せて広げてください。

午前・午後のバランス
最終合否は午前と午後、それぞれでの判定によります。
午前・午後の学習のバランスは、 次の比率を目標に学習を進めましょう。
(100−午前の%):(100−午後の%)=2:3
∴午後の得点=1.5午前の%−50
勿論、%の少ない方をUpする様に、学習の比重を傾けるということです。

電卓使用禁止の影響
計算式を選択する形式の出題が予想されます。 計算式を意味のレベルで理解する必要がありそうです。
約分し易い等の簡単な計算も出題されますが、 面倒な計算も残っています。 電卓無しでの、筆算の練習もしておきましょう。

基本情報(旧2種)のプログラム言語
言語選択については、 「受験ガイド-基本情報[データ]」をご覧ください。
情報セキュリティ・プロフェッショナル試験(SC)では、 PERLのプログラムを見る問題が出題されています。 その前身のTEの情報セキュリティでも、 PERLの問題が出題されていました。
ある機能を各言語で実現すための基本的パターンは、憶えた方が良いです。 (特にCでは、「Σ」を使った公式、計算式は、 式を見れば直ぐプログラム化出来る様にしておきましょう。) この問題ではこういうパターンを使う筈だ、ということが判れば、 先が見えて来ます。
言語だけでなく、アルゴリズム(フローチャート)の勉強も忘れずに。 アルゴリズム(フローチャート)の勉強には、 他言語のフローだけでもチェックしておくと良いです。

計画
学習計画は立てておきましょう。 進度のチェック・リストや達成度のグラフを作ると、 達成感が出て意欲が増します。

学習方法
午前の問題については、 2〜3年周期くらいで、1〜3割の問題が反復出題される様です。 (6年ぐらい前の問題が、突然再出題されることもあります。) 良く似た問題が、多少内容を変更して出題されることは多いです。
午後については、他の試験と異なり、 全く同じ問題が反復して出題されることは、 まずありません。 (類似問題はある。) 従って、個々の問題を解けることよりも、 問題毎に何故そうなるのかを理解することが重要です。
又、業務に必要な能力を問う資格試験と異なり、 常識で解ける啓蒙を目的とした問題も多いです。 この種の問題では社会的要請や模範的態度を要求するので、 情報関係の、 新聞での社会的問題や白書もののテーマをチェックしましょう。 専門雑誌などを読むのも有効です。

ある分野・項目について学習した直後に、 理解していることをその範囲内の練習問題で確認してください。 間違った問題について勉強し直した時も同様に、 その問題を本当に解き直してください。
学習直後、1週間以内(出来れば翌日)、1月後、 試験直前の各時点で解き直すのが、 反復効果があります。
人間の記憶には、短期記憶と長期記憶があることが判っています。 短期記憶は直ぐに忘れますが、 憶えた直後と翌日に反復すると長期記憶に変換されます。 特に寝る直前と起きた直後の組合せが最強です。

参考書
理解出来る難易度で、 かつ未修得の物事の解説が 書かれているものが良いです。 実際に内容を見て、自分のその時点の能力に合ったものを買いましょう。
難易度の高い参考書では、理解出来ず、読み続けることも困難です。 かと言って、易し過ぎて知っていることばかり載っているものでは、 学習になりません。

1冊で全分野を網羅した参考書は全体の出題傾向は分かりますが、 それだけでは、詳細が不十分な物が多いです。 1冊で全分野を網羅してていても、 専門学校等で1学期以上掛けて学習する教科書なら、 (高度以外の受験区分では)利用可能でしょう。 既に知識が十分にあって傾向さえ判れば良いという人以外は、 しっかりした教科書や分野毎の詳細が判る分野別参考書が、良いでしょう。 又、過去問をやるなどして自分の弱点が判っている場合も、 その分野の分野別参考書が良いでしょう。
初心者は、基礎から体系的に学べるものが良いです。 一通り基礎を学んだ後、 もう一段上の参考書や試験対策の参考書に進むと、 とっつき易いでしょう。 1冊で全分野を網羅した教科書や参考書で概要を学習した後、 高度なものに進む方法もあります。
実務バリバリの人も、 専門学校や大学の情報の専門課程で学んだことが無い様であれば、 参考書で体系的な学習をやっておいた方が良いと思います。 実務では直接は必要無い基本知識が、 すっぽりと抜け落ちていることも良くありますから。

この他、本の奥付けも見て見ましょう。 何度も改訂、重版されているものは、 人気があり、修正や時代変化への対応も行われていそうです。 (古い版がそのままと言う場合、時代遅れかもしれません。) 当該分野で十分実績がある著者も、良さそうです。

地方で、本屋に参考書が余り置かれていない場合は、 インターネットでの購入という手もあります。 キャンペーン、送料等の条件は変化することがあるので、 各サイトで確認してください。 (送金手数料にも注意。)
使い終わった本を売るなら、ブックオフ。 (雑誌は受付けない様です。 又、盗品故買防止のため、売却者の登録が必要です。 その他詳細は、リンクで。)
ブックオフ ==>

使えるかどうか判りませんが、 送金手数料の安いインターネット銀行を紹介しておきます。

問題集
問題の解説文については、参考書と同じです。
過去問については、 問題と解答のみなら試験センターのサイトで無料で閲覧出来ますが、 解説があった方が良いでしょう。

6年ぐらい前のものが再出題されることも時々ありますが、 直前3回分からの反復出題が多目です。 (最近、古い問題を時代に合わせて改訂した再出題が目立ちます。) 初めて受験の方は、過去数回分の実際の問題が載ったものを選びましょ う。 参考書で過去1回分が載ったものもありますが、不十分です。 最低でも3回、出来れば5回分以上欲しいものです。

どちらかと言うと、 著者や監修に個人名の出ているものの方が、 「研究会」などより良い様な気がします。 研究会では各問題の解答や解説を誰が作成しているか判らず、 責任も曖昧です。 苦手な分野の問題を分担させられたらしく、 頓珍漢な解説や解答も見受けられます。 問題中の用語を、同じ語句となる別の分野の語と誤解した解説も、 時々見かけます。 又、担当者が違うのか、 ある問題ではまともな解説をしているのに、 別のほぼ同じ問題ではチグハグだったりもします。 まあ、総体的には正しく解答・解説している問題が殆どなのですが。

インターネットで提供されているものを、 解説は付いていないことが多いですが、 リンク集等から間接的に辿ることも出来ます。 区分別「受験ガイド」の過去問のリンクを参考にしてください。
ソフトウェア開発-データ
基本情報-データ
初級シスアド-データ
小野情報設計では、無料の練習問題の提供を行っています。 後述の「学習進度」の項目を見てください。

辞書
初心者は、情報処理用語の辞書が必須です。
用語が判らないために問題が解けない、ということが無いなら、 辞書は無くても可です。 が、普通はあった方が良いでしょう。
用語の解説文については、参考書と同じです。 学会などから広い分野の専門家を集めて作成したものが、 良いでしょう。
学研の「合格情報処理」の付録の辞書も、 試験に合せて毎年改訂されている様で、中々良かったです。 年間数回、分野を変えて付録になっていました。(現状未確認)
購入/選定時期は、参考書が1/3〜1/2くらい進んで、 辞書の解説文をある程度理解出来る様になった頃が良いと思います。

最近では、インターネットで辞書や用語検索が利用出来る様になっています。
  検索窓を集めてみました。 ==>
辞書集

JIS規格の確認が必要な場合、閲覧可能な政府サイトがあります。
  JIS規格 ==>
JISC(日本工業標準調査会)
印刷・保存が出来ないPDFが表示されます。 JIS規格番号を入力して、検索します。

通信教育/学校
一人で勉強していると途中放棄しそうになったり、 煮詰まってしまいそうな場合には、 情報処理試験対策の通信教育/通学講座/学校も良いかもしれません。 学習に使える時間や資金次第ですが。

体系づけられたコースや内容の進展に付いて行くという、 学習の手近な目標が出来ます。 周りの受講者からも刺激を受けます。 又、コストを掛けたのに勿体無いと、学習する意志が働きます。 長く対策講座を開いている所は、ノウハウを持っていることも大きいです。
仕事の都合などで時間が不規則な場合は、 それに対応出来る講座を選びましょう。 通信教育の方が調整し易いですが、 意志が弱いと「何時でも良い」と滞りがちになるかもしれません。

通信教育/学校の利点には、 相談や質問が出来ることや、 書籍より速くリアルタイムの情報が手に入る場合もあることです。 インターネットで、 解答速報を出している所もあります。 インターネットを使って、 受講者を支援している所もあります。
教育訓練給付金制度により、実質の受講料が安くなる所も多数あります。
尚、内容や実施期間等の条件は変化することがあるので、 各ページで確認してください。 通常期には無くても、受験申込時期などに開設されることがあります。 又、個々の講座が、新設・休止・廃止になっている場合もあります。 (試験日のほぼ半年前開始、試験直前終了の場合が多いです。短期集中も。)

学習進度
まずは過去問題1回分を時間無制限で解いてみて、 自己採点で何点取れるか確かめて下さい。 解けなかった問題は、記録しておきましょう。

午前50%未満の人は、 全分野の理解が不十分です。 全分野をカバーする参考書で系統的に学習して行って下さい。
午前50%以上の人は、 弱点分野を確認して、参考書で強化して下さい。
その後は、試験直前まで定期的に残りの過去問を解き、 得点が目標に達しているか、合格圏まで順調に伸びているか、 学習進度を確認して行きましょう。

午前50%以上の人は、時間制限を本番と同じにして見ましょう。 制限時間内に解けなかった問題は、 採点前に時間無制限で解けるか確認を。 制限時間内の得点、時間無制限の得点を、別々に採点してみましょう。
既に過去問をやってしまった人は、 前述の小野情報設計の有料サービスか、 「TNO:問題発行所」を 利用して見てください。 ただし、旧区分です。
(1種=応用情報相当,2種=基本情報相当,初級シスアド=ITパスポート相当)
  ==>
問題発行所(ゲスト用)
  ==>
ユーザ登録用/登録ユーザ用メニュー
過去問と類似していますが、一応独自問題になっています。 ユーザ登録して30問程度解いた時点の累積得点で、 実力診断が出来るはずです。 難易度を少し上げているので、 時間制限をするとすれば30問当たり1時間〜1時間半程度でしょうか。 尚、登録ユーザで30問以上解く時は、 同一ではないですが同傾向の問題が反復されるので、 採点は実力より甘めに出てきます。

正解出来なかった問題
過去問や問題集の問題で、 解けなかった問題は記録しておきましょう。 正解出来なかった問題は、 時間が掛かっても良いですから、 解ける様にして置きましょう。 (そのためにも問題集は「解説の内容が理解出来る」ものを 選んでおきましょう。)
次々と別の問題をやっていっても、 解けない問題を放置すれば得点向上は望めません。 ミスした問題と同種の問題が出題されると、 またミスすることになります。 又、解ける問題と同種の問題が、 合格可能な配点分 出題されるとは限りません。

と言うわけで、 一度の受験で確実に合格を狙うなら、 過去問については90%以上を目指した方が良いでしょう。 とは言うものの、得点が50%以下の人は、 やる量が多すぎて手が付かないかもしれません。 その場合は、もうちょっとで正解出来そうな問題や、 各問題毎の配点の50%以上取れる問題を、 優先させましょう。 どうせ、70%採れたら合格ラインですから。

一通り過去問や問題集を修了させた後も、 ミスした問題だけをもう一度解いていけば 効率良く学習進度を把握出来ます。 (もちろん、又正解出来なければ、更に上と同様の対策を。) 出来れば、既にやったことのある、 ミスした問題と全く同じではなく、 多少とも異なる同種の別の問題をやるのがベストですが。

ラスト・スパート
受験直前の1週間は、あれこれ手を付けず、 1週間で出来ることだけに集中しましょう。
最後の仕上げは、暗記物が良いでしょう。 暗記物は、暇な時にチラチラと眺めておくだけでも、 潜在記憶の効果が多少は期待出来ます。

午前における、1種、2種、初級シスアドの共通部分
新区分のデータは作っていませんので、旧区分で判断してください。
(1種=応用情報相当,2種=基本情報相当,初級シスアド=ITパスポート相当)
分類 区分
1種2種初級シスアド
共通部分1種−−約3割約1割
2種約3割−−約3割
初級シスアド約1割約3割−−
反復率約1割約3割約2割
(問題パターン作成のための、TNOの調査・分析による)
比率は、問題の内容・出題意図が似通っているもの、 解答に共通の知識が必要なものについてです。 難易度や実際の問題は異なる場合もある、と考えてください。
新たな種別に挑戦する時の、 新規に習得する必要のある知識の分量の目安としてください。 ただし、前提となる基本的な共通の基礎知識は比率に含みません。
最近の分析によって改訂する予定です。

質問・ご意見等、お待ちしております。
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