マンションの耐震性

2007年1月7日 日曜日の朝日新聞に「旧基準のマンションー耐震診断2割どまり」の記事が一面に出た。これは大地震の際の安全性が懸念される、旧耐震基準(1981年5月以前)で建てられたマンションについて、朝日新聞が県庁所在地や政令指定都市で調べたところ、耐震診断を受けたのは2割である、とのことである。

この2割の数字は、診断を受けた割合で耐震の改修工事をした割合ではない。1981年5月以前に建てられたマンションの多くの建築物は、耐震確認と補強工事は手付かずである。

以前にもこのブログで岡山県での地震の予測について書いたが、われわれ専門家はすでに建っている建築物の耐震性を判断するには、1981年(昭和56年)5月以前に確認申請受けた建築かどうか?を「耐震性があるかどうかの」ひとつの判断基準にする。

81年5月以前の耐震基準は「震度5程度の地震にたえうる」であったが、この年の6月の改正で「震度6強以上でたえうる」と厳しくなった。

今後東南海地震・南海地震が30年以内におこる確率は50〜60%と予想され、この岡山でも県北部震度6強、県中南部5強〜5弱とされている。このことから、1981年(昭和56年)以前に建った建物は耐震性が非常に脆弱と言える。

岡山県においても今後こうしたすでに建っている建物の耐震診断および耐震補強について対策が検討中である。特に、公共的な要素の強い建築物には法律で診断や補強がすすむであろう。

岡山県の建築物の耐震性対策(案)についてはこちら

岡山県より、すでに建っているマンション等の建築物の耐震判断についてはこちら
このページでは、建築物の耐震対策の方向を具体的にフローで書いています。

問い合わせ先 岡山県建築指導課  または
      (社)岡山県建築士事務所協会

このブログの1月6日に書いた、過去5年間の建物耐震再検査による構造不適格マンション問題もさることながら、1981年(昭和56年)以前の建築物の耐震対策もより大きい問題だと思う。

1月7日日曜日の朝日新聞の記事では、2面では、こうしたマンションは築年数が進み住民の高齢化、管理組合の合意の難しさ、構造改修費が高いなどから、改修が進まない実情が紹介されていた。